株主優待ってよく聞くけど、実際なにがお得なの?始めてみたいけど投資は怖いし、どうやって始めればいいか分からない。そんな多くの主婦がお持ちの悩みに対して、初心者でも分かりやすく丁寧に解説していきます。これを読めばすぐにでも株主優待にチャレンジしたくなるはずです!
監修者
谷川 昌平
フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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株主優待制度とは?
株主優待という言葉を皆さんも聞いたことがあるでしょう。
企業によっては自分たちの株を買ってくれた株主に対して、さまざまな物やサービスをプレゼントしている企業があります。
この企業から株主にプレゼントされる特典を株主優待と呼んでいます。
株主優待のメリットとデメリット
メリット
株主優待がない株では、保有によって得られる利益は配当金のみです。
しかし、株主優待がある株式では配当金以外にも優待特典を受けられるため、トータルで見た際の利回りが高くなりやすい傾向があります。
株主優待では、その企業ならではの特典をいくつも受けられます。
たとえばホテル銘柄の株主優待では、お気に入りのホテルに大幅割引の値段で宿泊できるなど満足度が高い特典が受けられます。
株主優待はあくまで株主への利益還元のひとつなので、企業が利益を上げられているというのが前提になります。
そのため、もし企業の業績が悪化するなどで還元できる利益がなくなってしまえば、株主優待が急に打ち切られてしまう可能性もあります。
未来永劫約束されたものではないことは頭の片隅において、銘柄選びを行いましょう。
- 優待に目が行き、冷静な投資判断ができない可能性がある
株を購入すれば、当然株価が変動することを意味します。
企業が思うように利益を上げられなければ、株価が下がってしまうかもしれません。
もし一般的な株式投資であれば、株価下落リスクがあるならばすぐに売却を検討すると思いますが、株主優待があると手放しづらいと感じる人が多いようです。
株価がずるずると下がっているにもかかわらず、株主優待が受けられるからと株をホールドしつづけて、結果大きな損をしてしまうことは避けなければなりません。
株主優待の始め方
証券口座を開設する
株主優待を受けるには、まずは株を購入しなくてはいけませんよね。
そして、そのためには証券会社に証券口座を開設する必要があります。
現在はネットでも口座開設ができるため、主婦でも簡単に株取引を行うことが可能です。
口座開設をしたら次はお目当ての株主優待探しです。
自分の好みや目的に合った株主優待を企業ホームページや関連雑誌、ネットなどから見つけましょう。
購入したい企業の株が決まったら、いよいよ購入です。
株主優待を受けるためには、企業の定めた期限までに株を買っておく必要があります。
株主優待を受けるための購入期限のことを「権利付最終日」といい、優待をもらう権利が確定する日を「権利確定日」と言います。
通常、権利付最終日は権利確定日の2営業日前とされており、これを逃すとその回の株主優待を受けることはできません。
たとえば、2022年8月末が権利確定日の場合では、その2営業日前である8/29までに株の購入が完了すればよいことになります。
ここで注意すべき点は、土日や祝日のカウントです。権利付最終日は、営業日ベースでカウントされるため、あいだに土日を挟んでいるケースなどでは日付が前倒しになる場合があります。
たとえば2022年10月末が権利確定日のケースを想定すると、権利付最終日は10/27と8月よりも早まっているのが分かると思います。
スケジュールの間違いで優待を受けられない事態を避けるために、いつが権利付最終日なのかは正確に把握するようにしてください。
しっかりと優待を受ける条件を満たしていれば、あとは優待が到着するのを待つだけです。
通常、株主優待が確定してからサービスを受けられるまでには2~3か月のタイムラグがあります。
詳しくは企業のホームページなどで確認できますが、すぐに優待が受けられるわけではないと理解しておきましょう。
株主優待の注意すべき点
ここでは株主優待を受けるうえで特に注意しておいた方が良い点を3つご紹介します。
取引の仕方でもお話ししたように、購入の際は必ず権利確定日と権利付最終日を把握しておきましょう。せっかく買ったのに優待を受けられないなんてことにならないように、ここは慎重に確認を行ってください。
株主優待の内容は保有期間と株数によって変わってくる企業がほとんどです。
お目当ての優待を受けるには、最低でもどれぐらいの保有期間と株数が必要なのかしっかりと把握しておきましょう。
株主優待は株を持つうえでの大きな特典ではありますが、株価自体が大きく下がってしまっては元も子もありません。
購入する際には優待の内容だけに着目するのではなく、その企業の今後に問題がないかもしっかりと判断したうえで購入することを心がけてください。
おすすめの株主優待
それでは次にこれから株主優待を受けたい方向けに
8月のおすすめ銘柄や主婦おすすめの銘柄をご紹介していきたいと思います。
8月のおすすめ銘柄
イオン
最初にご紹介するのは「イオン」「マックスバリュー」「まいばすけっと」などを展開するイオンです。
イオンの優待は系列スーパーの割引が受けられるなど、物価高が気になる今だからこそ受けたい優待と言えます。
具体的には、8月末に100株保有の場合、発行された「株主優待カード」を提示すれば半年間の購入総額の3%が後日キャッシュバックとなります。普段からイオン系列を利用している人にとっては大きな特典になるはずです。
続いてはビックカメラです。
8月末に100株保有で買物券1,000円分がもらえます。1年以上の保有ならばさらに1,000円分、2年以上の保有でプラス2,000円分の買い物券がもらえるなど、長期で保有するほどにお得な優待が受けられます。
皆さんおなじみの牛丼チェーン吉野家ですが、8月末で100株保有していれば2,000円分の食事券がもらえます。
さらに200株保有すれば、年に2回5,000円分の食事券がもらえるので、ヘビーユーザーにとってはうれしい特典ですね。
コンビニチェーンのミニストップも8月に株主優待があります。
100株以上でソフトクリーム無料券5枚、200株以上でソフトクリーム無料券5枚+コーヒーSサイズ無料券3枚など、ミニストップらしい特典となっています。
主婦におすすめの銘柄
続いては生活用品で特典が受けられるなど、主婦におすすめの銘柄を4つご紹介していきます。
ドレッシングやパスタソースで有名なピエトロは自社製品で使える買物券をプレゼントしています。
100株保有で年1回1,000円分、さらに300株になると5,000円分も買物券がもらえます。さらに100株以上保有で自社製品の通販価格が10%割引というサービスもあります。
大王製紙はティッシュペーパー、トイレットペーパー、子ども用おむつなどを販売する会社です。
株主優待では、100株以上保有で自社製品1,500円相当の日用品詰め合わせがもらえます。さらに保有数が増えれば金額も大きくなっていきますが、優待を受けるには最低でも1年以上の保有が条件になるので注意が必要です。
ご存じのように洗剤やお風呂用品を販売している企業です。100株以上の保有で株数に応じた量の自社製品詰め合わせパックが受け取れます。
何が来るかは開けてみないと分かりませんが、主婦目線での売れ筋商品がメインのようで使いみちに困ってしまうということはなさそうです。
最後は100円ショップを展開しているキャンドゥです。
彼らの株主優待は、全国の店舗で使える商品券です。100~299株で2,000円相当、300~499株で4,000円相当となっています。
もらえる商品券は100円単位の券になっており、100円ショップならではのプレゼントです。
初めてでも選びやすい銘柄
TOKAIホールディングス
LPガスを代表するエネルギー事業や、インターネット接続サービスやモバイル販売などの情報通信を展開し、静岡を中心に強固な地盤を持つ企業です。
株主優待としては、グループ会社の結婚式場割引券や格安スマホの割引サービスなど5つの特典から好きなものを選択できるようになっています。
エイチ・ツー・オーリテイリング
阪急阪神百貨店やスーパーのイズミヤを傘下に持つ企業。
グループ各店舗で使用できる買物・飲食割引券が5枚と、食品宅配サービス「阪急キッチンエール」の月会費12か月無料優待券がもらえるなど、充実した特典が特徴です。
ベルーナ
ミセス層を中心とした婦人服のカタログ&ネット通販大手のベルーナ。
優待の内容も通販やネット専用クーポン1,000円分など使い勝手の良いものになっています。また系列ホテルの宿泊優待券ももらえるなど、幅広い特典内容になっているのも魅力です。
株主優待を使って楽しみましょう
物価高が心配な近頃ですが、今回ご紹介した企業の多くが生活用品や食事など生活費を補填してくれるような特典が多いです。
株主優待を上手に活用して、食料品の値上げ対策をしたり、頑張った自分へのご褒美にあてたりと、生活に彩りを加えて日常を楽しみましょう!