内容をまとめると
- 「iDeCoの月1万円の積み立ては意味がない」というのは誤解です。短期間では効果を感じにくいかもしれませんが、長期にわたる積み立ては、税制優遇や複利の力を最大限に活かし、老後資金をしっかりと築くことができます。少額でもコツコツ積み立てることが重要です。
- 20年後の資産は利回り3%でシミュレーションした場合、合計金額327.6万円、元本は240万円、運用益は87.6万円、節税効果は65.7万円です。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)は、投資信託などを選んで運用でき、運用益も非課税なので、老後資金を効率よく増やすことが可能です。
- iDeCoの月1万円積立で悩んだらマネーキャリアの「iDeCoの無料相談窓口」に相談!いくらからが効果的なのか無料でシミュレーションし、目標金額のためにいくら積み立てればいいのかがわかります。
監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
iDeCo(イデコ)で月1万円の積立は意味ないって本当?
iDeCoに関する検索をした際に「月1万円の積立では意味がない」といったワードを目にすることがあります。しかし、意味がないかどうかは運用方法によっても変わります。
iDeCoで月1万円の積立は意味がないと言われる理由として、以下が挙げられます。
- 月1万円の積立をしても、節税対策にはならない
- 月1万円の積立で掛金が所得控除の対象になっても、恩恵が少ない
- 月1万円の積立ではリターンが少ない
しかし、iDeCoは小額の積み立てでも、20年を目安とした長期投資によって、大きな節税額やリターンを得られます。
そこで以下では、なぜ意味があると言えるのか、その理由と実際の効果について解説していきます。
掛金が全額所得控除
iDeCoで月1万円の積立は意味があると言える理由の1つ目は「掛金が全額所得控除」となる点です。
所得税や住民税は、「課税所得」に所定の税率をかけて算出します。つまり、課税所得が少なければ少ないほど、納める税金は少なくすむのです。
課税所得の計算式は以下の通りです。
課税所得=給与所得ー所得控除
給与所得から所得控除として掛金を差し引くことで、課税所得が減少します。その結果、納めるべき所得税と住民税の税額が減少するのです。
たとえば、iDeCoに毎月1万円(年間12万円)拠出したとすると、所得税10%、住民税10%とすると年間で2.4万円の税金が軽減されます。
運用益が非課税
iDeCoで月1万円の積立は意味があると言える理由の2つ目は「運用益が非課税」となる点です。
通常、金融商品を運用すると、運用益は20.315%が課税されます。しかし、iDeCoで運用すれば非課税になります。
たとえば、運用で10万円の利益が出た場合、iDeCoに加入していなければ、20,315円を納税しなければならないので、最終的に手に入るのは79,685円です。一方、iDeCoに加入していれば、運用益10万円を全て手に入れられます。
本来ならば、税金として差し引かれた分も投資に回せるため、効果的な投資効果を見込める可能性もあるのです。
運用資金の受取時も控除を受けられる
iDeCoで月1万円の積立は意味があると言える理由の3つ目は「受け取る時も大きな控除を受けられる」点です。
そもそもiDeCoでの運用資産を自身で受け取る際は「所得」として課税対象となります。
運用資産の受取方法は以下の2種類です。
- 年金として分割で受け取る
- 一時金として一括で受け取る
年金として分割で受け取る場合、「公的年金等控除」が適応されます。控除額は、年金受取者の年齢や年金収入の合計から決定します。
一時金として一括で受け取る場合、勤続年数に応じた「退職所得控除」が適応されます。控除額は次の通りです。
勤続年数 | 控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数(計算結果が80万円以下になる場合は80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数ー20年) |
いずれの受け取り方でも税制優遇を受けられる点は変わりません。
長期投資でリターンは大きくなる
iDeCoで月1万円の積立は意味があると言える理由の4つ目は「長期投資でリターンは大きくなる」点です。
「投資額が少ないとリターンも同様に少ないのでは?」と考える方は多いです。しかし、小額投資だとしても、長期投資によって多くのリターンを得られるので、意味があると言えます。
「投資額」に注目すると、「投資額=毎月の投資額×投資期間」なのです。つまり、毎月の投資額が少なくても、投資期間が長ければ、合計した投資額は多くなり、その分リターンも多くなります。
出典=金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」
iDeCoで月1万円を3種類の銘柄で運用すると、いずれの銘柄でも運用収益は5年目に比べて20年目の方が高くなっています。したがって、月1万円の積立でも投資期間を長く確保することで、多くのリターンを得られます。
また、保有期間20年を目安に、長期積立分散投資をした場合、勝率はほぼ100%になることが上記画像からもわかります。月1万円の積立であっても、長期投資をすることで、安定して大きなリターンを得られます。
※シミュレーションは過去のデータに基づいた結果であり、将来の収益を保証するものではありません。
【期間別】iDeCoで月1万円の積立をしたシミュレーション
ここでは、iDeCoに「月1万円で投資することで、どれほどの老後資金を準備できるのか」を以下の条件で、シミュレーションしながら解説します。
- 月1万円を10年間積み立てた場合
- 月1万円を20年間積み立てた場合
- 月1万円を30年間積み立てた場合
※シミュレーションは過去のデータに基づいた結果であり、将来の収益を保証するものではありません。
月1万円を10年間積み立てた場合
iDeCoで月1万円を10年間積み立てた場合を解説します。
年収500万円の55歳会社員が、月1万円×10年間、利回り3%で運用した場合のシミュレーションは以下のとおりです。
元本 (万円) | 運用益 (万円) | 元本+運用益 (万円) | 節税効果 (万円) | |
---|---|---|---|---|
60歳 | 60 | 4.7 | 64.7 | 12.9 |
65歳 | 120 | 19.8 | 139.8 | 24.4 |
65歳時点での老後資金額は139万円、元本は120万円、運用益は19.8万円、節税効果は24.4万円となっています。
iDeCoの資産形成期間としては比較的短い10年間の積立ですが、1万円の積立で十分に資産形成効果があることがわかります。
月1万円を20年間積み立てた場合
iDeCoで月1万円を20年間積み立てた場合を解説します。
年収500万円の45歳会社員が、月1万円×20年間、利回り3%で運用した場合のシミュレーションは以下のとおりです。
元本 (万円) | 運用益 (万円) | 元本+運用益 (万円) | 節税効果 (万円) | |
---|---|---|---|---|
50歳 | 60 | 4.7 | 64.7 | 12.9 |
55歳 | 120 | 19.8 | 139.8 | 24.4 |
60歳 | 180 | 46.8 | 226.8 | 45.4 |
65歳 | 240 | 87.6 | 327.6 | 65.7 |
65歳時点での老後資金額は327.6万円、元本は240万円、運用益は87.6万円、節税効果は65.7万円となっています。
10年間積み立てをした場合と比較して、運用益は4倍以上です。時間を味方につけることが、投資成功のポイントであると言えます。
月1万円を30年間積み立てた場合
iDeCoで月1万円を20年間積み立てた場合を解説します。
年収500万円の35歳会社員が、月1万円×30年間、利回り3%で運用した場合のシミュレーションは以下のとおりです。
元本 (万円) | 運用益 (万円) | 元本+運用益 (万円) | 節税効果 (万円) | |
---|---|---|---|---|
40歳 | 60 | 4.7 | 64.7 | 12.9 |
45歳 | 120 | 19.8 | 139.8 | 24.4 |
50歳 | 180 | 46.8 | 226.8 | 45.5 |
55歳 | 240 | 87.6 | 327.6 | 65.7 |
60歳 | 300 | 144.5 | 444.5 | 89.2 |
65歳 | 360 | 220.0 | 580.0 | 116.5 |
65歳時点での老後資金額は580万円、元本は360万円、運用益は220万円、節税効果は116.5万円となっています。
10年間積み立てをした場合と比較して運用益は11倍以上、20年間積み立てした場合と比較すると運用益は2.5倍以上です。積立期間が長ければ長いほど、多くの運用益が期待できます。
iDeCoで月1万円の積立をする際のポイント
ここからは、iDeCoで月1万円の積立をする際のポイントを解説します。iDeCoに加入するだけで十分に節税効果が期待できますが、可能な限りで利益を最大化させるためにも、ポイントを意識して運用しましょう。
自分の加入区分を確認する
iDeCoで月1万円の積立をする際のポイントの1つ目は「自分の加入区分を確認する」ことです。
iDeCoは、加入者の職業や資格によって月ごとに拠出できる限度額が決まっています。まずは自分の加入区分を確認しましょう。それぞれの加入区分における限度額は次の通りです。
- 第一号被保険者(自営業)…6.8万円
- 第二号被保険者(会社員・公務員)…1.2万円~2.3万円
- 第三号被保険者(専業主婦)…2.3万円
退職金がなく、老後資金を準備する必要性が高い自営業者は、他の職業と比べて限度額が多めに定められています。
ただし、将来受け取りたい額から毎月の掛金を計算しても、掛金の上限額を超えられないので、注意が必要です。
60歳時点での希望貯蓄額を考える
iDeCoで月1万円の積立をする際のポイントの2つ目は「60歳時点での希望貯蓄額を考える」ことです。
60歳の時点でどれぐらいの老後資金を準備したいかを考えてみましょう。ポイントは、iDeCoだけでなく他の金融商品(預金など)と組み合わせて、どれだけiDeCoで資金を準備しておきたいのかを設定することです。
たとえば、20歳の人が、60歳までに預金とiDeCoでそれぞれ1,000万円ずつ、合計2000万円の資金を準備すると仮定します。iDeCoで1,000万円を準備するためには、月額10,800円を年率3%で運用すれば達成可能です。
このように、60歳の時点でどれぐらいの老後資金を準備したいかを考えることで月々の拠出額が明確になります。
現在の積立ペースでの想定貯蓄額を求める
iDeCoで月1万円の積立をする際のポイントの3つ目は「現在の積立ペースでの想定貯蓄額を求める」ことです。
人生にはさまざまなライフイベントがあることに加え、急な出費でお金が必要になることもあります。
そこで、手元にどれだけのキャッシュを残しておきたいかを考えてから掛金の金額を決める方法があります。1か月にどれほど拠出できるかを考えて、老後資金形成の準備を始めましょう。
自身の拠出可能額で運用を続けた場合の最終的な貯蓄額は下記の計算式で求められます。
最終積立額 =毎月の掛金×運用期間(12カ月)×年金終価係数(想定利回り)
定期的に積立プランを見直す
iDeCoで月1万円の積立をする際のポイントの4つ目は「定期的に積立プランを見直す」ことです。
iDeCoの掛金金額は、収入やライフスタイルの変化に応じて、定期的に積立プランを見直しましょう。iDeCoの開始当初は、少なめの金額でスタートするのがおすすめです。年齢を重ねて収入が増加したタイミングで、掛金の増額を検討するのも手です。
また、開始当初は手数料が低い銘柄でスタートして、資金に余裕ができた際に、手数料は高いが大きいリターンを狙える銘柄にシフトする方法もあります。
ほかにも、次のような戦略が考えられます。
- 独身や共働きで余裕があるときは1万円以上で運用し、住宅ローンなどでキャッシュが必要になったら拠出額を減らす
- セカンドライフが近づき年収も上がりやすい50代は、思い切って上限額を拠出して、より大きい節税効果を享受する
拠出額を変更できるのは「1年に1回」である点に注意が必要です。
iDeCoで自分だけの積立プランを簡単に作成する方法とは
ここからは、iDeCoで自分だけの積立プランを簡単に作成する方法を解説します。
iDeCoで月1万円の積立をする際のポイントとして、「自分の加入区分を確認する」「60歳時点での希望貯蓄額を考える」「現在の積立ペースでの想定貯蓄額を求める」といった点があります。
そして、iDeCoで積立をする際は、この他にも、自身の投資スタイルや年齢、現時点での貯蓄額などを考慮して運用会社を選ぶ必要があります。しかし、複数の要素を同時に検討しつつ、一人で判断するのは時間もかかるうえに、独断で決定した運用方法が最善策とは限りません。
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iDeCoで月1万円の積立では意味がないと言われる理由まとめ
ここまで、iDeCoで月1万円の積立は意味があると言える理由、実際に月1万円を運用する際のシミュレーション、月1万円の積立をする際のポイントをご紹介しました。
月1万円の積立は意味があると言える理由として、「掛金が全額所得控除」「運用益が非課税」「長期投資でリターンは大きくなる」があります。
また、60歳時点での希望貯蓄額を考えたり、現在の積立ペースでの想定貯蓄額を求めたりするのが、積立のポイントです。しかし、自身のライフスタイルや貯蓄額、収支状況を考慮しながら個人で適切な積立プランを作成し、利益を出すことは困難です。
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