うつ病でも保険金はおりる?助成金や公的保障制度も解説!のサムネイル画像

うつ病でも生命保険はおりる?

うつ病でも保険金や給付金がおりる保険が知りたい

とお悩みではないでしょうか。


結論、うつ病になる前に加入していた生命保険では、給付金がおりるケースがあります。


ただし、うつ病になった後から生命保険に加入し保険金を使うことはできないため、健康なうちから生命保険に加入しておくことが大切です。


この記事では、うつ病の際に生命保険からおりる保険金や、使用できる給付金制度の種類について紹介します。


うつ病に対する助成金や公的保障制度も解説するのでぜひ参考にしてください。

  • うつ病でも保険金がおりる保険を知りたい
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※うつ病を隠して保険に加入すると告知義務違反となるため注意しましょう。
監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

うつ病でおりる保険金を保険別に解説!

ここでは、うつ病でおりる保険金を保険別に解説します。


うつ病と診断された場合に保険金・給付金がおりる可能性がある保険は、以下の2つです。

  • 生命保険(医療保険)
  • 就業不能保険

保険ごとにうつ病に対する保障内容が異なるため、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

「気分が沈みがちでうつ病になってしまう可能性がある」

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生命保険や医療保険は入院保障・通院保障が給付される可能性が高い

生命保険医療保険に加入している場合、うつ病になったとき入院保障・通院保障が給付される可能性が高いです。


しかし、下記の場合は対象外になります。


通院保障の場合

  • 通院給付の上限日数をすでに満たしている場合
  • 入院後の通院のみを保障の対象としている場合

通院保障は入院前後の通院のみを保障の対象としている保険も多いので、このような契約の場合は入院を伴わない通院は保障されないので注意しましょう。


入院保障の場合

  • 告知義務違反があった場合
  • 責任開始期前の発症の場合
  • すでに入院給付の上限回数を満たしている場合

入院保障や通院保障は、一つの契約で支払われる入院・通院の日数や回数の上限が決められており、上限を超えている場合、給付はされません。


加入している保険の保障内容と、今までの給付状況を確認しておくと安心です。

就業不能保険はうつ病も対象になる場合がある

うつ病などの精神疾患でも就業不能保険の保障の対象になる場合があります。


就業不能保険は、病気やけがなどで長期間働けなくなったときに、収入を補うことができる保険です。


数値で病状を表すことの難しい精神疾患は保障の対象外のことが多いですが、一部の就業不能保険ではうつ病を保障の対象に含めています。


「自宅療養は対象外とならない」「給付の回数に上限が設けられている」といったデメリットもありますが、うつ病で長期間働けないことを見越して準備するなら就業不能保険は有力な選択肢になります。

うつ病とは気分が落ち込み睡眠・食欲・体力の低下など身体症状も現れる病気

うつ病は、1日中気分が落ち込んでいる、何も楽しめないといった精神症状とともに、睡眠不足・食欲減退・体力の低下など身体症状も現れる病気(※)です。

原因については正確にはわかっていませんが、感情や意欲をつかさどる脳の働きに何らかの不調が起きていることが考えられます。


精神的・身体的なストレス以外にも、つらい体験や悲しい出来事が引き金になるケースもあるようです。


抗うつ薬での薬物療法や認知行動療法、対人関係両方などの精神療法、高照度光療法などで治療をしていくことになりますが、それ以前に心身の休養がしっかりとれる環境を整えることが治療には大切です。


※参照:うつ病|こころの情報サイト

うつ病でもらえる助成金と公的保障制度

うつ病でももらえる助成金や公的保障制度には、以下のようなものがあります。

  • 高額療養費制度
  • 傷病手当金
  • 心身障害者医療費助成制度
  • 自立支援医療制度

一度うつ病になってしまうと、完治するまで生命保険や医療保険に加入するのは難しいです。


がん保険など加入できる可能性のある保険を探す一方、上記のような助成金や公的保障をしっかり活用しましょう。


ここからは、4つの公的な助成金・公的保障制度の詳細を紹介します。

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高額療養費制度

高額療養費制度は、1ヵ月(当月の1日から末日)にかかった医療費の自己負担額について、所得に応じた限度額(上限額)を設ける制度です。


限度額は所得によって異なり限度額を超えた自己負担額については、払い戻しを受けられます。


70歳未満の人は、限度額(自己負担額)をこちらの計算式で算出します。

所得区分限度額(自己負担額)
区分ア:(標準報酬月額83万円以上の人)25万2,600円+(総医療費※-84万2,000円)×1%
区分イ:(標準報酬月額53万〜79万円の人)16万7,400円+(総医療費※-55万8,000円)×1%
区分ウ:(標準報酬月額28万〜50万円の人)8万100円+(総医療費※-26万7,000円)×1%
区分エ:(標準報酬月額26万円以下の人)5万7,600円
区分オ:(市区町村民税の非課税者など)3万5,400円

※総医療費とは窓口で支払った額(3割)ではなく本来の10割の医療費のこと

参照:高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)|協会けんぽ


1年間に3ヵ月以上、高額療養費制度による払い戻しを受けた場合「多数該当」となり、4ヵ月目以降は上限額が次のようになります。

所得区分限度額(自己負担額)
区分ア14万100円
区分イ9万3,000円
区分ウ4万4,400円
区分エ4万4,400円
区分オ2万4,600円

参照:高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)|協会けんぽ


うつ病の入院は長引く傾向があるので、医療費の負担が軽くなるのはとてもありがたいですね。

傷病手当金

傷病手当金は、けがや病気などの理由で働けない期間の生活を保障するために、加入している「健康保険」から支給される手当金のことです。


健康保険から支給されるため、会社員や公務員の人が対象の保障になります。


国民健康保険に加入している人は支給の対象ではないので注意しましょう。


傷病手当金が支給される条件はこちらです。

  • 業務外の事由による病気やケガで療養している(うつ病含む)
  • 労務不能と判断される
  • 連続する3日を含む4日以上就労できない
  • 休業期間中の給与支払いがない


これらの条件に該当すると、標準報酬日額の3分の2の額が傷病手当金として、休業4日目から最長1年半の期間支給されます。


傷病手当金を受け取るためには、勤務先に相談をした上で申請書類を取り寄せ、必要事項を記入し、保険組合または協会けんぽに提出します。


必要事項として労務不能と診断した担当医師、勤務先の担当部署が記入する項目があるので、忘れずに記入してもらいましょう。

心身障害者医療費助成制度

心身障害者医療費助成制度は、心や体に障害をもつ人の医療費負担を軽減する制度です。


うつ病などの精神疾患については、精神障害者保健福祉手帳を交付されていればこの制度を利用できます。


心身障害者医療費助成制度は都道府県または市町村によって運営されているため、制度の内容や対象となる障害の基準は各自治体で異なります。


所得制限を設けている自治体もあるので、居住地の自治体に問い合わせましょう。

自立支援医療制度

自立支援医療制度は、医療費の自己負担額に上限を設ける制度です。


公的医療保険では3割負担となるケースでも、この制度を活用すれば1割負担で治療を受けることができ、医療費負担を軽減することができます。


自立支援医療制度の対象になる方は以下のとおりです。

  • 統合失調症などの精神疾患があり、通院による精神医療を継続的に必要とする方
  • 身体障害者手帳の交付を受けていて、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる方
  • 身体に障害がある児童で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる18歳未満の方


自立支援医療の自己負担額の上限は区市町村民税(所得割)を基準とした世帯の所得に応じて決められます。


申請はお住まいの市区町村役場が窓口となっています。

  • 自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書
  • 自立支援医療診断書(精神通院):申請日から3ヵ月以内に作成されたもの
  • 医療保険の加入関係を示す書類:受診者および受診者と同一の世帯に属する人の名前が記載されている医療保険被保険者証等の写し
  • 世帯の所得状況等が確認できる書類:区市町村民税課税・非課税証明書など

こちらの必要書類をそろえ、提出しましょう。

うつ病患者の生命保険に関するよくある質問

ここでは、うつ病患者の生命保険に関するよくある質問5解説します。

  • うつ病でも生命保険に加入できる?
  • うつ病になると保険に入れないのはなぜですか?
  • うつ病が治ったあと、保険に加入できますか?
  • うつ病になったら県民共済から給付金はおりる?
  • 生命保険の更新時にうつ病を発症したらどうなる?
実際のうつ病患者の声なのでぜひ参考にしてください。

ここを読み進めても生命保険について不安に感じる方は、保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

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うつ病でも生命保険に加入できる?

うつ病の保険への加入可否基準に関するグラフ

うつ病の方が生命保険に加入できるかは、保険会社によって判断が変わります。


うつ病の発症後でも生命保険に加入するなら以下の条件を満たす必要があります。

  • うつ病が完治して5年以上経過している
  • うつ病の診断が5年以内でも、現在健康であることが医師に証明してもらえる
  • うつ病の症状が軽く医師が経過観察中と判断した

ただし、上記の条件を満たさない場合に、告知義務違反をするのは避けましょう。


保険金や給付金の請求の際、少しでも疑わしい点があると保険会社は以下のような調査をおこないます。

  • 診断した医療機関・医師へ問い合わせ
  • 加入者へのヒアリング
  • 健康保険の利用履歴の照合
  • 健康診断の実施記録の確認 など

告知内容をごまかすことはほぼ不可能で、いずれバレるため、正直に告知することを心がけましょう。

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うつ病になると保険に入れないのはなぜですか?

うつ病患者が生命保険に加入しにくいことには理由があります。

うつ病の場合、長期の入院や通院、服薬が続く可能性が高く、他の病気にもつながるリスクも高いと保険会社は判断します。

そのため、うつ病患者は入院給付金や通院給付金の支払額が増えたり、他の病気での給付金や保険金の支払いが増えると考えられます。

保険は加入者が支払った保険料を運用し、給付金や保険金の支払いに充てます。

リスクが高い人が加入すると、保険の公平性が保たれなくなってしまうので、リスクが高いと判断されるうつ病患者は生命保険に加入しづらくなるのです。

うつ病が治ったあと、保険に加入できますか?

一般的に保険の告知は「直近5年以内」の状況を告知します。


そのため、完治後5年が経過すれば告知しなくてもよくなります。


しかし、完治後はうつ病に関してまったく病院に通院していないということが大切です。


例えば、経過観察などで定期的に受診をしている場合、加入者は「治療ではないので告知しなくても良い」と考えていても、保険会社側は告知事項に該当すると考えます。


このようなケースでは告知をする必要があるので注意しましょう。


経過観察だけの場合や完治後5年経過していない場合、医師に現在の健康状態に問題がないことを証明してもらえば加入できる可能性もあります。保険会社に相談してみましょう。

うつ病になったら県民共済から給付金はおりる?

うつ病になった際、県民共済で給付金がおりる可能性が高いです。


県民共済では、入院や手術、ケガなどの際に加入している保障内容に応じて、様々な給付金を受け取ることができます。


ただし、給付金の種類や金額、支払条件は加入している保障プランによって異なります。


また、疾病や事故の内容、治療期間などによっても給付金の有無や金額が変わってきます。


そのため、自身の加入内容を確認した後、相談窓口などで適切なアドバイスを受けることがおすすめです。

生命保険の更新時にうつ病を発症したらどうなる?

うつ病を発症した場合でも、生命保険を更新できます。


更新時は契約時と違って健康保険に関する告知は必要ないことが一般的です。


新規加入時のような審査は原則としてありません。


「自動更新ではない、保険期間満了による再契約」「一度保険を解約している」「保険の失効に対する復活の手続き」などの例外を除き、うつ病になっても加入時と同じ条件で更新できます。

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こちらの記事では、うつ病と診断された人が生命保険の給付金を受け取れるのか、生命保険に加入できるのかについて解説をしました。


記事のポイントはこちらです。

  • うつ病でも引受緩和型保険や無選択型保険は加入できる可能性が高い
  • 告知義務違反は請求時にバレるので、うつ病を隠して保険に加入しない
  • うつ病の保険加入でお悩みなら持病の専門家に相談することが大切

うつ病の人が保険に加入するのは、とてもハードルが高くなります。


がん保険など加入できる保険を探すか、完治するまで待つことになる可能性が高いです。


そのため、公的保障と民間保障をうまく活用して、医療費や生活費の負担を軽減することをおすすめします。


うつ病でも保険への加入を諦めたくない方は、保険の専門家への相談をおすすめします。

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