年金の追納期間はいつまで?年金を追納しない場合や加算額についても解説!のサムネイル画像
この記事を読んで欲しい人
  • 過去に年金の免除や猶予期間を受けていた方
  • 年金の追納について考えている方
  • 年金について詳しく知りたい方

内容をまとめると

この記事で分かる事
  • 10年前まで追納することが出来る
  • 追納しないと年金が減ってしまう
  • 追納しないと障害年金が受け取れなくなる可能性がある
  • 追納した年金保険料は年末調整ができる
  • 年金の相談は何度でも無料で相談できるマネーキャリアがおすすめ

国民年金保険料の追納期間はいつまでかを国民年金保険料の追納制度とは何かを説明したうえで解説しています。また、年金の追納をしない場合どうなるかや、加算額、追納可能月数と追納の金額の「ねんきんネット」での確認方法、年金の追納分の年末調整についても紹介しています。

この記事の目次

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国民年金の追納期間はいつまでか、年金を追納しない場合や加算額を解説


国民年金の保険料を過去に免除や納付猶予、学生免除をうけて支払っていない月がある際に10年間さかのぼって国民年金の追納制度を利用することができます。

そして、追納制度を利用して過去の国民年金を追納する事により将来受け取る年金額が増えるのと同時に他にもメリットがあります。ただし、注意点やデメリットがあることも知っていなければいけません。


そこで、今回の記事ではこの国民年金の追納制度について以下の順で説明していきます。

  • 制度の概要
  • 年金保険料を追納することによるメリット
  • 年金保険料を追納することによるデメリット
  • 年金保険料を追納する際の注意点
最後まで読んでいただけたら、国民年金の追納に関することについて理解できる内容となっていますので、この記事で理解をして頂き皆様の将来にぜひお役立てください。

国民年金保険料の追納制度とは?


国民年金保険料の追納制度は、過去に国民年金保険料を支払っていない月がある場合に10年前までさかのぼって保険料を納付することが出来る制度です。


納付していない月があるケースは以下のようなことが考えられます。

  • 収入が少ない等により保険料が免除されていた
  • 収入が少ない等により保険料の納付猶予を受けていた
  • 学生であり学生納付特例の承認を受けた免除期間があった
そして、この国民年金保険料を追納することにより以下のようなメリットがあります。

  • 将来受け取れる老齢基礎年金額が増える
  • 障害基礎年金や遺族基礎年金の要件に該当する払込期間を満たす
  • 年末調整により所得税と住民税の税金が安くなる

ちなみに、老齢基礎年金とは65歳から老後生活のために受け取れる一般的に理解されている国民年金の事です。老齢基礎年金とは別に障害基礎年金遺族基礎年金があります。


また、会社員が入る厚生年金が国民年金とは別にあります。


老後2000万円の貯蓄が必要と言われる将来の老後生活において大きな収入源となる老齢基礎年金です。


次からの解説により制度の詳細を見ていきましょう。

国民年金の追納期間はいつまで?


国民年金の追納制度は過去10年間における未納期間に対してと説明しましたが、この追納期間についてもう少し詳しく説明します。


この過去10年間は追納の手続きをして年金事務所から承認された月から遡って10年以内の未納期間について保険料を納めることができます。


このことから追納期間を考慮して以下のような注意点があります。

  • 手続きから承認までに期限切れで追納が間に合わない可能性がある
追納の申請手続きをした日に承認があるわけではありません。

申請手続きをしてから年金事務所により審査があり問題が無ければ承認されます。

この審査期間中に追納対象月が期限切れになってしまうことも考えられます。追納に間に合わないようにならないためにも早目の手続きをすることに越したことはありません。


手続きは、後で解説する「ねんきんネット」により追納の申請書を作成するとスムーズにできます。また、身分証明書やマイナンバーカード等と併せて年金事務所に申請をすれば手続きができます。

国民年金の追納期間が過ぎた場合どうなる?


国民年金の追納が出来る期間として過去10年間までと解説しましたが、この10年過ぎた場合の原則は年金保険料を追納することが出来ません


その場合は、以下の2点のようになってしまうことが考えられます。

  1. 年金額が減る
  2. 障害年金がもらえなくなる
このように、老後生活における大きい収入源となる老齢基礎年金が減ってしまいます。それだけではなく、ケガや病気などの私傷病により障害認定を受けた際に障害基礎年金も受け取れなくなる可能性もあります。


次から、老後や障害になった際の年金が減少したり受け取れなくなる理由やリスクを解説していきます。

①年金額が減る

国民年金保険料を追納しない事により起こり得ることの一つ目として、老齢基礎年金の受給額が減ってしまうことです。 国民年金の老齢基礎年金を受け取るための要件は以下の通りです。

  • 保険料納付済み期間と保険料免除期間を合わせた期間が10年以上ある
  • ※保険料免除期間=(全額免除月数の4/8+3/4免除月数の5/8+半額免除月数の6/8+1/4免除月数の7/8)
これらの要件を原則として60歳時点でこの要件を満たしていた場合に65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。


また、老齢基礎年金は保険料の払い込み月数で金額が決まります。ということは未納期間が多ければ多いほど保険料の払い込み月数は減り年金の受給額も減ってしまいます。

令和4年時点で国民年金の老齢基礎年金支給額を決定する計算式が以下の通りです。

777,800円×(保険料納付済期間+保険料免除期間)÷480

この計算式を使用して10年未満10年20年30年40年それぞれの受給額は以下のようになります。

払込期間年金受給額
10年未満0円
10年19万4,450円
20年38万8,900円
30年58万3,350円
40年77万7,800円

このように、保険料の未納期間が多いほど65歳から受け取る年金が減ってしまいます。


自分が将来受け取れる年金をこの計算式で計算してみて保険料を納付していない期間が10年以内にある場合は、 追納をするべきかどうかの判断をして下さい。 

②障害年金がもらえなくなる

国民年金保険料を追納しない事により起こり得ることの2つ目として、一定の要件を下回った際に受け取れなくなってしまいます。障害基礎年金が受け取れなくなってしまう可能性があることです。


国民年金の障害基礎年金支給要件には大きく分けて以下3点の要件が有ります。

  • 障害等級1級か2級に該当
  • 初診日時点で国民年金に加入している
  • 初診日前日の前々月までの被保険者期間が2/3ある
その他、細かい要件として国民年金非加入者でも20歳未満や60~65歳であれば加入要件を満たす等があります。

この3点目の被保険者期間が、未納期間があった際に満たされない可能性があり、 追納しない事により障害等級1~2級に該当しても障害基礎年金を受け取れない可能性があります。 


また、障害基礎年金の給付額は障害等級で分けられ以下の通りです。

障害等級年金受給額
1級97万2,250円+子の加算額
2級77万7,800円+子の加算額

子の加算額については以下の通りです。


子の人数子の加算額
2人まで一人につき22万3,800円
3人目以降一人につき7万4,600円

障害基礎年金は障害になった際は老齢基礎年金よりも受給額が大きくなる可能性が高い年金です。病気やケガで障害になってしまい働けなくなる方もおり、いつ自分がなるかは分かりません。


障害になった際の備えとして、自分の国民年金被保険者期間と年金保険料納付済期間をチェックしておきましょう。

国民年金の追納において加算額がかかる場合もある


ここまで、国民年金の追納について概要と追納をしなかった際に起こり得る事について解説をしてきました。ここでは実際に追納する際の注意点について解説していきます。


国民年金を追納する際、実際の年金保険料に加算額が上乗せされて追納金額が決まります。加算額は3年度以上遡った期間について年金保険料を追納する際にかかってきます。


追納できるのは過去10年間になりますが令和4年度の追納金額については以下の通りになります。

全額免除の場合3/4免除の場合半額免除の場合1/4免除の場合
令和3年度分1万6,610円1万2,460円8,300円4,150円
令和2年度分1万6,540円1万2,400円8,270円4,130円
令和1年度分1万6,430円1万2,320円8,210円4,100円
平成30年度分1万6,370円1万2,270円8,190円4,090円
平成29年度分1万6,540円1万2,410円8,260円4,130円
平成28年度分1万6,330円1万2,240円8,160円4,130円
平成27年度分1万5,670円1万1,750円7,830円3,920円
平成26年度分1万5,340円1万1,510円7,670円3,830円
平成25年度分1万5,190円1万1,390円7,600円3,800円
平成24年度分1万5,220円1万1,410円7,610円3,800円

令和3年度分と令和2年度分は過去2年度分ですので加算額はかかっていません。


追納するタイミングにより遡れれる期間や追納額も違う可能性があります。実際に追納をする場合は年金事務所で追納額については確認してください。

国民年金追納可能月数と金額は「ねんきんネット」から確認!


国民年金を実際に追納する際には、是非ねんきんネットから追納可能月数をご確認ください。ねんきんネットでは以下のようなことを確認することができます。

  • 未納期間
  • 免除の期間
  • 納付猶予の期間
  • 学生納付特例制度の期間
  • 追納可能な月数と金額
実際には年金事務所で追納が承認された際に納付金額が決定されます。しかし、あらかじめ年金事務所へ行く前にまずは上記の内容を確認してみてください。


実際にねんきんネットへログインをしたら以下の手順で進めていけば確認ができます。

  1. トップページ→「年金記録を確認する」
  2. 「国民年金保険料の納付・後払い(追納)が可能な月数と金額を確認する」
  3. 年金保険料の納付状況や追納可能月数と金額が表示される
日本年金機構のネットサービスになりますので安心してご利用いただけます。追納が目的でなくても気になる方は、一度、自分の年金保険料納付状況について調べてみてはいかがでしょうか。

国民年金を追納した場合には追納分も年末調整をする


国民年金を追納した場合、追納した年金保険料は年末調整で社会保険料控除として計上できます。


年末調整で所得から主に以下のようなものが控除できます、

  • 基礎控除・配偶者控除・扶養控除
  • 保険料控除
  • 住宅ローン控除
そして国民年金保険料も所得から控除することが出来て、実際の所得よりも少ない所得として申告することができます。

したがって、年末調整で税金が多く還付される可能性があり、また、翌年度の住民税も安くなる可能性があります。


実際に年末調整で追納した年金保険料を申告するには以下の手順で行います。

  1. 国民年金保険料控除証明書をもらう
  2. 年末調整の保険料控除申告書へ記入し申告する
このようにすることにより、勤めている会社において年末調整してもらうことにより追納した国民年金の保険料分が所得から控除されて税金が安くなります

年金保険料の追納をした際には年末調整での申告を忘れないようにしましょう。

国民年金の追納分の年末調整を忘れた場合は確定申告を行う

国民年金の年金保険料を追納した際には年末調整が出来ることについて解説しました。


ただし、追納分の年金保険料を年末調整で申告していなかったり会社員でない方は確定申告をすることができます。


確定申告とは、以下のような方が行います。

  • 役員などの経営者や自営業の方
  • 副業等の事業所得が20万円以上ある方
  • 年末調整で申告するのを忘れていたものがある方
  • 医療費控除等の年末調整で申告が出来ない申告がある方
  • 贈与等で収入以外の申告が必要な方
確定申告は、お住まいの近くにある税務署で申告書類を請求したり確定申告をすることができます。また、ネットで申告も可能です。


年末調整で申告できなかったり等で諦める事なく、確定申告で追納分の年金保険料をしっかりと申告して少しでも税金が安くなるようにして下さい。

国民年金の追納期間に関するまとめ


今回は、国民年金保険料の追納制度について解説してきました。制度の概要や追納しない事のデメリットについても理解していただけたのではないかと思います。


ただし、年金の制度は他にも色々とあり少し詳しい人からしても複雑な制度です。そして、国民年金保険の他にも厚生年金保険との絡みもあります。


年金について悩んでいたり気になっていることがある方はお金のプロであるFP等に一度相談してみるのをおすすめします。


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記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。