住宅ローン繰り上げ返済はしない方がいい?繰り上げ返済をする時の注意点のサムネイル画像

最近「住宅ローンの繰り上げ返済はしないほうがよい」とよく耳にするようになりました。本当に繰り上げ返済はしないほうがよいのでしょうか?今回は、繰り上げ返済の方法、デメリットや注意点について紹介していますので最後までご覧ください。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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住宅ローン繰り上げ返済はしない方がいいって本当?

最近「住宅ローンの繰り上げ返済はしないほうがよい」という話を耳にしますが、この話は本当なのでしょうか。


結論から言うと繰り上げ返済はしたほうがよいです。
ただし、余剰資金で行うことと、タイミングには注意が必要です。

ライフプランを立てたうえで、繰り上げ返済をしても問題ないかを把握する必要があります。

ライフプランで必要な資金を把握して、そこからの余剰資金で繰り上げ返済をしないとライフプランも崩れてしまいます。

繰り上げ返済をするためにはそれなりの資金が必要となるため、自身が立てたライフプランに影響がないようにタイミングには注意しておきましょう。

次の章から、具体的な注意点などを紹介します。

住宅ローン繰り上げ返済の目的とは

住宅ローンの繰り上げ返済の目的は大きく分けて2つあります。


  • 支払う予定だった金利の削減
1つ目は、支払う予定だった金利の削減です。

住宅ローンの繰り上げ返済はそもそも、元金の全部もしくは一部を前倒しで返済することです。
そうすることで、繰り上げた元金の分の金利を払う必要がなくなります。

  • 退職後の支出を減らす

2つ目は、退職後の支出を減らすことです。


住宅ローンは毎月の固定費の中でも大きな割合を占めるでしょう。

たとえば、5,000万円を金利2.0%、30年の条件で住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は184,809円となります。


会社員として勤めている間に住宅ローンを繰り上げ返済できれば、収入が減る退職後の支出を減らすことができます。

「期間短縮型」と「返済額軽減型」

住宅ローンの繰り上げ返済には2つの方法があります。
それぞれの家庭の状況や、ライフプランに合わせて方法を選択する必要があるため詳しく見ていきましょう。

  • 期間短縮型
期間短縮型は、その名のとおり返済期間を短縮する方法ですが、毎月の返済額は変わりません。

後に紹介する返済額軽減型と比べると、期間短縮型の方が繰り上げ返済で得られる効果が大きいです。

たとえば、5,000万円を金利2.0%、30年の条件の場合500万円の繰り上げ返済をすれば返済期間が約4年縮まることになります。

4年も返済期間が縮まれば気持ち的にも楽になれますよね。

このように、返済期間を短縮することで「住宅ローンの返済」という重圧から早い時期に解放されるのも大きなメリットと言えるでしょう。

  • 返済額軽減型
返済額軽減型は、その名のとおり毎月の返済額を軽減する方法ですが、返済期間は変わりません。

子どもの進学やライフプランの中で出費が重なるタイミングで、毎月の固定費である住宅ローンの支払いが減るのがメリットと言えます。

先ほどと同様の条件で計算した場合、毎月の返済額は184,809円ですが、500万円の繰り上げ返済をすれば毎月の返済額は166,328円となります。

500万円の繰り上げ返済をすることで月々の返済を18,481円減らすことができます。

期間短縮型の方が総返済額に対する効果は大きいですが、家庭の状況などによっては返済額軽減型にして目先の支出を減らす方が得策と言えるでしょう。

住宅ローン繰り上げ返済のデメリット


住宅ローンの繰り上げ返済の方法について紹介しましたが、デメリットはどのようなものが考えられるのでしょうか。
今回は3つの視点から紹介します。

  • 住宅ローン控除額が減る

住宅ローンの控除は、簡単に言えば住宅ローンを組んでいる場合に所得税を軽減できる制度です。


この控除額は年末時点の住宅ローン残高に応じて決定します。

そのため、住宅ローンの繰り上げ返済をすることで控除額が減ってしまいます。


また、住宅ローン控除は新築で13年、中古で10年受けることができるので、この期間内は控除を全額受けてから繰り上げ返済をするようにしましょう。


受けられる制度はすべて利用できるといいですね。


  • 手数料が発生する
繰り上げ返済をする際には手数料がかかります。

複数回に分けて繰り上げ返済をすると毎回手数料が発生します。

無駄な手数料を払わないためにも、繰り上げ返済をする場合には資金がまとまってから行うのがよいでしょう。

  • 手元の資金が不足する
一番のデメリットは手元の資金が不足することでしょう。

 冒頭でも解説しましたが、住宅ローンの繰り上げ返済は余剰資金で行う必要があります。

余剰資金がない状況で「返済が少なくなるから」という理由で繰り上げ返済をすると、生活費に影響が出てしまいます。

確かに住宅ローンの重圧から解放されるのは魅力的ですが、日々の生活が苦しくなるのはどの家庭にとっても望ましくないでしょう。 

このデメリットを回避するためには繰り上げ返済をするタイミングが重要です。
詳しくは次の章で解説します。

繰り上げ返済をするなら、タイミングが大事

住宅ローンの繰り上げ返済をした場合、将来の金利や固定費を減らすことができますが、現在の手元の資金が減ってしまいます。


子ども大学進学や住宅のリフォームなどが目前に迫っている場合、繰り上げ返済をしたことによって教育ローンやリフォームローンを組むことになってしまうと、大抵は住宅ローンより高い金利を支払うことになってしまいます。


また、けがや病気で入院など万が一のことがあった場合にも、手元の資金がないと生活に支障をきたしてしまいます。


そのため、住宅ローンの繰り上げ返済を行う際は、しっかりとライフプランを立てて、必要な資金を手元に残したうえで余剰資金で行うことが大切です。

まとめ

今回の記事では、住宅ローンの繰り上げ返済について紹介しました。


繰り上げ返済は主に将来の支出を減らすものなので、するに越したことはありませんが余剰資金で行うことが必須条件となります。


家庭の状況やライフプランによって、必要な資金は異なります。


しっかりとライフプランを立てたうえで、繰り上げ返済は計画的に行いましょう。