2024年からのNISA恒久化が最終調整に入りました。この記事では、現行のNISA制度と新NISA制度の違いについて紹介しています。NISAをすでに始めている人もこれから始めたいと思っている人にとっても有益な情報となっていますので、最後までご覧ください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
新しいNISA制度の概要
- 期間の恒久化
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
投資可能期間 | 一般NISA:2028年まで つみたてNISA:2042年まで | 恒久化 |
運用益の非課税期間 | 一般NISA:5年間 つみたてNISA:20年間 | 恒久化 |
- 投資枠の拡大
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 一般NISA:120万円 つみたてNISA:40万円 | 一般NISA:240万円 つみたてNISA:120万円 |
最大投資枠 | 一般NISA:600万円 つみたてNISA:800万円 | あわせて1,800万円 (※一般NISAは最大1,2000万円) |
- 両NISA制度の併用
すでにNISAを利用している場合はどうなる?
すでにNISAを利用している場合でも、新NISAとは別物として管理をされる予定なので、生涯投資枠1,800万円が利用可能です。
これまでのNISA制度がどのような形で終わりを迎えるのかはまだ未決定です。
しかし、2024年からの新しい制度が満額利用できるということは、現行のNISA制度を活用している人は1,800万円プラスαで非課税枠を利用できるということになります。
たとえば、NISA制度が始まった2018年から2023年の6年間でつみたてNISAを満額投資している方は、下記のようになります。
40万円×6年間=240万円
つまり、新しい制度の1,800万円と合わせると2,040万円の非課税枠を使えることになります。
所得倍増プラン3つの柱
所得倍増プランには3つの柱が存在しています。
- NISAの抜本的拡充や恒久化
NISAの抜本的拡充や恒久化では、投資経験者を含めたすべての利用者が簡単に制度を利用できるようにし、税金面でも優遇されるようにする方針です。
NISAを始めるための手続きなどが簡素化されれば「なんとなく難しそうだから始めるのに抵抗がある」と考えている人にとっても、取り組みやすい制度となるでしょう。
NISA制度が恒久化されることで、国民の資産形成が加速することになります。
- iDeCo制度の改革
iDeco制度の改革は、個人が老後のために掛金額を拠出して運用するiDecoの制度の運用期間を60歳から65歳まで引き上げる方針です。
これは2022年5月に改正されており、すでに65歳まで引き上げられています。
税金面で優遇されるiDecoの期間が延長されたのは投資家にとって大きなメリットと言えます。
- 金融教育の実現
金融教育の実現は、個人が資産形成や金融に関する知識を身に付けるための方針です。
日本証券業協会の調査によると、NISA制度を活用しているのは1,109万口座です。
一見多くの人が活用しているかのように思えますが、15歳以上の人口は1億1,000万人をこえています。
つまり、およそ10%の国民しかこの制度を利用できていないことになります。
どんなに魅力的な制度に改正されても、メリットやデメリット、制度の活用方法などを把握していないと最大限活かすことができません。
投資枠は拡大されるが、余剰資金で投資して!
投資枠や期間が恒久化されたからと言って、無理に満額利用することはありません。
将来のための資産形成で、目の前の生活が苦しくなっては意味がありません。
あくまで余剰資金で投資をすることが大切です。
せっかく制度の恒久化がされたのに、最大限利用できないのはもったいないと思うかもしれません。
その考えはとても大切です。
恒久化される制度をフル活用したいと思う方は、2024年からの制度恒久化に向けて、今からでも貯金をして生活防衛資金を貯めていきましょう。
まとめ
今回の記事では、NISA制度の改正について紹介しました。
すべての投資家にとって期間や投資枠が恒久化されることは嬉しいニュースです。
しかし、始め方がわからないとどんなに魅力的な制度でも活用することができません。
始めたいけど始め方が分からないという方は、お金のプロに相談してみましょう。