高校生(18歳以下)に医療保険は必要か?保険の専門家が徹底解説のサムネイル画像
この記事を読んで欲しい人
  • 高校生になろうとする子どもがいる人
  • 高校生に医療保険が必要かどうか迷っている人
  • 高校生に医療保険が必要かもしれないと不安な人
  • 高校生に医療保険をかけている人がどれくらいいるのか知りたい人
この記事を読んでわかること
  • 高校生に医療保険が必要かどうか
  • 高校生に医療保険の必要性が低い理由
  • 医療保険が必要な高校生と不要な高校生の特徴
  • 高校生の医療保険の選び方
  • 医療保険以外にも医療保障をかける方法

高校生に医療保険が必要かどうか気になりますよね。この記事では高校生に医療保険が必要かどうか徹底解説します。わが子が高校に進学して医療保険に加入すべきかどうか迷っている人や、高校生の子どもにどのように医療保険をかけて良いか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る

この記事の目次

高校生の医療保険の必要性は比較的薄い

医療保険は、病気やケガで入院や手術をしたときのための保障です。 


一日いくらの設定で日額給付金や手術給付金を受け取ることができます。 


若くて元気な高校生は、入院をするほどの大きな病気にかかる可能性は、さほど高くはありません。


ここでは、高校生に医療保険の必要性が低い理由を説明します。


以下が理由3つです。

  • 高校生が入院する確率は低く、入院日数も短いことが多い
  • 医療費助成制度が手厚い自治体が多い
  • 幼稚園・保育園などですでに共済に加入している場合も多い
上記を参考に医療保険への加入が必要かどうか参考にしてください。

理由①高校生が入院する確率は低く、入院日数も短いことが多い

最初の理由は、高校生が入院する確率は低く、入院日数も短いことが多いからです 。


厚生労働省の「令和2年患者調査」によると、人口10万人当たりの入院者数は以下の表のとおりです。

年齢入院者数
0歳1,065
1~4歳134
5~9歳71
10~14歳99
15~19歳123
20~24歳141
30~34歳246
40~44歳273
50~54歳478
60~64歳895

年代別で見ると、高校生にあたる15~19歳は123人、また10~14歳は99人となっており、10代はほかの年代よりも入院者数は少ないことがわかります。 


同じく厚生労働省の「令和2年患者調査」によると、平均入院日数は32.3日となっています。 

年齢平均入院日数
0~14歳8.9日
15~34歳12.2日
35~64歳24.4日

年代別で見ると、15~34歳は、12.2日で平均の約3分の1の短さです。 


以上の統計から、高校生は、入院する率も低く入院したとしても入院日数が短いということがわかります。

理由②医療費助成制度が手厚い自治体が多い

次の理由は、医療費助成制度が手厚い自治体が多いことです。 


各自治体では、子育て世代の負担を軽減する目的で、「乳幼児医療費助成制度」や「子ども医療費助成制度」をおこなっています。 

病気やケガで医療機関を受診したときの窓口負担分を自治体が助成する制度です。 


自己負担がゼロになる場合や、あってもわずかな場合、また対象年齢も「未就学児」や「小学校卒業まで」など、自治体によって制度の内容には違いがあります。 


例えば、東京都の「乳幼児医療費助成制度」では、義務教育就学前の子供が対象となり、「義務教育就学時医療費の助成」では、中学校を卒業するまでが対象となっています。


 多くの自治体では、このように義務教育卒業までが対象となっていますが、中には静岡県の印西市の「高校生医療費助成制度」では、高校生が対象になる自治体もあります。


自治体の助成制度が手厚いので、制度の対象から外れるタイミングで医療保険が必要かどうか判断してもいいでしょう。 

理由③幼稚園・保育園などですでに共済に加入している場合も多い

最後の理由は、幼稚園・保育園などですでに共済に加入している場合も多いからです。


子どもが幼稚園や保育園に入園したときに、共済加入をすすめられたことはないでしょうか。 


幼稚園・保育園で加入をすすめられる共済には2種類あります。


 1つは、「災害共済給付」で、学校や幼稚園などの管理下における災害に対して給付をおこなうもの。 


もう1つは、民間の保険や県民共済などです。 


共済は、民間の保険に比べて月々の保険料が安い特徴があります。

しかも、補償範囲が広く、病気やケガの入院以外にもケガの通院や死亡保障などにも給付金が受け取れます。


上記のメリットがあるので、入園したときに共済に加入した人も多いのではないでしょうか。 


子どもを対象とした共済は、種類やコースにもよりますが、対象年齢は「0歳~17歳」や「0歳~19歳」となっています。 


医療保険が必要かどうかの判断は、この対象年齢を確認してからでも遅くはありません。

18歳以降に安い保険料で終身の医療保険に入っておくのはあり

こども医療費の助成制度や共済の対象年齢から外れた18歳以降のタイミングで医療保険の加入を検討してもいいでしょう。


医療保険の加入時には、告知や審査で健康に問題がないか確認しなければなりません。 


18歳という若い年齢であれば、持病をもっている可能性も高くはないでしょう。 


若い年齢であれば保険料も安く抑えることができます。 


医療保険には、定期タイプと終身タイプがあります。 


定期タイプは、保険期間がある一定の期間のみの保障で、終身タイプより保険料が安い特徴があります。 

その代わり、保障期間が過ぎると保険の効力はなくなりますので、新たに保険に加入しなければならず、更新のたびに保険料があがっていきます。 


終身タイプは、保障は一生涯続き、保険料は定期タイプよりも高くはありますが、一生涯変わりません。 


18歳以降に、保険料が一生涯変わらない終身医療保険に加入し、月々の保険料を安く抑えながら、一生涯の保障に備えるのもありですね。 

医療保険が必要な高校生

ここまで高校生に医療保険が必要でない理由などを解説してきました。


しかし、医療保険が必要な高校生ももちろんいます。 


以下に当てはまる人には、医療保険が必要です。 

  • 万が一思い病気にかかった場合に、高校生の子供の治療の選択肢を増やしてあげたい方
  • 遺伝的に持病を抱えやすいと考えられる高校生
  • 高校生の子供が入院した場合、付きっきりで看病してあげたい方

当てはまっていたら、医療保険が必要かもしれませんので、参考にしてください。

万が一重い病気にかかった場合に、高校生の子供の治療の選択肢を増やしてあげたい方

日本にはすべての国民がみな等しく医療を受けられる制度「国民皆保険制度」があります。 


日常的な治療の多くが健康保険の対象になる保険診療で、病院や薬局で支払う治療費や薬代は、一部が自己負担で残りは健康保険から支払われます。 


しかし、健康保険が適用とされない治療法があることをご存知でしょうか。


先進医療自由診療と言われるもので、治療費は全額自己負担です。


がん治療や難病治療などの自由診療の費用総額は、数百万を超えるものもあり、治療を受けるとなると、経済的負担が大きくなってしまいます。


高校生の子どもが万が一、重い病気にかかってしまったら親としてできる限りの治療を受けさせたいですよね。


治療の選択肢を増やし、公的医療保険だけでまかなえない医療負担に備えるためには、民間の医療保険の加入が必要です。

遺伝的に持病を抱えやすいと考えられる高校生

また、遺伝的に持病を抱えやすいと考えられる高校生にも医療保険は必要です。


医療保険は健康状態によって加入できない病気があります。


具体的には

  • がん
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 腎不全
  • 糖尿病 など
があります。

おもに生活習慣病と呼ばれるものがほとんどで、若い高校生には無縁だと思われるかもしれません。
しかし、親が持病を発症していれば、子どもにも遺伝する可能性のある病気もあります。

糖尿病は、生活習慣から起因するものと遺伝的要因で発症するものとがありますし、遺伝が原因で発症する「遺伝性腫瘍」というがんもあります。

このように、遺伝的に持病を抱えるリスクがある子どもは、いつ発症するかわかりません
発症したときには、医療保険の加入が難しくなるので、今のうちに加入していたほうがいいでしょう。

高校生の子供が入院した場合、付きっきりで看病してあげたい方

さらに、高校生の子どもが入院した場合、付きっ切りで看病してあげたい人にも医療保険の加入が必要です。


子どもが入院すると、治療費以外にもさまざまな費用がかかります。


付き添って看病するということは仕事を休まなければいけませんので、その分の収入が減ってしまいますね。  


収入の減少以外にも、付き添う親の食事代や病院までの交通費、さらには個室を利用する場合には差額ベッド代もかかります


病院までのバスや電車などの交通費は医療費控除の対象になります。


しかし、収入の減少は家計にとっても大きな負担がかかるのではないでしょうか。


治療費以外の支出や収入の減少を埋めるものとして、子どもの医療保険を活用するのも一つの手段です。


医療保険が必要かなと迷ったときには、治療費以外のさまざま出費の穴埋めに医療保険が使えることを考慮にいれてもいいですね。

医療保険がいらない高校生

医療保険がいらない高校生とは、どんな特徴があるのか気になりますよね。


病気やケガで入院・手術をしても貯金で十分にまかなえるだけの資産がある家庭の高校生には医療保険の必要性は低いでしょう。


厚生労働省の調べでは、一人の人が生涯で必要な医療費はおよそ2700万円と言われています。


年齢別にみると、0~4歳は104万円、5~9歳は59万円、10~14歳は52万円、15~19歳は44万円となっています。


15~19歳の5年間の医療費は、44万円のうち実際は3割負担の約13万円です。


さらに日本には、高額療養費制度があります。

医療費が一定額を超えたら、差額分があとでかえってくる制度です。


1ヶ月の治療費が100万円かかったとしても、親の報酬月額が28万~50万円であれば、実際の負担額は約9万円となります。


入院中の1か月の食費は、1食460円×3食×30日で41,400円。


よって、1ヶ月にかかる金額は約13万です。


医療費以外にも、入院期間中に看病する親の収入減や食事や交通費なども考慮にいれる必要があります。


しかし、多く見積もっても1ヶ月で必要な金額は20万円もあればいいのではないでしょうか。


前述で、15~34歳の平均入院日数は12.2日とありましたが、療養期間が長引いて半年入院したとしても120万円の医療費としての貯蓄があれば、高校生に医療保険が不要と判断できるのではないでしょうか。


医療保険が不要か必要かを判断するための参考にしてください。

高校生が医療保険に加入するか判断するうえで参考になるデータ

ここからは、高校生が医療保険に加入するか判断するうえで参考になるデータをご紹介します。


データを参考に高校生の子どもに医療保険が必要かどうか判断してください。


参考となるデータは次の2つです。

  • 高校生を保険に加入させようと考えている人の割合
  • 高校生の保険の加入率
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。

高校生を保険に加入させようと考えている人の割合

最初の参考となるデータは、高校生を保険に加入させようと考えている人の割合です。


生命保険文化センターの「令和3年生命保険に関する全国実態調査」によると、

子ども(未婚で就学前・就学中)が加入する場合、どのような種類の生命保険に加入したいか、という質問をしたところ、以下の表のような結果となりました。

2021
(令和3)年
病気やケガの治療や入院にそなえるもの58.1%
教育資金や結婚資金の準備にそなえるもの54.5%
保障と貯蓄をかねたもの30.5%
貯蓄に重点をおいたもの17.5%
病気やけがのため長期間働くことが
出来なくなったときの生活保障にそなえるもの
10.6%

一番高かった回答は、「病気やケガの治療や入院にそなえるもの」でしたが、「教育資金や結婚資金の準備にそなえるもの」も多くありました。


上記データを参考に、高校生に医療保険が必要かどうか判断しましょう。

高校生の保険の加入率

次のデータは、高校生の保険の加入率です。 


生命保険文化センターの「令和3年生命保険に関する全国実態調査」によると、 

子ども(未婚で就学前・就学中)の総数に占める生命保険の加入率は、46.7%です。

生保加入率
2021年(令和3)年46.7%
2018年(平成30)年51.1%
2015年(平成27)年52.9%

子どもの生命保険の加入率は年々減少傾向にあることがわかります。


さらに、子ども(未婚で就学前・就学中)の加入率の内訳をみていくと、


割合
乳児25.0%
幼稚園児
保育園児
39.5%
小・中学生55.3%
高校・短大・
大学生
51.2%

「乳児」は25.0%と低いですが、ライフステージが上がるほど高くなり、「小・中学生」、「高校・短大・大学生」の生命保険加入率は5割を超えています


上記データも参考にし、高校生に医療保険が必要かどうか判断してください。

高校生の医療保険の選び方

ここでは、高校生の医療保険の選び方を解説していきます。


医療保険の選択は、次の1~3の順番で選ぶとスムーズに決めることができます。

  1. 付けたい保障内容や特約を決める
  2. 自分が支払える大体の保険料の目安を決める
  3. 上の1・2で出した条件に合致する医療保険を複数比較検討する


まずは、基本保障となる「入院給金額」「手術金額」をいくらにするか、どんな特約を付帯するか決めることが大事です。


次に、収入と支出のバランスを見て、毎月いくらぐらいの保険料を支払えるか目安を決めましょう。


最後は、希望の保障内容と保険料の条件に合ったものをいくつか比較検討しましょう。


ネットには医療保険の比較サイトがあるので、このサイトを利用すると自分に合った医療保険を見つけることができますよ。


マネーキャリアの医療保険比較では、年齢・性別・医療保険のタイプの3つを選ぶだけで、自分に合った医療保険を見ることができるので、使ってみてください。


それでも、高校生が加入する医療保険をどれにするかどんな保障が必要か迷ったら、保険のプロに相談することもおすすめです。


相談満足度98.6%を誇るマネーキャリアでは、無料の保険相談サービスをおこなっています。

納得いくまで何度でも無料で相談に乗ってくれるので、安心ですよね。


医療保険の選び方に迷ったら、以下のマネーキャリアのサイトから相談してください。

マネーキャリアで無料相談

医療保険以外で高校生に医療保障をつける方法

高校生の子どもに医療保険に加入する以外にも医療保障に備える方法があることをご存知でしょうか。

高校生に医療保険が必要かどうかを判断するためにも、医療保険以外の医療保障がどんなものがあるかを知ることは大事です。

医療保険以外で高校生に医療保障をつける方法は以下の3つです。

  • 学資保険に医療特約を付ける
  • 傷害保険に加入する
  • 親の保険に特約を付ける
それでは、1つずつ解説していきます。

学資保険に医療特約を付ける

最初の方法は、学資保険に医療特約を付ける方法です。


子どもの進学にあわせてまとまったお金が受け取れるように学資保険に加入している人もいるのではないでしょうか。


学費保険には、いくつか付帯できる特約があり、そのうちの一つに、子どもが入院した場合・手術を受けた場合に備える医療特約があります。


ただし、気をつけないといけないのは、学資保険が満期を迎えると特約は消滅してしまうことです。

学資保険の満期は、ほとんどが17歳か18歳、最長でも大学卒業までの22歳でしょう。


満期を迎える=保障がなくなるので、特約も一緒に消滅します。


学資保険が満期を迎えたタイミングで、医療保険に加入が必要かどうか再度判断するのもいいですね。

傷害保険に加入する


次の方法は、傷害保険に加入する方法です。

傷害保険は、偶然なケガによる入院や通院、手術などに備える保険です。


高校生は、どちらかと言えば、病気よりもケガのリスクが高いのではないでしょうか。 


運動系の部活に入ったり、学校まで自転車やバイクで通学するようになれば、保護者としてはケガの心配の方が大きいでしょう。 


傷害保険は、ケガであれば入院しなくても給付金を受け取れます。


また、「ケガ」のリスクに限定されるため保険料が安いとうメリットもあります。


病気よりケガの心配が大きい高校生には、ケガのリスクに備えることが必要かもと判断すれば、傷害保険を医療保険の代わりとして加入することも選択肢の一つです。

親の保険に特約を付ける

最後の方法は、親の保険に特約を付ける方法です。


保険会社によっては、すでに加入している親の医療保険に特約で子どもの医療保障を付帯できるところがあります。


親の保険と一体化していることで、管理がしやすく、保険料が安いというメリットがあります。


ただし、子ども特約の場合は、対象年齢が満22歳までと年齢制限があったり、主契約である親が死亡すると契約が消滅してしまいます。


対象から外れたり、主契約が消滅したタイミングで医療保険が必要かどうか判断すればいいでしょう。


若い高校生の間は、親の保険の特約で医療保障を備えることも一つの方法ですね。

まとめ:高校生に医療保険は必要か?

高校生に医療保険は必要かというテーマで解説してきました。


基本、若くて元気な高校生に医療保険の必要性はありません。


入院する率も低く入院日数も短いですし、医療費の助成や小さい頃に加入している共済もあれば、経済的負担も大きくはないでしょう。


しかし、すべての高校生に医療保険が不要というわけではありません。


大病を患ったり、遺伝的な持病を患う人も中にはいるでしょう。


今回の記事を参考に高校生に医療保険が必要かどうか、検討してください。