監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- ペースメーカーを使用していても生命保険に加入できる?
- ペースメーカー使用者でも加入しやすい保険
- 引受基準緩和型保険の概要とメリット・デメリット
- 無選択型保険の概要とメリット・デメリット
- 引受基準緩和型保険と無選択型保険の違いとは
- ペースメーカーの手術前に知るべきポイント
- ペースメーカーは保険料免除の対象にはならない場合が多い
- ペースメーカーは高度障害共済金の支払対象にはならない
- 生命保険加入時の告知義務とは?
- 告知義務違反がバレるとどうなる?
- ペースメーカー手術で利用可能な医療補助
- 高額療養費制度
- 身体障害者手帳による補助
- まとめ:ペースメーカー使用者の生命保険加入相談はマネーキャリアへ
ペースメーカーを使用していても生命保険に加入できる?
結論、ペースメーカーを使用していても、生命保険に加入できる可能性はあります。
ペースメーカーを使用している方が保険加入できるかどうかは、埋め込みからの経過期間で判断される場合が多いためです。
埋め込みから1年以上が経過していると加入できる可能性は高まります。
ペースメーカー使用者でも加入しやすい保険
ペースメーカー使用者でも加入しやすい保険があります。
ここでは、ペースメーカー使用者でも加入可能な生命保険について、以下の2つを解説します。
- 引受基準緩和型保険
- 無選択型保険
それぞれの生命保険の違いを比較してみてみましょう。
引受基準緩和型保険の概要とメリット・デメリット
引受基準緩和型保険とは、通常の生命保険よりも告知項目が少なく入りやすい保険です。
引受基準緩和型保険の告知項目は、次の3つのような場合が多いです。
- 最近3ヵ月以内に医師・歯科医師から入院・手術を勧められた
- 過去1~2年以内に入院・手術のいずれかを受けたことがある
- 過去5年以内にがん(悪性新生物・上皮内新生物)・肝硬変・慢性肝炎で治療を受けたことがある
上記に当てはまらなければ、加入できる可能性が高いです。
ただし、引受基準緩和型保険には、メリットだけでなくデメリットもあります。
メリット | デメリット |
---|---|
通常の保険よりも告知項目が少ない | 通常の医療保険よりも保険料が高い |
加入前の持病(既往歴)も保障対象に含まれる | 加入から一定期間は給付額が削減される |
付加できる特約が少ない | 職業や年収に関しては緩和されない |
保険料が割高になっていることと、加入から一定期間は給付額が削減される点にはご注意ください。
無選択型保険の概要とメリット・デメリット
無選択型保険は、健康に関しての告知義務がないので加入できる方が多い生命保険です。
しかし、無選択型保険にもメリットだけでなくデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
健康に関しての告知義務がない | 保険料が引受基準緩和型保険よりも高い |
持病や既往歴があっても加入できる | 病気の場合は加入後、一定期間(90日間)は保障対象外 |
年齢による加入制限が緩い | 選べる会社が少ない |
加入してからの一定期間(90日間)は保障の対象外であったり、請求しても保険金額が削減されることもありますのでご注意ください。
引受基準緩和型保険と無選択型保険の違いとは
引受基準緩和型保険と無選択型保険の違いを表にまとめると以下のとおりです。
引受基準緩和型保険 | 無選択型保険 | |
---|---|---|
告知項目 | 3~5項目 | なし |
引受基準 | 通常の医療保険より緩い | 引受基準緩和型保険より緩い |
既往歴がある場合 | 一定の条件のもと保障あり | 保障あり |
保障の免責 | 一定期間は保障金額少ない | 特定の病気などは対象外 |
保険料 | 通常の医療保険より高い | 引受基準緩和型保険より高い |
無選択型は告知がないのでどのような持病を持っていても加入できますが、保険料が高くなっていて一部保障の対象外の病気もあります。
まずは、無選択型保険よりも保険料が安く、ペースメーカー手術に関する保障も受けられる引受基準緩和型保険に加入できないか検討することがおすすめです。
引受基準緩和型保険の保険料は各保険会社によっても異なるので、加入する保険を慎重に選ぶ必要があります。
ペースメーカーの手術前に知るべきポイント
ここでは、ペースメーカーの手術前に知るべきことを解説します。
ペースメーカーの手術前には、以下の2つのことについて把握しておきましょう。
- ペースメーカーは保険料免除の対象にはならない場合が多い
- ペースメーカーは高度障害共済金の支払対象にはならない
上記の内容を理解したうえで、手術に必要なお金の準備を進めることが大切です。
ペースメーカーは保険料免除の対象にはならない場合が多い
ペースメーカーを装着しても、保険料免除の対象にならないケースが多い点に注意が必要です。
多くの生命保険では、約款に定められた所定の身体障害状態になって保険料負担能力を失った場合に、以降の保険料の払込を免除される特約を付帯できます。
「所定の約款」のなかにペースメーカーの装着が定義されていないことが多く、その場合はペースメーカーを装着しても引き続き保険料の払込が必要です。
ただし、医師の診断書によって食事や排せつ、歩行などが困難と診断されている場合には、保険料払込免除の要件に該当する可能性はあります。
また、恒久的心臓ペースメーカーを装着することで保険料払込免除の要件に該当するケースもあり、保険会社ごとに対応はさまざまです。
ペースメーカーは高度障害共済金の支払対象にはならない
結論、ペースメーカーは高度障害共済金の支払対象になりません。
高度障害共済金とは、高度障害状態になったときに受け取ることができ、高度障害状態とは以下のような状態のことです。
- 常に介護を要する
- 目の障害(両目を失明)
- 咀しゃく、言語の障害(まったく機能しない)
- 腕・脚の障害(失ったか・まったく機能しなくなったときなど)
生命保険加入時の告知義務とは?
告知義務とは、保険に加入する前に各保険会社に病歴や通院歴などを告知する義務のことです。
告知義務が設けられている理由は、加入者間で保険金の支払金額に差が出て不公平にならないように調整するためです。
保険は各加入者が保険料を出し合い、万が一の際にその保険料から保険金が支払われるという仕組みになっています。
そのため、極端に病気や入院で保険金が必要になるリスクが高い人がいると、その人にばかり保険金が支払われてしまい不公平になります。
万が一告知するべき内容を隠したり偽ったりすると告知義務違反となり、保険がおりなかったり保険の契約解除になったりするため注意してください。
告知義務違反がバレるとどうなる?
生命保険などに加入するときには、告知義務があります。嘘の告知をしたり隠したりしていると告知義務違反となります。
告知義務違反は、保険会社に保障金や給付金を請求したときや、同じ保険会社で他の保険に加入するときにバレます。
告知義務違反がバレてしまいますと、保険の契約解除や取消になります。
保障金が受け取れなくなったり、解約返戻金を受け取れないことや、保険に再加入できない場合もあります。
たとえ、うっかりミスであっても、告知義務違反にあたりますね。
告知義務違反として、保険会社に疑われると、医療機関と健康診断を調査されます。
医療機関はカルテを保存しているので発覚しますね。
もしも、生命保険契約後に告知漏れに気付いた場合は、ただちに保険会社へ連絡をしましょう。
ペースメーカー手術で利用可能な医療補助
ここではペースメーカー手術で利用可な医療補助として、以下の2つを解説します。
- 高額療養制度
- 身体障害者手帳による補助
ペースメーカーの手術の費用は大変高額で、約300万円ほどかかります。
ペースメーカーの手術は保険適用されるので、高額療養費制度の対象となります。
例えば、70歳未満の方で年収が370万~770万の方が高額療養費制度を利用すると、自己負担額が177,430円で、給付は2,822,570円です。(自己負担額シミュレーション)
ペースメーカーを使用すると、1級・3級・4級のいずれかで身体障害者手帳が交付されます。再認定されるのは、3年以内です。
高額療養費制度
ペースメーカーの植え込み手術は、高額療養費制度を利用できます。
高額療養費制度は、同じ医療機関に1ヵ月支払う医療費が一定額超えた場合に適用されます。
自己負担限度額を払って、超えた分の医療費が支給されます。
事前に自分が加入している公的医療保険に申請書類を出す必要があります。
ここで注意していただきたいのは、入院中の食事代やベッドの差額は対象外であることです。
身体障害者手帳による補助
身体障害者手帳を交付されることで、日々の生活に補助が受けられる場面が多々あります。
- 所得税・相続税の障害者控除
- 自動車税の減税
- バス・電車・航空・船舶・タクシーの割引
- 有料道路通行割引
- 駐車禁止除外指定者標章の交付
- NHK放送受信料の減免
- 携帯料金の割引
- 少額貯金の利子などが非課税
まとめ:ペースメーカー使用者の生命保険加入相談はマネーキャリアへ
当記事ではペースメーカーをつけている方が生命保険に加入できるかについて解説しました。
記事のポイントは以下のとおりです。
- ペースメーカーを使用していても、生命保険に加入できる可能性はある
- ペースメーカーの埋め込みから1年以上が経過していると加入できる可能性が高い
- ペースメーカー使用者でも加入しやすい保険は引受基準緩和型保険と無選択型保険の2つ
- ペースメーカーは保険料免除の対象にはならない場合が多い
- ペースメーカーは高度障害共済金の支払対象にはならない
- ペースメーカーをつけていることを隠すような告知義務違反はしないように注意
- 持病保険に関して疑問や不安がある人は持病保険の専門家(FP)への相談がおすすめ
ペースメーカーを装着していて生命保険に加入できるか不安がある方は、保険の専門家であるFPに相談しましょう。
数あるFPサービスのなかでもおすすめなのが「マネーキャリア」です。