5年ごとの利差配当付終身保険とは?配当金はいくらもらえるの?のサムネイル画像
生命保険のなかには、配当金が分配される保険商品があります。

何年ごとに配当金を受け取れるかによって保険商品が異なり、加入後6年目から5年後に配当金が出る保険が5年ごと利差配当付き保険です。

近年、なかなか景気が回復しないため、「いくら配当金があるのだろう」と大きな期待は持てません。

しかし、景気が良くなっても配当金のない「無配当保険」と比べると、5年ごと利差配当付き保険なら、少しは将来に期待が持てるんじゃないかと思ってしまいますよね。

この記事では、生命保険の配当金について詳しく解説しています。配当金と税金の関係にも触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

▼この記事を読んで欲しいひと
  • 5年ごと利差配当付き保険の配当金の仕組みを知りたい人
  • 配当金のある保険に入った方が良いのか悩んでいる人
  • 配当金を受け取ったときの税金について知りたい人

▼この記事を読んでわかること
  • 5年ごと利差配当付き保険の配当金について詳しくわかる
  • 無配当保険と利差配当付き保険を知ってニーズにあった保険の選び方がわかる
  • 配当金を受け取る時期によって課税される税金の種類を知れる

「5年ごと利差配当付き保険」は、いくら配当金が分配されるか決まっていませんが、6年目以降なら景気が上がって配当金がもらえるかもしれませんよね。いくら配当金がもらえるか気になる「5年ごと利差配当付き保険」について、仕組みや解約した場合、税金など詳しく解説します。

この記事の監修者「井村 那奈」

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

5年ごと利差配当付き保険とは?かんたん説明


5年を超えた保険契約に対して、余剰金を配当金として分配する仕組みをもつ保険が、5年ごと利差配当付き保険と呼ばれています。


保険契約を継続して5年目となった年度末に、保険会社の決算によって配当金が発生すると、該当する保険契約を持つ契約者は、その後に迎える保険の契約応当日に配当金を受け取ることができるのです。


3年ごと利差配当付き保険なら4年目の契約応当日から、3年ごとの契約応当日に配当金が分配される仕組みの保険もあります。


利差配当金付き保険の主流となっている、5年ごと利差配当金付き保険は、6年目に入る契約応当日に配当金を受け取ると、次の配当金が分配されるのは、5年後という仕組みです。


利差配当金付き保険で気をつけておきたいことは、「何年後にいくら配当金が支払われる」という確約があると思ってはいけません


5年ごとに配当金が分配される保険契約とはいえ、保険会社の決算状況によっては配当金がない年度もあるので、配当の有無やいくら配当金が支払われるのかは確約されていないことを覚えておきましょう。

利差配当付き保険は、一般的な保険とは少し異なる特徴があります。


また、配当金の有無のみを判断材料とするのはおすすめしません。一般的な保険との違いから理解しておくことで、より賢明な保険選びができます。


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配当金の仕組み

加入時に設定された予定利率と、決算によって確定した利率の差によって、余剰金が発生すれば配当金がいくらもらえるかが決定します。


保険会社が保険料を設定するときに利用する利率が、次の3つの利率です。

利率利率の決め方
予定利率国が発表している標準利率をもとに、保険会社が独自で決めた利率
予定死亡率年齢や性別ごとに、過去の統計からどれくらいの被保険者がなくなるのかを予測
予定事業率事業運営に対する必要経費がどれくらいになるのかを予測

しかし、予測した利率通りになるとは限らず、決めた利率よりも高い利率で運用されて余剰金が発生すると、配当金として契約者に分配されるようになっています。

無配当保険と利差配当保険の違い

配当金の分配をおこなわない保険無保険保険といい、利差配当付き保険と比べると保険料が安く設定されています。


配当金を支払わないことを前提に、保険料を決定するときに用いる基礎利率を、実際の経験値に限りなく近い数値に決定することで、保険料を抑えられているのです。


利差配当付き保険と無配当保険を比較してみると、以下のようになります。

配当金の違い配当金の有無保険料
利差配当付き保険あり
※確定ではない
予測の数値を用いて計算するため保険料が高くなる
無配当保険なし配当金を分配する必要がないため保険料を安く設定

5年ごと利差配当付き保険は、配当金の有無やいくら出るという確約はありませんが、配当金がいくらか出れば嬉しいですよね。


しかし、同じ保障内容でも、無配当保険の方が保険料は安くなるため、毎月の負担を減らしたい人にはおすすめです。

利差配当付保険で利益を得ることはできるの?いくらもらえる?


利差配当付き保険
は、保険会社でいくら差益が出たかによって、配当金がいくら分配されるかがきまります。


配当金はいくらもらえるのかは、分配時期になってみないと確定することはできませんが、掛け捨てタイプの生命保険には抵抗がある人には、利差配当付き保険がおすすめです。


景気のよい時代は、配当金がいくらもらえるのかが楽しみだったという利差配当付き保険ですが、近年の景気では、多くの配当金は期待できないと言えるでしょう。


利差配当付き保険には、1年ごとや3年ごと、5年ごと利差配当付き保険などがあるため、どの保険を選べば良いのか悩んだときは、保険の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。


保険のプロも、未来の配当金がいくらもらえるかは答えられませんが、直近の配当金がいくらぐらいあったのかなど、保険の最新情報をもとに教えてもらうことができます。


掛け捨てではない利差配当付き保険で、どの保険商品が悩んでいるならマネーキャリアがおすすめです。


保険の専門家に、納得できるまで何度でも相談できるので、ニーズに合った保険探しを手伝ってもらえることでしょう。

利差配当付き保険は、掛け捨てに抵抗がある方にとって魅力的な選択肢です。


ただし、将来の配当金額は不確実なため、商品選びには注意が必要です。


相談実績が豊富な専門家であれば、保険の最新情報や直近の配当金実績をもとに、あなたのニーズに合った商品をご提案できます。


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5年ごと利差配当付き保険と毎年配当金保険はどちらがお得?

景気動向や利息を考えると、どちらかと言えば、5年ごと利差配当付き保険の方が、お得になるかもしれません。


長く継続している保険の方が、金利市場の動きから景気が上がる可能性が考えられます。


また、いくらかでも分配された配当金は、現金ではなく積立配当金として保険会社が預かり、その時々で適用される利率によって運用されるケースが多くあります。


毎年配当金保険は、決算ごとに差益を計算して余剰金があればいくらか決めて分配されますが、景気が上昇しなければ、分配できるほどの余剰金が出る可能性は低いと言えるでしょう。


5年ごと利差配当付き保険を、長く継続しているなかで景気が上がり、配当金が分配され運用によって利息がつくので、知らない間に積立配当金が多くなっている場合もあるのです。


しかし、配当金は必ずいくら支払われるというものではなく、あくまで保険会社が契約者に分配できると判断した余剰金から、いくら分配できると決めた金額であることを忘れてはいけません。


5年ごと利差配当付き保険も、毎年配当保険も、いくら配当金があると確定しているわけではないため、今後景気があがる可能性があったり、長く継続する保険として加入するなら、5年ごと利差配当付き保険の方がおすすめだと言えます。

配当金を期待するよりも、自身のニーズを正確に把握することの方が重要です。


また、5年ごと利差配当付き保険と毎年配当金保険、どちらが最適かは個々の状況により異なります。


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5年ごとの利差配当付終身保険が合わない人とは


5年ごと利差配当付き保険をおすすめできない人は、以下のような場合です。

  • 貯蓄目的があって加入しようとしている人
  • 途中で解約する可能性がある人
近年は、経済が低迷して大きな配当金が期待できない状況が続いています。

5年に一度配当金が分配される5年ごと利差配当付き保険に入っても、加入後どれだけ景気が回復するかは予測できません。

こうした背景から、貯蓄目的早期解約の可能性があるひとは、5年ごと利差配当付き保険に加入する意味がなくなってしまうのです。

それぞれ、なぜ5年ごと利差配当付き保険が合わないのか、その理由を詳しく解説しているので、保険商品を選ぶときの参考にしてください。

利差配当付き保険は魅力的ですが、早期解約時の手数料や自身のニーズと合わせて考慮する必要があります。


万が一に備える重要な選択だからこそ、慎重に判断し選択することをおすすめします。


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①貯蓄目的がある人

貯蓄目的で保険に加入しようとしているなら、5年ごと利差配当付き保険はおすすめできません。


いくら分配されるかわからない配当金を期待して、無配当保険よりも高い保険料が設定されている5年ごと利差配当付き保険に加入しても、期待通りの配当金が出るとは限らないのです。


保険を利用して貯蓄したいなら、貯蓄性のある保険に加入した方が、配当金よりも将来に向けた積み立てが期待できます。

  • 老後の生活資金として貯蓄するなら「個人年金保険」
  • 目指す貯蓄額に達したら解約返戻金を受け取る「終身保険」
生命保険のなかでも、貯蓄性のある保険といえば、これら2種類の保険で、貯蓄の目的に合わせて利用できます。

より貯蓄を増やしたいなら外貨建て個人年金や、外貨建て終身保険などがありますが、リスクを確認したうえで加入するようにしましょう。

②途中解約するかもしれない人

5年ごと利差配当付き保険に加入しても、6年以内に解約する可能性があるなら、いくら配当金が高くても受け取ることができないため、おすすめできません


生命保険会社の運用によって配当金が決まったとしても、加入後6年目となる保険契約しか分配の対象にはならないのです。


配当金を受け取る権利を持てるのは、5年ごと利差配当付き保険の場合、6年目の契約応答日に契約が有効である保険契約者となります。


加入後5年以内に保険を解約する可能性があるなら、そもそも配当金を受け取ることはできません。


6年目の契約応当日まで継続する予定がなく解約する可能性があるなら、 5年ごと利差配当付き保険よりも保険料の安い無配当保険に加入した方がお得だと言えるでしょう。

配当金受取方法をかんたん紹介


配当金の受け取り方法は4つあります。

  1. 積立:保険会社で配当金を積み立てて、利息がつく積立配当金にする方法
  2. 買い増し:配当金を一時払い保険料として、保険買い増しする方法
  3. 相殺:配当金と保険料に充てて相殺し、保険料の負担を減らす方法
  4. 現金支払:配当金を現金で受け取る現金支払
生命保険文化センター「保険料と配当金」によると、近年では主な配当金の受け取り方法が「積立」となっており、保険種類によっては配当金の受け取り方法が選択できないケースもあります

加入から配当金が出るまで期間のある5年ごと利差配当付き保険のため、加入時には、いつ配当金が出るのか、どのように受け取れるのかを確認して、忘れないようにしておきましょう。

配当金が課税対象となるかは受け取り時期次第


配当金の受け取り時期によっては、税金が課せられる場合があります。


よくある3つの受け取り時期について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 保険契約中に配当金を受け取る場合
  • 保険金の支払開始日以降に配当金を受け取る場合
  • 保険金と一緒に配当金を受け取る場合
また、生命保険を途中解約した場合における配当金の課税についても、触れています。

配当金に税金がかかると、給与所得や事業所得などに合算されるため、所得税や住民税に影響が出る場合があるので、配当金と税金の関係は覚えておいた方が良いと言えるでしょう。

配当金の受け取り時期によって税金の扱いが大きく変わるため、慎重な判断が必要です。


とくに、所得税や住民税への影響を考えると、安易な選択は避けたいところです。


マネーキャリアでは、豊富な実績を持つ専門家に、納得いくまで何度でも無料で相談できます。保険や資産運用の話もまとめて相談可能です。


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①保険契約期間中の受取の場合

保険契約の保険料を支払っている期間中に配当金を受け取った場合、その配当金に対して税金がかかることはありません


配当金を受け取るために継続した保険の保険料は、必要経費としてみなされます。


支払った保険料の方が多ければ、受け取った配当金に課税されることはないのです。


年末調整や確定申告では、以下のように計算して生命保険料控除の金額を申告しましょう。

1年間に支払った保険料-受け取った配当金=生命保険料控除の金額

生命保険料控除証明書には、配当金額も記載されているので、確認しなら転記しましょう。

②保険金の支払日開始日以降

保険金の支払いが始まった日以降に配当金を受け取ると、所得税の対象となり、2037年12月31日までは、2.1%の復興特別所得税も課せられます。


受け取り方によって、税金のかかり方が変わるので、覚えておいてください。

受け取り方と税金税金の種類
年金で受け取り雑所得
一時金で受け取り一時所得


たとえば個人年金保険を受け取る場合、積み立てられた配当金は割増年金に充当され、受け取れる年金が増えます。


また、年金受取期間中に配当金が分配されると、増加年金に充当されて受け取ることになりますが、いずれも雑所得の対象です。


雑所得=受け取った年金額-受け取った年金額に対応して支払った保険料


この計算によって25万円以上となる場合は、その金額に10.21%となる所得税と復興特別所得税が、源泉徴収額として年金額から差し引かれることになります。

③保険金受け取りと同時

保険金と一緒に配当金を受け取ると、保険金と同様の税金が配当金に課せられます。


死亡保険金や満期保険金の支払事由が発生すると、保険金を一時金で支払ったあとは保険契約が消滅するため、配当金も保険金として支払われるためです。

保険金と税金保険金の内容課税される税金の種類
契約者と受取人が同一養老保険などの満期保険金一時所得
契約者と受取人が相違する満期保険金や死亡保険金贈与税
受取人が契約者の遺族死亡保険金相続税

なかでも、税金が高くなるケースは贈与税で、配当金が加わったことにより、税金の負担も上がってしまうことも考えられます。


税金の負担を軽減するためにも、満期保険金なら一時所得死亡保険金なら相続税の対象となるように受取人を設定するようにしましょう。

【参考】保険の種類によっては解約返戻金が発生することも

解約返戻金が発生する生命保険商品の場合、解約によって50万円を超える配当金を受け取ると一時所得の対象となり税金がかかります


一時所得は、解約返戻金を受け取るために支払った保険料の総額から50万円の特別控除を差し引いた金額が対象となるため、特別控除よりも少ない金額の解約返戻金は、課税対象となりません。


一時所得=(解約返戻金-支払った保険料総額-50万)×1/2


近年では、2つの保険商品が増えてきています。

  • 無解約返戻金型保険:解約返戻金がない
  • 低解約返戻金型保険:通常よりも解約返戻金が少なく設定されている
解約返戻金がない、または50万円未満なら税金はかかりませんが、解約返戻金の使い道を考えているなら、加入する保険商品の特徴をよく確認しておきましょう。

保険の配当金や解約返戻金に関する税金の取り扱いは複雑で、状況により大きく異なります。


また、誤った理解や対応は、思わぬ税負担を招く可能性があります。とくに、保険や税金などに関する疑問は、経験豊富なFPに一度相談してみるのが賢明です。


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まとめ:5年ごと利差配当付き保険に関する相談はマネーキャリアへ

5年ごと利差配当付き保険に加入して配当金を受け取るなら、6年目の契約応当日まで継続する必要があり、その後も5年ごとの配当金となるため、継続することが大切です。


日本の景気は低迷が続いているため、配当金は必ずしも受け取れるわけではありません


「配当金を期待して5年ごと利差配当付き保険に加入するべきか」

「保険料を重視して無配当保険に入るべきか」


このように悩んだときは、保険のプロに無料相談ができるマネーキャリアを活用してみましょう。


生命保険は短期で解約すると損をしてしまうため、加入する前に十分確認しておくことが大切です。    


保険のプロなら、収支バランスを踏まえて最適な保険料ライフプランから必要となる保険商品など様々な提案をしてもらえます。


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