- 大腸ポリープががん保険の保険金支払い対象か知りたい人
- がん保険の支払い対象にならない大腸ポリープについて情報が欲しい人
- 大腸ポリープの治療内容について知っておきたい人
- 大腸ポリープで受け取れる保障内容について聞きたい人
- 大腸ポリープは、悪性の場合はがん保険の保障対象となる
- 良性のポリープでは、がん保険の保障を受けられない
- 大腸ポリープはさまざまな種類があり、日帰り手術できるケースや入院になる場合がある
- 大腸ポリープでは入院給付金や手術給付金を受け取れる
多くの場合大腸ポリープ切除はがん保険の対象になりますが、大腸ポリープが良性であった場合、がん保険の保障を受けられないため注意が必要です。また大腸ポリープの切除にはいくつかの方法があり、術式によって費用や受け取れる給付金が異なってくるためこの記事で確認しておいて下さい。
この記事の目次
目次を閉じる大腸ポリープ切除で保険金はいくらもらえる?がん保険の対象?
「大腸ポリープ切除の手術では保険金はいくらもらえるの?」
「大腸ポリープ切除の手術を受けたけど、これってがん保険の対象になる?」
そんな疑問をお持ちの人も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると
・もらえる保険金は約15〜20万円
・大腸ポリープは多くの場合、医療保険の支払事由に該当しますが、がん保険については良性の場合は該当しない
です。
大腸ポリープ切除は悪性の場合と良性の場合で、がん保険の対象になるか分かれるので以下で詳しく確認してみてください。
主に最初の項目では以下の内容について紹介していきます。
- 大腸ポリープとは?
- 悪性の大腸ポリープはがん保険の対象
- 良性の大腸ポリープはがん保険の対象にならない
大腸ポリープについてから、悪性でがん保険の対象になる場合と、良性と診断されがん保険の対象にならないケースを紹介。
大腸ポリープの種類やがん化の高さについてもこの記事では紹介していますので、参考にしてみてください。
そもそもがん保険は不要か必要か、必要だとしたらどんな場合かということを失敗なく知っておきたいという方は以下の記事を参考にしてください。
大腸ポリープとは?
そもそも、大腸ポリープとはどのような病気なのでしょうか。
自分が大腸ポリープになって初めて病名を聞いた、という方もいますよね。
大腸ポリープの「ポリープ」とは、皮膚や粘膜などから突出した腫瘤の名称を指しています。
大腸ポリープは大腸の中に腺腫やSSL (sessile serrated lesion)と呼ばれる腫瘍が見つかった状態のこと。
全ての大腸ポリープが「がん」になるかといわれるとそうではなく、悪性でがんになるケースと、良性でその他細胞には影響を及ぼさない場合があります。
大腸がんになる可能性が考えられるのが、大腸にあるポリープが腺腫やSSL (sessile serrated lesion)と呼ばれる腫瘍だったケース。
腺腫やSSLと呼ばれる腫瘍の場合、手術や抗がん剤などを受けなければいけないがんになってしまうといわれています。
悪性の大腸ポリープはがん保険の対象
上記で説明した、腺腫やSSLと呼ばれる悪性の大腸ポリープが見つかった場合は、がん保険の対象になります。
一方で、保険会社Hの事例を見てみると、以下のことが記載されてました。
- 大腸の粘膜内癌(M癌)は上皮内癌(非浸潤癌)と同様の取扱いになること
- 払込免除特約では上皮内癌がんの場合対象外となる場合もある
このように、加入している保険・特約によっては、「上皮内癌および皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚癌を除く」などと定めれているケースも多く、全ての保険で対象になるとは言い切れません。
がんと一概に言っても上皮内がん(基底膜に浸潤していない初期のガン)か否かによっても支払事由が異なりますので加入中の保険についてもよく確認しておきましょう。
良性の大腸ポリープはがん保険の対象にならない
良性の大腸ポリープは、がん保険の対象とはならないケースが多くあります。
ここでは保険会社Oと保険会社Z、2つの生命保険の場合を紹介していきます。
保険会社Oの、大腸ポリープ手術の対応は以下のようになっています。
- ポリープ手術が給付金の対象かどうかは、保障内容によって異なる
- 医療保障では、治療のために受ける手術は給付対象
- がん保障では、大腸ポリープが悪性新生物(がん)だった場合に治療のために受ける手術が支払い対象となる
- 良性の大腸ポリープと診断された場合、給付の対象外となる
- 責任開始期以後(免責以降)に初めて大腸ガンおよび上皮内新生物と診断確定されたら、ガン診断給付金が受け取れる(悪性の場合)
大腸ポリープの種類とがん化の可能性
大腸ポリープの種類とがん化の可能性について、気になっている人も多いのではないでしょうか。
ここでは以下について紹介します。
- 大腸ポリープの種類はどのくらいあるのか
- がん化しやすい大腸(だいちょう)ポリープとは
大腸ポリープの種類は何がある?
ポリープ | 種類 |
---|---|
腫瘍性ポリープ | ・大腸がん ・腺腫 |
非腫瘍性ポリープ | ・炎症性ポリープ ・過形成性ポリープ ・過誤腫性ポリープ |
通常型腺腫 | 鋸歯状ポリープ | 通誤腫性ポリープ |
---|---|---|
管状腺腫 | 過形成性ポリープ | Peutz-Jeghers polyp |
菅状絨毛腺腫 | Sessile serrated adenoma | Juvenile Polye |
絨毛腺腫 | ・混合型ポリープ ・Traditional serrated adenoma | ・Cowden syndrome ・Cronkheit-Canada syndrome |
がん化しやすい大腸ポリープは?
がん化しやすい大腸ポリープにはどんなものがあるのでしょうか。
上記で高リスクなポリープだった場合を説明しましたが、高リスクなポリープは以下の3つに分類されます。
- サイズが10mm以上の腺腫
- 絨毛状腺腫(病理組織学的に絨毛構造を25%以上有するもの)
- 高異型度腺腫の3種類が高リスクポリープであると定義
ポリープの種類 | 切除したポリープ数 | % |
---|---|---|
通常型腺腫 | 1601 | 84.40% |
鋸歯状ポリープ | 282 | 14.90% |
通誤腫性ポリープ | 14 | 0.70% |
大腸ポリープの治療内容
大腸ポリープの治療内容は、どのようなものがあり、どのような流れで行われるのでしょうか。
ここでは、以下の通り大腸ポリープの検査から治療までを説明していきます。
- 大腸内視鏡検査
- EMR (内視鏡的粘膜切除術)
- ポリペクトミー
大腸内視鏡検査
大腸ポリープが疑われる場合、大腸内視鏡検査が必要になることがあります。
大腸内視鏡検査とは、内視鏡を肛門から挿入し、大腸ポリープなどの腫瘍や炎症などがないかを調べる検査です。
大腸内視鏡検査の流れは以下。
- 腸管洗浄液を飲んで腸の中を綺麗にする
- ベッド上で左側を下に横向きになり、膝を抱えるような姿勢になる
- 肛門に病気がないかをはじめに診察で確認
- 局所麻酔のゼリーや潤滑用ゼリーを使い内視鏡を肛門から挿入
- 盲腸に到達後、内視鏡を徐々に抜きながら大腸内を観察・病気の発見を行う
EMR (内視鏡的粘膜切除術)
大腸ポリープの治療にはEMR (内視鏡的粘膜切除術)があります。
上記で説明した大腸内視鏡検査などで大腸ポリープが発覚した場合、EMRやポリペクトミーで治療していきます。
ここではEMRについて詳しく紹介します。
EMR治療とは、病変が平らな表面型であったり、がんや腺腫(せんしゅ)を切除したりする場合に行われる方法です。
大腸ポリープでのEMR治療の流れは以下。
- 無茎型など表面がなめらかになっている病変はスネア(医療用処置具)がひっかけにくくなっているため、病変の粘膜の下層部に、生理食塩水などの液体を注入
- 液体を注入することで、病変を浮かび上がらせる
- 盛り上がった部分(浮かび上がった部分)に以下で紹介しているポリペクトミーと同じ流れでスネアを引っかけて絞る
- スネアを引き絞って高周波電流を流することで、一気に病変を焼き切る(切除)
EMRは、病変部分を盛り上げて切除するときに採用されます。
ポリペクトミーについては以下で詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
EMRやポリペクトミーの治療対象になる大腸ポリープはこちら。
- 直径5ミリ以上の腺腫(5ミリ以下の小さなものは良性の腺腫のままでいることが多い傾向にある)
- リンパ節転移がないと考えられる2センチ未満の早期がん
ポリペクトミー
上記でも簡単に説明してしまいましたが、ポリペクトミーは茎(くき)やくびれのようなもののあるポリープ切除に有効とされている治療方法。
大腸ポリープでのポリペクトミー治療の流れは以下を参考にしてみてください。
- ポリープのくき(またはくびれ)の部分に、スネア(医療用処置具)を引っかける
- スネアを引き絞り、高圧電流をかける
- ポリープの根本から焼き切るように切除する
- 下剤などで腸内を洗浄、きれいな状態にする
- 食事は前日の夜まで
- 病院によって、日帰りか1泊2日の入院かなど違いがある(年齢なども考慮される場合も)
- 翌日から飲食可能(最初の食事は全がゆから)
- 退院後は定期的な検査を受ける
大腸ポリープ切除にかかる費用
大腸ポリープの切除は、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは以下の項目に分けて紹介していきます。
- EMR (内視鏡的粘膜切除術)にかかる費用
- ポリペクトミーにかかる費用
- 入院した場合にかかる費用
- 大腸ポリープ切除にかかる費用まとめ
対象者 | 負担率 |
---|---|
70歳未満 | 3割負担 |
70歳〜75歳 | 一般所得者2割負担 (現役並所得者は3割) |
75歳以上 | ・一般所得者1割負担 ・一定以上の所得者:2割負担 ・現役並所得者3割負担 |
6歳未満 | 2割負担 |
大腸内視鏡検査にかかる費用
大腸内視鏡検査にかかる費用は、いくらくらいなのでしょうか。
大腸内視鏡検査にかかる費用は、3割負担の人で約8,000円~30,000円です。
内視鏡検査で異常が見られたり、追加で生検(病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査)が必要な場合、以下の代金が追加される可能性もあるので注意しておきましょう。
詳しい内訳は、以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
診察料代など | 約2,000円~3,5000円 |
大腸内視鏡検査代 | 約5,000円 |
病理組織検査代 | 約3,500円~7,000円 |
前処置 麻酔薬剤費 | 約2,500~4,000円 |
追加生検 | 約5,000円 |
(参照:医療法人幸生会 森ノ宮胃腸内視鏡 ふじたクリニック)
追加生検のほかにも、麻酔や鎮静剤を希望する人や、初診の人などは少し多めに見積もっておくのがおすすめです。
EMR (内視鏡的粘膜切除術)にかかる費用
大腸ポリープでEMR (内視鏡的粘膜切除術)にかかる費用は、いくらくらいなのでしょうか。
EMR (内視鏡的粘膜切除術)にかかる費用は、笠寺病院を参考にみてみると、2㎝未満の場合3割負担で約16,980円、生検(悪性なのかを検査すること)を希望する場合は、別途約20,070円となっていました。
2㎝以上の場合は、3割負担で約22,180円、生検は25,270円がプラスされます。
また、切除する部分が1箇所なのか、2箇所なのかによって金額が変わってきますので注意しておきましょう。
基本的に、EMR (内視鏡的粘膜切除術)を日帰り手術で行う場合は、約2万円~3万円が一般的。
切除したポリープが悪性なのか良性なのかを知りたい際には、生検を希望する必要があります。
その際、金額がプラスされることも覚えておくようにしましょう。
ポリペクトミーにかかる費用
大腸ポリープでポリペクトミー治療を行った場合、いくらくらいかかるのでしょうか。
ポリペクトミーにかかる費用は、自己負担率によって変動しますが、約7千円~2万2千円となっています。
上記で紹介したEMR (内視鏡的粘膜切除術)より、ポリペクトミーのほうが安い傾向にありますが病院によって金額に差がありますので、心配な人は最寄りの病院に問い合わせてみるのがおすすめ。
また、1ヶ月に支払った金額が高額医療費の上限を超えた際には、お金が戻ってくる場合も。
高額医療費については「使えないことも多い?高額療養費制度の落とし穴についてわかりやすく解説」の記事でさらに詳しく解説しています。
高額医療費制度の.年収による上限額なども紹介していますので、手術や入院前には確認しておくようにしましょう。
入院した場合にかかる費用
大腸ポリープで入院した場合にかかる費用はいくらくらいなのでしょうか。
大腸ポリープの切除は、日帰りで終わることもあれば入院になる場合もあります。
入院日数などは、手術を受ける病院や先生の方針によって変わってきます。
一般的な大腸ポリープでの入院日数は1泊2日、多くて2泊3日以内に退院できるケースが多くなっています。
3割負担の人は、入院は1日1万円程度が目安ですので、大腸ポリープで入院した場合の費用は2万円〜3万円(入院費用)ほど。
そこに切除した際の手術代約2万円~3万円がプラスされます。
大腸ポリープを切除して、最大2泊3日の入院をした場合でも、6万円程度かかると覚えておくのがおすすめです。
大腸ポリープ切除にかかる費用まとめ
ここまで、治療別の大腸ポリープ切除にかかる費用から、入院の際の費用までを紹介してきました。
大腸ポリープ切除にかかる費用をまとめると、このようになっていました。
治療種類 | 費用 |
---|---|
大腸内視鏡検査にかかる費用 | 約8,000円~30,000円 |
EMR (内視鏡的粘膜切除術) | 約2万円~3万円 |
ポリペクトミー | 約7千円~2万2千円 |
入院した場合 | 入院費用:2万円〜3万円 大腸ポリープ切除費用 :約2万円~3万円 |
EMR (内視鏡的粘膜切除術)やポリペクトミーを比較してみても、そこまで大きな差は感じられませんでした。
入院を含む手術を行うと6万円程度と、少し金額が上がっていますね。
入院をして治療をする際は、入院日数によって大きく金額が変わることを注意しておきましょう。
また、参考までに大腸がんの費用はこちら。
- 結腸がん手術・2週間入院した場合:30〜40万円
- 直腸がん手術:2週間入院した場合:30〜40万円
大腸ポリープ切除でもらえる保険金の種類は?
大腸ポリープ切除をした際に、がん保険で受け取れる給付金にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは以下の2つを紹介します。
- 手術給付金
- 入院給付金
手術給付金
大腸ポリープの切除で手術を受けた際には手術給付金を受けとることができます。
がん保険の場合は、悪性だった際しか受け取れないなど条件があるケースもありますが、医療保険では良性でも受け取れる可能性が高いです。
手術給付金は保険商品によって金額がさまざまで、一般的には、入院日額保障×定められた倍額(手術の負担によって倍額が決まるケースもある)を計算するケースや、もともと手術給付金はいくらと決められている場合があります。一般的には「日帰り手術」か「入院中の手術」かによって給付金額が変わることが多いようです。
自分が今、大腸ポリープの手術を受けていくら受け取れるのか、覚えていない人はこの機会に確認しておくようにしましょう。
手術を受けた際には、退院後すぐに働けない可能性もあるため収入が低下してしまうリスクも考えられます。
手術給付金を確認しながら、その金額で収入を補えるのかを再度検討しておくのがおすすめです。
入院給付金
大腸ポリープの治療で、入院治療をした際には入院給付金を受け取れる可能性があります。
入院給付金の給付方法は保険によって異なり、主に以下の2パターンがあります。
- 入院した際に、一時金としてまとまったお金を受け取れる
- 入院した日数に応じて(1日あたりいくらなど)お金が受け取れる
大腸ポリープ切除で保険金はいくらもらえる?プラン別シュミレーション
大腸ポリープ切除をした場合、給付金はいくらもらえるのでしょうか。
ここでは、以下2つの項目に分けて解説します。
- 日帰りの場合もらえる給付金はいくら?
- 入院した場合もらえる給付金はいくら?
日帰りの場合、保険金はいくらもらえる?
大腸ポリープを日帰りで切除した場合、いくらの給付金がもらえるのでしょうか。
基本的に日帰りで大腸ポリープ切除をした場合にもらえる給付金は、
1万円(入院費額)×5倍=5万円
A社 | B社 | C社 |
---|---|---|
1,864円 | 3,216円 | 2,400円 |
入院した場合、保険金はいくらもらえる?
大腸ポリープを入院して切除した場合、保険金はいくらもらえるのでしょうか。
考える要素は「入院日数」「入院日額」「手術給付金」の3つ。
入院をして大腸ポリープを切除した際は、
- 入院給付金
- 入院手術給付金
- 入院5日間として計算
- 入院日額1万円×5=5万円
- 手術給付金10万円
A社 | B社 | C社 |
---|---|---|
3,216円 | 2,074円 | 2,210円 |
大腸ポリープで受けられるがん保険の保障はプロに相談!
大腸ポリープで受けられるがん保険・保障の相談でお悩みの人は、マネーキャリアに相談してみるのがおすすめです。
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大腸ポリープと診断されても、お金のことは保険でなんとかなると安心できるように自分に合った保険に加入しておきましょう。
まとめ:大腸ポリープ切除で保険金はいくらもらえる?がん保険の対象?
この記事では大腸ポリープ切除はがん保険の対象になるのか、どのような給付金が受け取れるのかについて解説しました。
ポイントはこちら!
- 大腸ポリープの切除は悪性ならがん保険の対象になる
- 良性の場合は対象にならないケースもある
- 大腸ポリープ切除では、手術給付金・入院給付金が受け取れることも
- 大腸ポリープのがん保険・保証についてはマネーキャリアへの相談がおすすめ
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