内容をまとめると
- 日銀のマイナス金利解除により、金利が今後上昇してく可能性高い。過去にマイナス金利
- 解除をした海外の事例をみると、金利上昇は必ず起きている。
- 金利が上昇する前に、住宅ローンを変動金利から固定金利に切り替えることでお得になることもある。ただし、自分の状況に合った選択をしないとかえって損をしてしまう可能性 があるため、専門家に相談する必要がある。
- そこで、マネーキャリアのように、ファイナンシャルプランナーと何度でも無料で相談できるサービスを使って、住宅ローンの金利タイプの見直しをプロと進めていくのが安心。
日銀のマイナス金利解除により、金利の上昇が予想されます。「住宅ローンの金利が上がったら、毎月の返済が大変になる」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。この記事では、日銀のマイナス金利解除が生活に与える影響と対策について解説します。ぜひ参考にしてみて下さい。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
日銀のマイナス金利解除とは?
日銀がマイナス金利を解除し、各種ローンの金利が上がることによる家計への影響が心配されます。
最近は、物価上昇や増税により、贅沢をしていないのにお金を使ってしまいます。これまでのお金の使い方では、家計が苦しいといった悩みは誰しも抱えているでしょう。そんな状況の中、なぜ日銀はマイナス金利政策の解除に踏み切ったのでしょうか。
本章では、マイナス金利解除が私たちのに与える影響を理解するために、以下の2点から解説していきます。
▼日銀のマイナス金利解除とは?
- マイナス金利の仕組みとは?
- これまで日銀がマイナス金利政策をおこなっていた理由
マイナス金利の仕組みやマイナス金利政策を行っていた理由について知り、日銀がマイナス金利解除に舵を切った背景を学びましょう。
マイナス金利の仕組みとは?
日銀のマイナス金利政策とは、銀行が日銀に預けるお金(当座預金)の一部に、マイナスの金利を適用する仕組みです。
つまり、銀行が日銀に預けたお金の一部に対して、利息を支払うのではなく、逆に手数料を取られることになります。
具体的には、日銀は金融機関が日銀に預ける当座預金の一定額までは0%の金利を適用し、それを超える部分についてはマイナス0.1%の金利を課しています。
たとえば、あなたが友人に1万円を貸したとします。通常であれば、友人から利子を受け取るのが一般的ですが、マイナス金利が適用された場合、あなたが友人に10円を支払わなければならないことになります。
銀行が日銀にお金を預けるよりも、企業や個人に貸し出した方がお得になるのです。
そのため、マイナス金利が導入されると、銀行は収益を確保するために、貸出金利を引き下げる傾向があります。
金利が下がることで、企業は設備投資を行いやすくなり、個人は住宅ローンなどの借入コストが下がるため、消費を促進しやすくなります。
これまで日銀がマイナス金利政策をおこなっていた理由
日銀がマイナス金利政策を導入したのは、長年続くデフレと低成長という日本経済の課題を解決するためでした。
デフレとは、物価が持続的に下落する現象で、消費者が「もっと安くなるかもしれない」と考えて支出を控えるようになります。これにより、企業の売上が減少し、経済全体が停滞してしまうのです。
日銀は、このデフレから脱却し、経済を活性化するために、2013年から「異次元の金融緩和」という大規模な金融緩和策を実施してきました。その一環として、2016年1月にマイナス金利政策が導入されたのです。
マイナス金利政策の狙いは、主に2つありました。
- 金融機関が企業や個人に積極的にお金を貸し出すことを促進すること
- 国債の金利を下げ、政府が経済対策をしやすい状況にすること
このように、日銀はマイナス金利政策を通じて、デフレ脱却と経済成長の実現を目指してきたのです。
そのため、今回のマイナス金利解除には、物価目標の達成が大きな要因となりました。
具体的に、以下の物価目標が達成されました。
- 2024年の春闘で大企業を中心に高水準の賃上げ率(平均5.28%)が実現
- 物価上昇率が日銀の目標とする2%程度に達する見通し
日銀マイナス金利解除による影響とは?今後どうなる?
日銀がマイナス金利政策を終了することで、私たちの生活には少なからず影響が出てくると思われます。
私たちの生活の中で影響が出やすいのは、以下の6つの分野です。
▼マイナス金利解除の影響を受ける分野
- 住宅ローン
- カーローン
- 銀行金利
- 株価
- 為替
- 企業借り入れ
それでは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
住宅ローン
住宅ローンの金利は上がると予想されます。
ただし、住宅ローンの金利が急激に上昇することはないでしょう。金融機関同士の競争や、日銀の金融緩和政策の影響により、ゆっくりとしたペースでの金利上昇になることが考えられます。
住宅ローンの借り換えを検討している人や、住宅を購入しようと考えている人は、金利の動向をチェックしながら、タイミングを見計らって行動することが賢明だと言えるでしょう。
金利が上昇している場合は、住宅ローンの返済額を減らすために、繰上返済サービスの利用することも良いでしょう。繰上返済を行うことで、支払う利息の総額を減らし、返済期間を短縮することができます。
また、変動金利型から固定金利型へ乗り換えることも選択肢の一つです。金利の上昇率が高い場合は、変動金利から固定金利へ切り替えることで月々のローン返済額を減らすことが出来ます。
カーローン
銀行金利
株価
マイナス金利解除が株価に与える影響は複雑で、予想が難しいです。
金利上昇は、企業の借入コストを増加させ、業績を圧迫する要因になり得ます。その一方で、金利上昇は経済の回復を示す信号とも受け取れるため、株価にプラスに働く可能性もあるのです。
また、株式市場は金利の影響を受けつつも、世界経済の動向や企業業績など、他の要因の影響も大きく受けます。
投資家は、マイナス金利解除という1つの出来事にとらわれず、幅広い視点から株式市場を分析することが大切だといえるでしょう。
株式投資を行う際は、自分の資産状況やリスク許容度を十分に考慮し、分散投資の原則を守ることが重要です。また、株式投資に関する知識を深めるために、セミナーや書籍、オンラインコースなどを活用することも有効でしょう。
為替
マイナス金利解除は、円高を引き起こす可能性があります。
これまでは、日本が超低金利政策を行っていたので、円安でした。円の価値が低いので、縁を売って他国の通貨を買う人が多かったのです。
しかし、金利が上昇すると円買いが進み、円高方向に振れる可能性があります。
ただし、為替相場は、金利差だけでなく、経済指標や貿易収支、政治情勢など、さまざまな要因の影響を受けます。また、他国の中央銀行の金融政策の変更なども、為替相場に大きな影響を与えます。
為替相場の動向を予測するには、世界的な視点が欠かせません。
為替変動のリスクに備えるために、為替ヘッジ付きの金融商品を活用することも良いでしょう。
為替ヘッジ付きの投資信託や債券などは、為替変動の影響を抑えつつ、安定的なリターンを狙うことができます。ただし、為替ヘッジには手数料がかかるため、メリットとデメリットを十分に検討する必要があります。
企業借り入れ
マイナス金利解除により金利が上がると、企業の借り入れコストが上昇します。
日銀がマイナス金利を適用していた間は、企業は低コストで資金調達ができていました。しかし、金利上昇により借入コストが増加すれば、企業業績に悪影響を及ぼしてしまいます。
特に、中小企業や財務体質の弱い企業は、金利上昇の影響を大きく受ける可能性があります。資金繰りが苦しくなれば、投資や雇用を諦めることにつながりかねません。
企業は、金利上昇を見据えて、適切な資金調達戦略を立てることが求められます。
金利上昇局面では、固定金利での借り入れや、金利スワップ取引などの金利リスクヘッジ手段を検討することも有効でしょう。また、財務体質の改善や、事業の効率化などを通じて、金利上昇の影響を軽減することも重要となります。
以上のように、日銀のマイナス金利解除は、私たちの生活全体に影響を及ぼすことが予想されます。
どこまで金利は上がるの?過去の事例や海外の事例を参考に解説
日銀がマイナス金利政策を解除した後、金利がどこまで上昇するのかは、多くの人が関心を持つでしょう。
将来の金利水準を予測するのは簡単ではありませんが、過去の事例や海外の事例を参考にすることで、ある程度の見通しを立てることができます。
本章では、過去にマイナス金利を解除した3つの国を紹介していきます。3つの事例から今後の日本の金利上昇について考えてみましょう。
▼マイナス金利解除したことのある3国
- デンマーク
- スイス
- スウェーデン
デンマーク
デンマークは、2012年7月から2014年4月まで、マイナス金利政策を実施しました。
政策解除後、短期金利は徐々に上昇し、解除から1年後には0.05%程度になりました。その後、金利は緩やかに上昇を続け、2年後には0.5%近くまで上昇しました。
2023年2月、デンマーク国立銀行は、さらなるインフレ抑制を目指し、1.45ポイントの大幅な利上げを行いました。この利上げにより、政策金利は2.1%に引き上げられました。
デンマーク国立銀行は、当初はデンマーククローネの下落防止を目的に利上げに動きましたが、その後はインフレの進行を抑制するために継続的な利上げを行っています。
デンマークの事例から学べる点は、金利が緩やかに大きく上昇したことです。
日本でも、急激な金利上昇は回避され、緩やかなペースでの上昇が予想されます。デンマークのようにインフレが進行していく場合、金利も上がっていくでしょう。
スイス
スイスは、2014年12月から2015年1月にかけて、マイナス金利政策を導入しました。
スイスがマイナス金利政策を導入した背景には、スイスフラン高への対応がありました。スイスフランは、欧州債務危機などを背景に、安全資産として買われる傾向にありました。スイスは輸出に力を入れているため、フラン高は企業の競争力を削ぐとともに、デフレリスクを高める要因となります。
2022年になって、フラン高が改善され、物価上昇圧力が高まったことから、スイス国立銀行はマイナス金利解除に踏み切りました。
当初、政策金利をマイナス0.75%に設定していましたが、2022年6月から2023年9月にかけて、政策金利を段階的に1.75%まで引き上げました。
その後、2024年3月に0.25%の利下げを実施し、政策金利を1.5%としました。
利上げによって経済状況が良くなり、インフレになりました。インフレ率が低下し、落ちついてきたため、さらなる経済成長を促すよう利下げを行いました。今後も、インフレ動向に合わせて金利の調整を行う方針です。
スイスの事例から学べる点は、マイナス金利を解除し、インフレになったことです。
日本が今後インフレになることで、停滞していた日本経済の成長が期待できるかも知れません。
スウェーデン
住宅ローンや資産運用のお悩みはマネーキャリアにお任せください
日銀のマイナス金利政策解除は、住宅ローンや資産運用など、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。
金利上昇は、ローン返済の負担増や資産運用の収益性の低下を招く恐れがあるため、適切な対策をすることが大切です。
住宅ローンについては、金利上昇に備えて固定金利型を選択したり、繰上返済を検討したりするなど、自分の状況に合った方法を考える必要があります。
また、金利が上がる場面では、変動金利型だとローン金利も上がってしまうため、固定金利型へ乗り換えることも選択肢の一つです。
ただし、一人一人の状況が異なるため、最適な金利タイプは人によって変わります。自分に合った方法を見つけるために、ライフプランを作ってシュミレーションすることが重要になります。
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