
内容をまとめると
- 住宅ローンを2社から借りる方法はあるが、2社から借りるのが最善とは限らない
- 住宅ローンを2社から借りられれば、固定金利と変動金利の組み合わせでリスクヘッジが可能な上に、借入総額を増やせる可能性がある
- 住宅ローンを2社と契約するには抵当権二位の金融機関を探す必要があり、さらに2社分の手数料や手続きをする手間が増える
- 住宅ローンを1社で済ませた方が時間・手間・支払額を減らせる可能性は高いものの、判断は難しいため、相談件数が100,000件を超える実績のあるマネーキャリアの無料相談を利用してしっかり相談しておくのがおすすめ

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 住宅ローンを2社以上(複数)から借入できる?
- 住宅ローンを2社から借りるメリット
- 低金利の住宅ローンを組める
- 住宅価格の9割を超える借入が可能
- 住宅ローンを2社から借りるデメリットや注意点
- 抵当権二位の金融機関を探す必要がある
- 諸費用が2社分発生するため総返済額が高くなる
- 住宅ローン控除の適用が複雑になる
- 住宅ローンを2社から借入するか迷ったら専門家(FP)に相談しよう
- 住宅ローンを2社借りる以外で借入可能額を増やす方法
- 1人で住宅ローンを組むならミックスローンがおすすめ
- 夫婦2人で借りるならペアローンがおすすめ
- 2社から住宅ローンを借りた場合の住宅ローン控除や年末調整は?
- 年末調整に必要な書類
- 年末調整で住宅ローン控除を進める手順
- 住宅ローンの審査は2社以上(複数)で受けられる?
- 事前審査は2社以上で受けるのがおすすめ
- 本審査は1社のみがおすすめ
- 住宅ローンを2社借りる場合はデメリットを踏まえて慎重に検討しよう【まとめ】
住宅ローンを2社以上(複数)から借入できる?
結論からいえば、住宅ローンを2社から借りられる方法はあります。
民間金融の住宅ローン2社からは借りられませんが、フラット35と民間の金融機関が提供する住宅ローンの組み合わせであれば可能です。
住宅ローンは1つに絞る人がほとんどですが、借り入れ総額を大きくしたい場合や、金利のタイプを分けてリスクヘッジをしたい場合に2社から借りたいという人はいます。
ただし、3社以上は現実的にはほぼ不可能なため、2社が上限と考えておきましょう。
住宅ローンを2社から借りるメリット
住宅ローンを2社から借りる主なメリットは2つあります。
- 低金利の住宅ローンを組める
- 住宅価格の9割を超える借り入れが可能
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1つのローン契約では不可能なメリットを得られるので、2社から借りたいと考える人が多いです。
住宅ローンを2社から借りるメリットを把握して、実際に2社から借りられるか検討する際に参考にしましょう。
低金利の住宅ローンを組める
住宅ローンを2社から借りる最大のメリットは低金利の住宅ローンが組みやすい点です。
フラット35の固定金利型住宅ローンと民間金融機関の提供している変動金利を組み合わせるパターンが一般的です。
変動金利は固定金利よりも金利が低いケースが多いため、実質的に固定金利だけで住宅ローンを組むよりも低金利でローンが組めます。
また、変動金利だけで住宅ローンを組んだ場合は情勢によっては大幅に金利が上がってしまう可能性がありますが、固定金利と併せて利用すればそのリスクをおさえられます。
2社から借りている場合は、まとまった収入があった際に片方のローンを繰り上げ返済してしまうという手もあるため、柔軟かつ低リスクな住宅ローンを組みやすいのは大きなメリットです。
住宅価格の9割を超える借入が可能
住宅ローンを2社から借りられれば、住宅価格の9割以上の借り入れが可能になるケースもあります。
住宅ローンが1社の場合は借り入れ額が大きいほど審査が厳しくなり、希望する金額のローンを組めない可能性が高めです。
また、一般的には住宅価格の8割までの融資が多く、9割を超える借り入れは難しいです。
ただし、2社目から残りの金額を借りれば、結果的に住宅価格の9割を超える借り入れが可能になります。
夫婦でそれぞれ住宅ローンを契約して、2社あわせて9割を超える借り入れをする方法もあります。
住宅ローンを2社から借りるデメリットや注意点
住宅ローンを2社から借りるメリットは大きいですが、デメリットや注意点もいくつかあります。
- 抵当権二位の金融機関を探す必要がある
- 借り入れ手数料が2つ分必要
- 住宅ローンの契約が2つできない金融機関もある
抵当権二位の金融機関を探す必要がある
住宅ローンを2社から借りたいと考える場合、まず抵当権二位になる金融機関を探す必要があります。
抵当権とは、債務者が住宅ローンの支払いができなくなった場合、金融機関が担保にした物件を売却して売却費用を回収できる権利です。
この際、まず最初に売却費用を回収できるのが抵当権一位の金融機関で、二位以下の場合は売却価格によっては返済がされない可能性があります。
住宅ローンを2社から借りる前提として、住宅ローンの1つはフラット35にする必要がありますが、フラット35は抵当権一位でないと融資を受けられません。
そのため、2つ目の住宅ローンは抵当権二位でも契約可能な必要があります。
抵当権二位以下の場合は融資した金額を一切回収できない可能性があるため、抵当権二位の金融機関を探すのは現実的に難しいです。
諸費用が2社分発生するため総返済額が高くなる
住宅ローンを2社から借りる場合、それぞれの金融機関に対して諸費用が発生するため総返済額が高くなります。
その際の必要な手数料は以下などが挙げられます。
- 事務手数料
- 保証料
- 団体信用生命保険料
住宅ローン控除の適用が複雑になる
住宅ローンを2社から借りる場合、住宅ローン控除の適用が複雑になる点にも注意が必要です。
原則として、控除の対象となるのは住宅ローンの契約者本人が自ら住む住宅の取得に使った借入分のみです。
そのため、夫婦でペアローンを組んだ場合は、それぞれの借入額に応じて控除額が分かれる仕組みになります。
また、1人で2本のローンを借りた場合、控除の対象となるのは1本目のみで2本目は対象外になる可能性があります。
金融機関の種類やローンの目的によっても判断が異なるため、税務上の取り扱いを事前に確認しておくことが重要です。
住宅ローンを2社から借入するか迷ったら専門家(FP)に相談しよう
住宅ローンを2社から借りるかどうかは、金利や返済計画、控除制度など複数の要素が関わるため、自己判断だけで進めるのは危険です。
判断に迷ったときは、住宅ローンに詳しい専門家(FP)に相談するのが安心です。
中でもおすすめなのが、オンラインで手軽にプロのFPに相談できる「マネーキャリア」です。
マネーキャリアでは、独自のスコアリングにより住宅ローンの知識が豊富なFPだけを厳選しています。
住宅ローンだけでなく、資産形成やライフプラン全体も見据えて最適な解決策を提案してくれて、相談料は無料なので初めての方でも安心して利用してください。

住宅ローンを2社借りる以外で借入可能額を増やす方法
住宅ローンを2社借りる以外で借入可能額を増やす方法として、以下2つを紹介します。
- 1人で住宅ローンを組むならミックスローンがおすすめ
- 夫婦2人で借りるならペアローンがおすすめ
1人で住宅ローンを組むならミックスローンがおすすめ
1人で2つの住宅ローンを組む方法としてはミックスローン(併用ローン)があります。
これは変動金利と固定金利のローンを組み合わせた金利などに設定ができる住宅ローンで、厳密には1つの住宅ローン契約です。
変動金利と固定金利を50%ずつに設定したり、同じ固定金利でも長期型と中期型を組み合わせて返済負担を調整したりできます。
ミックスローンによっては返済期間をミックスできる場合もあり、柔軟な返済プランを立てられるのが特徴です。
1人で2つの住宅ローンを借りているのと同じようにリスクヘッジができる上に、契約自体は1つなので事務手数料などが重複するデメリットもないため、とくにおすすめです。
夫婦2人で借りるならペアローンがおすすめ
夫婦2人で別々にローンを組むペアローンも2つの住宅ローンを借りる方法としておすすめです。
ペアローンは夫婦のどちらにも一定の収入があるのが条件になりますが、それぞれ別の住宅ローンを契約して、それぞれ返済をしていく方法です。
夫婦でそれぞれ住宅ローンを組むのが一般的ですが、親子でもペアローンを組める場合もあります。
1人で借り入れをする場合は自身の収入だけで借り入れ可能金額が決まってしまいますが、それぞれ審査を受けて借り入れをおこなうため、合計の借り入れ額は1人でローンを組むよりも上げやすくなります。
また、住宅ローン控除もそれぞれ別に利用できるメリットがあります。
ただし、別々の契約ですので手数料がそれぞれにかかる点や、借り入れ額が増える分だけ世帯としての返済額も増える点には注意が必要です。
2社から住宅ローンを借りた場合の住宅ローン控除や年末調整は?
2社から住宅ローンを借りた場合、住宅ローン控除の申請や年末調整が若干複雑になります。
- 年末調整に必要な書類
- 年末調整で住宅ローン控除を進める手順
年末調整に必要な書類
2社から住宅ローンを借りている場合の年末調整に必要な書類は以下の通りです。
- 住宅借入金等特別控除証明書(借入金残高証明書)
- 源泉徴収票
- 扶養控除等(異動)申告書
年末調整で住宅ローン控除を進める手順
年末調整で住宅ローン控除を勧める手順は以下の通りです。
- 金融機関から送付される住宅借入金等特別控除証明書または借入金残高証明書を会社に提出する
- 会社が年末調整で住宅ローン控除を処理
- 年末調整で控除が反映される
1社であれば上記の通り簡単に住宅ローン控除の申請は可能です。
2社以上の住宅ローンを借りている場合は年度末の2月16日から3月15日に確定申告をおこない、2社目以降の住宅ローンの借入残高証明書をもとにした控除の申請をする必要があります。
ただし、住宅ローンには控除限度額が設定されているため、年末調整時点ですでに限度額に達している場合は追加の控除が受けられないので注意しましょう。
住宅ローンの審査は2社以上(複数)で受けられる?
2つの住宅ローンを借りるのは難しいですが、住宅ローンの審査自体は2社以上受けられます。
- 事前審査は2社以上で受けるのがおすすめ
- 本審査は1社のみがおすすめ
事前審査は2社以上で受けるのがおすすめ
住宅ローンの事前審査に関しては、2社以上を受けるのがおすすめです。
金融機関によって審査基準も違う上に、申し込みをしても必ず審査に通るとは限らないため、2~3社の事前審査を検討してみましょう。
審査結果によっては金利が優遇される可能性もあるため、想定していたより低金利で住宅ローンを組める可能性もあります。
事前審査を受けるデメリットはほとんどありませんが、受ける件数があまりにも多く、審査に通らない履歴が積み重なってしまった場合は本審査に影響が出る可能性もあるため注意しましょう。
本審査は1社のみがおすすめ
住宅ローンの事前調査は2社以上受けるのがおすすめですが、本審査は1社にしぼって受けるのがおすすめです。
複数のローンを同時に申し込んだ履歴は信用情報として保存されてしまうため、手当たり次第に申し込みをかけるほどお金に困っていると判断される可能性があります。
逆に1社にしぼって申し込みをしている場合は、事前審査を終えた上で慎重に住宅ローンを選んだとも判断され、本審査で有利になる可能性があります。
住宅ローンを2社で借りようと検討している場合、金融機関と相談してミックスローンやペアローンに申し込むのがおすすめです。
住宅ローンを2社借りる場合はデメリットを踏まえて慎重に検討しよう【まとめ】
今回は住宅ローンを2社から借りることについて、以下を解説しました。
- 住宅ローンを2社から借りることは可能だが、制度的・実務的にハードルが高い
- メリットとして借入額が増える反面、費用・リスク・管理の複雑さといったデメリットに注意が必要
- ミックスローンやペアローンなど、無理なく2社借入と同等の効果を得られる選択肢もある
これらを踏まえて「自分にはどの借り方が合っているのか不安…」という方は、住宅ローンに詳しい専門家(FP)のマネーキャリアに無料相談するのがおすすめです。
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