住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅を購入した際に一定の規定を満たすことで所得税が控除される制度で、よく耳にしますが実際に住宅ローンを組み、控除を受けたいと思ったときにはどのようにしていいかわかりづらいですよね。
また、住宅ローン控除はいくら控除を受けられるのか、お得に活用できるかなどは対応策を含め自分で調べるのは大変難しい問題になります。
合わせて、住宅ローン控除を受ける際には手続きが必要になり、将来のライフプランと合わせて検討する場合にどのようにするべきかは専門的な知識が必要となり、その際に適した条件や負担のない返済額をどのようにしたらいいかも自分一人では迷ってしまいます。
そこで、この記事では、「住宅ローン控除を受けたいけれど、実際にはいくら戻る」や「住宅ローン控除を受ける際の対応策」などを解説していきます。
・住宅ローンを組んで控除を受けたいが、どのようにしてよいか迷っている方
・住宅ローン控除の計算式が知りたい方
この記事を参考にすることで、住宅ローン控除を受ける場合にどこに注意して、誰に相談すればいいかなどの選び方が明確になるので、住宅ローンの不安が解消できます。
内容をまとめると
- 住宅ローン控除でいくら戻るかのシミュレーション。住宅ローン控除は「住宅ローンの年末残高×0.7%」で計算され、適用期間は最長13年。
- 住宅ローン控除を最大限に活用する方法は、借入金の金額を慎重に検討し返済期間を10年以上に設定すること。また、控除との絡みを検討し繰り上げ返済のタイミングを慎重に選ぶこと。
- 住宅ローン控除を受けるための手続きは、確定申告の流れを確認し、必要書類をきちんと揃えた上で、適切な時期に実施すること。
- 住宅ローンを組むのに適した条件や確認すべき項目、住宅ローン控除とは何かを悩む人が使うべき方法は、住宅ローンに関する相談が何度でも無料のマネーキャリアでの相談がおすすめ。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 住宅ローン控除で税金はいくら戻る?
- 住宅ローン控除の控除額の計算式
- 平均借入額から見た平均控除額
- 住宅ローン控除の期間と最大控除額
- 住宅ローン控除でいくら戻る?実際にシミュレート
- 各年の控除額:年末残高が3,000万円の場合
- 総控除額:5,000万円の借入を月20万円で返済していく場合
- 住宅ローン控除を最大限に活用する方法
- 可能な範囲で多めに借入額を設定する
- 返済期間を長くすることで控除額を高く維持できる
- 繰上げ返済を住宅ローン控除と組み合わせて行う
- 住宅ローン控除を受けるための手続き
- 確定申告を行う方法を把握する
- 控除を受けるために必要な書類を準備する
- 確定申告を適切な時期に実施する
- 住宅ローン控除でいくら戻るか気になる方におすすめのサービス
- 住宅ローンに関する相談が何度でも無料:マネーキャリア(丸紅グループ)
- まとめ:住宅ローン控除でいくら戻る?
住宅ローン控除で税金はいくら戻る?
住宅ローン控除の基本は、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除される制度です。
この制度は、住宅を取得した年から最長で13年間(新築の場合)または10年間(中古の場合)適用されます。
ここからは、住宅ローンで税金はいくら戻るのか確認していきます。
住宅ローン控除の控除額の計算式
住宅ローン控除の控除額の計算式は、基本的に「住宅ローンの年末残高×0.7%」です。
この計算式に基づいて、住宅ローンの残高に応じた控除額が算出されます。
また、控除しきれなかった場合は住民税からも還付されますが、控除額は上限が設けられており、居住開始年月によって異なります。
その際に、特別な申告は不要となり、通常では勤務先からの給与支払報告書や確定申告書をもとに市町村が控除内容を把握し、翌年の住民税に反映されます。
平均借入額から見た平均控除額
日本における住宅ローンの平均借入額は、平成30年から令和4年の平均借入額は3,437万円でした。
平成30年は2,734万円でしたので控除額の計算式に当てはめると、2,734万円×0.7%=約19万円
令和4年では、3,772万円でしたので、3,772万円×0.7%=約26万円
5年間の平均では、3,437万円×0.7%=約24万円でした。
物価の上昇により住宅の価格も上がっているため借入金も上昇傾向にあります。
借入金が増えるにつれて控除額も増加しますが、控除額は所得税の納税額を超えることはできないため、実際に還付される金額は納税額に依存します。
住宅ローン控除の期間と最大控除額
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を新築・取得または増改築した場合に、所得税から一定額を控除できる制度です。
この制度の適用期間や最大控除額は、住宅の種類や入居時期によって異なります。
住宅ローン控除の期間
- 新築住宅および買取再販住宅:住宅ローン控除の適用期間は最長13年間です。これは、2024年以降に入居した場合でも変わりません。
- 中古住宅:中古住宅の場合、控除期間は10年間です。ただし、1982年1月1日以降に建築された住宅で、耐震基準に適合している必要があります。
- 認定長期優良住宅:借入限度額は借入限度額は4,500万円、最大控除額は31.5万円(4,500万円 × 0.7%)、控除期間は13年です。
- ZEH水準省エネ住宅: 借入限度額は3,500万円、最大控除額は24.5万円(3,500万円 × 0.7%)、控除期間は13年です。
- 省エネ基準適合住宅:借入限度額は3,000万円で、最大控除額は21万円(3,000万円 × 0.7%)、控除期間は13年です。
- その他の住宅(省エネ基準に適合しない場合):借入限度額は0円で、控除対象外となります。ただし、2023年度末までに建築確認を受けた住宅については、借入限度額が2,000万円で、最大控除額は14万円(2,000万円 × 0.7%)、控除期間は10年になります。
住宅ローン控除でいくら戻る?実際にシミュレート
住宅ローン控除のシミュレーションをおこなうことで、実際にどのくらいの税金が還付されるかを把握できます。
基本計算式
控除額=年末の住宅ローン残高×0.7%
実際のシミュレーションは以下になります。
各年の控除額:年末残高が3,000万円の場合
年末残高3,000万円の場合、控除額は次のように計算されます。
初年度:3,000万円×0.7%=21万円
2年目:2,880万円(毎月10万円の住宅ローン返済をおこなった場合の年末残高)×0.7%=20.16万円
3年目:2,760万円×0.7%=19.32万円
このように、住宅ローン控除は、住宅ローン残高が減少することにより、毎年の控除額が少なくなる仕組みです。
住宅の種類によりますが、基本的にはこの計算が控除期間の13年続きます。
また、2022年の税制改正により、控除率が1%から0.7%に引き下げられました。
そのため、控除率の引き下げや控除期間の制限も影響しています。
同じ残高であっても、以前より控除される金額が少なくなるなどのさまざまな要因を理解すると、住宅ローン控除の利用計画をより効果的に立てることができます。
総控除額:5,000万円の借入を月20万円で返済していく場合
5,000万円の住宅ローンを月20万円で返済していく場合、初年度は35万円の控除が受けられ、以降は年末残高に応じて控除額が減少します。
初年度の残高が5,000万円であれば、次年度の年末残高は月20万円の返済をおこなう場合の返済額240万円を引いた4,760万円となります。
2年目以降の計算は以下になります。
2年目:4,760万円×0.7%=約33.32万円
3年目:4,520万円×0.7%=約31.64万円
4年目:4,280万円×0.7%=約29.96万円
5年目:4,040万円×0.7%=約28.28万円
控除期間は基本的に13年になり、「年末の住宅ローン残高×0.7%」を13年間受けることが可能で、その際の総控除額は323.96万円です。
また、控除額が所得税や住民税を上回る場合は、住民税からも控除されますが、控除しきれない額は翌年に繰り越されることはありません。
住宅ローン控除を最大限に活用する方法
住宅ローン控除を最大限に活用するためには、借入金の返済期間や繰上げ返済のタイミングを考慮することが重要です。
以下に、住宅ローン控除の基本的な仕組みと、繰上げ返済に関する注意点を詳しく説明します。
- 可能な範囲で多めに借入額を設定する
- 返済期間を長くすることで控除額を高く維持できる
- 繰上げ返済を住宅ローン控除と組み合わせておこなう
可能な範囲で多めに借入額を設定する
住宅ローン控除を最大限に活用する方法1つ目は、可能な範囲で多めに借入額を設定することです。
多めに借入額を設定するメリットは以下になります。
- 控除額の増加…借入金を多めに設定すると、年末ローンの残高が増加し、それにともなって控除される税額も増えます。
- 資金の余裕…初期の資金負担を軽減し、他の住環境を整えるための資金的余裕が生まれます。
- 長期的な節税効果…住宅ローン控除は13年間適用されるため、長期的に見ても大きな節税効果が期待できます。
- 高性能住宅の優遇…住宅の性能に応じて借入限度額が異なるため、省エネ基準を満たす高性能住宅を選ぶことで、さらに高い借入限度額が適用される可能性があり、より多くの控除を受けることができます。
- 将来の資産形成…借入金を多く設定すると、高価な物件を購入できるため、将来的な資産形成に寄与します。住宅は長期的な投資としても重要な役割を果たします。
特に、住宅の性能や早めの手続き、特例の利用を意識すると、より多くの控除を受けることが可能になります。
返済期間を長くすることで控除額を高く維持できる
住宅ローン控除を最大限に活用する方法2つ目は、返済期間を長くすることで控除額を高く維持できることです。
返済期間を長く設定すると、以下の利点があります。
- 返済期間が長いほど、月々の返済額は少なくなり、家計にかかる負担が軽減され、他の支出に対する余裕が生まれる。
- 住宅ローン控除は、年末のローン残高に基づいて計算されるため、返済期間が長いと、初期の借入残高を長期間維持しやすくなり、控除額を高く保つことが可能。
住宅ローン控除を活用するためには、返済期間を長く設定すると有効ですが、総支払利息の増加や控除の条件を考慮しながら、慎重に返済計画を立てることが重要です。
繰上げ返済を住宅ローン控除と組み合わせて行う
住宅ローン控除を最大限に活用する方法3つ目は、繰上げ返済を住宅ローン控除と組み合わせておこなうことです。
繰上げ返済は、住宅ローンの残高を早期に減少させる手段ですが、繰上げ返済には主に以下の2種類があります。
- 返済期間短縮型:毎月の返済額は変えずに、借入期間を短縮します。これにより、総支払利息が減少します。
- 返済額軽減型:借入期間はそのままで、毎月の返済額を減少させます。この方法では、総支払利息が多くなる可能性がありますが、月々の負担が軽くなります。
控除期間中に繰上げ返済をおこなうと、住宅ローン控除の対象となる残高が減少するため、控除額も減少します。
しかしながら、金利が高い場合などは繰上げ返済をおこなうことで利息の軽減効果大きくなるため積極的に繰上げ返済を検討する価値があります。
逆に、金利が低い(0.7%未満)場合などは、繰上げ返済をおこなうよりも住宅ローン控除を利用したほうが得になることが多いです。
繰上げ返済を急がず、控除を最大限に活用することが推奨されます。
住宅ローン控除を受けるための手続き
住宅ローン控除を受けるための手続きは、主に初年度の確定申告とその後の年末調整にわかれます。
以下に、手続きの流れや必要書類について詳しく説明します。
- 確定申告をおこなう方法を把握する
- 控除を受けるために必要な書類を準備する
- 確定申告を適切な時期に実施する
確定申告を行う方法を把握する
住宅ローン控除を受けるためには、まず初年度に確定申告をおこなう必要があり、住宅を購入した翌年におこないます。
確定申告の申請方法によって還付金の受け取り時期が異なりますが、方法は以下の3つです。
- 郵送…必要書類を揃え、所轄の税務署に郵送→申請後30〜45日程度
- 対面…税務署に直接持参して申告→申請後30〜45日程度
- 電子申告…国税庁のウェブサイトを利用して、オンラインで申告→申請後約20日程度
いずれの方法でも、実際に振り込まれる1週間ほど前に「国税還付金振込通知書」が届きます。
また、住宅ローン控除の申請は、初年度に確定申告をおこない、2年目以降は会社の年末調整で受けることができます。
控除を受けるために必要な書類を準備する
控除を受けるために必要な書類
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- マイナンバーが記載された本人確認書類
- 源泉徴収票
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 住宅の工事請負契約書または不動産売買契約書の写し
- 土地の購入に関する書類(必要な場合)
確定申告を適切な時期に実施する
住宅ローン控除を受けるためには、住宅の引き渡しまたは工事完了から6ヵ月以内に入居する必要があり、入居した翌年に確定申告をおこなう必要があります。
また、確定申告の申告期間は原則として、翌年の2月16日から3月15日までですが、還付申告の売位は申告対象期間の翌年1月1日から5年以内に申告が可能です。
合わせて、2024年からは、省エネ基準を満たさない住宅は控除の対象外となるため、住宅を購入する際には、これらの基準を確認することが重要です。
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まとめ:住宅ローン控除でいくら戻る?
住宅ローン控除は年末残高に応じて控除額が計算されます。
住宅ローン控除を最大限に活用する場合は、自身のライフプランに合わせて住宅ローンを組む段階からの計画が大切です。
しかし、個々の状況に応じて、慎重に判断することが重要ななか、住宅ローンは複雑で将来のライフプランまで見越して計画を立てることは難しく、万が一延滞してしまった場合は、一人で考えてもなかなか答えが出ない難しい問題です。
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