
「子どもを大学に行かせたいけど、母子家庭でどうやって費用を工面すればいいのだろう」
「将来の返済負担や自分の老後資金との兼ね合いも考えると、どの支援制度を選べばいいのか分からない」
という不安を抱えている方も少なくありません。
高等教育の修学支援新制度や母子父子寡婦福祉資金貸付金制度など、様々な支援制度があるものの、条件や申請期限が複雑で情報収集に苦労している方も多いです。
そこで今回は、母子家庭が活用できる大学費用の支援制度や奨学金の種類、申請時の注意点、そして実際に母子家庭で子どもを大学に進学させた方々の体験談を紹介します。
この記事を読めば、あなたの状況に合った最適な支援制度の選び方がわかり、子どもの夢を応援できる具体的な資金計画を立てられるようになります。
▼この記事を読んでほしい人
- 母子家庭で子どもの大学進学を考えているが、費用をどう工面すればよいか悩んでいる人
- 奨学金や支援制度の種類や申請条件、期限について詳しく知りたい人
- 大学費用の準備と自身の将来の資金計画を同時に考えたい母子家庭の人
内容をまとめると
- 母子家庭の大学費用には高等教育の修学支援新制度や母子父子寡婦福祉資金貸付など様々な支援があるが、制度を知らないと利用できない
- 支援制度を上手に活用するには、細かい条件をよく確認して申請し、返済が必要な制度を選ぶ場合は、将来の負担も考えて子どもと一緒に進路を考える
- これらの複雑な制度を最大限に活用するには、専門家のアドバイスを受けるのがおすすめ
- マネーキャリアの無料FP相談を利用すれば、相談満足度98.6%の厳選された専門家が、母子家庭の状況に合わせた大学費用の工面方法を中立的な立場で提案してくれる

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 大学費用をどう工面する?母子家庭が使える支援制度・条件を紹介
- 高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
- 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度
- 保育士・介護士等修学資金貸付制度
- 自治体の学費支援制度
- 国の教育ローン
- 母子家庭の大学費用のお悩みは早めに無料FP相談で解決しよう
- 大学費用の支援制度・奨学金を活用する際の注意点
- 支援制度や奨学金の条件をよく確認する
- 支援制度の申請期限と手続きの内容を把握する
- 将来の返済負担を考慮する
- 子どもとのコミュニケーションを大切にする
- 【実際どうだった?】母子家庭が大学費用を準備した方法
- 大学費用をどのように準備しましたか?
- 利用した支援制度があれば教えてください
- 大学費用の準備について、他の母子家庭にアドバイスしたいこと
- 子供の学費や家計に関する悩みを解決するには?
- 母子家庭の大学費用はどうしているかや免除制度・奨学金のまとめ
大学費用をどう工面する?母子家庭が使える支援制度・条件を紹介
母子家庭が使える子どもの大学費用を用意するための支援制度・条件を紹介します。
高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)
高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)とは、経済的な理由で進学を諦めないよう、大学や専門学校などの授業料を免除・減額し、給付型奨学金を支給する制度です。
給付を受けるには以下の条件を満たす必要があります。
- 住民税非課税世帯やそれに準ずる低所得世帯の学生であること
- 進学先で学ぶ意欲がある学生であること
自身が支援の対象かどうかは独立行政法人日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」確認できます。
上記の条件を満たす場合、授業料等の減免制度、及び給付型奨学金の2種類の支援を受けることができます。支援の上限額は下記のとおりです。
▼授業料等の減免制度
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
大学 | 入学金:約28万円 授業料:約54万円 | 入学金:約26万円 授業料:約70万円 |
短期大学 | 入学金:約17万円 授業料:約39万円 | 入学金:約25万円 授業料:約62万円 |
▼給付型奨学金
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
大学 短期大学 専門学校 | 自宅生:29,200円(33,300円) 自宅外:66,700円 | 自宅生:38,300円(42,500円) 自宅外:75,800円 |
※生活保護世帯で自宅もしくは児童養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、無利子もしくは低利子利用できる公的な貸し付け制度です。子どもの大学費用を工面するために、同制度の「修学資金」「就学支度資金」を無利子で利用できます。
貸し付けを受ける条件は下記の通りです。
- 母子家庭の母が扶養する児童
- 父子家庭の父が扶養する児童
- 父母のない児童
- 寡婦が扶養する子
▼修学資金の貸付上限額(月額)
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
短期大学 | 自宅通学:67,500円 自宅外通学:96,500円 | 自宅通学:93,500円
自宅外通学:131,000円 |
大学 | 自宅通学:71,000円
自宅外通学:108,500円 | 自宅通学: 108,500円 自宅外通学:146,000円 |
▼就学支度資金の貸付上限額
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
短期大学 大学 | 自宅通学:410,000円 自宅外通学:420,000円 | 自宅通学:580,000円 自宅外通学:590,000円 |
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、「教育の機会均等」の理念のもと、学生が経済的理由で就学を諦めないように作られた制度です。
返還不要の「給付型奨学金」と返還が必要な「貸与型奨学金」があり、貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金があります。
同制度を利用する条件は下記の通りです。
- 各年3月末に高等学校または専修学校を卒業する見込みの学生
- 高等学校または専修学校を卒業後2年以内の人
- 高等学校卒業程度認定試験に合格・科目合格者で機構の定める基準に該当する人
保育士・介護士等修学資金貸付制度
保育士・介護士等修学資金貸付制度とは、保育士、介護士や社会福祉士の資格取得に係る修学資金を無利子で貸与する制度です。資格取得後、一定期間保育・介護業務や相談業務等に従事すれば、返済免除となります。
利用の条件は主に「各養成施設等に在学、または入学予定である」ですが、詳細は各県、各市によって異なります。お住まいの地域にある社会福祉協議会へ問い合わせてみましょう。
自治体の学費支援制度
各自治体によって独自の学費支援制度を実施している場合があります。
例えば、東京都足立区では令和6年度に「足立区給付型奨学金奨学生」を募集しました。入学料(上限162万)・授業料及び施設整備費(上限年額573万)の全額を給付するもので、下記の応募条件が設定されていました。
- 大学や短期大学に入学予定または在学していること
- 奨学金を受ける学生の生計を維持している者が、足立区内に3年以上居住していること
- 世帯年収が基準以下であること(目安:4人世帯で年収800万円)
- 成績が、5段階評価で平均4.0以上あること
国の教育ローン
国の教育ローンとは日本政策金融公庫が実施している、大学や高校の進学・在学にかかる費用を支援するローンです。
保護者の年収が下記表の金額以内であることが利用条件です。
▼世帯年収(所得)の上限額
子どもの人数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
---|---|
1人 | 790万円(600万円) |
2人 | 890万円(690万円) |
3人 | 990万円(790万円) |
4人 | 1,090万円(890万円) |
5人 | 1,190万円(990万円) |
母子家庭の大学費用のお悩みは早めに無料FP相談で解決しよう
大学費用を用意するための各種支援制度は、民間のものまで含めると実に多くの種類があります。
制度によっては利用条件が複雑で、申込期限もまちまち。高校3年のうちに申込まないといけないものもあるため、うっかりしていると「期限が過ぎて利用できなくなってしまった」なんてことにもなりかねません。
各制度の利用条件や期限を一つ一つ調べていると時間がかかるうえ、使える制度を見逃してしまうこともあるため、早めにFPに相談して準備を進めておきましょう。

大学費用の支援制度・奨学金を活用する際の注意点
大学費用の支援制度・奨学金を活用する際の注意点について解説します。
支援制度や奨学金の条件をよく確認する
各支援制度や奨学金を利用するには、年収や世帯の資産などのさまざまな条件があります。
また、なかには他の制度や奨学金を併用できないものもあるため、大学費用を確実に準備できるよう、しっかりと確認しましょう。
支援制度の申請期限と手続きの内容を把握する
各支援制度や奨学金の申込期限や手続きの内容はまちまちです。
なかには高校3年生のうちに申込みをしなくてはならないものや、準備する書類が多いものもあります。ギリギリになって焦らないように、早めの情報収集と準備を心がけましょう。
将来の返済負担を考慮する
大学費用をサポートする制度や奨学金には返済不要のものや無利子のものもありますが、ほとんどのものは返済が必要かつ有利子です。
そのため、利用する前に必ず家計とのバランスを考慮した返済プランを立てておきましょう。
子どもとのコミュニケーションを大切にする
大学費用は親だけでなく、子どもにとっても大きな問題です。
大学教育の費用全体について説明し、下記のことなどを親子で話し合うことが大切です。
- どんな制度や奨学金が使えるのか
- 各種制度や奨学金の申請に必要な成績や活動について
- 大学で何を学び、それをどう活かしたいのか
【実際どうだった?】母子家庭が大学費用を準備した方法
母子家庭の方が実際に大学費用をどのように準備したのか、アンケートを実施しました。
大学費用をどのように準備しましたか?
利用した支援制度があれば教えてください
大学費用の準備について、他の母子家庭にアドバイスしたいこと

40代女性
奨学金はありがたいけど、借りすぎないこと
奨学金制度はありがたいですが、返済が必要なものを利用し過ぎると後々返さなければいけない金額が増えてしまいます。利用する際はなるべく少額にするか、返済不要の奨学金を探して使うかをお勧めします。

40代女性
子どもとも話し合っておくこと
わが家の場合は小さいころコツコツと預金をしていたため、奨学金と併せて進学することができました。成績が良ければ有利な条件で奨学金を借りられることもあるので、お子様とも早めに話し合っておくといいと思います。

50代女性
とにかく早めの準備が大切
大学に通う際に必要になるのは授業料だけではありません。交通費や下宿先の家賃、生活費なども必要になります。早めに家計の見直しをして計画に準備をしておいた方がいいです。

30代女性
思ったよりいろんな奨学金制度があるので調べてみて!
国や市の無利息の奨学金や民間の返済不要の奨学金など、思ったよりもたくさんの制度があります。奨学金は結局返さないといけないので、しっかりと調べて、なるべく有利な条件のものを利用した方がいいです。
子供の学費や家計に関する悩みを解決するには?
母子家庭の場合、収入面に余裕があるケースは少なく、奨学金や学資保険などを利用するのが一般的で、子供の学費や家計は常に悩みの種です。
母子家庭が使える支援制度はいくつも用意はされているのですが、あまり一般的に知られていない制度も多く、その上で申請期限や適用条件が複雑なために見逃しがちです。
子供の大学費用の悩みを解決したい場合は、少しでも早く、教育費を含む家計のプロがそろっているマネーキャリアを利用して相談しておくのがおすすめです。
実績豊富なFPだけが、中立的な立場からあなたの状況にあったアドバイスをしてくれる上に、土日祝日も対応してくれるので、忙しい人にも最適です。
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母子家庭の大学費用はどうしているかや免除制度・奨学金のまとめ
本記事では母子家庭の場合に大学費用をどのように工面しているかや、利用できる免除制度・奨学金について詳しく解説しました。
ポイントをまとめると以下のようになります。
- 母子家庭が大学の学費のために使える支援制度や奨学金は多いが、申請期限や条件が複雑なものが多い
- 利用したい制度の申込期限が切れていたということがないように、早めに期限や条件を把握しておく必要がある
- 支援制度や奨学金を活用する際は、各種の条件や将来的な負担をよく考えてから申込む
- 免除制度や奨学金ごとの細かな条件や申込期限を把握しきるのは難しいので、家庭の状況にあった制度を紹介してくれるプロに相談するのがおすすめ