
内容をまとめると
- 失業保険は「すぐに働ける意思がある」「雇用保険に12ヶ月以上加入している」などの条件を満たすことで受給可能で、月5万円以上の給付額が見込める場合や、会社都合退職・長期加入者は特にお得になります。
- 一方で、扶養は「年収130万円未満」であれば保険料負担がなくなり、妊娠・結婚などで再就職の予定がない場合や失業保険の給付額が少ないケースでは扶養の方が経済的メリットが大きくなります。
- とはいえ「どちらが得か」は個々の条件やライフプランによって異なるため、相談実績10万件・満足度98.6%の「マネーキャリア」で無料かつ何度でも専門家に相談することで、自分の状況に合った最適な選択ができるようになります。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 失業保険と扶養はどっちが得?それぞれに必要な条件を確認しよう
- 失業保険がもらえる条件
- 家族の扶養に入れる条件
- 失業保険でもらえる金額シミュレーション
- 扶養に入るより失業保険をもらった方がお得になるパターン
- 失業保険の給付額が大きい場合
- 会社都合で退職した場合
- 雇用保険の加入期間が長い場合
- 配偶者が自営業でもともと扶養に入れない場合
- 再就職を検討している場合
- 扶養に入った方がお得になるパターン
- 失業保険の給付額が少ない場合
- 妊娠・出産を理由に退職した場合
- 結婚を機に退職して専業主婦になる場合
- 失業保険をもらいながら扶養に入ることはできる?
- 年収130万円未満(基本手当日額3,611円以下)の場合は可能
- 年収130万円以上でも受給開始日までの期間は扶養に入れる
- 失業保険の受給終了後は条件を満たせば再度扶養に入れる
- 失業保険・扶養についてよくある質問
- 失業保険をもらいながら扶養に入れますか?
- 扶養に入りながら失業保険をもらうとばれますか?
- 失業手当をもらっても扶養に入れる130万の壁とは?
- 失業保険や扶養の制度をうまく活用したい方におすすめのサービス
- 【まとめ】失業保険と扶養で迷ったら無料FP相談を賢く活用しよう
失業保険と扶養はどっちが得?それぞれに必要な条件を確認しよう
失業保険と扶養のどっちが得か考える前に、それぞれの制度内容や条件の違いを見てみましょう。
失業保険がもらえる条件
失業保険をもらうには、以下の条件を満たす必要があります。
- 退職するまでの2年間で、雇用保険に12ヶ月以上入っていた
- 働く意思を持っている
- すぐに働ける状態である
失業保険はある程度働いていた人が対象であり、退職するまでの勤務期間の2年間で12ヶ月以上雇用保険に加入していないといけません。正社員だと雇用されれば雇用保険に加入でき、パートやアルバイトなどの非正規は一定の条件を満たせば加入可能です。
また、退職しても違う会社で働く意思を持っている必要があります。そして、すぐ働ける状態であるというのも失業保険給付の条件のひとつです。
家族の扶養に入れる条件
収入の少ない家族の税金を控除するための制度が扶養です。扶養には、税制上の扶養と社会保険上の扶養の2種類があります。
税制上の扶養では、養っている家族や親族の所得税を控除できます。そして、社会保険上の付与では、自分自身の社会保険を免除できます。それぞれの扶養に入るための条件の1つが年収です。以下にそれぞれの扶養の年収条件を記載します。
- 税制上の扶養 : 退職年の給与所得が103万円以内
- 社会保険上の扶養 : 退職後1年での年収が130万円以内
失業保険でもらえる金額シミュレーション
失業保険の受給額は、退職前の給料(額面)や年齢、雇用保険の加入期間によって異なります。
たとえば30~44歳の方であれば、1日あたりの基本手当日額は最大7,845円まで支給されます。
ただし、これは額面の給料が高くても一定以上にはならない仕組みです。
目安として、手取りが20万円の方であれば、受給額は月あたり約16万円前後、自己都合退職の場合の総額は約67万円、会社都合なら約118万円にもなります。
給料が高いほど日額も増えますが、上限があるため30万円台を超えると支給額は頭打ちになります。
つまり、失業保険は「もらえる上限がある」「退職理由によって受給額が大きく変わる」という2点を理解しておくことが重要です。
次に、想定年齢34歳・雇用保険加入期間10年以上20年未満・手取り=額面の80%として計算した失業保険のシミュレーションを参考程度に乗せておきます。
手取り | 自己都合(120日) | 会社都合(210日) |
---|---|---|
15万円 | 約57万円 | 約99万円 |
20万円 | 約67万円 | 約118万円 |
30万円 | 約77万円 | 約134万円 |
40万円以上 | 約94万円 | 約165万円 |
このように、同じ手取り額でも退職理由によって受給総額は大きく変わります。
また、手取り30万円以上の人は支給上限に達するケースが多く、収入に比例して増えない点に注意が必要です。
扶養に入るより失業保険をもらった方がお得になるパターン

失業保険を受給したほうがお得になるのは、以下のどれかの条件に当てはまる人です。
失業保険の給付額が大きい場合
失業保険は、退職した日から遡って6ヶ月間の給料をもとにして算出されます。この算出額の50~80%が1日にもらえる金額です。例えば、月収が20万円だとしましょう。
◆計算式(月収20万円を6ヶ月間として)
- (20万円×6)÷180 = 6,667円
この6,667円の50~80%が1日にもらえる金額であり、3,333円~5,333円となります。1ヶ月30日として考えると、99,990円~159,990円です。
後で記載しますが、扶養での健康保険と国民年金の控除額は数万円です。そのため、月額の失業保険の金額が5万円以上だと、失業保険をもらったほうが得となります。
会社都合で退職した場合
会社の都合で退職した場合には、失業保険をもらったほうが得です。会社都合とは以下の内容となります。
- 倒産
- リストラ
- 不当な未払い
- 希望退職制度による退職
遠方への転勤で勤務が難しい場合や、パワハラ、過剰な残業なども該当します。
失業保険の受給資格が認められれば、どのようなケースでも7日間の待機期間を設けることになっています。会社都合であれば、待機期間を過ぎればすぐ支給が開始され、給付までに間隔の空く時間はほとんどありません。会社都合の退職の場合は、すぐに失業保険を受け取れます。
雇用保険の加入期間が長い場合
雇用保険の加入期間が長いほど、失業保険の給付期間は長くなります。例えば、30歳未満であれば、雇用保険の被保険者期間と失業保険の支給期間の関係は以下のとおりです。
雇用保険の 被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
失業保険の 支給期間 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
年齢が上がれば、さらに支給期間は長くなります。45歳以上60歳未満で、雇用保険の被保険者期間が20年以上だと、失業保険が支給される期間は330日となりほぼ1年です。雇用保険の加入期間が長いならば、退職後は失業保険をもらったほうがお得な計算です。
配偶者が自営業でもともと扶養に入れない場合
配偶者が自営業だと、条件を満たせば扶養に入れます。扶養に入る条件は以下のとおりです。
- 健康保険上の扶養 : 年収130万円未満
- 税制上の扶養 : 所得48万円以内は配偶者控除、所得133万円以内は配偶者特別控除
上記のようになっており、所得が133万円を超えているならば、扶養に入れず保険や税金の控除が受けられません。そのため、失業保険をもらうという選択肢を取ることになるでしょう。
再就職を検討している場合
失業保険は、一時的に働けなくなり、再度働きたい人のための制度です。そのために、退職後に働く意志があり、再就職したいときには、失業保険をもらうと良いでしょう。
ただし、働く意思のみ、つまりは自分で再就職したいと思っているだけでは失業保険はもらえません。失業保険をもらうには、失業認定を受けないといけません。そのためには、就職するための活動を行っていく必要があります。
扶養に入った方がお得になるパターン

扶養に入ったほうがお得になるのは、以下のようなケースです。
失業保険の給付額が少ない場合
失業保険の給付額が少ないならば、失業保険をもらわずに、扶養に入ったほうがお得です。また、失業保険の給付額が少ないと、健康保険や年金の負担によって、ほとんど給付金が残らないかもしれません。その場合も扶養に入ったほうがお得となります。
健康保険と国民年金の保険料の負担額は以下のとおりです。
- 健康保険 : 月額1~3万円
- 国民年金 : 月額16,980円(2025年現在)
合計すると5万円程となります。月5万円以下の失業保険の金額ならば、扶養に入ったほうがお得になるでしょう。
妊娠・出産を理由に退職した場合
失業保険は、再就職の意思があり、すぐに働ける状態である場合に支給されます。妊娠や出産を機に退職したならば、すぐに働ける状態ではないため失業保険は給付されません。このケースの場合は、扶養に入ることになるでしょう。
退職しら健康保険証が使えなくなるので、一般的には退職後すぐに夫の扶養に入ります。退職した月の翌日から手続きを開始するとスムーズに給付まで進みます。例えば、3月に退職するならば、3月31日の翌日の4月1日から手続きを開始します。
結婚を機に退職して専業主婦になる場合
結婚して寿退社となり、専業主婦(夫)になるときには、基本的に失業保険は給付されません。雇用保険の加入期間にかかわらず、失業保険をもらうことは難しいです。
なぜなら、失業保険は、退職後に再就職する意志のある人が対象だから。失業保険がもらえないときには、扶養に入るのが賢い選択といえます。
もしも、退社して専業主婦(夫)となっても、再度働きたいと就職活動をしていくならば、失業保険をもらうことは可能です。
失業保険をもらいながら扶養に入ることはできる?
年収130万円未満(基本手当日額3,611円以下)の場合は可能
健康保険の扶養に入れる条件が、年収130万円未満であることです。このため、退年収が130万円未満であれば、失業保険をもらい、そして扶養に入ることもできます。この収入は、扶養に入ってからの見込み年収である点であるため、間違わないようにしましょう。
失業保険の1日の基本手当額が3,611円以下だと、年収が130万円未満に収まります。基本手当額は、退職したときから遡って6ヶ月間の給与の合計を180で割ります。そして算出された金額の5割~8割が該当する金額です。計算では賞与は省くので、間違って賞与も含めて計算しないようにしましょう。
年収130万円以上でも受給開始日までの期間は扶養に入れる
失業保険の給付までには、待機時間と給付制限期間が設けられています。待機時間は7日間であり、だれであってもこの7日間の待機時間は適用されます。そして、自己都合で退職した後は、1ヶ月間の給付制限期間も適用となります。
年収130万円以上であっても、失業保険の給付までは扶養に入ることができます。つまり、待機時間と給付制限期間の間は、扶養に入れます。扶養に入ってから失業保険の受給を開始したときには、扶養から外れる手続きが必要であるため、忘れないようにしましょう。
失業保険の受給終了後は条件を満たせば再度扶養に入れる
失業保険の受給が終わった後は、条件を満たすと扶養に入れます。扶養は、健康保険上の扶養と税制上の扶養の1つがあります。それぞれ、入れる条件は以下のとおりです。
- 健康保険上の扶養 : 年間収入が130万円未満
- 税制上の扶養 : 年間の合計所得が48万円以下
失業保険の受け取りが終わったときに、年収130万円未満ならば、健康保険上の扶養に入れます。失業保険の日額で言えば、日額3,611円以下です。そして、受け取り終了時に年間所得合計が48万円未満ならば、税制上の扶養に入ることが可能です。
失業保険・扶養についてよくある質問
失業保険と扶養の制度は、どちらも生活費や社会保障に直結する重要な選択肢です。
しかし、条件が細かく設定されていたり、例外が多かったりするため、「自分のケースはどっちが有利?」と迷ってしまう方も少なくありません。
ここでは、読者から特に多く寄せられる疑問を厳選し、それぞれわかりやすく解説します。
制度の仕組みや手続きの注意点をしっかり押さえ、不安を解消する参考にしてください。
失業保険をもらいながら扶養に入れますか?
失業保険をもらいながらでも、条件を満たせば扶養に入ることは可能です。
具体的には、失業保険の基本手当日額が3,611円以下(日額×360日換算で年間130万円未満)である場合、健康保険の扶養に入れます。
さらに、失業保険の支給前には7日間の待機期間や、自己都合退職の場合は1ヶ月の給付制限期間があるため、その期間は扶養に入れるのが一般的です。
ただし、失業保険の支給が始まり、年収換算で130万円を超えると見なされた場合は、速やかに扶養から外れる必要があります。
手続きを忘れると過去に遡って保険料の支払いが必要になるケースもあるため、十分注意しましょう。
扶養に入りながら失業保険をもらうとばれますか?
扶養条件を超えた状態で失業保険を受給していると、あとから「ばれる」ことがあります。
というのも、健康保険組合や年金機構では「被扶養者の年収チェック(被扶養者調査)」を定期的に行っており、給与明細や源泉徴収票をもとに年間収入が判断されるからです。
もし、見込み年収が130万円以上と判断されれば、扶養の取り消しと保険料の遡及請求が発生する場合もあります。
医療費の返還や税制上の扶養控除の取消につながることもあるため、失業保険の受給が決まったら、扶養の要件をしっかり確認し、必要な手続きを早めに進めることが重要です。
失業手当をもらっても扶養に入れる130万の壁とは?
「130万円の壁」とは、社会保険上の扶養に入れる収入基準を指します。
具体的には、見込み年収が130万円未満であることが健康保険の扶養要件です。
ここでの年収には失業手当も含まれ、日額3,611円を超えると年収換算で130万円を上回るため、扶養から外れることになります。
なお、これは実際の受取金額ではなく、受給予定額の見込みで判断される点に注意が必要です。
また、失業手当をもらっていない期間や、支給前の待機期間中は扶養に入れることが多く、受給が終了した後は再度扶養申請も可能です。
扶養と失業保険の切り替えはタイミングが重要なので、迷ったときは社会保険の担当窓口や専門家に相談しましょう。
失業保険や扶養の制度をうまく活用したい方におすすめのサービス
失業保険や扶養の制度は、収入や社会保険料に直接影響する重要な仕組みですが、それぞれの条件や制限が細かく定められているため、「どちらが得か」「どう使い分けるか」を自力で判断するのは簡単ではありません。
たとえば年収の見込みや退職理由、配偶者の働き方や自分の就業意欲など、少しの条件の違いで損得が大きく変わるケースも多くあります。
うした複雑な制度を正しく理解し、将来の再就職や家計全体の設計まで見越して選択をしたいと考えたとき、最適な一手を見極めるには専門的な知識が欠かせません。
そこで頼りになるのが、家計や保険、ライフプラン設計に強いファイナンシャルプランナー(FP)に何度でも無料で相談できる「マネーキャリア」のようなサービスです。
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【まとめ】失業保険と扶養で迷ったら無料FP相談を賢く活用しよう
失業保険と扶養のどちらが得かは、単に金額だけで判断できるものではありません。
受給額の上限や社会保険料の負担、再就職の見込みなど、複数の要素が絡み合うため、最適な選択肢は人によって異なります。
また、扶養に入れる期間や失業保険の給付額のシミュレーションを見ても、「自分のケースではどうなるのか」といった不安を完全に解消するのは難しいのが実情です。
そのため、金額の差だけにとらわれず、今後のライフプランや働き方を見据えた上で、制度の活用方法を検討することが大切です。
判断に迷ったときは、制度に詳しい専門家に相談するのが一番確実です。
「マネーキャリア」なら、何度でも無料で専門家に相談でき、あなたの状況に合わせた最適な判断をサポートしてもらえます。
制度の選択で損をしないためにも、まずは気軽に相談して、自分にとって本当に得になる道を一緒に探してみてくださいね。