
内容をまとめると
- 妊娠中は失業保険は原則受給不可だが、受給期間延長制度で出産後に受給可能。
- 受給には延長申請や書類準備が必要で、出産後8週間経過後に求職活動が必要。
- 出産までのお金や出産後の子育てに向けたお金に不安がある方はマネーキャリアのような無料で何度でもFPへの相談ができるサービスを利用し、今のうちから準備を進めるのがおすすめ。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 妊娠中の失業保険はすぐにはもらえないのが原則
- 失業保険は「すぐに働ける状態であること」が条件のため
- 妊娠中は「受給期間延長」制度が利用できる
- 妊娠中に失業保険の「受給期間延長」制度を利用する方法
- 延長申請の条件
- 申請方法・必要書類
- 出産後に失業手当を受給するための手順
- 産後8週間以降に求職活動を始める
- 受給資格の認定後7日間の待機期間に入る
- 求職活動をする
- 失業認定日にハローワークで認定を受ける
- 失業手当が振り込まれる
- 出産後に失業保険を利用する際の注意点
- 失業保険の受給中は配偶者の扶養から外れる場合がある
- 延長申請が遅すぎると受給期間が短くなる場合がある
- 妊娠を隠して失業手当を受給すると不正受給とみなされる
- 妊娠中の失業保険・お金に不安がある方におすすめのサービス
- 【まとめ】妊娠中の失業保険は延長制度を利用しよう!
妊娠中の失業保険はすぐにはもらえないのが原則
結論から言うと、妊娠中であれば失業保険をもらうことはできません。ただし、受給期間延長制度を利用すれば失業保険の受給が可能です。
失業保険は「すぐに働ける状態であること」が条件のため
失業手当は、次の仕事が見つかるまでの間、生活を支援するための給付金です。受給するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 雇用保険に加入している
- 保険料を納めている
- 退職前の2年間で、雇用保険の加入期間が12カ月以上ある
- 働く意思があり、求職活動を行っている
上記の条件を満たすと失業手当を受け取れます。受給するには「すぐに働ける状態」というのも条件です。
妊娠中は「受給期間延長」制度が利用できる
失業保険の受給期間は、退職日の翌日から最長で1年間です。しかし、妊娠のタイミングによっては、受給資格が得られない場合もあります。受給期間の延長が可能で、以下の条件を満たす場合に申請できます。
- 退職後1年以内に妊娠や出産を経験した
- 妊娠や出産により、30日以上の就業不能状態にある
これらの条件に該当する場合、妊娠中でも受給期間の延長が可能です。最長で4年まで延長でき、延長申請は一度のみ認められます。延長期間中に1日でも就業すると、延長は解除されるため注意が必要です。
妊娠中に失業保険の「受給期間延長」制度を利用する方法
延長申請の条件
退職した翌日から1年の間で、働けない期間が30日以上ある場合には失業期間の受給期間延長を申請できます。申請できる条件は「退職前の1年間で雇用保険の被保険期間が6ヶ月以上」となります。
通常退職した場合は、退職する前の2年間で雇用保険の被保険期間が12ヶ月以上だと、失業保険の受給が可能です。しかし、妊娠で退職した場合には、特定理由退職者となり、これが退職前の1年間で6ヶ月以上の被保険期間と受給条件が緩和されています。
申請方法・必要書類
失業保険の受給期間延長では、以下の書類が必要です。
- 受給期間延長申請書
- 離職票
- 雇用保険受給資格者証
- 延長理由を証明できる書類
- 印鑑
ハローワークで延長の申請書を受け取れますが、郵送で取り寄せることも可能です。延長申請では、離職票が必要であるため事前に用意しておきましょう。勤務先から本人宛に郵送されます。
雇用保険受給資格者証は、受給資格者の最初の説明会で渡されます。資格者証も必要となるので、説明会に出て忘れずに受け取ってください。
出産後に失業手当を受給するための手順

出産したら働ける状態となるので、失業保険の受給資格に該当します。そのため、出産後には手続きを行えば失業保険の受給を開始できます。
以下の流れが受給までの手順です。
産後8週間以降に求職活動を始める
失業保険は、働く意志のある方むけの再就職までのつなぎとして用意されている制度です。産前の6週間と産後の8週間は就職活動をしてはいけないと決められています。そのため、失業保険の受給延期申請を妊娠中に行ったときには、出産後は8週間経過後に求職活動を行うようにしましょう。
求職活動を行うことで、働く意思があると認められます。失業保険受給後は、4週間ごとに働くための行動を行っているか、つまり求職活動をしているか確認されるので、仕事が見つかるまでは定期的に求職活動をしていきましょう。
受給資格の認定後7日間の待機期間に入る
出産後に失業保険をもらう場合でも、自己都合や会社都合での退社のときと同じく、待機期間が7日間設けられています。受給資格決定日から7日間が待機期間となり、その期間は失業保険が給付されません。
妊娠出産での退職となると、特定理由就職者となり、待機期間終了後にすぐ失業保険が給付されます。
自己都合であれば、7日間の待機期間に加えて、さらに1ヶ月間の給付制限期間があり、この期間が終了してからの給付となっています。以前は給付制限期間は2~3ヶ月でしたが、雇用保険法の改正によって2025年4月からは1ヶ月に短縮されました。ただし、5年間で3回以上自己都合で退社しているならば、給付制限期間は3ヶ月です。
求職活動をする
失業保険は、再就職の意思がある人に支給されます。そのため、妊娠中に退職した場合でも、復職の準備が整った段階で求職活動を開始しなければなりません。求職活動として認められるのは、次のような行動です。
- 求人への応募
- セミナーや講習会への参加
- 就職に向けた資格取得
求人への応募先は、ハローワークや民間企業が提供する求人情報に限らず、どちらからでも応募が可能です。セミナーや講習会も、ハローワークや民間企業が主催するものであれば、参加することで求職活動とみなされます。
失業認定日にハローワークで認定を受ける
求職活動を行い再就職のために行動していると認められれば、ハローワークではんこをもらえます。認定されるとその後に失業保険が給付されますが、認定されるにははんこを2個もらわなければなりません。
失業保険の受給期間中は、4週間ごとに失業認定するかどうかの機会が設けられています。そのため、失業保険をもらうためには、求職活動を行っていき、4週間ごとにハローワークではんこを2個もらっておきましょう。
失業手当が振り込まれる
失業認定を受けると、その後に失業保険は振り込まれます。自己都合だと7日間の待機期間の後に1ヶ月の制限期間を設けないといけません。しかし妊娠中で退職した場合には、待機期間が終われば、すぐに振り込まれます。
銀行振込となりますが、受給資格認定のときに振込先の口座を記入し、その口座に振り込まれます。複数の銀行口座を持っているならば、どの口座に振り込まれるのか覚えておきましょう。
改めて上記のように
出産後に失業保険を利用する際の注意点

失業保険を受給するならば、いくつか注意点があるので確認しておきましょう。
失業保険の受給中は配偶者の扶養から外れる場合がある
失業保険を受給期間中でも、扶養に入ることは可能です。ただし、健康保険上の扶養と税制上の扶養では、一定の収入以上あると扶養から外れるので注意しましょう。
健康保険上の扶養では、失業保険の1日の基本額が3,612円以上だと扶養から外れます。税制上の扶養では、失業保険の給付額は非課税のため影響しません。ただし、失業保険以外に、バイトやパートを行い、年間48万円以上の所得を得ると、税制上の扶養から外れます。
延長申請が遅すぎると受給期間が短くなる場合がある
失業保険をもらうには、基本手当の受給申請を行わないといけません。自動的に給付されることはないので、ハローワークで申請します。
失業保険の受給期間は退職日の翌日から1年間であり、この1年の中で待機期間や受給制限期間を経て、その後受給申請を行うと給付開始されます。基本手当の申請が遅れると、受給期間が短くなるので注意しましょう。
妊娠を隠して失業手当を受給すると不正受給とみなされる
働く意思があり求職活動をしている人に、失業保険は給付されます。妊娠中で働く意思がないのに、求職活動していると申告して失業保険をもらうと、不正受給とみなされます。
不正受給となった場合は、受給した金額を全額返還しないといけません。また、今後の失業保険の受給資格を失います。そればかりか、2倍の追徴課税が発生し、余計に支払う結果となります。悪質な場合は詐欺罪に問われるので注意しましょう。
妊娠中の失業保険・お金に不安がある方におすすめのサービス
ここまで妊娠中・出産前後の失業保険の受給について解説しました。
妊娠による退職では失業保険の受給ができず、収入の減少により家計が苦しくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
しかし、節約による負担の削減や投資による将来に向けた準備は専門的な知識が必要あり、自分自身で準備をするのは難しいのが事実です。
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【まとめ】妊娠中の失業保険は延長制度を利用しよう!
ここまで妊娠中・出産前後の失業保険について解説しました。
結論、妊娠中はすぐに失業保険を受給することはできませんが、出産後に働けるようになれば受け取れるようになります。ただ、受給期間の延長をしておくと出産後に失業保険の受け取りが可能となります。
しかし、失業保険だけで家計をカバーすることは難しく、そもそも出産までのお金を工面する方法も見つけなければなりません。
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