奨学金を借りられない理由と審査基準・対処法を解説のサムネイル画像

新型コロナウイルスの流行以降、経済状況の悪化から進学に際して奨学金の受給を検討する人は増えています。


しかし、「奨学金を借りたいけど受給基準を満たしていないから借りられない」、「奨学金を何とかして借りる方法を知りたい」と考える人が多いです。


そこでこの記事では、「奨学金を借りられない理由とその対処法」を中心に解説していきます。


奨学金を現状借りられないので、対処法を知りたい

奨学金を借り大学に進学したい、家計の負担を軽くしたい


と考えている人は本記事を参考にすると、奨学金を借りられない理由はもちろん、対処法や奨学金を借りる際の注意点まで分かります。


内容をまとめると

  • 奨学金を借りられない理由として、親の所得は基準よりも高い・成績が悪い・奨学金の採用人数には制限があることが挙げられる。
  • 対処法には、各大学・自治体・企業独自の奨学金制度を利用する、教育ローンを利用がある。
  • 奨学金や教育ローンにはデメリットも存在し、利用には慎重な検討が必要。しかし、多数の制度がある中で自分にあった最適なものを見つけるのは難しいので、プロへの相談が必須。
  • そこで、マネーキャリアのようなお金のプロに相談して、学費に関するお金の悩みを解消する人が多い

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

奨学金が借りられない理由とは?


奨学金が借りられない理由として、以下の4つがあります。

  1. 親の年収が奨学金受給基準よりも高い
  2. 進学前の成績が悪い
  3. 保証人を立てることができない
  4. 奨学金の採用枠に制限がある

ここでは、多くの学生が利用している日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を前提に解説していきます。申請すれば誰でも借りられるわけではなく、一定の審査基準が設けられています。


奨学金が借りられない理由は複数あります。まずは自身の原因が何かを把握することで、解決策を立てるのに役立ちます。

1.親の年収が奨学金受給基準より高い


奨学金が借りられない理由1つ目は、親の年収が奨学金受給基準よりも高いことです。


以下は、第一種・第二種の所得基準になります。


▼第一種貸与奨学金の場合

世帯人数給与所得者給与所得者以外
2人761万円546万円
3人716万円546万円
4人803万円552万円
5人905万円629万円

参考:家計基準【第一種奨学金の家計基準


▼第二種貸与奨学金の場合

世帯人数給与所得者給与所得者以外
2人1,166万円893万円
3人1,113万円879万円
4人1,250万円892万円
5人1,334万円958万円

参考:家計基準【第二種奨学金の家計基準


上記の表に記載されている収入額が、それぞれの奨学金を申請できる上限の収入となっています。


奨学金には家計基準と学力基準があります。ここでいう家計基準とは、奨学金を受ける学生の家庭全体の収入が多すぎないかどうかをチェックするものです。


奨学金の申込みの際には、給与所得者は年収(額面の給料)がチェックされ、それ以外の自営業者などは、所得(売上から経費を引いた金額)で判断されます。  


第一種貸与奨学金と第二種貸与奨学金では「利息の有無」の違いがあります。第一種は無利子、第二種は有利子となっているので、表を見ると分かるように第一種の方が家計基準の条件が厳しくなっています。

2.進学前の成績が悪い


奨学金が借りられない理由2つ目は、進学前の成績が悪いことです。


以下は、第一種と第二種の成績基準になります。

▼第一種貸与奨学金の場合(いずれかを満たす)

  •  高等学校又は専修学校高等課程の、1年から申し込み時までの成績評価の平均値が3.5以上 
  • 高等学校卒業程度認定試験合格者であること

出典:【第一種奨学金の学力基準


▼第二種貸与奨学金の場合(いずれかを満たす)

  • 高等学校又は専修学校(高等課程)での学業成績が平均水準以上  
  • 特定の分野において特に優れた資質能力を有する
  • 大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがある
  • 高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、または科目合格者で基準に該当する人   

第一種の場合は、成績の基準が平均3.5以上と求められています。

しかし、成績の基準が3.5未満でも、家庭の収入、また特定分野においての優れた学習成績や学習意欲などにより第一種奨学金を受けられる場合があります。

第二種の場合は、成績は平均水準以上であればよいので、第一種と比較すると申し込みのハードルは低くなります。

日本学生支援機構としては、奨学金は一生懸命勉強する学生に使ってほしいと考えており、親の所得基準だけでなく自身の成績も基準を満たしているかもチェックしましょう。

3.保証人を立てることができない


奨学金を借りられない理由3つ目は、保証人を立てられない場合です。


以下は連帯保証人・保証人となれる人の条件です。

▼連帯保証人となれる人の条件

  1. 奨学生が未成年者の場合は、その親権者(親権者がいない場合は未成年後見人)であること。
  2. .奨学生が成年者の場合は、その父母。父母がいない等の場合は、奨学生の兄弟姉妹・おじ・おば等の4親等以内の親族であること。
  3. 未成年者および学生でないこと。
  4. 奨学生の配偶者(婚約者を含む)でないこと。
  5. 債務整理中(破産等)でないこと。
  6. 貸与終了時(貸与終了月の末日時点)に奨学生本人が満45歳を超える場合、その時点で60歳未満であること。 

参考:日本学生支援機構【人的保証制度


▼保証人となれる人の条件

  1. 奨学生および連帯保証人と別生計であること。
  2. 奨学生の父母を除く、おじ・おば・兄弟姉妹等の4親等以内の親族であること。
  3. 返還誓約書の誓約日(奨学金の申込日)時点で65歳未満であること。また、返還誓約書の提出後に保証人を変更する場合は、その届出日現在で65歳未満であること。
  4. 未成年者および学生でないこと。
  5. 奨学生または連帯保証人の配偶者(婚約者を含む)でないこと。
  6. 債務整理中(破産等)でないこと。
  7. 貸与終了時(貸与終了月の末日時点)に奨学生が満45歳を超える場合、その時点で60歳未満であること。

参考:日本学生支援機構【人的保証制度


奨学金を借りる場合、連帯保証人及び保証人を立てる必要があります。 保証人とは、借入した人がお金を返せなくなってしまった時に、借入人の代わりにお金を返す義務がある人を指します。 日本学生支援機構(JASSO)が求める保証人は、連帯保証人1名と保証人1名です。 


連帯保証人は原則として父母、保証人は別居しているおじやおばになってもらうのが一般的です。注意点は、債務整理中(破産等)であれば保証人になれないので、奨学金が借りれないことになります。


既存の返済が滞っていたり、公共料金の支払いが遅れていて、ブラックリストに載っていることが理由で奨学金の申請ができないことはありません。


しかし、教育ローンのような奨学金以外で資金を調達する際には借りれない理由になりますので、注意しましょう。

4.奨学金の採用枠に制限がある


奨学金を借りられない理由4つ目は、奨学金の採用枠には制限があることです。

日本学生支援で申請を行う場合、基準を満たしていれば受給資格を得ることができ、その採用枠に制限はありません。
参考:日本学生支援機構【推薦人数の制限

しかし、大学独自の奨学金制度を利用する場合、その採用枠に制限があることが多いです。仮に受給基準を満たしてしたとしても、奨学金を受給できない可能性があります。

また在学採用を目指す場合、奨学金の倍率は高くなる傾向があるので注意しましょう。審査基準を満たしていても、上記の理由から奨学金が借りれないことがあります。

「奨学金を借りたいけど、自分は基準を満たしていなかった…。でも何とかして必要なお金を用意したい」と考える人は多いです。


奨学金以外にも教育資金を提供している制度は多数あります。しかし、その中から自分に合ったものを探すのは容易ではありません。


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奨学金を借りれない場合の対処法5選!


奨学金を借りれない場合の対処法は以下の5つです。

  • 親・祖父母の援助を受ける
  • 保証人がいない場合は機関保証制度を利用する
  • 在学採用制度で在学中に奨学金の申請を行う
  • 大学・自治体・企業の奨学金制度の利用を検討する
  • 教育ローンを利用する
奨学金の受給資格を満たしていないなどの場合でも、別の方法で必要な学費を調達できる可能性があります。自身が利用できる方法がないか、一つひとつ検討しましょう。

1.親・祖父母の援助を受ける

奨学金が借りられない場合の対処法1つ目は、「親・祖父母からの援助を受ける」です。


家計基準が当てはまらない方は、親や祖父母から援助してもらえないか相談してみるのが重要です。


大学生活に必要な生活費は、進路ナビによると「毎月126,100円」となっています。また、大学に通うためには、生活費に加えて大学の授業料も必要となります。 援助の相談をするときは、奨学金が借りれないことを説明して、いくらあれば大学に通えるのか話し合って納得してもらうのが大切です。


大学の授業料はそれぞれの大学ごとに異なりますので、進学先や在学中の学校の学費を調べて、具体的にいくら必要なのか把握する必要があります。

2.保証人がいない場合は機関保証制度を利用する


奨学金を借りられない場合の対処法2つ目は、「機関保証制度の利用」です。


保証人になれる人がいないため奨学金が借りれないという場合は、機関保証制度の利用が有効です。


機関保証制度とは、保証料として年間約5%の対価を支払う代わりに、(財)日本国際教育支援協会が保証人になってくれる制度です。

参考:日本国際教育支援協会


以下は一般的な保証方式の種類になります。

▼保証方式

  • 人的保証・・・父母やおじおばに保証人になってもらう
  • 機関保証・・・(財)日本国際教育支援協会がに保証してもらう

人的保証では、もし奨学金を返せなくなってしまった時に、連帯保証人⇒保証人の順に返済する責任を負います。


それに対して、機関保証では、奨学金を返せなくなってしまった時でも、親やおじおばに返済責任はありません。しかし、保証料を支払う負担が加算ありますので注意が必要です。


保証料は、奨学金の貸与月額、貸与利率、貸与年数によっても異なります。 毎月の奨学金月額から、定められた保証料が差し引かれて入金されます。


▼2024年度採用者が第二種奨学金を4年間借りた場合

奨学金月額借入総額保証料月額
30,0001,440,0001,135
50,0002,400,0002,147
100,0004,800,0005,497

毎月5万円の奨学金を利用した場合、保証料は毎月2,147円となり、4年間の保証料負担は103,056円となります。


決して安くはない金額ですが、人的保証を立てられず奨学金が借りれないという方は、機関保証制度を利用して奨学金の申請をしましょう。

3.在学採用制度で在学中に奨学金の申請を行う


奨学金を借りられない場合の対処法3つ目は、「在学採用制度で在学中に奨学金の申請を行う」です。


在学採用制度とは、毎年春ごろに在籍する学校を通じて奨学金の申込みができる制度です。制度には第一種・第二種の両方があり、所得基準や保証人条件なども進学前に申請するものと同じになっています。


しかし、学力基準は各大学に準拠するので、注意が必要です。学力基準は以下の通りです。

  • 出身学校または在籍する学校における成績が平均水準以上と認められること
  • 特定の分野において、特に優れた資質能力を有すると認められること
  • 学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められること
  • 高等学校卒業程度認定試験合格者で、上記のいずれかに準ずると認められること

参考:日本学生支援機構【進学後の学力基準


在学中に学費や生活が足りない可能性が出てきた場合、在学採用制度の利用が有効です。

4.大学・自治体・企業の奨学金制度の利用を検討する

奨学金を借りられない場合の対処法4つ目は、「大学・自治体・企業の奨学金制度の利用検討」です。


日本学生支援機構以外にも、大学や自治体、企業独自の奨学金制度が存在します。大学独自で設けられている奨学金は給付型が多く、給付型であれば貸与奨学金と違い卒業後に返済義務がありません。


自治体の場合、月額平均1万円から5万円(自治体によって金額は異なる)の奨学金を支給しています。ただし、すべての地方自治体が奨学金を扱っている訳ではなく、全国的には取り扱っていない自治体も多く存在するので注意が必要です。


大学の場合、特待生制度や資格特待生制度など多岐にわたります。金額も入学金を免除したり、一定期間の授業料免除など異なります。


採用基準も日本学生支援機構とは異なるので、進学先のホームページや学生支援課に問い合わせましょう。


もしく日本学生支援機構の奨学金に落ちてしまっても、各自治体や大学の奨学金制度であれば受給できる可能性があります。

5.教育ローンを利用する


奨学金が借りられない場合の対処法5つ目は、教育ローンの利用です。


教育ローンには、以下の種類があります。

▼教育ローンの種類

  • 日本政策金融公庫の教育ローン
  • 民間銀行の教育ローン

日本政策金融公庫の教育ローンは、いわゆる国の教育ローンで、日本学生支援機構の奨学金と併用して利用する人も多いです。金利は2.40%(2024年10月時点)と、奨学金と比べて高くなっていますが、一般的な民間銀行で借りるよりも金利は低いです。


以下は国の教育ローンの所得基準になります。

▼国の教育ローンを利用できる方

子の人数世帯年収の上限
1人790万円
2人890万円
3人990万円
4人1,090万円
5人1,190万円

参考:日本政策金融公庫


国の教育ローンを利用できるのは、融資の対象となる学校に入学・在学する学生の保護者(主に生計を維持されている方)で、世帯年収(所得)が上記の表の金額以内の方が対象となります。


子どもの人数によって、世帯年収の上限額が異なります。日本学生支援機構の奨学金と併せて利用できるので、奨学金だけでは支出を賄い切れない場合には国の教育ローンの利用を検討しましょう。


一方で民間銀行の教育ローンは、金利は国の教育ローンよりも高いです。しかし、借入者の収入や信用情報を基に審査をするので、収入が多く家計基準が合わずに奨学金が借りれない方には利用しやすくなっています。


民間銀行の教育ローンは審査から入金までが早く、7日~10日ほどで入金されます。民間銀行の教育ローンは、銀行ごとに金利等の条件が異なるので、最寄りの銀行のホームページから教育ローンの条件を確認してみましょう。


▼みずほ銀行の教育ローンの申し込みできる方

  • 借入時年齢が満20歳~66歳未満で最終返済時年齢が満71歳未満の方
  • 勤続年数が2年以上の方
  • 前年度税込み年収が200万円以上で安定喝継続した収入の見込める方
  • 保証会社の保証を受けられる方

参考:みずほ銀行教育ローン


借入可能金額は、10万円以上300万円以下となっていて、金利は3.475%(インターネットで申し込みの場合は2.975%)となります。


国の教育ローンと比べると金利は高くなっていますが、奨学金や国の教育ローンと違って年収が高いから借りれないということはありません。むしろ、年収が高い方が借りやすいというのが民間銀行の教育ローンの特徴となっています。


奨学金制度に代わる制度として、教育ローンは有効な手段となります。特に所得基準が原因で奨学金に落ちてしまった人は、採用される可能性が奨学金よりも高いです。

「教育ローンにたくさんの種類があるのは分かったけど、どれを使えばいいのか分からない…」と悩む人は多いです。


どれが最適かは一人ひとり状況が異なる中、教育ローンは金利が高く設定されていることが多いので独断で判断するのは難しいです。


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奨学金を借りる場合の注意点


奨学金を借りる際の注意点としては以下の4つが挙げられます。

  • 奨学金は借金である
  • ライフプランを明確にする必要がある
  • 締切日などの変更が無いか常にチェックする必要がある
  • 入学前の納付金は奨学金では払えない
奨学金制度は、お金がないが勉強したい学生に金銭的支援を行ってくれます。このようなメリットがある一方で、注意しなければならないこともあるのです。

注意点を確認し、奨学金制度を有効に活用しましょう。

1.奨学金は借金である

奨学金を借りる場合の注意点1つ目は、「奨学金は借金であること」です。


奨学金を借りる場合、ほとんどの人は貸与型の第二種奨学金を利用します。お金を借りているので、大学卒業後に返済義務が借りた本人に課されます。


労働者福祉中央協議会の「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によると、奨学金の借入平均額は約300万円となっています。奨学金の返済期間として最も多いのは15~20年未満で33.5%、次いで10~15年未満が24.8%でした。


この場合、月に約15,000円を奨学金の返済に充てるので、特に入社したての20代の人にとっては大きな負担になります。


日本学生支援機構の奨学金貸与・返還シミュレーターを使って、将来返していく金額がいくらになりそうか調べてみるなど、利用には十分な検討が必要です。

2.ライフプランを明確にする必要がある


奨学金を借りる場合の注意点2つ目は、ライフプランを明確にする必要があることです。


奨学金の利用を検討する際に、自分のライフプランも考えてみましょう。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、新卒の平均初任給は大卒で22万8,500円(手取り額 :22万1,349円 )です。


生活費で15万円、交際費で3万円だとすると奨学金の返済に充てられるのは4万円ということになります。もし車を買ってローンを組めば、毎月35,000円程度の返済になります。(200万円・5年返済でローンを組んだ場合)


そうすると奨学金の返済をする為には生活費や交際費を切り詰めなければなりません。


このように、お金を借りる前に将来の収入と支出のバランスと、ライフイベント(結婚・車の購入など)をイメージしておくことが重要となります。

「奨学金のことだけじゃなくて、ライフプランも考えるなんて大変…」と考える人は多いです。奨学金やその他教育ローンなど調べて申請するだけでも大変なうえ、大学卒業後のライフプランまで明確にするのは困難です。


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3.締切日などの変更が無いか常にチェックする


奨学金を借りる場合の注意点3つ目は、締切日などの変更がないか常にチェックする必要があることです。

奨学金の申請には締め切りがあります。高校に在学中であれば、進路担当の先生から奨学金の案内があると思いますが、自分でもいつごろまでに申請をしないといけないのか把握しておきましょう。

また、奨学金制度そのものに重要な変更が加わる場合もあります。

具体的なものとして、家計基準の見直しがあります。この見直しは2024年にも実施され、対象範囲が拡大したことにより、以前まで受給できなかった人も受給資できるようになりました。

また第一種貸与奨学金の場合は、春しか申請できないことがあります。 通常、春と秋に予約採用の募集がありますが、第一種は春にしか募集しないこともありますので、春の募集に間に合うように注意が必要ですので注意しましょう。

4.入学前の納付金は奨学金では払えない


奨学金を借りる場合の注意点4つ目は、入社前の納付金は奨学金では払えないことです。

通常、大学合格後に入学金や初年度の授業料を支払う必要があり、入金期日までに支払えないと合格取り消しという事態も発生しかねません。

奨学金を利用して払いたいと考えられている人も中にはいますが、奨学金の申請をして、無事採用が決まったとしても入金されるのは入学後の5月頃となるので、奨学金の受け取りを入学金や初年度の授業料に間に合わせられません。 

進学したい大学の入学金や、初年度の授業料をあらかじめ調べてみましょう。もし、手元の預金だけで支払うことが難しそうであれば、教育ローンを利用することをお勧めします。

民間の銀行の中には、教育ローンを正式に申し込みする前に、借りれるかどうかを簡単な審査で調べることができるサービスをしている銀行もあります。「仮審査」や「簡易審査」という呼び方をされていますので、気になる方は最寄りの銀行へ問い合わせてみましょう。

5.奨学金の採用連絡は2ヶ月後

奨学金を借りる場合の注意点5つ目は、「奨学金の採用連絡は2ヶ月後」ということです。


奨学金の申請をして、採否結果の通知時期は次のとおりです。

  • 予約採用・・・予約採用候補者としての採否結果は、申込・推薦期限の2か月後に学校へ通知されます。採用候補者決定後に海外大学に入学し、「進学届」等を提出した後の採否結果は、初回振込のあった月の下旬に、採用決定通知とともに「奨学生証」「返還誓約書」等が国内連絡者宛てに送付されます。
  • 在学採用・・・申込書類が不備なく提出された場合、申込締切月の2か月後の初旬に、国内連絡者宛てに採否結果通知を送付されます。
奨学金の採用には所得調査など審査基準が多く設けられているので、時間を要します。2ヶ月間ただ待っているのではなく、落ちた場合の対処法や具体的な返済計画について考えるのが重要です。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度とは

日本学生支援機構の奨学金制度の以下について紹介します。

  1. 給付型奨学金について
  2. 第一種奨学金は利息なしだが審査基準が厳しい
  3. 利息ありの第二種奨学金の審査基準はやさしい
  4. 第一種・第二種の奨学金は併用できる
奨学金制度を利用する人の多くは、日本学生支援機構の奨学金制度を利用することになります。奨学金の中にも様々な種類があるので、自身に合った適切なものを見つけましょう。

1.給付型奨学金について



日本学生支援機構(JASSO)には、大きく三種類の奨学金があります。
  • 給付型奨学金【返済不要】
  • 第一種貸与奨学金【返済有・無利子】
  • 第二種貸与奨学金【返済有・有利子】
給付奨学金、第一種貸与奨学金、第二種貸与奨学金の順に受給条件が緩和されています。

給付型奨学金は、その名の通りで返済する義務がない奨学金です。学力基準と家計基準のどちらも満たす必要があり、他の奨学金よりも厳しい条件となっています。

給付奨学生として採用されてから大学を卒業するまで、家族の所得金額に基づく第1~第3区分に応じて、通学形態(自宅通学・自宅外通学)によって定まる下表の金額(月額)が、原則として毎月振り込まれます。 

 【国公立の場合】
区分自宅通学自宅外通学
第1区分29,200円66,700円
第2区分19,500円44,500円
第3区分9,800円22,300円

 【私立の場合】
区分自宅通学自宅外通学
第1区分38,300円75,800円
第2区分25,600円50,600円
第3区分12,800円25,300円
参考:日本学生支援機構【給付型奨学金について

国公立と私立ともに、奨学金の限度額は自宅外通学>自宅通学、第3区分>第2区分>第1区分となっています。

第1区分~第3区分は、家族の収入の多寡によって区分分けされています。収入が多い方から、第3区分>第2区分>第1区分となっています。

自身がどの区分に該当するかは、日本学生支援機構の進学資金シミュレーターでも確認することができます。

奨学金制度の中にも種類があります。どんなものがあるのか把握して、自身に合った適切な制度を選ぶ必要があります。

2.第一種奨学金は利息なしだが審査基準が厳しい

第一種貸与奨学金は無利子なので、第二種貸与奨学金よりも条件が良い分審査基準は厳しくなっています。


特に学力基準が厳しく、以下のようになります。

  • 高等学校又は専修学校高等課程の、1年から申し込み時までの成績評価の平均値が3.5以上 
  • 高等学校卒業程度認定試験合格者であること 

所得基準を満たしているだけでなく、学業成績が優秀でなければならないので、第一種奨学金に採用された場合、「すごい」と言えます。

3.利息ありの第二種奨学金の審査基準はやさしい



第二種貸与奨学金は利息ありの奨学金です。第一種よりも選考基準が易しいので、多くの人は第二種貸与奨学金を借りているのではないでしょうか。 

第一種と違い利息は付きますが、令和5年の利率は0.002%〜0.467%と、良心的な金利水準となっています。

国の教育ローンや民間銀行の教育ローンだと1.7%~4%の金利なので、奨学金の利息はかなり割安な設定だと言えるでしょう。 

2万円〜12万円までと、家計の事情に合わせて受給額を自由に選べます。将来、自分で返済できる範囲内のお金を借りるようにしましょう。

第二種貸与奨学金の審査基準は以下の通りです。

 ▼学力基準(いずれかを満たす) 

  • 高等学校又は専修学校(高等課程)での学業成績が平均水準以上 
  • 特定の分野において特に優れた資質能力を有する 
  • 大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがある 
  • 高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、または科目合格者で基準に該当する人  
▼家計基準
世帯人数給与所得者給与所得者以外
3人1,009万円601万円
4人1,100万円692万円
5人1,300万円892万円

4.第一種・第二種の奨学金は併用できる

第一種と第二種の奨学金は併用して利用できます。


学力基準は第一種と同じで、家計基準は、世帯人員、就学者の有無等によって異なります。生計維持者の収入金額が選考の対象となりますが、収入・所得の目安はおよそ次の金額以内です。 

▼ 収入・所得の上限額の目安

世帯人数給与所得者給与所得者以外
3人599万円245万円
4人686万円306万円
5人884万円476万円

参考:日本学生機構


上記の条件を満たせば第一種と第二種を併用して利用できますが、併用貸与の場合は、貸与総額および貸与終了後の毎月の返還額が多額となるので、将来の返還のことも十分に考えて申請しましょう。

奨学金の悩み全般を簡単に解消する方法とは

ここまで、奨学金を借りられないという悩みを簡単に解決できる方法を解説します。


奨学金を借りられない理由は多岐にわたり、借りられない場合には教育ローンや大学などの独自の奨学金制度を利用する必要があります。


しかし、奨学金やその他教育ローンなどの制度でお金を借りたとしても、その後どのように返済していくかなどの計画を立てる必要もあります。しかし、一人で将来のことまで考えるのは容易ではありません。


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奨学金が借りれない理由と解決策のまとめ

この記事では、奨学金を借りられない理由とその対処法を中心に解説してきました。


奨学金を借りられない理由は所得基準など多数あり、借りられなかった場合の対処法として、独自の奨学金制度を利用する・教育ローンを利用するなどが挙げられます。


しかし、奨学金や教育ローンの利用にはデメリット・注意点が存在し、種類も豊富です。そのため、一人で自身にあった適切な制度を見つけるのは容易ではありません。


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