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住宅ローンの借り換えを検討する際に大事なのが手数料だと思います。住宅ローンの借り換えによって支払額を下げられても手数料によってより多く支払ってしまう場合があります。本記事では借り換え時の手数料について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧下さい。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

住宅ローンの借り換えにかかる手数料の相場はいくら?

こんにちは。

マネーキャリア編集部です。


先日、友人からこんな相談を受けました。


「住宅ローンの借り換えを検討して言うんだけど、借り換えの手数料ってどのくらいかかるんだろう?」


人生で一番高い買い物と言われるマイホーム。

住宅ローンを組んで返済する人がほとんどだと思いますが、利用しているローンよりも良い条件のローンがあった場合、住宅ローンの借り換えを検討する人も多いのではないでしょうか。


ただ、住宅ローンの借り換えには手数料がかかります。

この記事では住宅ローン借り換えの手数料について、以下の3点を中心に詳しく解説していきます。


  • 住宅ローン借り換え時にかかる手数料の種類は?
  • 住宅ローン借り換え時にかかる手数料の支払方法は?
  • 住宅ローン借り換えの手数料が用意できない場合の対策方法は?


住宅ローンの手数料について悩んでいる方の、解決策になれば幸いです。

最後まで是非読んでください。

住宅ローンの借り換えにかかる手数料は大きく3つに分かれる

住宅ローンの借り換えには、大体30万円から80万円かかると言われていますが、住宅ローンの金額や期間、または金融機関によってさまざまです。


住宅ローン借り換えの際にかかる、3つの手数料をまとめました。

  • 新たな借換先に支払う手数料
  • 現在の借入先に支払う手数料
  • 税金、その他登記関連費用

つまり、新たな借入先への新規の住宅ローン手続き費用と、今現在支払っている借入先へ住宅ローンを完済する手続に支払う費用、それぞれに掛かってくる登記関連費用になります。

それぞれ次で詳しく解説していきます。

住宅ローンの借り換え手数料①住宅ローンの新規手続き

住宅ローンの借り換えを行う際、まずは新たにローンを申し込む借入先に、新規の住宅ローンの手続きをする必要がありますよね。


ここでは、新規に住宅ローンの手続きをする際にかかる手数料を見ていきましょう。


住宅ローンの新規手続きにかかる手数料は、こちらの3つです。

  • 保証料
  • 事務手数料
  • 印紙代

それぞれの手数料を詳しく解説していきます。

①保証料

保証料とは、何らかの理由で住宅ローンの支払いが出来なくなってしまったときに、住宅ローンの残高を、保証会社に肩代わりしてもらう手数料です。


保証料の支払いについては、借入時に一括で前払いする外枠方式と、毎月の金利に上乗せして支払う内枠方式の2種類から選択することが多いです。


一般的に言うと、一括で前払いする外枠方式の方が、利子がつかない分、保証料の総額の支払金額は安くなります。


保証料の金額は、金融機関によって異なりますが、銀行ごとに借入金額100万円あたりの

保証料を借入期間別に定めた保証料率表があります。


例えば、千葉銀行を見ていきましょう。

借入期間と、借入期間に対する保証料金額をまとめた表がこちらです。

借入金額5年10年20年30年
保証料金額4,580円8,544円14,834円19,137円

(一部抜粋:千葉銀行ホームページ


保証税率を参考にシミュレーションしてみましょう。

借入金額2,500万円、借入期間20年で住宅ローンを組む場合の100万円当たりの保証料は、保証税率から、14,834円であることがわかります。


では、2,500万円の保証料を計算してみましょう。

計算式はこちらです。

2,500万円÷100万円×14,834円=370,850円

となり、借入金額2,500万円で借入期間が20年の場合の保証料は370,850円となることがわかりました。


ただし、この金額は一括返済する外枠方式になります。

内枠方式はこの金額に加えて金利も発生してくるので、総額ではもう少し高くなります。


住宅ローンの借り換えを検討している方は、必ず確認しておきましょう。


また、ネット銀行など保証会社を持たない銀行では、保証料がかからないケースもあります。

しかしその分、融資手数料が高額になっている場合もあるので注意しましょう。


逆のケースもあり、融資手数料は低く抑えられているものの、保証料として大きな金額が必要な金融機関もあります。


保証料の金額だけでなく、しっかりトータルの金額で判断してくださいね。

②事務手数料

事務手数料とは、住宅ローンを組む際に銀行に支払う手数料になります。

事務手数料には、以下の2種類があります。


  • 借入金額に関係なく、一定の金額を支払う「定額型」
  • 借入金額に応じて金額を支払う「定率型」
一般的に事務手数料は、定率型の銀行よりも、定額型の銀行の方が安い場合が多いです。

定額型の金額の目安は大体3万円から5万円(税別)と言われています。

一方借入金額によって変動する定率型は、

借入金額×1.5~2.2%

と言われています。

例えば、千葉銀行で2,000万円の借り入れを行った場合の定率型の銀行に支払う事務手数料は、以下のようになります。

2,000万円×2%=40万円

(参考:千葉銀行)

圧倒的な差がありますよね。

また、金額や利率については銀行によって異なります。
銀行のホームページ等でしっかり確認しましょう。

③印紙税

住宅ローンを組む際には「金銭消費貸借契約証書(ローン契約書)」という契約書を取り交わします。

この契約書には印紙の貼付が必要です。


印紙税の金額は、借入金額に応じて決まります。

2021年10月現在、国税庁が定めた印紙税の金額を、以下にまとめました。

契約金額印紙税額
100万円以上500万円以下2,000円
500万円以上1,000万円以下1万円
1,000万円以上5,000万円以下2万円
5,000万円以上1億円以下6万円

(一部抜粋:国税庁「契約書や領収書と印紙税」


また、インターネット専業銀行など、web上で金銭消費貸借契約を締結する場合は、印紙代は不要となりますので、借り入れの際は参考にして下さいね。

住宅ローンの借り換え手数料②現在の住宅ローンの完済手続き

新たに住宅ローンを借り入れる場合でも、現在支払っている住宅ローンはもちろん返済しなければなりませんよね。


ここでは今現在払っている住宅ローンの、完済手続きにかかる手数料を解説していきます。


現在の住宅ローンの完済手続きにかかる手数料は、以下の3つです。

  • 全額繰上返済手数料
  • 保証会社事務手数料
  • 未払利息

それぞれどのような手数料で、どのくらい支払う必要があるのか、詳しく解説していきます。

①全額繰上返済手数料

全額繰上返済手数料とは、現在借りている住宅ローンを全額繰上返済する際に必要になる手数料です。


期限前完済手数料とも呼ばれ、返済先の金融機関に対して支払います。


全額繰上返済手数料は、大体目安として、5万円程度となっています。

無料のところもありますよ。


また、全額繰上返済手数料は銀行によって、または借り入れの条件によって異なります。

金額の変動が起こりうる、借り入れ条件をまとめました。

  • 利用中の住宅ローンが変動金利か固定金利か
  • インターネットでの手続きか銀行の窓口での手続きか


いずれの場合も銀行によって異なるので、ご自身が借りている銀行のホームページ等を参考にして下さい。

②保証会社事務手数料

借入時に保証料を一括で支払っている場合、残りの返済期間分の保証料が保証会社から返戻されます。


保証会社事務手数料とは、この返戻される保証料から返還事務手数料として引かれる金額のことです。

保証料から、大体1万円前後の保証会社事務手数料が引かれる形になります。


ただし保証料を外枠方式ではなく毎月の金利に上乗せして支払っている内枠方式の場合や、返戻される保証料が保証会社事務手数料に満たない場合には、新たに支払いを求められるものではありません。

③未払利息

全額繰上返済にかかる諸費用を見積もるうえで、忘れられがちなものが未払利息です。


未払利息とは、住宅ローンの返済日から次の返済日までの間に発生する利息のことを指します。

住宅ローンを全額繰上返済するためには、繰上返済する時点で発生している未払利息の精算も必要になります。


未払利息の正確な金額については、銀行によって、個人の借り入れ条件によってさまざまです。

ご自身が借り入れしている銀行に依頼して確認してみましょう。

住宅ローンの借り換え手数料③登記手続き

住宅ローンを組む場合、金融機関は万が一借主がローンが返済できなくなった場合に備えて、購入する不動産を担保する権利があります。

この権利を「抵当権」と呼びます。


ここでの不動産とは、購入した自宅のことを指しますね。

借り換えの際には、現在借り入れしている金融機関で抵当権が設定されている状態です。


つまり、住宅ローンの借り換えでは現在の抵当権をなくし、新たな借入先の金融機関で抵当権を設定する必要があります。


したがって、住宅ローンの借り換えの際には、住宅ローンの抵当権の手数料として、以下の2つの費用が発生します。

  • 現在の抵当権を抹消する費用
  • 新たに抵当権を設定する費用
それぞれ詳しく解説していきます。

抵当権抹消に関する費用

住宅ローンを新たに借り入れする場合、まずは既存の抵当権を抹消する手続きを行う必要があります。


既存の抵当権を抹消する際に、必要な費用は2つです。

  • 登録免許税
  • 司法書士報酬

それぞれ見ていきます。


既存の抵当権を抹消する際に必要な手数料1.登録免許税

登録免許税とは、不動産の所有者(=登記者)が国に納める税金のことです。

抵当権を抹消する登記にかかる登録免許税の計算方法は、こちら。

登記する不動産の個数×1,000円

注意が必要なのは、不動産の個数です。

不動産の個数は、あくまでも登記簿に基づいて数えられます。


「一軒家だから、土地と建物代の2つだな。」

と安易に考えないようにしてください。


例え一軒家でも、土地の登記簿が4つに分かれている場合、

「4つの土地と1つの建物の合計5つの不動産」

として、計算する必要があります。


既存の抵当権を抹消する際に必要な手数料2.司法書士報酬

また、抵当権を抹消する登記にかかる登録免許税に加えて、抵当権を抹消するの手続きを委任する、司法書士へ支払う報酬が必要となります。

この報酬が「司法書士報酬」です。


司法書士報酬は司法書士や登記する物件の内容によって異なります。


登録免許税と司法書士報酬を合わせて、2万円前後と考えておけばいいでしょう。

正確な金額は司法書士に見積もりの依頼をすることをおすすめします。

抵当権設定に関する費用

新たな住宅ローンを借り入れた場合、再度抵当権の手続きが必要です。


新たに抵当権を設定する際にかかる費用は、抵当権抹消の手続きの時と同じ、以下の2つです。

  • 登録免許料
  • 司法書士報酬
ただし計算方法や、報酬金額が異なります。
詳しく解説していきます。

登録免許料


抵当権を設定する登記にかかる登録免許料の計算方法はこちら。

住宅ローンの借入金額×0.4%

例えば、4,000万円の住宅ローンを組んだ場合の登録免許証はこちらになります。

4,000万円×0.4=16万円

この16万円を登録免許料として納めることになります。

司法書士報酬

抵当権抹消の手続きの時と同じく、抵当権の登録の際にも、司法書士へ支払う報酬が必要です。
依頼する司法書士や物件の内容によって、報酬にばらつきはありますが、大体5万円から10万円であることが多いです。

正確な金額は、司法書士に見積もりを依頼してくださいね。

手数料の支払い方法について詳しく解説

ここまで新たに住宅ローンを借り換え際に発生する費用や手数料をお伝えしてきました。


新たに住宅ローンを借り入れる場合に必要な費用は、借入金額や残りのローン年数にもよりますが、大体30万円から80万円と言われています。


大きな金額ですよね。

簡単には用意できない金額かもしれません。


では新たに借入する際に発生するこの30万円から80万円は、どのように支払っていけばよいのでしょうか?


支払方法は2つです。

  • 住宅ローンに含める
  • 自己資金から直接支払う


それぞれ解説していきます。

住宅ローンの借入金額に含める方法

住宅ローンの借り換えでは、手数料等の金額も借入金額に含めることが可能です。


例えば、3,000万円の住宅ローンを借り換える際に発生する手数料が50万円だったとしましょう。

この場合、住宅ローンと手数料を合算して、3,050万円の住宅ローンとして組み、この金額の中から手数料を支払うことが出来るという仕組みです。


住宅ローンの金額が増えるデメリットがある一方で、自己資金から支払う必要はないので、ご自身の貯蓄が減ることはありません。


多くの人はこの住宅ローンの借入金額に含める方法を選択しています。

自己資金から支払う方法

3,000万円の住宅ローンを借り換える際に50万円の手数料がかかる場合、3,000万円の住宅ローンはそのまま同額でローンを組み、手数料の50万円は自己資金から支払う方法です。


自己資金が減ってしまうデメリットはありますが、住宅ローンの残高が増えないことが最大のメリットです。


手数料を用意できる場合には、自己資金から支払った方が良いと言えるでしょう。

手数料の支払いうタイミングはいつ?

ここまで住宅ローンの借り換えの手数料や、手数料の支払方法についてお伝えしました。


ここで疑問に思うのが、借り換えのための手数料を支払うタイミングですよね。


借り換えのために必要な手数料は、印紙税や抵当権の抹消・設定、司法書士報酬などがありましたね。


それぞれどのタイミングで、どの手数料を支払っていけばいいのか、詳しく解説していきます。

住宅ローン借り換えの手続きのステップを確認

住宅ローン借り換えの手続きの、一般的なステップと諸費用を支払うタイミングをまとめました。


借り換え手続き諸費用を支払うタイミング
1.借り換えの申し込みなし
2.既存の住宅ローンの完済・全額繰上返済手数料
・保証会社事務手数料
3.借り換えの新規契約手続き・事務手数料
・抵当権抹消・設定費用
・印紙税
・司法書士報酬
4.融資実行中・融資手数料
・保証料(一括支払いの場合)
・火災保険料(加入しなおす場合)
5.ローン返済中・保証料(毎月の支払の場合)
・火災保険料(更新がある場合)


それぞれの諸費用について、いつ必要なのか、いくら必要なのかをしっかり把握して準備しておきましょう。


また、諸費用の支払うタイミングは上記以外にも、もう1つあります。

次で解説していきます。

諸費用を住宅ローン借入金額に含めることで時期をずらせる

前述の通り、借り換えにかかる諸費用を、住宅ローンの借入金額に含めることが可能です。

つまり、毎月のローンから支払っていくことになります。


自己資金を減らすことなく返済できるメリットはありますが、住宅ローンに含める諸費用にも利息が発生することと、諸費用全てをローンに含めることはできません。


ある程度の金額は自己資金から拠出する必要があると思っていた方が良いでしょう。

住宅ローンの借り換え手数料のシミュレーションをしよう

住宅ローンの借り換えで重要なことは、借り換えにかかる手数料などを支払ってでも、メリットがあるかどうかを確認することです。


そのため事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。


ここでAさんを例に見ていきます。

  • 住宅ローン3,000万円
  • 残りの返済期間30年
  • 金利2%

Aさんは、2つの銀行で住宅ローンの借り換えを検討中です。
2つの銀行の借り換え手数料を比較した表がこちらです。

Bネット銀行C都市銀行
印紙税2万円2万円
保証料0円約60万円
事務手数料64万8,000円
(定率型:2.16%)
3万2,400円
(定額型)
抵当権設定費用
(登録免許税)
8万円8万円
抵当権設定費用
(司法書士報酬)
約6万円約6万円
抵当権抹消費用
(登録免許税)
2,000円2,000円
抵当権抹消費用
(司法書士報酬)
約2万円約2万円
合計約83万円約81万4,400円

B銀行とC銀行の比較では、若干C銀行の方が借り入れ手数料は安く済みますが、そこまで大きな差はありませんでした。

比較すべきポイントは、以下の3点です。
  • 保証料
  • 事務手数料
  • 事務手数料の金利

金融機関によって、住宅ローンの借り入れの特徴は様々です。
また、保証料や事務手数料は、借入金額と期間によっても異なります。


それぞれの特徴を踏まえてシミュレーションを行い、借り換えが得になるのかをしっかり確認しましょう。

手数料の比較についての注意点を解説

住宅ローンの借り換えを検討する際に、手数料の比較ポイントとして重要なのは3つでしたね。


  • 保証料
  • 事務手数料
  • 事務手数料の金利

もちろんこの3点を比較することも大切ですが、住宅ローンの借り換えの際の手数料の比較について、他にも注意しておきたいことがあります。

ここでは以下の3点について解説していきます。
  • 住宅ローン借り換えによるメリット・デメリットを確認する
  • 借換前の住宅ローンの保証料が返金される場合
  • 団体信用生命保険の保険料について

シミュレーションしてメリット・デメリットを確認

住宅ローンの借り換えによる諸費用は約30万円から80万円と、決して安くはないことはお伝えした通りです。


そのため、借り換えによる諸費用を借入金額に含めてローンとして返済していくことが可能ですが、ここで注意が必要です。

2つのケースをシミュレーションしてみましょう。


  • 現在よりも低金利で借り換えた場合
  • 現在よりも早くローン返済期間を短くするため借り換えた場合

借り換えによるメリット・デメリットのケース1.現在よりも低金利で借り換えた場合

金利は低く抑えられていた方が良いという考えは、みんな同じですよね。

「今よりも金利が安いところを見つけたから、借り換えしよう!」
と安易に考えるのは危険です。
なぜなら、借り換えには諸費用が掛かるためです。

せっかく利用中の住宅ローンよりも低金利で借換えることができた場合でも、諸費用を含めることでかえって負担が大きくなる場合もあります。

しっかりご自身でシミュレーション、あるいは金融機関に諸費用を含めた返済プランを相談しましょう。

借り換えによるメリット・デメリットのケース2.現在よりも早くローン返済期間を短くするため借り換えた場合

「早くローンによる支払いを終わらせたい。」
と思う人がほとんどだと思います。

「金利も安いところを見つけたし、返済期間も短くで出来るなんて!ここに借り換えしよう。」
という考えもいけません。

理由は繰り返しになりますが、借り換えによる諸費用が考慮されていないからです。

返済期間を短くしたことによって、それだけでも月々の負担は増えますよね。
さらにそこに諸費用分+金利分もかかってくるとなると、負担が大きくなる場合があります。

どちらのケースにも当てはまることですが、しっかりご自身で確認、または金融機関によるシミュレーションが重要であることがわかりますね。

借換前の住宅ローンの保証料が返金される場合がある

住宅ローンの保証料には、以下の2種類ありましたね。


  • 外枠方式:借入時に一括で前払いする方法
  • 内枠方式:毎月の金利に上乗せして支払う方法
現在利用している住宅ローンを外枠方式で支払っている場合は、残りのローン返済期間分の保証料が返金されることがあります。
一般的に保証会社事務手数料が差し引かれた金額が、返金対象となります。

また、保証料を内枠方式で支払っている場合には差額分が発生しないので返金はありません。

住宅ローンの借り換えを考えている方は、ご自身の保証料の支払方法を、しっかり確認しておきましょう。

団体信用生命保険の保険料

団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が返済期間中に亡くなってしまった、あるいは重大な障害を負ってしまったという場合、残りの住宅ローンの返済が全額免除される保証制度です。


団体信用生命保険の保険料は、借り換えによる追加の自己負担がない金融機関が多いです。

つまり、住宅ローン借り換えによる団体信用生命保険の保険料については、諸費用がかからないということ。


ただし、団体信用生命保険の保険料は、住宅ローンの金利に含まれているケースが多いです。

そのため住宅ローンの借り換え時に、自分に合った保障内容を見直せる機会でもあるので、一度見直してみることをおすすめします。


ただ、健康状態によっては見直しが出来ず、借り換え自体も認められないこともあるので、注意しましょう。

手数料等にかかる諸費用を用意できない場合用意できない場合はどうする?

手数料等の諸費用を支払ってでも、住宅ローンのが借り換えにメリットがある場合には是非借り換えの手続きを進めるべきでしょう。


しかし、借り換え時に必要な手数料や諸費用は、お伝えしている通り大きな金額がかかってきます。

場合によっては、必要経費を準備することが困難であるケースも十分考えられますよね。


ここでは、住宅ローン借り換え時に必要な手数料や諸費用を用意できなかった場合の対策方法を解説していきます。


対策ポイントは、以下の4点です。


  • 手数料等の諸費用もローンとし借入する
  • 手数料の少ない住宅ローンから選ぶ
  • 保証料内枠方式の利用
  • 親など身内に頼る
それぞれ解説していきます。

手数料などの諸費用の分もローンとして借りる

手数料などの諸費用の分もローンとして借りる場合、以下の2つの方法があります。


  • 諸費用分のみのローンを組む
  • 住宅ローンに金額を上乗せする
それぞれ見ていきましょう。

手数料等を準備できない場合の対策方法1.諸費用分のみのローンを組む

金融機関によっては、住宅ローンの借り換え時に発生する諸費用のみを、住宅ローンとは別の「諸経費ローン」として利用することが出来ます。

諸経費ローンを利用した場合、ローンと同じく毎月少しずつ返済していけばいいので、自己資金が大きく減ることはありません。

ただし、もちろん諸経費ローン分の金利がかかります。
結果的に一括で支払うよりも、多くの金額を支払うことになるので注意しましょう。

手数料等を準備できない場合の対策方法2.住宅ローンに金額を上乗せする

住宅ローンを借り換えた際、一括で手数料や諸費用等を支払えない場合に、最も多くの人が選択する支払方法です。

メリットとしては、住宅ローンとして返済していくので、すぐにまとまったお金が必要ではないこと。
デメリットは諸経費ローンと同じく、諸費用分が上乗せさせる分、結果的に支払う金額が多くなってしまうことです。

ローンとして借入するにはそれぞれメリット、デメリットを考慮したうえで判断しましょう。

保証料や手数料負担の少ない住宅ローンを借りる

金融機関によって、住宅ローン借り換え時の手数料や諸費用は異なります。


そのため、手数料や諸費用を準備できない場合はまず、手数料があまりかからない住宅ローンを調べてみるのもおすすめです。


例えば、フラット35やソニー銀行、住信SBIネット銀行など一部のネット銀行は、保証料がない住宅ローンを組むことが可能です。

ただ、保証料がない分、事務手数料が高かったり、金利が高かったりするので注意しましょう。


あとは保証料も事務手数料も安価な住宅ローンにすると、その分負担も軽くなりますね。


住宅ローンの借り換えを検討する際には、ご自身で調べたり、金融機関に相談して比較検討することが大切です。

保証料内枠方式の利用

保証料の支払方法について、もう一度おさらいしておきましょう。

保証料の支払方法は、2種類でしたね。


  • 外枠方式:借入時に一括支払いする方法
  • 内枠方式:金利に上乗せして毎月支払っていく方法

保証料支払いで内枠方式を選択した場合、住宅ローンの借入時に保証料分を支払わなくて済むことが最大のメリットになります。

デメリットとしては、一括支払いの外枠方式に比べて、返済額が多くなってしまう点です。
もちろん保証料分の金利もかかってきます。

2021年10月現在、保証料の金利相場は0.2%です。
金利1%で住宅ローンを借りた場合、毎月の返済は金利1%に保証料分が上乗せされて、1.2%となります。

総返済額を抑えたい場合、あるいは毎月の返済額を抑えたいという理由で住宅ローンの借り換えを検討している場合には、効果は期待できないかもしれません。

お金に頼れる身内などに頼る

もし親や親戚などに手数料や諸費用分を頼ることができれば、親族から借りて支払うのもひとつの方法です。


金融機関からの借り入れと異なり、返済期間や金利等が自由に決められるのが大きなメリットになります。


ただし注意が必要なのが「贈与」としてみなされてしまう場合もあります。


トラブルを防ぐためにも、親から借りる場合でもしっかり「借用書」を作成し、早期に返済することが大切です。

まとめ:住宅ローンの借り換えにかかる手数料

この記事では、住宅ローンの借り換えを検討している方に、住宅ローンの借り換え時にかかる手数料についてお話していきました。


住宅ローンの借り換えには約50万円前後かかると言われており、ある程度まとまったお金が必要になります。


出来れば一括で支払ってしまいたいところですが、大きな金額なので、なかなか厳しいかもしれません。

住宅ローン借り換え時の手数料を準備できないときの対策方法が以下の4つでした。


  • 住宅ローンの中に含める
  • 保証料や事務手数料の少ない住宅ローンにする
  • 金利に上乗せして毎月支払う内枠方式で支払う
  • お金を頼れる親や親戚に借りる


ただし、どの方法も一括で支払うよりも返済総額が高くなってしまいます。


住宅ローン借り換え時を検討している方は、借り換え時にかかる手数料も含めて、本当に借り換えした方が得なのか、しっかりシミュレーションをすることが大切です。


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