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この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 10年固定の住宅ローンの借り換えタイミングは?
- 固定金利期間がおわった11年目
- 市場金利が大幅に下がったとき
- 職業や収入の変化やライフステージに変化があったとき
- 10年固定住宅ローンから借り換えがおすすめなケース
- 現在のローン金利と借り換え先の金利の差が1%程度ある
- 残りのローン残高が1,000万円以上ある
- 10年固定住宅ローンからの借り換えがおすすめできないケース
- 手数料が借り換えによる節約額より高くなる
- 残りの返済期間が5年未満
- 残りの返済額が少ない(500万円程度)
- 10年固定の住宅ローンの借り換えは同じ銀行でもできる?
- 住宅ローンの借り換えをするなら変動金利と固定金利、どちらがよい?
- 固定金利が良いケース
- 変動金利が良いケース
- 諸費用もチェックしよう
- 住宅ローンの借り換え手続きの流れ
- 10年固定の住宅ローンの基本的な特徴!2種類ある
- 10年後に優遇幅が変わるタイプ
- 10年後に優遇幅が変わらないタイプ
- 10年固定の住宅ローンのメリット
- 10年固定の住宅ローンのデメリット
- 10年固定の住宅ローンの借り換えタイミングで迷っている人におすすめのサービス
- まとめ:借り換えは自分に合った適切なタイミングを見極めよう
10年固定の住宅ローンの借り換えタイミングは?

10年固定の住宅ローンの借り換えタイミングは主に以下の3つがおすすめです。
- 固定金利期間がおわった11年目
- 市場金利が大幅に下がったとき
- 職業や収入の変化やライフステージに変化があったとき
固定金利期間がおわった11年目
固定金利の終了タイミングである11年目は、借り換えを検討すべき重要な時期です。
そのため、固定期間終了の1〜2年前から金利や返済額を試算しておくことが重要です。
住宅ローンシミュレーションを活用し、今後の返済額と金利差を具体的に比較すると判断がしやすくなります。
慌てずスムーズに借り換えを進めるには、早めの情報収集と準備がカギとなります。
市場金利が大幅に下がったとき
市場金利が大幅に下がったときは、借り換えの有力なタイミングです。
現在の金利と新規借入金利の差が0.7%以上あれば、期限前償還手数料を払っても借り換えメリットが出やすいです。
たとえば、残債が2,000万円で金利が1%下がれば年間約20万円の利息負担が軽減されます。
仮に借り換えに伴う手数料がかかっても、数年で元が取れるケースが多いです。
そのため、現在の返済中金利と新規借入金利を比較し金利差が大きい場合は早めにシミュレーションして検討することをおすすめします。
職業や収入の変化やライフステージに変化があったとき
職業や収入、ライフステージに変化があったときは、借り換えを検討する良いタイミングです。
転職や収入減で返済が重くなった場合は、返済額を抑える手段として借り換えが有効です。
一方で、収入が増えたなら返済期間を短縮し利息を減らす選択肢もあります。
また、子どもの教育費など大きな支出が見込まれる前に返済額を軽くしておくと、将来の家計に余裕が生まれます。
このように、生活環境の変化に合わせて住宅ローンを見直すことで、無理のない返済計画を維持できます。
10年固定住宅ローンから借り換えがおすすめなケース

- 現在のローン金利と借り換え先の金利の差が1%程度ある
- 残りのローン残高が1,000万円以上ある
現在のローン金利と借り換え先の金利の差が1%程度ある
現在のローン金利と借り換えあとの金利の差が1%以上ある場合は、その後の返済を考えると借り換えをした方がお得になります。
借り換えには諸手数料が発生するため、1%以下の金利の差では借り換えの効果があまり感じられない場合がほとんどです。
そのため、借り換え前後の金利の差は1%以上を目安にしておくべきです。
残りのローン残高が1,000万円以上ある
借り換えを検討する時点で、現時点でのローン残高が1,000万円以上ある場合は借り換えを検討してみるのがおすすめです。
逆に、残高が500万円しかない場合はそもそもの利息の支払いが10数万円程度であり、そこから借り換えにかかる手数料等を考慮すると借り換え前とほとんど変わらない結果になってしまうため注意しましょう。
10年固定住宅ローンからの借り換えがおすすめできないケース

10年固定住宅ローンからの借り換えがおすすめできないケースとして、3つあります。
- 手数料が借り換えによる節約額より高くなる
- 残りの返済期間が5年未満
- 残りの返済額が少ない(500万円程度)
このようなケースもあるため無理に借り換えをせず、まずは今のローンを完済する計画を立てるのも選択肢です。
さらに詳しく以下に解説していきますので、しっかりと確認していきましょう。
手数料が借り換えによる節約額より高くなる
一つ目のケースは、手数料が借り換えによる節約額より高くなる場合です。
借り換えには事務手数料・保証料・登記費用・印紙税などが発生し、総額で数十万円にのぼることもあります。
たとえば、借り換えの諸費用が50万円で借り換えによる金利差による節約額が40万円の場合、実質的に10万円の損になります。
一般的に「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上」が借り換えメリットの目安とされており、それ以下だと費用倒れの可能性が高くなります。
借り換えを検討する際は、節約額と手数料のバランスを必ず試算し慎重に判断しましょう。
残りの返済期間が5年未満
二つ目のケースは、残りの返済期間が5年未満である場合です。
理由として、短期間では借り換えによる金利差の恩恵が小さく諸費用を差し引くと結果的に損をする可能性が高いためです。
たとえば金利が0.5%下がったとしても残高が少なく返済期間が短ければ、利息の削減効果は数万円程度にとどまることがほとんどです。
一方で、借り換えには登記費用・事務手数料・印紙税など数十万円の費用が発生するケースもあります。
借り換えはあくまで中長期で効果を発揮する手段なので、残り期間が短い場合は無理に行わず、繰上返済など他の方法を検討するのが得策です。
残りの返済額が少ない(500万円程度)
三つ目のケースは、残りの返済額が少ない(500万円程度)場合です。
借入残高が少ないと金利差による利息軽減額が小さくなり、借り換えにかかる諸費用の方が上回るケースが多いためです。
0.5%の金利差で借り換えても数万円程度の節約にしかならないことがあり、金融機関によっては借り換え対象外になることもあります。
また、登記費用・事務手数料・保証料などを含めると、借り換えによってかえって負担が増える可能性もあります。
そのため、返済残高が500万円前後の場合は、借り換えではなく繰上返済などの選択肢を検討する方が現実的です。
10年固定の住宅ローンの借り換えは同じ銀行でもできる?

10年固定住宅ローンの借り換えは、同じ銀行でも可能です。
契約11年目以降に、金利プランの変更や新規ローンへの借り換えができます。
同一銀行で借り換える場合は、以下2通りがあります。
- 現在のローンを継続しつつ、金利プランのみ変更
- いったん完済し、新たにローンを組み直す
手続きの簡略化や諸費用の軽減、既存顧客向けの優遇金利などのメリットがある一方で、他行と比較して金利が高くなったり、選択肢が狭まるケースもあるため注意が必要です。
他の金融機関とも比較し、総返済額で損得を判断しましょう。
住宅ローンの借り換えをするなら変動金利と固定金利、どちらがよい?

ここからは、具体的に借り換えをする場合の選び方について解説します。
借り換えをする場合の選び方は、以下の3つです。
- 固定金利が良いケース
- 変動金利が良いケース
- 諸費用もチェックしよう
変動金利と固定金利について、それぞれの特徴や向いているケースについてまとめていきます。
固定金利が良いケース
借り換え後に固定金利を選んだ方が良いケースは、借り換え後の世帯のライフイベントが落ち着いているケースです。
例えば、子どもが3歳の時に当初10年分を固定ローン契約をしたとします。
次の更新時には子どもはまだ13歳です。
13歳というと、これから教育費がかかる時期でもあり、ここで安易に変動金利で契約してしまうのは危険です。
変動金利は、固定金利よりも低く設定されているためメリットがあるように感じますが、家族全体のイベントを考えた時に
- まだまだ子どもの教育費がかかる
- 奨学金の返済が続く(残高がまだ残っている)
- これから出産などの予定がある
など、これから先も出費が続くようであれば次の10年も固定を選ぶ方が賢明かもしれません。
変動金利が良いケース
固定金利とは逆のケースで、
- 夫婦のみ世帯で共働きなど今後の収入も安定
- 不労所得などがあり、収入が固定されている
- 子どもも巣立ち、これからかかるお金も大きくない
など、ある程度まとまった預貯金がある場合は、思い切って変動金利にするほうがメリット性が高い可能性もあります。
変動金利は「金利が変動し続ける」ため、将来の支払総額が確定していません。
ローンを完済してみなければ、完済時の金額がわからないということです。
世の中の情勢次第では、今後必ずしも変動金利の方が金利が低いというわけではありません。
そのため、もし万が一変動金利で不利益を被る時期があったとしても、共働き夫婦のみ世帯であればカバーすることは十分に可能です。
もちろん、固定金利よりも変動金利の方が金利が低い状態が続くようであればメリットしかないと言えます。
諸費用もチェックしよう
借り換えの諸費用は、これまで借りていた金融機関へ支払うものと、これから新たに借り換える金融機関へ支払うものがあります。
借り換えは、新しい借入先から融資を受けた金額でこれまでの借入先へ一括弁済し、その残りを新たなローンとして返済していく仕組みです。
つまり、どちらの金融機関とも手続きをする必要があり、費用だけでなく時間もかかります。
借り換えを検討する際には、あらかじめ諸費用の内訳を提示してもらうなど余裕をもって対応するようにしましょう。
住宅ローンの借り換え手続きの流れ

住宅ローンを借り換える際は、以下の流れに沿って準備することでスムーズに手続きが進みます。
- 事前審査の申し込み:金融機関に審査申請。オンラインでの対応も増加中
- 正式審査の申し込み:所得証明や物件書類を提出し、本格的な審査が行われる
- 借入中の金融機関で手続き:全額返済の連絡と必要費用の確認が必要
- 新たな借入先で契約手続き:抵当権の抹消と設定手続きを行う
- 住宅ローン融資実行:新たな返済がスタート
返済計画や費用も加味し無理のないスケジュールを立てましょう。
10年固定の住宅ローンの基本的な特徴!2種類ある
10年固定住宅ローンには、実は以下の2種類のタイプがあります。
- 10年後に優遇幅が変わるタイプ
- 10年後に優遇幅が変わらないタイプ
基準となるのは「優遇幅」です。
優遇幅とは、今後の金利がどれだけ低くなるかをはかる目安です。
優遇幅が小さい場合は金利が高く、大きいと金利は低くなります。
それぞれの概要、メリット・デメリットについて解説していきます。
10年後に優遇幅が変わるタイプ
優遇幅が変わるタイプでは、金利が低いというメリットがあります。
住宅ローンの中でも、優遇金利は見落とされがちなポイントなためよく確認しておくのがポイント。
優遇幅が変わるタイプは、「当初期間優遇」とも呼ばれ、返済スタート時の利率が低いのが特徴です。
一方で10年後には優遇幅が減るため、返済額が増える恐れがあります。
10年後に優遇幅が変わらないタイプ
優遇幅が変わらないタイプでは、10年後も今と金利が変わらない場合は更新後も同水準のまま返済を続けることが可能です。
「全期間優遇」とも呼ばれ、完済まで金利が変わらず返済計画を立てやすいのがメリット。
ただし、当初10年の優遇幅が変わるタイプより少ないのがデメリットです。
また、繰り上げ返済を行う予定がある人は「10年後に優遇幅が変わるタイプ」で、低い金利で返済していくほうがいいケースもあります。
10年固定の住宅ローンのメリット

- 当初10年の金利が全期間固定より低い:初期の負担を抑えながら、一定期間は返済額を固定できる
- 10年後に金利が下がっていればお得:更新時に金利が下がっていれば、借り換え不要
- 10年後に固定か変動を選べる商品もある:将来の金利動向を見ながら、ライフプランに応じた見直しができる
10年固定の住宅ローンのデメリット

ここからは10年固定住宅ローンのデメリットについて、以下の2つを解説していきます。
- 10年後に支払額が増えるリスクがある:更新時の金利が上昇していると、返済額が増えて家計を圧迫する可能性がある
- 10年と1か月後から支払額が変わる:返済額の変動に備えて、事前に家計管理や資金計画を見直す必要がある
ただし、上記は一般的なデメリットであり、必ずしも全員が当てはまるわけではありません。
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まとめ:借り換えは自分に合った適切なタイミングを見極めよう

ここまで10年固定住宅ローンの借り換えのタイミングやメリット・デメリットについて解説しました。
結論、借り換えのタイミングは人それぞれですが、10年固定住宅ローンでは、金利の変動や残りのローン残高、現在の家計状況などを踏まえて慎重に検討する必要があります。
とはいえ、今後のマネープランをもとに返済計画を一人で立てるのは、難しい場合もあり疲弊してしまうことも。
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ぜひマネーキャリアを使い、家計に合った住宅ローン借り換えのタイミングを知っておくのが必須です。
・固定金利期間がおわった11年目
・市場金利が大幅に下がったとき
・職業や収入の変化やライフステージに変化があったとき