- がん保険にこれから加入しようとしている人
- どんながん保険にすればいいかわからない人
- がん保険の見直しを検討している人
- がん保険の選び方9ステップ
- 年代ごと・性別ごとのがん保険の選び方と注意点
- がん保険を選ぶときの注意点
- がん保険を選ぶときに参考となるデータ
がん保険を選ぶときはいきなり商品をみてはいけません。本記事で紹介する選び方の9ステップに沿ってひとつずつ考えると、迷わずにがん保険を選べます。年代別や性別ごとに選び方のポイントや注意点を紹介するので、自分にあったがん保険を選べるようになりましょう。
この記事の目次
- がん保険の選び方で重視した項目は?【100人に独自調査】
- 8割の人が「がん保険は必要」と回答
- 加入者の約半数が「保障内容の豊富さ」を重視
- がん保険の選び方で後悔していることは?【100人に独自調査】
- 年代ごとにがん保険の選び方を解説
- 60代のがん保険の選び方と注意点
- 50代のがん保険の選び方と注意点
- 40代のがん保険の選び方と注意点
- 30代のがん保険の選び方と注意点
- 20代のがん保険の選び方と注意点
- 性別ごとにがん保険の選び方を解説
- 女性のがん保険の選び方と注意点
- 男性のがん保険の選び方と注意点
- がん保険の選び方をステップごとに解説!
- ①ご自身にがん保険が必要か考える
- ②診断給付金の保険金額・保障内容を決める
- ③入院保障を決める
- ④通院保障を決める
- ⑤終身タイプにするか定期タイプにするか決める
- ⑥がん先進医療特約を付けるか決める
- ⑦支払える保険料の目安を決める
- ⑧比較サイトなどで条件に合うがん保険を探す
- ⑨支払う保険料の目安を決める
- がん保険を選ぶ際の注意点
- 通院治療の保障を手厚くしよう
- 医療保険との保障の重複に注意しよう
- 持病をお持ちの方は加入が難しい場合も
- がん保険を選ぶ際には保険のプロに相談しよう!
- がん保険を選ぶ際に参考になるデータをご紹介
- 年齢別のがん保険の加入率
- 年齢別のがんの罹患率
- がんの治療費はいくら?
- まとめ:がん保険の選び方
がん保険の選び方で重視した項目は?【100人に独自調査】
マネーキャリアでは、20代〜60代の男性女性の計100名に「がん保険の選び方」について独自調査をしました。
質問項目は以下の通りです。
- がん保険は必要もしくは不要
- がん保険を選ぶ際に最も重視した項目
- がん保険について後悔している項目
- 後悔している場合、その理由 など
8割の人が「がん保険は必要」と回答
まずは、そもそも「がん保険は必要だと思いますか?それとも不要だと思いますか?」という質問について、100名中83名の方が「必要」と回答しました。
必要と感じた理由として、以下があります。
- がん保険に加入して、安心感を持てる
- 友人等ががんに罹患した際に費用面で助かったと聞いた など
加入者の約半数が「保障内容の豊富さ」を重視
「がん保険を選ぶ際に最も重視した項目」については、どういった点が挙げられるでしょうか。
最も選ばれた項目は「保障内容の豊富さ」で、100名中47名と約半数を占めていました。
それ以外は、「月額保険料の低さ」や「終身の契約であること」など保険料に関連する内容が選ばれる結果となりました。
がん保険に加入している方は、保障内容が充実していることで、万が一がんになった際に手厚く保障され、安心して治療に専念できることを重視していると言えるでしょう。
がん保険の選び方で後悔していることは?【100人に独自調査】
一方、がん保険に加入している方に対して、「がん保険の選び方で後悔していること」は何か調査をしました。
調査の結果、全体の約4割の方が月額保険料について後悔していると回答しました。
やはり、保障内容を充実させると保険料も上がるため、毎月・毎年など固定で支払う保険料を負担に感じる方も一定数いることがわかります。
また、年齢が上がると保険料も高くなるため、罹患率が低く保険料が安い若いうちに加入すればよかったなどの声もありました。
年代ごとにがん保険の選び方を解説
がん保険を選ぶ際には、年代ごとにも選び方のポイントが違います。
ここでは、がん保険を選ぶ際の年代ごとのポイントや注意点、必要性がどれくらい高いのかなどを解説していきます。
ご自身の年代を見て参考にしてみてください。
どの年代の方でも共通して大切なのは「ご自身に合ったがん保険に加入すること」です。
経済状況や考え方などは当然ながら一人ひとり変わってきます。それに合わせてご自身のがん保険を選ぶようにしましょう。
そもそもがん保険が不要か必要かを検討したいという方は以下の記事を参考にしてください。
60代のがん保険の選び方と注意点
60代の方ががん保険を検討する時の選び方と注意点について解説していきます。
60歳の方が70歳になるまでに、がんになる確率は13%と、10%を超えています。
将来的に年金だけで生活することを考えると、がんの治療費は大きな痛手になりかねないことを考えると、必要性は高いと言えるでしょう。
60代になると子どもが独立している方も多いと思うので、「治療費」「治療費以外の諸費用」の2点を満たしている保険を選びましょう。
注意点は年金だけの生活になることも考えて保険料を設定しないと、老後を迎えてから解約してしまうといったこともあり得ます。
解約した直後に せっかく加入しても続けられないのでは本末転倒になってしまいますので、受け取れる年金額や生活費をしっかり考えて加入しましょう。
50代のがん保険の選び方と注意点
50代の方ががん保険を検討する時の選び方と注意点について解説していきます。
50歳の方が60歳になるまでにがんになる確率は5.9%と男女ともに確率が上がってきました。
子どもの教育費も1番かさむ年代ですので、がん保険の必要性は高いと言えます。
選び方は、「収入減少」に対してどのような保障を用意するかです。前述したように教育費がかさむことを考えると収入減少のダメージも大きくなります。
このダメージを減少させるために、手厚い保障に加入することも必要ではないでしょうか。
注意点は全ての保障を終身タイプで加入してしまうと保険料が高額になりますので、手厚くする部分の保障だけを定期タイプで加入すると保険料を抑えられます。
1つの手段として検討してみてください。
40代のがん保険の選び方と注意点
40代の方ががん保険を検討する時の選び方と注意点について解説していきます。
20代、30代と比較するとがんになる確率も上昇しています。40代の方が50歳になるまでにがんになる確率は2.9%、女性は4.2%と急上昇しています。
女性は「女性特有のがん」になる確率が上がるため、必要性が高いと考えるべきでしょう。
選び方としては30代の方と同じように「治療費」「治療費以外の諸費用」「収入減少」、この3点を満たしてくれる保険を選びましょう。
注意点は必要なお金を上記3点の中で、優先順位をつけないと保険料が高額になってしまいます。
生涯払っていくことも考えて、保険料と保障のバランスを考えることが大切です。
30代のがん保険の選び方と注意点
30代の方ががん保険を検討する時の選び方と注意点について解説していきます。
選び方としては、独身・結婚している・子どもがいる、で大きく変わってきますが、一般的なモデルで結婚されて子どもがいる場合で考えます。
がん保険で必要なお金の、「治療費」「治療費以外の諸費用」「収入減少」、この3点を満たしてくれる保険を選びましょう。
30代の方が40歳までにがんになる確率は1.1%となっており、特に女性だけでみると1.6%と少しリスクが高くなっています。
確率だけみると必要性はそこまで高くないと言えるかもしれませんが、なってしまった時の経済的なダメージを考えて用意しましょう。
注意点は、必要なお金を3点あげましたが、優先順位をつけないと保険料が高額になることもありますので、どのお金が1番心配なのかしっかり考えて加入してください。
20代のがん保険の選び方と注意点
20代の方ががん保険を検討する時の選び方と注意点について解説していきます。
選び方としては家族構成や収入等にもよりますが、独身の方であれば治療費を賄える必要最低限の保障で十分と言えます。
最新のがん統計では20代の方が30歳までにがんになる確率は0.4%となっています。20代の方は、がんになる確率からみると必要性はそこまで高くないと言えるでしょう。
しかしながら、もし本当にがんになってしまうと多額の治療費がかかる可能性はもちろんあり、貯蓄からそれを捻出できればいいですが、難しい方はがん保険に加入することで安心に繋がります。
20代から加入するメリットも存在します。
保険商品の特性上、年齢があがるほどに保険料が高くなりますが、20代の方は保険料が比較的安く、終身タイプの場合はその保険料が生涯続くので大きなメリットになります。
注意点としては、終身タイプでなく定期タイプだと更新のたびに保険料が上がってしまいますので、上記のメリットを失ってしまいます。
性別ごとにがん保険の選び方を解説
性別ごとのがん保険の選び方や注意点についても解説していきます。
男性と女性ではがんになる確率を見ても違いがありますので、その点を考えても男女で選び方や注意点は変わってきます。
男女ともに共通して言えるのは「自身の合っている」がん保険を選ぶことです。
男性と女性の違いを理解した上で、自身に合っているのか判断するようにしましょう。
女性のがん保険の選び方と注意点
まず女性の方のがん保険の選び方と注意点から解説していきます。
女性の方は男性と比較してもがんになる確率が若い年代でも上昇しています。そのため20代30代からでも保険に加入して備えおく必要性が高くなっています。
選び方でも注意点でもありますが、不要な特約はつけないようにしてください。
具体的には「女性特約」と呼ばれるような、女性特有のがんの場合にプラスで給付金が受け取れますと言った特約が散見されますが、不要なことが多いです。
男性特有のがんでも、女性特有のがんでも必要な治療費は大きく変わりません。基本の保障さえしっかりしていれば不要なものです。
もちろんプラスで給付金が受け取れるのはありがたいですが、その分高く保険料を払うことも忘れてはいけません。
がん保険に女性特約が必要か気になるという方は以下の記事を参考にしてください。
男性のがん保険の選び方と注意点
続いては男性の方のがん保険の選び方と注意点について解説していきます。
男性の方はがんになる確率は40代では1.6%でしたが、50代では5.2%、60代では15.7%となっており、年齢が上がるとがんになる確率も急上昇しています。
つまり、高齢になるほど必要性も上がっていくことになります。
選び方は高齢になるにつれて保険料も高くなっていくので、保険料の設定や定期タイプで手厚くしておくのか、終身タイプで必要最低限にしておくか考えておきましょう。
また、男性の多いがんの1つである前立腺がんですが、その治療で使われる重粒子線治療も2018年4月からは保険適用になりました。
そのため男性の方は先進医療特約の必要性は低くなったと言ってもいいかもしれません。
がん保険の選び方をステップごとに解説!
「がん保険ってどれがいいのか分からない」「選び方が分からない」と思っていませんか?
一口にがん保険と言っても商品としては、数十種類もあり、どれがいいのか・どれが自分に合っているのか、分からないですよね。
この記事ではがん保険の選び方についてステップごとに解説していきます。最後まで読んで自分に合ったがん保険を選びましょう。
9つのステップに沿って詳しく解説します。
- ご自身にがん保険が必要か考える
- 診断給付金の保険金額・保障内容を決める
- 入院保障を決める
- 通院保障を決める
- 終身タイプにするか定期タイプにするか決める
- がん先進医療特約を付けるか決める
- 支払える保険料の目安を決める
- 比較サイトなどで条件に合うがん保険を探す
- 支払う保険料の目安を決める
興味のある部分から読み進めてもいいですが、大切なステップとなるので、できる限り順番に沿って確認することをおすすめします。
そもそもがん保険が不要か必要かを迷っているという方は以下の記事で年齢や性別など状況別に解説しているので参考にしてください。
①ご自身にがん保険が必要か考える
そもそも「なぜがん保険が必要なのか」を考えてみましょう。
- どんなことが心配なのか
- 何に不安を感じているのか
- どういう状況になることを避けたいのか
- どうなったときにがん保険があると安心できるか
②診断給付金の保険金額・保障内容を決める
診断給付金は「初めて医師からがんと診断確定されたとき」に受け取れるまとまった保障のことです。多くの場合、診断給付金の額は50万円から200万円程度に設定されています。
診断確定されると一時金としてまとまった給付金を受け取れます。
診断給付金は、診断が確定するまでにかかった検査費や交通費、治療費等の初期費用にあてられます。商品によっては、初回の1度きりの受け取りと複数回受取のものがあります。
おすすめは、再発転移に備えられる複数回受取可能な保険です。
③入院保障を決める
「入院の保障を付帯するかどうか」、付帯するのであれば「いくらで設定するか」をイメージしましょう。
高額療養費制度(※)の利用で治療費自体に上限額が設けられており、治療費だけで見ると高額な費用はかかりません。ただし差額ベッド代などの健康保険が使えない費用もあるので注意が必要です。日額5,000円~10,000円の用意があれば安心できるでしょう。
ただし医療保険に加入していれば、医療保険から日額保障を受け取れるので、がん保険で無理に入院保障をつける必要はありません。
がんの入院期間は年々短くなっており、令和2年での平均入院日数は19.6日です。入院せずに通院しながら治療することも増えているため、入院保障の必要性と日額の金額を決めた上で、保険料とのバランスを考えながら決めることをおすすめします。
(※)高額療養費制度とは、高額な医療費を支払った場合に、自己負担限度額を超えた分を払い戻す制度です。所得や年齢で上限額が変わります。 詳しくはこちら。
④通院保障を決める
入院の短期化により、通院での治療が増えています。
がんの推計患者数
入院 | 通院 | 通院比率 | |
---|---|---|---|
2011年 | 15万人 | 21.9万人 | 59.3% |
2020年 | 12.6万人 | 24.7万人 | 66.2% |
参照:厚生労働省「患者調査」
2011年ではがん患者の方の通院比率は59.3%でしたが、最新の調査では66.2%に増加しています。
高額療養費制度を利用すれば治療費は高額になりませんが、交通費や食事代、付添人の負担が増えます。
地域によっては交通費のかかり方も変わるでしょう。
- 自家用車
- 公共交通機関
- タクシー
- 家族の送迎
「できるだけ交通費をかけずに通院したい」と思うかもしれませんが、抗がん剤や放射線治療による副作用で体調が悪くなることも想定されます。通院保障を日額5,000円から10,000円を付けておけば、体調が悪くても気兼ねなくタクシーを使えます。
通院保障の受取条件は各社で違いがあるので、チェックしておきましょう。
- 退院後の通院のみ
- 入院前後の通院
- 入院なしの通院
⑤終身タイプにするか定期タイプにするか決める
終身タイプは名前の通り、がん保険を解約しない限り一生涯保障するタイプです。定期タイプは、5年・10年・60歳まで、など保障する期間を設定して、期間内にがんになったら保険金を受け取ります。
定期タイプのメリットは、期間を定めている分、同じ期間を終身タイプと比べた場合、定期タイプの方が保険料が安くなる傾向があります。
一方、定期タイプは、保障が終わるタイミングで更新するか再度加入し直しとなります。年齢が上がることで保険料も上がります。また、保険に加入し直す場合は、年齢や健康状態によっては加入できないリスクが発生します。
終身タイプのメリットは、早いうち加入しておくことで将来的に安心という考えもあります。
デメリットは、保険料が一定額で継続しやすい特徴もありますが、定期タイプと比べると保険料が高めになる点が挙げられます。
⑥がん先進医療特約を付けるか決める
がん先進医療特約は、厚生労働省が定めている先進医療を受けたときにかかった技術料と同額を保障してくれるものです。先進医療を受けられる医療機関、受診者は年々増えており治療のひとつとして考えられています。
陽子線治療や重粒子線治療が主な治療方法で、保険適用外のため約300万円かかります。しかし「副作用を抑えられる」「治療効果が見込める」などのメリットも大きいと言えるでしょう。
納得のいくがん治療を行うためにも、必要な時に治療代を気にせず先進医療が受けられるよう、先進医療特約は付帯しておきたい特約です。保険料も月数百円なのでぜひ備えておきましょう。
ただし、先進医療特約は医療保険にも付帯できる特約です。医療保険もしくはがん保険につけるなど重複して加入しないように注意しましょう。
⑦支払える保険料の目安を決める
毎月いくら支払えるか、おおよその目安を考えておきましょう。ほとんどのがん保険はかけすてです。
- がんにならなかったとき
- 解約したとき
- 定期タイプで保障が終わったとき
上記のタイミングで、戻ってくるお金はありません。
保険料が高すぎると、今は払えても将来支払えないときがあるかもしれません。長期的かつ継続的に支払える金額で設定しておくことをおすすめします。
しかし「どれくらいの保険料になるかわからない」と悩む人もいるでしょう。まずは「だいたい月にいくらくらいだったらいいな」とイメージをして、実際がん保険の試算で必要な保障と保険料のバランスを考えます。
⑧比較サイトなどで条件に合うがん保険を探す
どんな保障が必要かイメージできたら、実際の商品を見てみましょう。
ただしがん保険は各社が出しており、ひとつひとつ見ていくと時間と労力がかかるのでおすすめしません。かんたんに商品が見られる比較サイトを活用しましょう。
例えばマネーキャリアの比較サイトだと、各社の商品がほぼ同条件で比較されており、保険料やどんな保障があるかがひと目でわかります。
年齢と性別を入力するだけで保険料の目安がつくため、まずは試しに比較サイトで商品を見てみましょう。気に入った商品があればそのまま商品の詳しい内容を確認できて、ネット申込可能な商品ならそのまま手続きできます。
⑨支払う保険料の目安を決める
実際比較サイトで保障内容やを終身タイプ定期タイプなどで見てみると、毎月いくら位の保険料になるかわかったと思います。
- 継続的に支払える保険料か
- 保障内容に過不足がないか
保険料と保障内容のバランスを考えましょう。
がん保険の平均的な保険料は2,000~4,000円です。ただし年齢によっても大きく変動するため、あくまでも目安として考えてください。
もしも、がん保険以外に加入予定の保険があれば、合算して支払い続けられる保険料に設定しましょう。合計保険料の目安は手取りの1割までです。1割以上は負担が大きすぎて、支払いが厳しくなる可能性があります。
がん保険を選ぶ際の注意点
がん保険を選ぶ際の注意点についてまとめてみました。
- 通院治療の保障を手厚くする
- 医療保険との重複に注意する
- 持病がある方は加入が難しい可能性もある
詳しくの後ほど解説していきますが、この注意点を知らないと必要な保障が受けられないことや、無駄が発生してしまうこともありますので、よく確認しておきましょう。
通院治療の保障を手厚くしよう
1つ目は通院保障を手厚くすることです。
最近のがん治療では、完治まで長期間入院して療養するといったことはなく、通院治療で完治を目指す場合が増えています。
一般的ながん治療の抗がん剤治療やホルモン剤治療なども通院で服用する形になってきました。
そのため、通院治療の保障がないと思っていたような給付金額を受け取れないといった事態に陥っていまします。
注意点としては、通院保障は多くの場合、特約となっています。単なる「通院保障」特約なのか、「がん治療通院」特約なのかしっかり確認しておきましょう。
「通院保障」だと1回の通院で5,000円から1万円など上限が設定されていることがほとんどです。
「がん治療通院」だと放射線や抗がん剤といったがん治療を受けた場合に月5万から10万と解約時の給付金が受け取れるので、「通院保障」特約とは金額的に大きな差があります。
医療保険との保障の重複に注意しよう
2つ目は医療保険と重複しないようにしましょう。
医療保険にも特約といった形でがん保障をつけることができます。そのためがん保険と保障内容が重複してしまう恐れがあります。
手厚くしておきたい方にはそれでもいいですが、一般的には内容が重複しないようにがん保険に加入します。
重複してしまうということは、それだけ余計な保険料を払い続けることなので、無駄が多くなり家計を圧迫する一因になります。
すでに医療保険に加入しており、新たにがん保険に加入する方は、医療保険にどのような保障がついているのか、事前にしっかりと確認しておきましょう。
持病をお持ちの方は加入が難しい場合も
3つ目は持病を持っていると加入が難しいこともあります。
保険に加入する際には一般的に「告知」が必要になります。
告知とは保険会社に健康状態を報告するもので、保険会社から聞かれた質問に答えていくというものです。
保険会社はこの告知や年齢などを元に保険に加入できる・できないを判断しています。
基本的に保険商品は健康な方しか加入できないものなので、持病があると加入できないこともあります。
この告知で嘘をついてしまうと「告知義務違反」となり発覚した場合には給付金が受け取れない場合や契約解除と言ったペナルティが課される場合もあります。
最悪の場合は詐欺事件として刑事罰を受ける可能性もありますので、告知項目に対して必ずありのままの告知をしましょう。
告知について詳しくしりたい方はこちらの記事も併せてお読みください。
がん保険を選ぶ際には保険のプロに相談しよう!
ご自身でがん保険を選べるように9つのステップをご紹介しましたが、やはり「自分だけでは不安」「どれを選べばいいか分からない」と思われる方もおられるでしょう。
簡単なのは比較検討することです。がん保険の比較サイトを利用することで簡単に自身に合ったがん保険を見つけることができます。
しかし、比較サイトにも様々なものがあり、どの比較サイトがいいのかを迷うこともあると思います。ですので、おすすめの比較サイトをご紹介しておきます。
マネーキャリアの比較サイトはがん保険だけでなく、他保険の比較もできます。年齢と性別を入力するだけでおすすめの保険がランキング順で提示されますので、分かりやすいです。
それでも迷う方はプロに相談することをおすすめします。
マネーキャリアでは比較サイトだけでなく、プロに気軽に何度でも無料で相談することができます。
保険のプロというだけでなく、お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談できますので、お金全般の悩みや不安も解消できるので一石二鳥です。
がん保険を選ぶ際に参考になるデータをご紹介
がん保険を選ぶ際に参考になるデータについても紹介しておきます。
今回ご紹介するデータは
- 年齢別のがん保険加入率
- 年齢別のがん罹患率
- がんの治療費がいくらくらいか
の3つです。
特に、がんの罹患率は何歳からがん保険に加入するべきか判断するのに大きな判断材料になりますので、目を通しておいてください。
年齢別のがん保険の加入率
年齢別のがん保険の加入率
男性 | 女性 | |
---|---|---|
20代 | 14.0% | 21.9% |
30代 | 42.9% | 46.4% |
40代 | 46.4% | 50.6% |
50代 | 45.5% | 49.2% |
60代 | 45.0% | 38.2% |
70代 | 30.0% | 26.3% |
全年齢 | 38.0% | 40.0% |
参照:生命保険文化センター
男性では40代から60代にかけて加入率が高くなっており、女性は30代から50代にかけて加入率が高くなっています。
これは女性の方が比較的に若年層からがんになる可能性が上がることや、男性は高齢になるほどがんになる可能性が高くなることと、関係していると考えられます。
年齢別のがんの罹患率
年齢別のがん罹患率
男性
年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 60年後 | 70年後 | 80年後 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0歳 | 0.2% | 0.3% | 0.6% | 1.2% | 2.8% | 7.7% | 21.4% | 43.0% | 65.5% |
10歳 | 0.1% | 0.4% | 1.1% | 2.6% | 7.6% | 21.4% | 43.1% | 65.5% | |
20歳 | 0.3% | 0.9% | 2.5% | 7.4% | 21.3% | 43.1% | 65.5% | ||
30歳 | 0.6% | 2.2% | 7.2% | 21.2% | 43.1% | 65.8% | |||
40歳 | 1.6% | 6.6% | 20.8% | 43.0% | 66.0% | ||||
50歳 | 5.2% | 19.7% | 42.5% | 66.2% | |||||
60歳 | 15.7% | 40.5% | 66.1% | ||||||
70歳 | 31.3% | 63.9% | |||||||
80歳 | 57.1% |
女性
年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 60年後 | 70年後 | 80年後 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0歳 | 0.1% | 0.3% | 0.7% | 2.3% | 6.3% | 12.5% | 21.4% | 33.3% | 51.2% |
10歳 | 0.1% | 0.6% | 2.1% | 6.2% | 12.4% | 21.4% | 33.3% | 51.2% | |
20歳 | 0.5% | 2.0% | 6.1% | 12.3% | 21.3% | 33.3% | 51.2% | ||
30歳 | 1.6% | 5.7% | 12.0% | 21.0% | 33.0% | 51.1% | |||
40歳 | 4.2% | 10.6% | 19.7% | 32.0% | 50.4% | ||||
50歳 | 6.7% | 16.3% | 29.2% | 48.5% | |||||
60歳 | 10.4% | 24.3% | 45.2% | ||||||
70歳 | 15.9% | 39.7% | |||||||
80歳 | 30.5% |
参照: 国立がん研究センターがん情報サービス「累積罹患リスク(グラフデータベース)」
男女共通して若い年代ではがんになるリスクは高くありません。しかし、女性の方は男性と比較してもリスクが上がるのが早く30歳から40歳で上昇しています。
男性は高齢になるほどリスクが上昇し、60歳から70歳にかけては2倍になっており、男性の方が加齢によるリスクが非常に高くなっています。
がんの治療費はいくら?
がんの治療費はいくらなのかは当然ながら治療内容によって変化します。ここでは大きく4つに分けてお伝えします。
がん治療の自己負担割合(60歳以上70歳未満の場合)
公的医療保険制度の 給付対象の治療 | 先進医療による 治療 | 患者申出療養・評価療養 による治療 | 自由診療による 治療 | |
---|---|---|---|---|
治療に付随する診察・ 検査・入院等の費用 | 3割負担 | 3割負担 | 3割負担 | 全額自己負担 |
治療そのものの費用 | 3割負担 | 全額自己負担 | 全額自己負担 | 全額自己負担 |
保険適用内の3割負担であれば高額療養費制度の活用で医療費は約10万円前後(平均的な年収の場合)に抑えられます。
それ以外の全額自己負担になる治療の場合は、先進医療だと重粒子線治療が約300万円。患者申出療養だとラジオ波焼灼療法で約39万円。
自由診療だと3000万円や4000万円を超える抗がん剤も存在しています。
まとめ:がん保険の選び方
ここまでがん保険の選び方について解説してきました。最後に分かりやすくまとめました。
がん保険選びの9つのステップ
- ご自身にがん保険が必要か考える
- 診断給付金の保険金額・保障内容を決める
- 入院保障を決める
- 通院保障を決める
- 終身タイプにするか定期タイプにするか決める
- がん先進医療特約を付けるか決める
- 支払える保険料の目安を決める
- 比較サイトなどで条件に合うがん保険を探す
- 支払う保険料の目安を決める
注意点
- 通院治療の保障を手厚くする
- 医療保険との重複に注意する
- 持病がある方は加入が難しい可能性もある
さらに年代ごとや性別によってがんになるリスクなどを考慮し、自身にあったがん保険を選びましょう。