この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 子供3人の教育費はいくら貯めるべき?大学までの総額は?
- 幼稚園から大学までの教育費の目安(公立・私立)
- 子供3人の場合の教育費の総額をパターン別に紹介
- 子供3人世帯の教育費は早めの準備が必須!プロと一緒に今すぐ資金計画を立てよう
- 多子世帯の大学無償化制度で家計の負担はいくら軽減する?
- 多子世帯の大学無償化制度の内容・条件
- 大学の学費の内訳(授業料・入学金など)
- 子供3人世帯の教育資金で注意したいことはある?FPに聞いてみた【座談会】
- 進学パターン別の資金計画を立てておくこと
- 学費が重なる時期は教育費以外の支出との兼ね合いも確認しておくこと
- 子供3人(高3・中3・小6)の場合で必要な大学費用をシミュレーション
- 高校3年生の子供の場合
- 中学3年生の子供の場合
- 小学6年生の子供の場合
- あなたの家庭にぴったりの方法は?無料FP相談で最適な貯蓄プランを見つけよう
- 子供3人世帯の教育費についてよくある質問
- 3人分の教育費を効率的に貯める方法はありますか?
- 3人目の教育費は上の子と同じ水準で用意できますか?
- 教育資金と老後資金のバランスはどう取るべきですか?
- 【まとめ】子供3人分の教育費は早めの対策が必要!無料FP相談で最適なプランを立てよう
子供3人の教育費はいくら貯めるべき?大学までの総額は?
子供3人を大学まで進学させる場合、教育費として最低でも約1,200万円を用意しておくことが望ましいです。
これは2024年時点の制度をもとにした試算で、一人あたりおよそ400万円が必要になる計算です。
18年間で1,200万円を確保しようとすると、毎月約5万7,000円の積み立てが求められるため、早い段階から計画的にコツコツと貯蓄を重ねていきましょう。
もちろん進路が国公立か私立かによって必要額は変動しますが、余裕を持って備えるなら1,200万円程度を目安にするとよいでしょう。
特に大学進学時には一度に大きな出費が発生するため、その時期を見据えてしっかりと蓄えを作っておくことが欠かせません。
幼稚園から大学までの教育費の目安(公立・私立)
子供一人あたりにかかる教育費は、公立か私立かで大きく異なります。私立学校は授業料が高く、私立小学校では公立の約5倍もの費用がかかるとされています。
以下の表に、幼稚園から大学までの公立と私立(大学は文系・理系)の教育費目安をまとめました。
| 教育段階 | 公立の場合(目安) | 私立の場合(目安) |
|---|---|---|
| 幼稚園(3年間) | 約16万円 | 約30万円 |
| 小学校(6年間) | 約35万円 | 約170万円 |
| 中学校(3年間) | 約55万円 | 約140万円 |
| 高校(3年間) | 約50万円 | 約100万円 |
| 大学(4年間) | 約250万円(国公立) | 約400万円(私立文系) 約550万円(私立理系) |
| 総額 | 約400万円 | 約840万円(文系) 約1,000万円(理系) |
この表からも分かるように、教育費は進路によって大幅に変動します。
子供3人の場合の教育費の総額をパターン別に紹介
子供3人分の教育費総額も、進学パターンによって大きく異なります。全員が公立校に進む場合と、全員が私立校に進む場合では、家庭が負担する総額に数百万単位の差が生じます。
以下は代表的な進学パターン別に見た教育費の目安です。
| 進学パターン | 3人分の教育費総額(目安) |
|---|---|
| 幼稚園〜大学まで3人全員公立 | 約1,200万円 |
| 幼稚園〜大学まで3人全員私立(文系) | 約2,500万円 |
| 幼稚園〜高校まで公立→大学のみ私立(文系) | 約1,700万円 |
このように、全員を私立校に通わせる場合は約2,500万円を超える高額な費用がかかりますが、公立校のみなら約1,200万円に抑えられます。
子供3人世帯の教育費は早めの準備が必須!プロと一緒に今すぐ資金計画を立てよう
3人分の教育費をまかなうには、長期にわたる計画的な貯蓄が欠かせません。早めに準備を始めると、毎月の負担を無理のない水準に抑えられます。
たとえば、子供1人あたり18歳までに500万円を貯めることを目標にすると、スタートする時期によって毎月の積立額は次のようになります。
- 0歳からスタート:18年間で500万円を貯める→毎月約2万3,000円の積立が必要
- 5歳からスタート:13年間で500万円を貯める→毎月約3万2,000円の積立が必要
- 10歳からスタート:8年間で500万円を貯める→毎月約5万2,000円の積立が必要
※子供3人なら単純計算でその3倍の月7~15万円程度の積立が必要になります。
このように、貯蓄の開始時期によって毎月積み立てるべき金額が大きく変わります。できるだけ早く準備を始めれば、無理のない額で3人分の教育資金を用意できるでしょう。
また、児童手当など公的な給付を積極的に教育資金に回すと、貯蓄負担をさらに軽減できます。
多子世帯の大学無償化制度で家計の負担はいくら軽減する?
大学の学費負担は家計に大きくのしかかりますが、2025年度からは多子世帯(子供3人以上)の負担を大きく軽減する「大学無償化制度」が始まります。
この制度では、一定の所得基準を満たすことで大学の授業料や入学金が実質無料となり、教育費の負担が大きく抑えられます。
たとえば、子ども3人すべてが私立大学へ進学する場合、無償化制度を利用することで数百万円から最大1,000万円以上の学費が軽減されるケースもあります。
それでは、この無償化制度が多子世帯にどの程度の負担軽減をもたらすのか、具体的に確認していきましょう。
多子世帯の大学無償化制度の内容・条件
2025年度から拡充される多子世帯向け大学無償化制度の主な内容・条件は以下のとおりです。
- 対象世帯:扶養する子供が3人以上いる家庭(年齢制限なし)
- 所得制限:制限なし(高収入世帯も利用可)
- 支援内容:大学・短大・高専・専門学校の入学金と授業料を上限額まで免除(授業料減免の形で実施、授業料70万円・入学金26万円、私立大学の場合は4年間で最大70万円×4年+26万円を支援)
- 適用条件:子供3人以上を扶養している期間のみ支援適用(扶養が2人以下になれば支援停止)
| 支援を受けられる上限額 | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 大学(年間) | 授業料:54万円・入学金:28万円 | 授業料:70万円・入学金:26万円 |
| 短期大学(年間) | 授業料:39万円・入学金:17万円 | 授業料:62万円・入学金:25万円 |
| 高等専門学校(年間) | 授業料:23万円・入学金:8万円 | 授業料:70万円・入学金:13万円 |
| 専門学校(年間) | 授業料:17万円・入学金:7万円 | 授業料:59万円・入学金:16万円 |
大学の学費の内訳(授業料・入学金など)
大学に進学する際には、授業料や入学金のほかにもさまざまな費用が発生します。
ここでは、国公立大学と私立大学(文系・理系)それぞれの学費内訳と、4年間の総額目安を比較してみましょう。
| 大学区分 | 入学金(初年度) | 年間授業料 | 4年間の学費総額(目安) |
|---|---|---|---|
| 国公立大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約200万円 |
| 私立大学(文系) | 約28万円 | 約80万円 | 約400万円 |
| 私立大学(理系) | 約28万円 | 約80万円 | 約400万円 |
この表からもわかるように、国公立大学の学費総額は約200万円前後であるのに対し、私立大学ではおよそ2倍の約400万円が目安です。
国立大学の授業料は全国的にほぼ統一されており、年間約54万円で推移しています。一方、私立大学は学部によって費用差が大きく、特に理系では実験や設備費がかさむため、文系よりも総額で約80万円ほど高くなるケースもあります。
また、専門学校の年間学費は私立大学と同程度の約100万円が相場ですが、2〜3年で卒業できる場合が多く、結果的に総額を抑えやすいのが特徴です。
子供3人世帯の教育資金で注意したいことはある?FPに聞いてみた【座談会】
子どもが3人いると、1人ずつの教育費を想定していても、実際に資金が必要になるタイミングで「こんなに重なるとは思わなかった」という声がとても多いです。
今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の加藤さんと池元さんに、多子世帯の教育資金で注意すべきポイントとよくある失敗例について話を伺いました。

進学パターン別の資金計画を立てておくこと
——まずは、教育資金の計画で注意すべき点について教えてください。
加藤FP:多いのが、進学パターンを具体的に想定せず、「なんとかなるだろう」で進めてしまうケースです。1人分ならなんとか準備できても、3人分になると話が全然違ってくるんですよ。
池元FP:そうなんです。例えば上の子が私立高校、真ん中が私立大学、下の子が塾通い中…みたいに、進学のタイミングが少しずつずれて重なるだけでも、年間での教育費は一気に増えます。こうした複数年の資金ピークを見落とすご家庭が多いです。
加藤FP:あるご家庭では、長女の私立進学を想定して貯めていたんですが、次女が想定より早く塾に通い始めたことで、資金計画が崩れてしまいました。早い段階で進学パターンを複数想定していれば、防げたケースでしたね。
池元FP:進学先を決め打ちする必要はありませんが、公立・私立の組み合わせでざっくりとしたシミュレーションをしておくだけでも、必要額の目安が見えてきますよね。
加藤FP:3人分になると金額のインパクトが大きいので、ぼんやりしたままだとあとからリカバリーするのが難しくなります。事前の見積もりをしておくことがとても大事です。
学費が重なる時期は教育費以外の支出との兼ね合いも確認しておくこと
——教育費の準備とあわせて、他に注意すべき点はありますか?
加藤FP:よく見落とされるのが、学費が重なる時期に教育費以外の支出も出てくることです。住宅ローンや保険料の支払い、車の買い替えなど、もともとある固定費と重なると、思った以上に家計の余裕がなくなるケースがあります。
池元FP:そうですね。例えば上の子の大学進学時期に、下の子の高校受験費用や塾代が重なる。こうしたズレが数年続くだけで家計がじわじわ圧迫されるパターンは本当に多いです。
加藤FP:ある家庭では、大学入学と車の買い替え、さらに固定資産税の支払いが重なってキャッシュフローが一気にタイトになりました。教育費自体は準備していたのに、「他の支出まで想定していなかった」という典型例です。
池元FP:教育費だけで満足してしまう人、多いんですよね。でも実際には、それ以外の支出と合わせて全体像を見ないと、余裕があるはずの計画が急に厳しくなることがあります。
加藤FP:教育費と同時期に起こりそうな支出をリストアップしておくだけでも全然違います。数年先を見て少し余白を持たせると、慌てずに済みますよ。
子供3人(高3・中3・小6)の場合で必要な大学費用をシミュレーション
ここでは具体的に、現在お子さんが高校3年生・中学3年生・小学6年生のご家庭を想定して、今後必要になる大学費用をシミュレーションしてみます。
3人とも私立大学(文系)に進学し、2025年度からの多子世帯無償化制度を最大限活用できた場合の学費負担例は、以下のとおりです。
| 子供 | 大学進学先(仮定) | 4年間の学費総額 | 無償化支援の適用 | 最終的な自己負担額 |
|---|---|---|---|---|
| 第1子(高校3年生) | 私立大学(文系) | 約400万円 | 4年間すべて適用 | 0円 |
| 第2子(中学3年生) | 私立大学(文系) | 約400万円 | 初年度のみ適用 | 約300万円 |
| 第3子(小学6年生) | 私立大学(文系) | 約400万円 | 適用なし | 約400万円 |
| 合計 | - | 約1,200万円 | - | 約700万円 |
上記の試算では、3人全員が私立大学に進学した場合の学費総額は約1,200万円ですが、多子世帯の無償化支援を受けると、自己負担額は約700万円まで軽減されています。
高校3年生の子供の場合
高校3年生のお子さんについては、大学無償化制度によって大きな恩恵を受けられます。
弟妹を含め3人扶養の条件を満たしているため、進学先にもよりますが、大学の授業料や入学金は基本的に全額免除される見込みです。
私立大学の高額な学費負担がゼロになるのは、家計にとって大きな助けとなります。
中学3年生の子供の場合
中学3年生のお子さんは、高校進学を控えつつ、3年後には大学受験が視野に入ってきます。第1子が大学在学中に第2子が大学に入学する形になるため、大学1年次には無償化制度の適用が受けられる見込みです。
しかし、第1子の卒業後は扶養する子が2人に減り支援対象から外れるため、2年次以降の学費は自己負担となります。そのため、第2子の大学費用については、今から計画的に準備を進めておく必要があります。
小学6年生の子供の場合
小学6年生のお子さんは、大学進学までまだ6年以上の時間があります。小学6年生のお子さんが大学に入る頃には上の兄姉はすでに社会人となり、扶養する子供が2人以下となっているため、多子世帯の無償化支援は受けられません。
つまり、第3子については大学の学費を全額自分たちで用意する必要があります。進学まで比較的時間がある分、計画的に資金を準備しやすいとも言えます。
あなたの家庭にぴったりの方法は?無料FP相談で最適な貯蓄プランを見つけよう
共働き家庭では、子供の教育資金の準備が大きな課題の一つです。解決策として、無料のFP相談を活用しましょう。
FP相談は、お金の専門家であるFPが、贈与税や教育資金に関する悩みに対し、客観的な視点から完全オーダーメイドの解決策を提案してくれます。FP相談を利用すれば、教育資金の必要額や適切な貯蓄方法が明確になり、家計に無理のない範囲で計画的に準備を進められるでしょう。
さらに、祖父母からの教育資金贈与に使える非課税枠など、自分では気付きにくい制度の活用法や効果的な資産運用の助言も得られ、将来的な家計負担の軽減につながります。
子供3人世帯の教育費についてよくある質問
子供3人分の教育費に関するよくある質問にQ&A形式でお答えします。
3人分の教育費を効率的に貯める方法はありますか?
3人分の教育資金を効率よく貯めるには、いくつかのポイントがあります。
まずは、児童手当を全額貯蓄に回しましょう。児童手当は子供のための給付金なので、生活費に組み込まず教育資金として積み立てれば、大きな助けになります。
次に、学資保険の活用も検討しましょう。学資保険は18歳など契約満期時に満期金を受け取れる保険商品で、強制的に貯蓄できる点がメリットです。
ただし、途中解約すると元本割れのリスクがあるため、加入時は無理のない保険料設定が重要です。
3人目の教育費は上の子と同じ水準で用意できますか?
第3子の教育費を上の子と同じように用意できるかどうかは、ご家庭の経済状況やお子さんの年齢差によって変わります。
上の子と第3子の年齢が離れている場合、上の子の教育費支出が一段落してから第3子の進学までに時間があり、その間に新たに貯蓄を作れる余裕が生まれることもあります。
一方、兄弟の年齢が近い場合は、同時期に複数人の教育費が重なるため、上のお子さんと同じ水準の資金を用意するのは容易ではありません。
教育資金と老後資金のバランスはどう取るべきですか?
教育資金と老後資金のバランスは重要です。お子さんの教育も大切ですが、親御さんご自身の老後資金を犠牲にしすぎるのは避けなければなりません。
基本的には「教育費のために老後資金を取り崩さない」を心がけましょう。
どうしても教育費が不足する場合には、奨学金の利用や子供本人のアルバイト、教育ローンの活用などで対応し、親の退職後の生活資金まで使い果たさないようにしてください。
【まとめ】子供3人分の教育費は早めの対策が必要!無料FP相談で最適なプランを立てよう
子供3人分の教育費は想像以上に大きな金額ですが、早めに準備を始めれば必要な資金を無理なく貯めることができます。本記事で解説したとおり、多子世帯向けの大学無償化制度の公的支援も活用しつつ、貯蓄や保険、運用を組み合わせて計画的に備えることが大切です。
ぜひ今日からできる一歩を踏み出し、お子さん3人の将来に向けた資金計画を万全に整えておきましょう。
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