

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 【シミュレーション】インデックス投資を月5万円続けたらいくらになる?
- 毎月5万円を積み立てするとどこまで増える?
- 月5万円で資産が増える理由とは?
- 目的をもった投資が重要
- 月5万円のインデックス投資で本当に成果が出る?知りたい人はFPに相談しよう
- 【みんなはどうしてる?】月5万円でインデックス投資をしている人にアンケート
- 想定している運用期間はどれくらいですか?
- 活用している制度はありますか?
- 毎月の積み立てが「きつい」と感じたことはありますか?
- 毎月5万円をインデックス投資してよかったことはありますか?
- 積み立て投資を始める前にやっておいてよかったことは?
- 自分にもできる?月5万円のインデックス投資を始める前に見直すポイント
- 月5万円の積立が生活を圧迫していないか
- 生活防衛費は確保できているか
- 目的と積立額のバランスは取れているか
- 月5万円のインデックス投資で活用できる制度や方法
- まずはNISA「つみたて投資枠」を活用
- NISA「成長投資枠」も状況により使い分ける
- 老後資金目的なら「iDeCo」も選択肢に
- 月5万円のインデックス投資が自分に合っているかマネーキャリアで聞いてみよう
- 【まとめ】月5万円のインデックス投資は無理なく継続することが大切
【シミュレーション】インデックス投資を月5万円続けたらいくらになる?
月5万円を積み立てるだけで、将来の資産が劇的に増える可能性があるとしたら信じられますか?しかし、たとえ増えるとわかっていても、実際はどうなのか不安に思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、毎月5万円積み立てに回すとどうなるのか、以下の項目に沿って解説しています。
- 毎月5万円を積み立てするとどこまで増える?
- 月5万円で資産が増える理由とは?
- 目的をもった投資が重要
毎月5万円を積み立てするとどこまで増える?
毎月5万円を積み立てていくと、将来どれくらいの資産になるのでしょうか。年利3%〜5%というインデックス投資の平均的な利回りを前提に、シミュレーションしてみましょう。
運用期間 | 年利3%の場合 | 年利5%の場合 |
---|---|---|
5年後 | 約323万円 | 約340万円 |
10年後 | 約699万円 | 約776万円 |
20年後 | 約1,642万円 | 約2,055万円 |
30年後 | 約2,914万円 | 約4,161万円 |
※参照:つみたてシミュレーター|NISA
※将来の成果を保証するものではない
年利5%・20年後の資産額の内訳は、元本が1,200万円、運用収益は855万円です。30年後には運用収益が元本を大きく上回り、運用収益だけで2,000万円を超える資産形成を達成できる可能性もあります。
月5万円で資産が増える理由とは?
投資をするにはまとまった金額が必要だと考えている方が多いかもしれません。ですが「月5万円」であっても、時間をかけることで驚くほどの効果が出ます。
インデックス投資は、日経平均株価やS&P500といった市場全体に連動するファンドに長期で投資するスタイルです。日々の値動きに一喜一憂することなく、数十年単位で市場の成長を享受できるのが特徴です。
ここでも鍵となるのが複利の効果。たとえ月5万円でも、10年、20年、30年と時間を味方にすれば、そのパワーは非常に大きくなります。
目的をもった投資が重要
投資は「なんとなくお金を増やしたい」という漠然とした動機では継続が難しく、リスクへの耐性も弱くなります。だからこそ「何のために投資をするのか」という目的をはっきりさせることが非常に重要です。
たとえば、以下のようなケースです。
- 老後の生活資金の準備
- 子どもの教育資金確保
- FIRE(早期リタイア)を目指すための原資づくり
目的が明確であれば、毎月いくら積み立てるのか、どれくらいの利回りを想定すべきかなど、運用の方針がブレにくくなります。
月5万円のインデックス投資で本当に成果が出る?知りたい人はFPに相談しよう

「自分の収入で月5万円も投資に回せる?」「実際に5万円積み立てて将来いくらになるの?」と不安を抱えている方も多いはずです。
そんなときは、FP相談を利用してみましょう。FPなら、家計状況やライフプランに合わせた現実的な積立額の提案や、将来のシミュレーションを行ってくれます。
無料で相談できる窓口も多く、無理のない投資計画を立てるうえで、心強い味方となります。気軽にプロの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。

【みんなはどうしてる?】月5万円でインデックス投資をしている人にアンケート
ここからは、実際に月5万円でインデックス投資をしている人を対象に調査した結果を紹介します。
質問は以下の5つです。
- 想定している運用期間はどれくらいですか?
- 活用している制度はありますか?
- 毎月の積み立てが「きつい」と感じたことはありますか?
- 毎月5万円をインデックス投資してよかったことはありますか?
- 積み立て投資を始める前にやっておいてよかったことは?
想定している運用期間はどれくらいですか?
活用している制度はありますか?
毎月の積み立てが「きつい」と感じたことはありますか?

6割の人が「きつい」と感じたことがないと回答しており、毎月5万円の積立が家計に無理のない範囲で行われていることが伺えます。これは、投資額の設定が収支バランスに適していることを示しています。
25%の人は「きつい」と感じていることがわかりました。家計の変動(急な出費や収入の変化など)や、生活防衛資金の不足が背景にあるかもしれません。

30代女性
固定支出が家計の負担に

30代女性
シミュレーションで無理なく回せる金額を決めました
積立を始める前にFPさんに相談しながらシミュレーションして、手取り収入の中で無理なく回せる金額として月5万円にしました。日常生活の支出を抑えすぎずに、資産形成に回せるので、特にストレスは感じていません。毎月の積立額が決まっていることで、将来の不安を少しでも軽減できる安心感もあります。

20代男性
積立額の見直し
積立投資を始めたものの、毎月の負担感が少し気になるようになりました。
毎月5万円をインデックス投資してよかったことはありますか?
積み立て投資を始める前にやっておいてよかったことは?

20代男性
お金の勉強をして知識をつけました
初歩的な金融の勉強がてらFPの資格を取得しました。金融関連の本もいろいろ読んで勉強し、ドルコスト平均法が負けにくい投資法だと知りました。そこで、個人で行う場合は、長期間の積み立てでインデックス投資をすることが最適だと確信しました。

40代女性
できる限り貯金をして生活防衛費を貯めました
できる限り貯金をして生活防衛費を増やして、毎月5万円を積み立て投資にまわしても問題ないようにしました。はじめる前に、安心して投資を始められるように資金確保しておいてよかったと思っています。

30代男性
シミュレーションで現在の家計状況を把握しました
月に5万円を支払っても大丈夫なのかを踏まえて、FPさんと一緒にシミュレーションをして、現在の家計状況を把握しました。その際、標準よりも支出が多いことがわかったので、固定費の見直しも合わせて行い、インデックス投資に回せる金額を確保できたのがよかったです。
自分にもできる?月5万円のインデックス投資を始める前に見直すポイント

インデックス投資は「誰でもコツコツ取り組める資産形成法」として注目されています。中でも、月5万円という金額は多くの人にとって現実的な目安ですが、始める前にいくつかの重要なチェックポイントがあります。
- 月5万円の積立が生活を圧迫していないか
- 生活防衛費は確保できているか
- 目的と積立額のバランスは取れているか
月5万円の積立が生活を圧迫していないか
投資を始めるとき「とりあえず余ったお金を投資に回そう」と思いがちですが、生活のバランスを崩してしまっては本末転倒です。
住宅ローンや教育費などの固定費が高く、日々の生活がギリギリの状態であれば、月5万円の積立は大きな負担となりかねません。重要なのは、家計全体のキャッシュフローを見直しながら、無理のない金額でスタートすることです。
「生活が回らない」と感じたら、減額するなど積立額を見直しましょう。状況に応じて積立額を変えることが長く続けるための工夫です。
生活防衛費は確保できているか
投資は中長期的な視点が必要ですが、その前提となるのが緊急時に対応できる現金の備えです。今は大丈夫でも、将来収入が突然減少したり、予期せぬ出費が発生したり、生活費の確保ができていない状況も想定されます。そうなったときに、本来売るべきでないタイミング(相場が下がっている時)で投資信託を売却してしまう恐れがあります。
一般的には、生活費の3〜6か月分を流動性のある預金などで手元に置いておくのが安心です。このバランスが不安な人は、FPに相談することで家計に合った防衛ラインを把握できます。
目的と積立額のバランスは取れているか
投資は目的によって設計が変わります。
たとえば「老後資金として2,000万円を準備したい」「教育費として子ども1人あたり1,000万円を確保したい」といった目標がある場合、それに応じて積立額や運用年数を逆算する必要があります。
月5万円の積立がその目標達成に十分かどうか、シミュレーションツールを使って定期的に確認することが大切です。積立額が不足していれば「リスクを取ってリターンを追う」のか「目標自体を見直す」のか、方向性の調整を行いましょう。
月5万円のインデックス投資で活用できる制度や方法

月5万円のインデックス投資をするには、証券会社などの金融機関で口座開設が必要です。ここでは、その際に知っておきたい制度と、それぞれの活用法を紹介します。
- まずはNISA「つみたて投資枠」を活用
- NISA「成長投資枠」も状況により使い分ける
- 老後資金目的なら「iDeCo」も選択肢に
まずはNISA「つみたて投資枠」を活用
2024年にリニューアルされた新NISA制度では「つみたて投資枠」を利用して、年間120万円(月最大10万円)までが非課税で積立投資できます。投資初心者にとって優しい制度設計になっており、次のような特徴があります。
- 対象商品が厳選されており、信頼性の高い長期・分散・積立向けの投資信託に限定。
- 非課税保有期間が無期限となり、売却のタイミングを焦る必要がなくなった。
たとえば、月5万円を「つみたて投資枠」で運用すれば、年間60万円を税制優遇の中で運用できます。積立額を増やしたい場合でも、月10万円まで対応しているので、将来的に増額しても利用し続けられます。
NISA「成長投資枠」も状況により使い分ける
新NISAでは、つみたて投資枠とは別に年間240万円(最大月20万円)の「成長投資枠」が設けられています。この枠では、個別株やETF、アクティブファンド、一部のインデックスファンドが購入可能です。
注意点として、一部の商品は成長投資枠でのみ購入可能な場合もあるため、希望するものがどちらの枠に該当するかは必ず事前に確認が必要です。
たとえば以下のようなケースです。
- ETF→原則、成長投資枠でのみ購入可
- つみたて投資枠では対象外→成長投資枠での購入ができるか確認
長期投資の中でも成長性を重視する方は、月5万円の予算をつみたて投資枠と組み合わせて活用するもの選択肢の一つです。
老後資金目的なら「iDeCo」も選択肢に
将来の年金の上乗せや老後の安心資金を目的にするなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)も有力な選択肢です。
iDeCoには以下のような大きなメリットがあります。
- 掛金が全額所得控除の対象となり、年末調整・確定申告で節税可能
- 運用益も非課税で再投資されるため、複利効果が大きい
- インデックスファンドも多数ラインナップされ、長期・低コストでの運用に適している
月5万円のうち、一部をiDeCoに充てれば、将来の資産形成に加え、所得控除による節税効果も見込めます。
ただし、60歳まで引き出せないという制限があるため、他の制度との組み合わせや、資金の目的別管理におすすめです。
月5万円のインデックス投資が自分に合っているかマネーキャリアで聞いてみよう

投資は、続けられる金額で行うことが最優先です。収支やライフプランを確認して投資の土台を作りましょう。
「月5万円を投資に回せるけど、これが自分にとって本当にベストなのか?」「今の家計で長期的に続けられるのか、正直不安」と疑問を感じたら、FP相談を有効活用しましょう。今後のライフプランから自身のニーズにピッタリの運用プランを提案してくれるはずです。

【まとめ】月5万円のインデックス投資は無理なく継続することが大切
ここまで、インデックス投資で活用できる制度や始める前に見直すポイントを紹介してきました。
月5万円のインデックス投資は、続けるほどに複利の効果が積み重なり、将来に向けた着実な資産形成につながります。しかし、大切なのは「無理のない範囲で継続すること」です。家計の状況やライフプランに合わせて積立額を設定し、必要に応じてNISAやiDeCoなどの制度を上手に使い分けることが成功のカギとなります。
もし「このままでいいのか不安」と感じたときは、家計や目標設定を一緒に見直してくれるFPに相談するのがおすすめです。

住宅ローンの返済が毎月10万円以上あり、そこに積立投資の5万円を合わせると、家計の固定支出がかなり大きくなってしまいます。子どもの教育費や日常の買い物もある中で、どうしても家計がカツカツになり、月末にはやりくりに悩むことが多いです。