▼この記事を読んで欲しい人
- 転職や退職時のiDeCo加入の手続き方法が知りたい人
- 転職や退職時のiDeCoをやめる時のの手続き方法が知りたい人
- iDeCoを自動移換してしまった時のデメリットが知りたい人
内容をまとめると
- iDeCoと企業型DCは併用できる場合も
- 資産運用に関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
- マネーキャリアは満足度93%で何度でも相談無料!予約から相談までオンラインで完結!
iDeCoを利用している方で就職・転職・退職を考えている方の中にはiDeCoで積み立てたお金がどうなるか不安な人がいると思います。今回はそんな方のためにiDeCoを加入する場合とiDeCoから他のサービスに移行する場合に分けて解説していきます。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- iDeCoは転職や退職した場合どのような手続きが必要?詳しい方法を解説
- 就職(転職)先で企業型DCに加入する場合について解説
- 就職(転職)先の企業型DCに移行する場合の手続き
- 就職(転職)先でiDeCoと企業型DCの併用が認められている場合も
- 転職(転職)先で企業型DCに加入しない場合iDeCoに加入できる
- 就職(転職)先に確定給付企業年金(DB)がある場合について解説
- 就職(転職)で加入資格が変わった場合についてそれぞれ解説
- 就職(転職)で国民年金第1号被保険者(自営業者等)になった場合
- 退職で国民年金第3号被保険者(専業主婦等)になった場合
- 就職(転職・退職)で企業型DCからiDeCoに移行したい場合の手続き
- 厚生年金基金、確定給付企業年金に加入していた場合の手続き
- 厚生年金基金、確定給付企業年金からiDeCoに移行したい場合の手続き
- 企業年金連合会からiDeCoに移行したい場合の手続き
- 注意しておきたいこと【iDeCoを自動移行させてしまった場合】
- 自動移行させた場合手数料がかかってしまう
- 自動移行を減らすための取り組みがある
- iDeCo(イデコ)の金融機関を選ぶ際のポイントを解説
- iDeCoに関する不安はマネーキャリアでプロの方に無料で相談
- まとめ:就職・転職・退職時のiDeCo移行の手続きを解説
iDeCoは転職や退職した場合どのような手続きが必要?詳しい方法を解説
こんにちは。 マネーキャリア編集部です。
先日、ある男性の読者さまから、こんな質問を受けました。
そうですね、結論から言うと、ケースバイケースです。iDeCoを続けられる場合もありますし、そこの企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入しなければならない場合もあります。
一般的にiDeCoに加入している方が、退職や転職をする場合、その後の手続きについては、さまざまなケースがあります。とても一口で説明することはできません。
「退職や転職をしたら、iDeCoはどうなるんですか!?」
今回は、そんな疑問に詳しく解説していきます。iDeCoに加入していて退職や転職をされてしまった方も、iDeCoに加入していて退職・転職予定の方にも、役に立つ情報を載せていますので、ぜひ最後までお読みください。
まず簡単な用語の解説から始めましょう。
■ iDeCoとは?
- iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、加入は任意。
- iDeCoは自分で申し込み、掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用する。 掛金とその運用益との合計額を給付として受け取ることができる。
- iDeCoでは、掛金、運用益、および給付の受け取り時に、税制上の優遇措置がある。
■ iDeCoの概要
- iDeCoは、掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができる。
- 原則として60歳になるまで、資産を引き出すことはできない。
- 基本的に20歳以上60歳未満のすべての方が加入できる。
- より豊かな老後の生活を送ってもらうための資産形成方法のひとつ。
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している人は、規約でiDeCoに同時加入が認められている場合のみ、iDeCoに加入できる。
■個人別管理資産
- 確定拠出年金で、個人別に管理される年金積立金のことを言う。加入者、および運用指図者の方が、積み立て、運用する資産のこと。
就職(転職)先で企業型DCに加入する場合について解説
ここでは、就職(転職)先でiDeCoから企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入する場合について、以下の記事を解説していきます。
- 就職(転職)先の企業型DCに移行する場合の手続き
- 就職(転職)先でiDeCoと企業型DCの併用が認められている場合もある
- 加入者資格の喪失
- 資産の移換
- 「加入者資格喪失届」を運営管理機関に提出
- 引き続きiDeCoへ加入
- 国民年金の被保険者種別、または登録事業所の変更の手続き
- 転職先の企業に企業型DC制度がない場合
- 転職先の企業に企業型DC制度がある場合
- 企業が掛金を毎月積み立て(拠出)し、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う制度。
- 企業型DCは、従業員が自動的に加入する場合と、企業型DCに加入するかどうかを選択できる場合がある。
- 従業員は掛金をもとに、金融商品を選んだり、資産配分を決めたりして、さまざまな運用を行う。
- 定年退職を迎える60歳以降、積み立ててきた年金資産を一時金(退職金)、あるいは年金の形式で受け取る。ただし、積み立てた年金資産は原則60歳まで引き出すことはできない。
就職(転職)先の企業型DCに移行する場合の手続き
iDeCoを就職(転職)先の企業型DCに移行する場合の手続きは、以下のとおりです。
まず加入者資格の喪失、および資産の移換の手続きをしてください。
移換する場合は、iDeCoの加入者の資格を喪失することになります。
「加入者資格喪失届」に、加入者の資格を喪失した理由、および喪失年月日を証明する書類を添付して、速やかに運営管理機関に提出してください。
この場合、iDeCoの資産を就職(転職)先の企業型DCに移すことができます。
その後の詳細な手続きは、就職(転職)先の人事・労務等の担当者に確認してください。
■ 運営管理機関
- さまざまな金融機関がiDeCoを取り扱っている。
- 金融機関ごとに、その特徴、取り扱う運用商品、加入時や毎月の口座管理等にかかる手数料などが異なる。
- 運営管理機関一覧
就職(転職)先でiDeCoと企業型DCの併用が認められている場合も
就職(転職)先でiDeCoと企業型DCの併用が認められている場合もあります。
就職(転職)先の企業型DC規約で、iDeCoへの同時加入が認められている場合は、引き続き、iDeCoへの加入者として掛金を支払うことができます。
企業型DCとは別に、加入中のiDeCoを継続する場合は、国民年金の被保険者種別、または登録事業所の変更の手続きが必要です。
■ 第1号加入者または第3号加入者の人が厚生年金の適用事業所に就職した場合
- 国民年金の種別が第2号被保険者に変わるので、「加入者被保険者種別変更届」に、就職(転職)先が記入した「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書 」を添付して、運営管理機関に提出。
■ 第2号加入者の人が厚生年金の適用事業所に転職した場合
- 「加入者登録事業所変更届」に、転職先が記入した「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書 」を添付して、運営管理機関に提出。
転職(転職)先で企業型DCに加入しない場合iDeCoに加入できる
転職(転職)先で企業型DCに加入しない場合、iDeCoに加入できます。
- 国民年金の被保険者種別、または登録事業所の変更の手続き
- 「加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用)」を運営管理機関に提出
- 「加入者登録事業所変更届」を運営管理機関に提出
就職(転職)先に確定給付企業年金(DB)がある場合について解説
就職(転職)先に確定給付企業年金(DB)がある場合、iDeCoの取り扱いについて解説します。
- 従業員が受け取る「給付額」があらかじめ約束されている企業年金制度。会社が運用の責任を持ち、運用結果が悪ければ、企業が不足分を補てんする。DBとも呼ばれ、現在、最も普及している制度。
就職(転職)で加入資格が変わった場合についてそれぞれ解説
ここでは、就職(転職)で加入資格が変わった場合についてそれぞれ解説していきます。
- 就職(転職)で国民年金第1号被保険者(自営業者等)になった場合
- 退職で国民年金第3号被保険者(専業主婦等)になった場合
就職(転職)で国民年金第1号被保険者(自営業者等)になった場合
退職で国民年金第3号被保険者(専業主婦等)になった場合
就職(転職・退職)で企業型DCからiDeCoに移行したい場合の手続き
- 企業型DCに加入していた方が、企業型DCのない企業等に転職したとき
- 役員就任等で企業型DCの対象者でなくなったとき
- 退職して国民年金の第1号被保険者(自営業者等)または第3号被保険者(専業主婦等)になったとき
- 「個人別管理資産移換依頼書」を運営管理機関に提出
- iDeCoに加入する場合、「個人型年金加入申出書」を運営管理機関に提出
厚生年金基金、確定給付企業年金に加入していた場合の手続き
ここでは、厚生年金基金、確定給付企業年金に加入していた場合の手続きについて、以下の記事を解説していきます。
- 厚生年金基金、確定給付企業年金からiDeCoに移行したい場合の手続き
- 企業年金連合会からiDeCoに移行したい場合の手続き
- 「個人型年金加入申出書」を運営管理機関に提出
- 「厚生年金基金・確定給付企業年金移換申出書」を運営管理機関に提出
- 「個人型年金加入申出書」を運営管理機関に提出
- 一部の運営管理機関ではオンライン加入も可
厚生年金基金、確定給付企業年金からiDeCoに移行したい場合の手続き
- iDeCoの加入者であること
- 厚生年金基金、またはDBの脱退後1年以内に、移換元の厚生年金基金、またはDBに移換を申し出ること
- 国が行う老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)の支給を代行し、これにプラスアルファ部分を上乗せして年金給付を行う制度。
- 従業員が受け取る「給付額」があらかじめ約束されている企業年金制度。会社が運用の責任を持ち、運用結果が悪ければ、企業が不足分を補てんする。DBとも呼ばれ、現在、最も普及している制度。
企業年金連合会からiDeCoに移行したい場合の手続き
- iDeCoの加入者であること
- iDeCoの加入者の資格を取得してから3か月以内に、移換元の企業年金連合会に移換を申し出ること
- 厚生年金基金、確定給付企業年金のある企業を短期間(10年未満)で退職した方に年金給付を行っています。旧厚生年金基金連合会。
- 企業年金コールセンター ℡ 0570-02-2666
- PHS・IP電話からは、03-5777-2666(受付時間 平日9:00~17:00)
注意しておきたいこと【iDeCoを自動移行させてしまった場合】
ここでは、iDeCoを自動移行(移換)させてしまった場合、注意しておきたいことについて、以下の記事を解説していきます。
- 自動移換させた場合手数料がかかってしまう
- 自動移換を減らすための取り組みがある
- 企業型DCに個人別管理資産のある方が、加入者の資格を喪失後、その個人別管理資産をiDeCo等に移換するか、脱退一時金を請求する手続きを行わなかった場合。
- その個人別管理資産は現金化され、国民年金基金連合会に自動的に移換される。
- 確定拠出年金で、個人別に管理される年金積立金のことを言う。加入者、および運用指図者の方が、積み立て、運用する資産のこと。
自動移行させた場合手数料がかかってしまう
自動移行(移換)とは?
- 6ヵ月以内に、個人別管理資産をiDeCo、または他の企業型DCに移換、あるいは(脱退一時金の要件を満たす場合)請求の手続きを行わなかったとき、その資産は国民年金基金連合会に自動移換される。
- iDeCoに資産を移換するとともに、掛金を拠出する(iDeCoの加入者になる)。
- iDeCoに資産を移換し、支給開始年齢(原則60歳)まで運用のみを行う(iDeCoの運用指図者になる)。
- 脱退一時金として受け取る(ただし、脱退一時金の受給要件を満たされている方に限る)。
- 企業型DCのある企業に転職した場合は、その企業の企業型DCに資産を移換する。
- 資産の運用がされない
- 管理手数料を負担する
- 自動移換中の期間は、老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に算入されない。そのため、受給可能年齢が遅くなることがある
特定運営管理機関 ※1 | 国民年金基金連合会 | |
---|---|---|
自動移換される際の手数料 | 3,300円 | 1,048円 |
自動移換されている間の管理手数料 | 52円/月 ※2 | ー |
iDeCoへの資産移換 | 1,100円 | 2,829円 |
企業型DCへの資産移換 | 1,100円 ※3 | ー |
確定給付企業年金への資産移換 | 1,100円 | ー |
脱退一時金の受け取り | 4,180円 ※4 | ー |
- 国民年金保険料の全額免除、または一部免除、もしくは納付猶予を受けていること(障害基礎年金裁定通知を受けた方、および国民年金法第89条第1項第3号の施設に入所している方は除く)
- 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
- 通算拠出期間が5年以下(注)、または個人別管理資産が25万円以下であること
- 企業型DCまたはiDeCoの加入者資格を最後に喪失した日から2年以内であること
- 企業型DCの加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと
- (注)掛金を拠出しなかった期間は除く。
- 自動移換者の方の氏名・住所等の記録管理
- 脱退一時金・死亡一時金等の請求にかかる事務
- iDeCo・企業型DCへの資産移換にかかる事務
- 自動移換者の方からの問い合わせの窓口
自動移行を減らすための取り組みがある
- 企業型DCの資格喪失後6ヶ月以内に、新たにiDeCoの加入者になったことが確認できた方
- 自動移換の状態で、新たにiDeCoの加入者になったことが確認できた方
iDeCo(イデコ)の金融機関を選ぶ際のポイントを解説
ここでは、iDeCoの金融機関を選ぶ際のポイントを解説していきます。
- 手数料(口座管理手数料・信託報酬など)
- 運用商品のバリエーション
- 利便性・サービス対応
iDeCoに関する不安はマネーキャリアでプロの方に無料で相談
- ライフプラン相談
- 保険相談
- マネーセミナー
- 家計の収支がうまくいかない
- 住宅ローン、保険料を節約したい
- わが家だけの家計診断をしてほしい。ライフイベントに備えたい
- 将来の資金が、どれくらいかかるか分からないので、不安
- お金の不安ならなんでもOK!
- 納得いくまで何度でも無料
- オンラインで手軽に相談
まとめ:就職・転職・退職時のiDeCo移行の手続きを解説
いかがでしたでしょうか。
この記事では、就職・転職・退職時のiDeCo移行の手続きを解説してきました。
そのポイントは、以下のとおりです。
- iDeCoとは?
- 企業型DCとは?
■ iDeCoから企業型DCに移行する場合
- 手続き
- iDeCoと企業型DCの併用
- 企業型DCに加入しない場合
- 確定給付企業年金(DB)がある場合
■ 加入資格が変わった場合
- 国民年金第1号被保険者(自営業者等)
- 国民年金第3号被保険者(専業主婦等)
■ 企業型DCからiDeCoに移行したい場合
- 手続き
■ その他の場合
- 厚生年金基金からiDeCoに移行したい場合
- 確定給付企業年金からiDeCoに移行したい場合
- 企業年金連合会からiDeCoに移行したい場合
■ iDeCoを自動移換させてしまった場合
- 注意点
- 自動移換を減らすための取り組み
■ iDeCoの金融機関を選ぶ際のポイント
- 手数料(口座管理手数料・信託報酬など)
- 運用商品のバリエーション
- 利便性・サービス対応
以上です。
iDeCoから企業型DCに移行する場合は、3パターンあります。
また逆に企業型DCからiDeCoに移行したい場合は1パターンであり、その他の場合にiDeCoに移行する場合は、3パターンあります。
合わせて「iDeCoを自動移換させてしまった場合」と「iDeCoの金融機関を選ぶ際のポイント」も参考にしてください。
iDeCoの移換については、一度読んだだけでは分かりにくいので、自分がどのパターンに当てはまるか、よく見極めた上で、もう一度読み返してみてください。
この記事が、iDeCoからの移換、およびiDeCoへの移換について、少しでもお役に立つことができるなら、うれしいです。