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▼この記事を読んで欲しい人

  • iDeCoとふるさと納税の併用を考えている人
  • iDeCoとふるさと納税の併用のメリット・デメリットが知りたい人
  • iDeCoとふるさと納税の内一つならどちらがおすすめか知りたい人


内容をまとめると

  • iDeCoとふるさと納税の併用は、デメリットよりもメリットの方が大きい
  • 資産運用に関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
  • マネーキャリア満足度93%で何度でも相談無料!予約から相談までオンラインで完結!

iDeCoを利用しようと考えている方の中にはふるさと納税を利用している方もいると思います。そこでiDeCoとふるさと納税の併用はデメリットの方が大きいと心配になる方がいると思います。今回はiDeCoとふるさと納税の併用のメリット・デメリットを解説していきます。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

iDeCoとふるさと納税の併用はメリットとデメリットどっちが大きい?

こんにちは。マネーキャリア編集部です。


先日40代の男性からこんな質問を受けました。

iDeCoでも税金の控除があるというし、ふるさと納税でも税金の控除があるという。この二つを併用するとお得なの?

iDeCoでは掛け金に所得控除があり、ふるさと納税では寄附金の税金の控除があります。


つまり、両方併用すると、控除額が大きくなり、税負担も大きく減るということになるでしょうが、実際のところはどうでしょうか。


詳しく検証してみましょう。


この記事が、iDeCoとふるさと納税併用のいいところを知りたいと思っている方のお手伝いになれば幸いです。

iDeCoとふるさと納税は併用したほうがいい【理由を解説】

iDeCoとふるさと納税を併用すると、ふるさと納税で損をする。

そんな話を聞いたことがある人はいませんか?


確かにiDeCoに加入して、積み立てを行うと、ふるさと納税の限度額がDOWNに。


つまり、その状態で限度額以上のふるさと納税をしても、超えた分については控除対象から外れます


超えた分は控除なしで、丸々税金がかかってくるということです。


というと、やはり損なのかと思われるでしょうが、限度額のDOWN幅はそれほど大きくなく、むしろiDeCoの節税効果の方が大きいので、実際には併用によるマイナス面よりも、プラス面のほうが大きいです。

iDeCoによる節税効果の仕組みとメリットを解説


では、iDeCoによる節税効果は、具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか?


まずは仕組みを知ることが肝心です。


次に、節税効果も含めて、iDeCoのメリットの方も気になるところ。


これからiDeCo利用を考えている人にとってはここは一番関心のある点でしょう。


そこで、この欄で、iDeCo利用による税金控除の仕組みの詳細とお得なメリットのいくつかをご紹介します。

iDeCoの利用によって税金が控除される仕組み

掛け金は全額所得控除になる

iDeCoでは、掛け金を自分で拠出し、その掛け金を自分で運用し、その結果によって、老後に受け取る年金額が増減するようになっています。


その拠出した掛け金は全額所得控除の対象です


名目は「小規模企業共済等掛金控除」になります。


この所得控除が総所得金額から差し引かれ、実際の税額が算出されます。


当然のことですが、所得控除が大きくなると、税額が低く抑えられるでしょう。

iDeCoの拠出限度額について

iDeCoの拠出限度額を確認しておきましょう。

加入資格掛金
自営業者月額6万8000円
年額81万6000円
国民年金基金または
国民年金付加保険料との合算枠
会社に企業年金がない会社員月額2万3000円
年額27万6000円
企業型DC(企業型確定拠出年金)
に加入している会社員
月額2万円
年額24万円
DB(確定給付年金)と
企業型DCに加入している会社員
月額1万2000円
年額14万4000円
DBのみの加入している会社員上記に同じ
公務員など上記に同じ
専業主婦(夫)月額2万3000円
年額27万6000円
(参考:iDeCo公式)

掛け金が全額所得控除になるのがiDeCoの大きなメリットですが、このほかに運用で得られた利益も非課税になっています。 


 また、年金を受け取る場合にも控除制度があり、年金方式での受け取りを希望する方には「公的年金等控除」、一時金方式の受け取りを選ぶ方には「退職所得控除」の適用があります。 


 このようにiDeCo利用では、税金にまつわるいろいろな制度を利用できて、メリットも大きいです。

iDeCoを利用するメリットを解説

iDeCOを利用するメリットを整理してみましょう。

  • 掛け金が全額所得控除の対象に
  • 運用益にも課税されない
  • 年金を受け取るときにも控除がある
  • 月額5000円から始められる
  • 運用対象を決めれば、あとは手間が掛からない
いろいろなメリットがありますが、やはり税金面でお得なことが多いです。

具体例を出してみましょう。

年収500万円の会社員の場合です。


この場合は拠出金限度額が月額2万3000円で、年額27万6000円ですが、この額で運用するなら、課税対象は500万円ではなく、拠出金限度額の年額から差し引いた数字になります。


つまり、472万4000円。税額の違いにすると、5万5000円程度安くなります。

これを含めて、iDeCoを利用すれば、税額も大きく減るでしょう。


それから、iDeCoは月額5000円から始められ、1000円単位で上乗せできます


このくらいの金額なら、だれでも始めやすいでしょう。


あと、掛け金と運用対象をいったん決めると、それ以降は何もしなくても自動的に運用が行われる点も便利な点です。

ふるさと納税による節税効果を解説【3つの控除について解説】


iDeCo利用における税金控除の仕組みを見てみましたが、ふるさと納税の節税効果の方はどうなっているでしょうか?


ふるさと納税の控除については、3種類用意されています。


まず、所得税からの控除。


次に、住民税からの控除で、これには「基本分」と「特例分」の2種類あります。


これで3種類です。

(参考:総務省ふるさと納税ポータルサイト)

ふるさと納税の内訳の例をもとに解説

ふるさと納税の控除は所得税と住民税で別々に行われます。


確定申告後には所得税の還付もあるでしょう。


住民税の場合は、翌年納める額から控除がされます。


それから、「ワンストップ特例制度」というものがあり、一定の条件を満たすと、確定申告が必要なくなります。


一定の条件とは、次のようなものです。

  • ふるさと納税以外で確定申告が必要ない給与所得者の場合
  • 1年間で5自治体以内に寄附した場合
なお、この制度を利用した場合は、所得税還付はなしで、住民税の控除だけになります。

ふるさと納税3つの控除とその計算方法

ふるさと納税の3つの控除とその計算方法をチェックしてみましょう。 


 所得税からの控除の場合

 まず所得税からの控除では、ふるさと納税額(寄附金額)から2000円をマイナスし、そこに所得税の税率を掛け合わせます。


したがって、計算式は以下のようになります。

⦅ふるさと納税額(寄附金額)-2000円⦆×所得税の税率=控除額 

所得税の税率だけわかっていれば、計算はしやすいはずです。


なお、令和19年(2037年)の寄附までは、所得税の税率に復興特別所得税の税率が加算されていますから、少し割合が高いです。

住民税からの控除(基本分)の場合

住民税からの控除(基本分)では、やはりふるさと納税額(寄附金額)から2000円をマイナスしますが、今度はその数字に10%を掛け合わせたものが控除額になりますから、次のような計算式が成立します。

⦅ふるさと納税額(寄附金額)-2000円⦆×10%

住民税からの控除(特例分)の場合

住民税からの控除(特例分)で、住民税所得割額の2割≧だと、次のような計算式が適用されます。

⦅ふるさと納税額(寄附金額)-2000円⦆×(100%-基本分10%-所得税の税率)

少し複雑にはなりますが、こちらも所得税の税率だけ把握しておけば、比較的簡単に計算できるでしょう。

次に、住民税所得割額の2割<になると、計算式が変わり、2000円のマイナスはなくなることに。

計算式は以下の通りです。

なお、この場合は、全額控除になりませんからご注意を。

住民税所得割額×20%

年収420万円の会社員がふるさと納税を利用した場合をシミュレーション


これまでに示した計算式を使いながら、具体的なシミュレーション例を示してみましょう。


28歳独身の年収420万円の会社員の方がふるさと納税で自治体に寄附した場合を考えてみます。


そこでまず、控除額の計算をする前に、所得税や住民税の基本的な計算方法を確認しておきます。

(給与所得-給与所得控除-所得控除)×税率=所得税額or住民税額

給与所得控除の額は所得税も住民税も変わりませんが、所得控除額と税率がそれぞれ異なっています。


それぞれの税額を求めてみましょう。

(420万円-138万円-99万円)×所得税率5%=91.5万円(所得税額)

(420万円-138万円-94万円)×住民税率10%=18.8万円(住民税額)

住民税からの控除(特例分)は住民税所得割額の2割までが全額控除になりますから、この場合は、限度額が4万6235円になります。


この金額の範囲内なら、ふるさと納税額の自己負担分以外は全額控除になります。

所得税の計算

今回はこの会社員の方が4万5000円分のふるさと納税を行ったと考えてみましょう。


 この場合の所得税からの控除は次のようになります。


 計算式は以下の通りです。

 ⦅ふるさと納税額(寄附金額)-2000円⦆×所得税の税率=控除額 

ここにふるさと納税額4万5000円を入れてみます。 

 (4万5000円-2000円)×5%=2150円 

 つまり、この方の場合の所得税の控除額は2150円です。   

住民税の計算【基本分と特例分】

次に、住民税からの控除(基本分)のケースを見てみましょう。


計算式は以下の通りです。

⦅ふるさと納税額(寄附金額)-2000円⦆×10%

ここにふるさと納税額4万5000円を当てはめてみます。

(4万5000円-2000円)×10%=4300円


4300円という結果になりました。これがこの方の住民税からの控除(基本文)の値となります。


最後に、住民税からの控除(特例分)を見てみましょう。


計算式は次の通りです。

⦅ふるさと納税額(寄附金額)-2000円⦆×(100%-基本分の10%-所得税の税率)

やはりふるさと納税額4万5000円を当てはめると、

(4万5000円-2000円)×(100%-10%-5%)=3万6550円

今度は3万6550円となりました。これがこの方の住民税からの控除(特別分)となります。


以上出てきた結果を足してみましょう。

 2150円(所得税からの控除)+4300円⦅住民税からの控除(基本分)⦆+3万6550円⦅住民税からの控除(特例分)⦆=4万3000円

この数字を見ればわかるように、ふるさと納税として寄附した金額4万5000円のうち、4万3000円分が控除対象になりました。


残りの2000円が自己負担額になります。


これはかなり大きな数字でしょう。

iDeCo併用ありとなしで年収別にふるさと納税額の限度を解説


ふるさと納税の寄附金は自己負担分の2000円を除いて、全額控除対象になりますが、その対象になるものには上限があります。


上限は、給与収入や家族構成によっても変わってきますが、もう1点、iDeCoの併用がありなしでも違ってきます。


そこで、年収別にそれぞれの限度額を確認してみましょう。

独身者・夫婦共働き(扶養範囲外)の場合

まずは、独身者・夫婦共働き(扶養範囲外)の場合のふるさと納税限度額を見てみましょう。


表にまとめてみますが、住宅ローン控除や医療費控除など、他の控除を受けていない方のケースになります。


他の控除を受けている方や年金収入のみの方や事業者の方の場合は、数値が違ってくるでしょう。


社会保険料控除額については、給与収入の15%と推定しています。


この表はあくまでも目安ですから、正確なことを知りたい場合は、各市区町村に問い合わせをしてください。

年収iDeCoなし
300万円2万8000円
400万円4万2000円
500万円6万1000円
600万円7万7000円
700万円10万8000円

年収掛金が月1万2千円の場合掛金が月2万3千円の場合
300万円2万4000円2万1000円
400万円3万8000円3万5000円
500万円5万7000円5万4000円
600万円7万3000円7万円
700万円10万4000円10万円


先ほど、年収が420万円の独身の会社員のふるさと納税の控除額を見てみましたが、この方の場合、iDeCoと併用すると、限度額はどうなるでしょうか?


iDeCoなしの場合の限度額は4万6235円でした。


iDeCoの月額の掛け金を2万3000円とした場合を考えてみましょう。


この場合は、小規模企業共済等掛金控除が当てはまるので、課税所得がDOWNし、ふるさと納税の限度額は3万9741円です。


すると、

4万6235円 – 3万9741円 = 6494円

で、ふるさと納税の限度額が下がり、一見すると損なようにも見えます。


ただ、iDeCoの利用で、所得税と住民税額は大きく下がりますから、全体としてプラスαのほうが大きいです。

片働き夫婦・子供(15歳以下)一人の場合

次は、片働き夫婦・子供(15歳以下)一人の場合のふるさと納税限度額です。


掲載条件は、独身者・夫婦共働き(扶養範囲外)の場合と同じで、他の控除を受けていないと想定します。


社会保険料控除額は給与収入の15%です。


やはり表にまとめてみます。

年収iDeCoなし
300万円1万9000円
400万円3万3000円
500万円4万9000円
600万円6万9000円
700万円8万6000円

年収掛金が月1万2千円の場合掛金が月2万3千円の場合
300万円1万6000円1万3000円
400万円3万円2万7000円
500万円4万5000円4万2000円
600万円6万5000円6万2000円
700万円8万2000円7万9000円

iDeCoとふるさと納税を利用するデメリット(注意点)2つを解説


iDeCoとふるさと納税を併用したほうがお得な点はあるものの、デメリット(注意点)も大事なチェックポイント。


メリットの裏にはデメリットがあり、いくつか損なこともありますから、それを踏まえたうえで併用を検討しなければいけません。


そのデメリットについてはこれまで簡単に触れてある部分もありますが、ここで詳しく解説しましょう。

①iDeCo分を引いた所得だからふるさと納税の控除限度額が下がる

iDeCo併用ありとなしでふるさと納税額の限度が変わりますが、iDeCoとふるさと納税の併用では、ふるさと納税の控除限度額が減額になります


そのため、iDeCo利用前の考え方で、ふるさと納税をすると、意外な結果に戸惑うことも。


自己負担分の2000円以外は全額所得控除の対象になると思っていた当てが外れる場合があります。


そうなれば、思わぬ出費につながり、損をしてしまうでしょう。


そこでそのような事態を避けるために、次のような点を頭に入れておきましょう。


  • 掛け金は年間でどれほどになるか?(iDeCoについて)
  • ふるさと納税の控除限度額をしっかり見ておく

②年収や医療費控除や生命保険料控除・住宅ローン控除も踏まえて判断すべき

iDeCoでもふるさと納税でも税金の控除がある点はいいところですが、ほかにも所得控除制度を利用できるサービスや商品はあります。


iDeCoやふるさと納税がすべてではありません。


たとえば、医療費控除・生命保険料控除・住宅ローン控除・特定扶養控除などいろいろあります。
したがって、自分の年収も考えながら、どんな控除制度が利用できるかよく検討し、そのうえでiDeCoやふるさと納税の控除制度も取り入れたほうがいいかどうか判断することもできます。

ふるさと納税とiDeCoどちらか一つならiDeCoがおすすめ!

ふるさと納税とiDeCoの併用はできますが、どちらか一つといわれた場合、どちらを選べばいいでしょうか?


その答えを示す前に、まずそれぞれの概略を示しておきましょう。



ふるさと納税は、自分が居住している自治体に納めるべき住民税を別の自治体に支払う制度。


その際にお礼の品がもらえますが、トータルで納める税額自体は大きくは変わりません。


それに対して、iDeCoは、積み立てた掛け金が全額所得控除に。大事な掛け金が控除対象になるのはとてもありがたいことです。

どのくらいお得なのですか?

そんな疑問を持つ人もいらっしゃるでしょうから、iDeCo利用時の税負担のDOWN額をチェックしておきましょう。


年収300万円の会社員が毎月掛け金として2万3000円を積み立てたと仮定します。


この場合は、年間で税額が約4万1400円もDOWNします。


大きな数字です。


このほかにも、iDeCoには運用益がすべて非課税、年金受け取り時にも控除を受けられるなど、メリットがたくさんあります。


そして、何よりもいいのは老後の資金が蓄えられること。


そう考えていくと、ふるさと納税とiDeCoのどちらがいいかは一目瞭然でしょう。

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老後の資金を増やせる可能性があって、節税効果も期待できるiDeCo。


興味が沸いた人もいらっしゃるでしょうが、まだよくわからない、不安があるということがあるかもしれません。


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まとめ:iDeCoとふるさと納税の併用のメリットとデメリット

この記事では、iDeCoとふるさと納税の併用によるメリットやデメリットについていくつかの観点からお伝えしてきました。


iDeCoとふるさと納税を併用するときは、それぞれの税金控除の仕組みをよくチェックし、両方の利用でどう変わるかを確認しておきたいところ。


それができれば、併用メリットを楽しむことができます。


今回は、以下のようなポイントでお送りしました。

  • iDeCoとふるさと納税別節税効果
  • 年収420万円の会社員のふるさと納税例
  • どちらかの二者択一ならiDeCoを選んだ方がいい
ふるさと納税を利用すると、税金の控除、すなわち節税効果を期待できます。

ただ、ふるさと納税による節税効果は思ったほどでない場合も。

そういう意味では、iDeCoと併用して、その節税効果を存分に利用したいところ。

iDeCoの掛け金を積み立てると、ふるさと納税の限度額が下がるというデメリットはあるものの、併用すれば、iDeCoのメリットを十分味わえます。

ぜひご検討ください。

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