▼この記事を読んでほしい人
- iDeCoを利用する際のデメリット(注意点)が知りたい人
- iDeCoを利用する際のメリットが知りたい人
- 企業型確定拠出年金を利用する際のメリット・デメリットが知りたい人
内容をまとめると
- iDeCoは「節税」ではなく「課税の繰り延べ」であることに注意!!
- 資産運用や積み立てに関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
- マネーキャリアは満足度93%で何度でも相談無料!予約から相談までオンラインで完結!
iDeCoを始めようと考えている方の中には「iDeCoにはメリットしかない」と勘違いしている方がいます。しかし、iDeCoはデメリットをちゃんと把握していなければ損失が大きくなることもあります。この記事を参考にiDeCoの注意すべき点について把握しましょう。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 「iDeCoはやめとけ」と言われる理由を解説【メリット・デメリット比較】
- iDeCoは「節税」ではなく「課税の繰り延べ」である【iDeCo概要解説】
- iDeCoって何?【iDeCoの概要解説】
- iDeCoは「課税の繰り延べである」【iDeCoの仕組みを解説】
- iDeCoを利用するメリットについて解説
- ①iDeCoの掛け金は全額所得控除が受けられる
- ②iDeCoは運用中にでた利益が非課税
- ③受け取り時の非課税枠がある
- ④運用方法を自分で選ぶことができる
- iDeCoはやめとけと言われる10のデメリットを徹底解説
- ①iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない
- ②iDeCoは基本的に途中で止めることができない
- ③低所得者はiDeCoの掛け金全額所得控除が受けられない
- ④iDeCoは元本割れする恐れがある
- ⑤iDeCoの運用商品によっては為替リスクがある
- ⑥iDeCoは手数料や維持費がかかってしまう
- ⑦iDeCoは手続きに面倒なものがある
- ⑧iDeCoは投資であるから知識を必要とする
- ⑨iDeCoの受け取り方法よって課税される額が変わる
- ⑩定期預金だと手数料負けしてしまう恐れがある
- 「20・30代はiDeCoやめとけ!」【その理由について解説】
- 最もお金を使うのは40・50代である
- iDeCoは生活が安定した頃に始めるのがベスト
- iDeCoをおすすめする人・iDeCoをおすすめしない人
- iDeCoをおすすめする人の特徴について
- iDeCoをおすすめしない人の特徴について
- iDeCo運用で負けパターンに陥らないための方法まとめ
- iDeCo積み立て投資で知っておくべき原則について
- iDeCoはスイッチングによって利益を確定させよう
- iDeCoには隠れたメリットもある!【2つのメリット解説】
- ①自己破産してもiDeCoで積み立てたお金は無くならない
- ②万が一に備えた生命保険の代わりになる
- 企業型確定拠出年金を利用する場合のデメリットを解説
- ①金融機関を選ぶことができない
- ②退職後6ヶ月以内に移換手続きしないと面倒である
- 企業型確定拠出年金の2つの強みを確認しよう
- 企業型確定拠出年金の強み①分配変更
- 企業型確定拠出年金の強み②スイッチング
- iDeCoに関する不安はマネーキャリアの無料相談サービスで解決!
- まとめ:iDeCoはやめとけと言われる理由とiDeCoをうまく活用する方法
「iDeCoはやめとけ」と言われる理由を解説【メリット・デメリット比較】
こんにちは。
マネーキャリア編集部です。
といったことから、iDeCoに加入している人が増えています。
しかし、中にはデメリットが気になって加入を渋っている人もいるのではないでしょうか。
実際に「iDeCoはやめとけ」という声も多いのが現状です。
今回の記事は
- iDeCoはやめとけと言われてしまう理由
- iDeCoがおすすめな人とおすすめできない人
- iDeCoの隠れたメリット
などをメインとして解説していきます。
「周りからはやめとけと言われるけど、実際どうなんだろう?」と気になっている方にも参考になれば幸いです。
iDeCoは「節税」ではなく「課税の繰り延べ」である【iDeCo概要解説】
iDeCoを利用するメリットとして挙げられるのが「節税」です。
しかし本当にそうなのでしょうか?
「課税がされるのが先送りになるだけだからやめとけ」とiDeCoの仕組みをデメリットと捉える人も少なくありません。
iDeCoって何?【iDeCoの概要解説】
iDeCoは個人での老後資産の形成を目的とした年金制度のひとつです。
自分で決めた掛け金を毎月、もしくはまとめて拠出していきます。
拠出した掛け金で運用商品を購入し、自身で運用を行なっていくのが特徴です。
年金制度のため60歳以降での受け取りとなります。
iDeCoは「課税の繰り延べである」【iDeCoの仕組みを解説】
なぜiDeCoにはやめとけという声が上がるのでしょう。
iDeCo加入を渋っている人の中には「課税の繰り延べ」ということをネックに感じている人も多いです。
確かに、iDeCoは税制的にも優遇されている年金制度ではあります。
運用中の運用益は非課税となり、掛け金についても所得控除が受けられるのは大きなメリットです。
しかし、いざ60歳以降で積み立てた資産を受け取る場合は、その受け取り金額に対して課税されてくることに。
厳密には受け取り金額も一定金額については非課税の対象となるので、まるまる全額というわけではありません。
しかし非課税の枠を超えた分に関して課税されることに。
例えば、掛け金を毎月コツコツ積み立て、200万円を貯めたとしましょう。
そしてその200万円を運用して利益が50万円出た場合、当然受け取れる金額は250万円なのですが、これら全てが課税の対象になります。
非課税枠が幾らかにもよりますが、その差額によっては実際に課税されてしまうことになるのです。
こうしたことからも「iDeCoは節税でなく、課税の繰り延べだからやめとけ」と言われてしまうのでしょう。
iDeCoを利用するメリットについて解説
やめとけと散々言われているiDeCoですが、メリットももちろんあります。
まず、ここではiDeCoを利用するメリットについて見ていきましょう。
iDeCoのメリットは以下の4つです。
- iDeCoの掛け金は全額所得控除が受けられる
- iDeCoは運用中にでた利益が非課税
- 受け取り時の非課税枠がある
- 運用方法を自分で選ぶことができる
①iDeCoの掛け金は全額所得控除が受けられる
iDeCoで毎月、またはまとめて拠出する掛け金は全額所得控除となります。
企業型のiDeCoに加入している場合は企業内での年末調整、個人事業主であれば確定申告の際に拠出した金額を申告することで減税されます。
減税の対象は所得税と住民税の2つです。
もちろん、所得控除額が大きければそれだけ課税所得を小さくすることができ、節税の恩恵を受けられます。
掛け金を多めに設定して節税のメリットを享受、さらに将来に備えた貯蓄を行うという方も多いです。
②iDeCoは運用中にでた利益が非課税
iDeCoで商品を購入して運用していくわけですが、ここで得られた利息や運用益は全て非課税となります。
例えば、100万円運用して10万円利益が出れば、この10万円がまるまる非課税の対象になりますね。
非課税がないとなれば、一般と同様に20.315%の税率がかかってくることになりますから、かなり大きな差になることが予想できます。
60歳までと長期間の運用になるため、非課税は大きなメリットと言えます。
③受け取り時の非課税枠がある
60歳を超えて積み立てた資産の受け取りを行う場合は
- 年金
- 一時金
- 年金+一時金
の3つの受け取り方法から資産を受け取れます。
年金に関しては雑所得、一時金は退職所得として扱われ、税制優遇を受けることが可能です。
一定額までは非課税枠があるということですので、受け取り金額が非課税枠を超えなければ大きなメリットであると言えるでしょう。
④運用方法を自分で選ぶことができる
個人での資産形成が目的であるiDeCoでは、運用商品や方法などは自分で選ぶことになります。
運用商品にはリスクの少ない定期預金などの元本確保型商品、大きなリターンを目指せる投資信託など種類はさまざまです。
自分の生活スタイルや経済状況と相談しながら運用商品と向き合って、商品選択を行う必要があります。
iDeCoはやめとけと言われる10のデメリットを徹底解説
確かにメリットの多いiDeCoですが、やはりデメリットといえる部分もあります。
ここではやめとけと言われるiDeCoの10のデメリットを解説します。
- 原則60歳まで引き出すことができない
- iDeCoは基本的に途中で止めることができない
- 低所得者はiDeCoの掛け金全額所得控除が受けられない
- 元本割れする恐れがある
- 運用商品によっては為替リスクがある
- 手数料や維持費がかかってしまう
- 手続きに面倒なものがある
- 投資であるため、多少の知識を必要とする
- 受け取り方法よって課税される額が変わる
- 定期預金だと手数料負けしてしまう恐れがある
①iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない
iDeCoでは原則として60歳まで資産を引き出すことができないようになってます。
老後の資産形成が根底にあるので、仕方がない部分もあるでしょう。
しかし、60歳になれば引き出せるというものではなく、iDeCoへの加入年数によっても受け取り期間は若干異なってきます。
60歳で資産を引き出すには最低10年間は加入歴が必要です。
そのため、早い段階でiDeCoに加入し、積立を行なっている人が大半ですね。
「老後ではなく、他のことにも資産を備えておきたい」という場合はiDeCoの資産をあてにせず、別個で資産形成を行なった方が良いでしょう。
②iDeCoは基本的に途中で止めることができない
iDeCoは基本的に途中で止めることができません。
中途でiDeCoを脱退することは不可能ではありませんが、その条件はかなり厳しいものとなっています。
- 年金の全額・一部免除、納付の猶予がある
- 確定拠出年金において障害給付金受給権者に該当しない
- 通算拠出期間が3年以下、もしくは資産額が25万円以下
- 企業型確定拠出年金・個人型確定拠出年金の加入者資格の喪失から2年以内
- 企業型確定拠出年金で脱退一時金をもらっていない
上記の条件を全て満たしている場合のみ、脱退することが可能です。
経済的にも困窮していなければ、年金の全額免除や一部免除になることはまずないでしょう。これだけでも条件の厳しさがわかるかと思います。
「毎月積み立てていくのが厳しい」ということであれば手続きを行い、加入者から運用指示者に変更すれば積み立てはストップできます。
残額で運用する形になりますが、管理料が毎月少しずつ差し引かれることには注意しましょう。
③低所得者はiDeCoの掛け金全額所得控除が受けられない
掛け金の全額所得控除は確かにメリットのひとつでしたが、低所得者の場合はどうでしょうか。
所得控除は課税対象の所得額を減らすことができるものでした。
つまり、所得控除自体が税金を減額してくれるわけではありません。
こうした控除の恩恵を多く受けられるのは、高所得者の方と言えます。
もちろん、掛け金も上限額まで積むことができるので、それだけ所得控除を受けることも可能です。
低所得の人はそれだけ掛け金に余裕を持って積み立てることも困難な場合があるため、所得控除の恩恵を受けにくい面があります。
特にiDeCo加入資格を持つ第3号加入者、例えば専業主婦(夫)や学生などは所得控除のメリットが薄いです。
低所得者はやめとけと言われるのもわかりますね。
④iDeCoは元本割れする恐れがある
iDeCoでの運用は元本割れのリスクがあることには注意が必要です。
自分で運用商品を決めて運用していきますが、その中には投資信託や債券などの投資商品が含まれています。
当然、投資商品に至っては定期預金などと違い、運用次第では大きなリターンが見込めます。しかし、この逆も然りですよね。
コツコツ積み立てた資産が運用商品の値下がりにより一気に減額されてしまうことも考えておかなければなりません。
当然ながら元本保証された定期預金だけでは「大きな利益をあげよう!」という期待はできません。
リスクやリターンを考えながら、投資商品を含めた運用を心がける必要があります。
⑤iDeCoの運用商品によっては為替リスクがある
投資商品による元本割れを引き起こす理由の1つに為替リスクがあります。
為替リスクは為替相場が際限なく変動を繰り返すことによって運用商品に影響を与えることです。
投資商品には債券と株式がありますが、一般的に株式の方がより為替の影響を受けやすいです。
運用商品のバランスによっては為替リスクひとつで資産が増減することになります。
⑥iDeCoは手数料や維持費がかかってしまう
iDeCoでは掛け金の支払いや商品の運用などさまざまな手数料が発生します。
具体的に手数料と呼ばれるものは以下の通りです。
手数料 | 金額 |
---|---|
加入時 (初回のみ) | 2,829円 |
運用時 (積み立て時) | 171円 |
運用時 (積み立てなし) | 66円 |
運用管理手数料 | 証券会社ごとで異なる |
移行時 (退職や転職) | 4,400円 |
受取時 (振り込みの都度) | 440円 |
運用管理手数料はiDeCoを取り扱う運用管理会社ごとに違った設定を行なっています。
iDeCoを開始して積立を続けていく中で発生する手数料は、運用管理手数料と運用時の171円の2つですね。
それだけではなく、運用商品を購入する際も商品ごとに手数料が発生してきます。
思いのほか、手数料がかかっていることは念頭においておきましょう。
⑦iDeCoは手続きに面倒なものがある
iDeCoを敬遠する人の中には加入手続きを面倒に感じる人も多いです。
iDeCo加入時には以下の流れで手続きを行う必要があります。
- 窓口となる金融機関で資料請求、ネット上での申し込み
- 送られてきた書類に、自身の情報や口座情報などを記載
- 身分証明書等を添付し、各種書類と一緒に返送
- 加入手続きが完了すると、ID・パスワードが記載されたハガキが郵送される
- 掛金の引き落としが開始し、積み立てが始まる
提出書類自体のわかりにくさもiDeCoでは問題視される原因となっています。
また、企業型のiDeCoを登録する場合は「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」という書類の提出が必要です。
勤務先に提出し必要事項を記載してもらわなければなりません。
こうした勤務先とのやり取りも時間がかかりますし、手間と感じるため加入をやめてしまう人もいるのです。
⑧iDeCoは投資であるから知識を必要とする
投資経験がない場合は多すぎる運用商品の中から自分に合った商品を見つけることが困難です。
ただ、金融機関や運用会社から送られてきた資料を読んだとしても、それだけで商品を選択しようとはなかなか決断できないですよね。
また、運用商品の特徴などを把握する中で億劫になってしまい、途中で挫折してしまう人も少なからずいます。
公的年金の先行きが不安な今だからこそ、自分の資産は自分で積み立てていくことが大切です。
どうしても判断に困る場合はプロの力を借りるなどして、運用商品を選択していきましょう。
⑨iDeCoの受け取り方法よって課税される額が変わる
年金で受け取る場合は雑所得、一時金では退職所得の扱いがされることはお伝えしました。
それぞれの違いを見ていきましょう。
年金の場合
年金として資産を受け取る場合は、公的年金と合算して考える必要があります。
課税に関しては年齢によって金額が異なり、65歳未満であれば年間で70万円までは非課税となります。
65歳以上になると年間120万円までが非課税の対象となります。
もちろん、非課税枠を超えると、超えた金額に対して課税する形です。
一時金の場合
一時金は退職所得としての扱いができますので、退職所得控除を受けることができます。
iDeCoでの加入年数が20年を境に計算方法が異なってきます。
加入年数 | 計算式 |
---|---|
20年未満 | 40万円×加入年数 |
20年以上 | 800万円+70万円×(加入年数-20年) |
加入年数が20年を超えると、計算式も複雑なものとなっていますね。
加入年数が30年を例に計算してみましょう。
800万円+70万円×(30-20)= 1500万円
つまり、非課税の対象となるのは1500万円の受け取りまでになります。
仮に退職金を同時期に受け取っているのであれば、一時金とは別々でなく合算して考える必要があるので注意しましょう。
⑩定期預金だと手数料負けしてしまう恐れがある
元本確保型商品である定期預金はリスクの少なさが魅力ですが、大きなリターンは期待できない商品です。
もちろん定期預金を運用してる場合でも、さまざまな手数料を差し引かれることになります。
定期預金の利息が手数料を上回ることができず手数料負けしてしまうケースも。
加入時の手数料として2,829円とマイナスのスタートから定期預金だけで回収していこうと考えるのは、無謀とも言えますね。
何十年かかるかわかったものではありません。
手数料負けを考慮しても、ある程度投資商品に手をつけておかなければトータルでマイナスの状況は覆せないでしょう。
「20・30代はiDeCoやめとけ!」【その理由について解説】
早い年代からの積み立ては一見メリットもあるように感じますが、やめとけという声があるのも事実です。
一体どんな理由からそんな声が上がっているのでしょうか。
最もお金を使うのは40・50代である
40代・50代になると生活環境によっては多額のお金が必要になってきます。
- 子どものための教育費
- マイホームの住宅ローン
特に結婚して子どもが増えると、教育費のやりくりは大変になってきます。
子どもが大学へ進学すれば入学費用や授業料なども家計に大きくのしかかってくるでしょう。
20、30代でも出費は多いですが、40、50代になると子どもも成長するため、必要な資金もその分だけ増えてきます。
早い段階からiDeCoで積立を行なっていれば、後々経済的に負担が増えて「必要な時期に必要な分だけの資金がない」という可能性も出てくるのです。
iDeCoは生活が安定した頃に始めるのがベスト
iDeCoで老後の積み立てを行うことは大切ですが、優先しないといけないのは当然現在の生活ですよね。
十分な収入を得られ、安定した生活を送れるようになったらiDeCoを始めてみることを検討してもよいでしょう。
iDeCoでの資産の受け取りには最低10年間の運用が必要です。
そのため50歳手前からでも十分老後の資産形成には間に合います。
ただし、20代・30代からと早めの段階から積み立てをスタートしている場合と違って、掛け金を上限近くまで設定しておかなければ60歳以降のリターンも少なくなってしまうことには注意です。
iDeCoをおすすめする人・iDeCoをおすすめしない人
今からiDeCoを始めてみたいという人も多いでしょう。
具体的にiDeCoに向いているのはどのような人なのでしょうか。
その反対に向いてない人の特徴もあわせて見ていきましょう。
iDeCoをおすすめする人の特徴について
iDeCoでの資産形成をおすすめするのは以下のような人です。
- 経済的に安定している人
- 納税額が比較的多い人
- 退職金や年金などの受取額が少ない人
経済的な余裕があれば、その分上限近くまで掛け金を設定することができます。
さらに、掛け金は所得控除になりますので、税制優遇メリットによる恩恵が大きいですよね。
退職金、年金の受取額が少なければ、iDeCoの資産と合算した際に非課税枠を広げることができます。
基本的に「高収入な人」がiDeCoに向いていると言えます。
iDeCoをおすすめしない人の特徴について
iDeCoをおすすめできないのは以下のような人です。
- 経済的に安定していない人
- 納税額が少ない人
- 退職金や年金受取額が多い人
- 元本割れのリスクが許容できない人
経済的に安定していなければ、毎月の拠出も家計に重くのしかかってきます。
将来のための積み立てが今の生活に悪影響を及ぼしていては本末転倒です。
また、iDeCoで資産運用していく場合はある程度のリスクを許容する必要があります。
投資信託や債券などの資産配分バランスによっては元本割れのリスクがついてくるものです。そうしたリスクを許容できない場合はおすすめできません。
単に老後の資産を貯めることだけを目的とするならば、元本が確保された定期預金で、少ない積立から始めてみるのもよいでしょう。
iDeCo運用で負けパターンに陥らないための方法まとめ
DeCoを運用する期間中は資産がマイナスになってしまうことも考えられます。
資産を運用する中、こうした負けを回避する必要がありますが、果たして可能なのでしょうか。
iDeCo積み立て投資で知っておくべき原則について
これからiDeCoで積み立てを行なっていくのであれば、積み立て投資についての原則を抑えておきましょう。
原則を知っていれば、少なくとも大きな損失を回避することができますよ。
積み立て投資の原則は以下の通りです。
- ドルコスト平均法を利用する
- 積み立て期間の値下がりは前半か後半かを見分ける
ドルコスト平均法を利用する
ドルコスト平均法とは毎月一定の金額を投資することで価格が安いときに多く買い付け、価格が高い時に少なく買い付けるといった購入価格を平均化する手法です。
「安い時に多く買い付け、高い時に少なく買い付け」は投資の基本でもあります。
これとは逆の買い方をするより積立額が増えていきますから、リターンも大きく目指すことができます。毎月の価格を一定額にすることがポイントです。
積み立て期間の値下がりは前半か後半かを見分ける
iDeCoでの長い積み立て期間の間には運用している商品の値段が大きく上下することも考えられます。
当然、損失を抱えている期間もあれば、利益を出している期間もあるわけです。
積み立て期間の前半に大きな値下がりがくれば、今後値上がりしていく可能性もまだ残っています。
損失を抱えている状態は非常にヒヤヒヤするものですね。精神的にも負担をかけながら見守っていくことになります。
では、値下がりが後半に来た場合はどうでしょうか。
積み立て期間の後半となると積立の終了も近いことになりますから、終了した段階で資産が減っている可能性が出てきます。
せっかく長期間積み立てし続けたのに資産が減っているのでは、老後も安心して過ごせません。
値上がり、値下がりによっては運用商品の売却を検討する必要に迫られることもあるのです。
iDeCoはスイッチングによって利益を確定させよう
運用によって利益が出ているにもかかわらず、そのまま放置をしていればいずれは利益が減り、損失に転じてしまう可能性もあります。
そんな場合はただ傍観しているのではなく、運用している商品をスイッチングしてあげる必要があります。
スイッチングとは運用している商品の構成を変更することです。
利益をあげている商品があり「この利益を確保したい!」と思った場合は、利益分を売却して元本確保型商品を購入すれば利益を確定させることができます。
つまり、iDeCoでいうスイッチングとは利益を確定させるための手法です。
利益確定は自分の中でルールを作っておくのがおすすめです。
元本に対して10%の利益など元本に対してのパーセンテージで判断してもよいでしょう。
利益を確定させるためには当然運用状況のチェックは欠かせません。
頻回でなくとも、1ヶ月に1度の頻度で運用状況を確認していきましょう。
iDeCoには隠れたメリットもある!【2つのメリット解説】
iDeCoには表立ったメリットの他にも、実はあまり知られていない隠れたメリットも存在します。
- 自己破産してもiDeCoで積み立てたお金は無くならない
- 万が一に備えた生命保険の代わりになる
①自己破産してもiDeCoで積み立てたお金は無くならない
仮にiDeCo加入者が自己破産してしまったとしても、iDeCoで積み立てた資産は無くなりません。
老後のための資産ですから、例え自己破産でも手をつけられないということですね。
基本的に自己破産をしてしまった場合は、財産として認められる株や投資信託などの商品は全て換金されてしまいます。
当然、貯金も合わせて没収されることになるので、通常の投資信託や定期預金で老後の資産を貯めていた人にとっては大打撃です。
iDeCoで積み立てた資産に関してはしっかり守られるので、万が一にも備えられる年金制度です。
②万が一に備えた生命保険の代わりになる
iDeCoでは加入者に万一のことがあった場合に60歳に満たなくても資産を受け取ることができます。
例えば、加入者が60歳で亡くなった場合、積み立てたiDeCoの資産を遺族が受け取れます。
つまり、iDeCoは生命保険の代わりになっているということですね。
生命保険と異なるのは受取人の指定です。
生命保険では受取人は指定できますが、iDeCoでは受け取れる遺族の順位が法律で定められています。
老後の資産としての面でなく、生命保険としての面もあるのがiDeCoの魅力です。
企業型確定拠出年金を利用する場合のデメリットを解説
企業型のiDeCoは何かと縛りが多く、それをデメリットに感じる人も多いです。
ここでは企業型iDeCoのデメリットについて見ていきます。
企業型確定拠出年金を利用するメリットは以下の通りです。
- 金融機関を選ぶことができない
- 退職後6ヶ月以内に移換手続きしないと面倒である
①金融機関を選ぶことができない
自身の勤め先で企業型のiDeCoに加入する場合は、自身で金融機関を選択することができません。
勤め先である会社が提携する金融機関を事前に登録しているからですね。
会社が導入している場合は、信託報酬などの手数料が高い投資商品がラインナップされている金融機関が多い傾向にあります。
そのため、金融機関を自分で選択できないと手数料が余計かさんでしまうデメリットが考えられます。
②退職後6ヶ月以内に移換手続きしないと面倒である
企業型のiDeCoに加入している場合は転職、退職時に気をつけましょう。
転職、退職をした場合は6ヶ月以内で個人型iDeCoへ移管手続きを行う必要があります。
仮に6ヶ月を過ぎても移管手続きを行わない場合は、自動移管という形で投資商品が換金され、国民年金基金連合会へ資産が流れてしまいます。
自動移管されてしまうと、
- 資産の運用ができなくなる
- 手数料は継続してかかるので資産が減る
- 加入者期間の対象にならないため、受け取り時期が遅れる
- 退職所得控除が減るので受け取りする時の税金が増す
その際にかかる自動移管手数料も4,269円と、決して安くない金額です。
コツコツと貯めてきたお金を没収される形になるので、早めの移管手続きが必要です。
企業型確定拠出年金の2つの強みを確認しよう
企業型はデメリットばかりではありません。独自の強みを2つ持っています。
- 分配変更
- スイッチング
企業型確定拠出年金の強み①分配変更
分配変更とは、運用商品のバランスを毎月変更することです。
そうすることで投資対象を複数に分けることができるため、リスクを分散させることができます。
例えば、自身の年代ごとに運用商品を変更するという方法があります。
- 40代・・・株式をメインとした投資信託を中心にリスクをとった運用
- 50代・・・債券や定期預金などをメインとしてリスクを下げた運用
50代から資産を増やしていくことも可能ですが、今後値下がりする可能性を考えるとあまり冒険はできませんよね。
安定的に運用するために元本確保型に切り替えるなど、分配変更ができることも企業型での強みです。
企業型確定拠出年金の強み②スイッチング
スイッチングは商品の構成を変更する点では分配変更と一緒です。
しかし、こちらはさらに思い切って配分を変えるのが特徴。
積み立ててきた資産が利益を上げれば、その利益分を元本確保型商品に移し替えることで確実に利益をものにしていきます。
例えば、これまで株式投資のみで資産を運用してきて、だいぶ利益も積み上がっている場合。
50代になった時に半分を定期預金に移して利益確定して、その他はリスクの小さな国内債券に変更するといった考え方も可能ですね。
iDeCoの特徴でもあるスイッチングはしっかりとタイミングを見計らって行うことがポイントです。
iDeCoに関する不安はマネーキャリアの無料相談サービスで解決!
ここまでiDeCoのデメリットなどについて詳細に解説してきました。
とはいえ、
このような悩みを抱える方は多いでしょう。
結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
FPはiDeCoだけではなく、様々な金融商品を比較検討しながら、相談者の資産状況や家計の状況に合わせて最適な提案をすることができます。
特に、マネーキャリアの無料FP相談サービスは3,000名のFPと提携している日本最大級のFP相談サービスです。
マネーキャリアの無料FP相談サービスでは、スマホ一つで保険の悩みやお金に関する悩みをすべて解決できます。
相談の予約はすべてLINE上で完結し、相談もZOOMなどを用いたオンラインの相談が可能だからです(もちろん対面も可能)。
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まとめ:iDeCoはやめとけと言われる理由とiDeCoをうまく活用する方法
iDeCoがやめとけと言われる理由や活用方法などを解説しました。
確かに、税金は受け取り時まで保留という考え方もできますね。やめとけと言われるのも無理はありません。
それでも、老後の資産を貯蓄する目的で満足できれば、iDeCoのメリットを受けることがなくても加入する人も少なくはないでしょう。
今回のまとめとして…
- iDeCoがやめとけと言われる大きな理由は「課税の繰り延べ」であるから
- 自分で運用商品を選択できたり、税制的な優遇があるなどのメリットがある
- 元本割れのリスクや加入手続きの難しさなどデメリットに感じる部分も多い
- iDeCoがおすすめなのは納税にも余裕のある高所得者
- iDeCoがおすすめできないのは毎月の掛け金が負担になるような低所得者
- iDeCoの資産は万が一の時には生命保険代わりとなる
- ドルコスト平均法やスイッチングでリスクを少なく、利益を確定させる
ある程度生活に余裕がある人にとっては、iDeCoの税制優遇も大きなメリットになります。
しかし、現在の生活が思うようにいっていないのなら、生活が安定してからでもiDeCoの加入は遅くありませんよ!
まずは「やめとけ」という声を鵜呑みにせず、自分の生活状況を見て加入を判断してみましょう。
マネーキャリアでは、他にも読んで頂きたい記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。