ideco(イデコ)の相続方法や税、死亡一時金や相続対策について徹底解説のサムネイル画像

▼この記事を読んで欲しい人 

  • iDeCoをはじめようとしている人
  • iDeCoで加入者が死亡したときのことを知りたい人
  • iDeCoの相続対策をしたい人

▼この記事を読んでわかること

  • iDeCoで加入者が死亡した場合
  • iDeCoの死亡一時金の請求手続き
  • iDeCoの相続のために今からできること
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内容をまとめると

  • iDeCoの「死亡一時金」は相続財産として扱われる
  • iDeCoは60歳未満で積立金を受け取れるケースは3つ
  • iDeCo相続のために相続順位を確認しておく必要がある
  • 今の時代年収資産運用や積み立てをしていないと将来お金に困ることになる
  • 資産運用や積み立てに関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
  • FP相談で迷ったらマネーキャリアがおすすめ

「加入者死亡時のイデコの相続が不安」「idecoの相続税の仕組みを知りたい」このような悩みを持つ方は多いでしょう。そこで本記事ではideco(確定拠出年金)の死亡一時金受取人の順位や相続税、相続対策について徹底解説します。ぜひ最後までご覧ください。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

ideco(イデコ、個人型確定拠出年金)の相続

こんにちは、マネーキャリア編集部です。 


先日、60代男性からこんな質問をいただきました。

せっかくiDeCoに加入しても途中で亡くなったとしたら、iDeCoはどうなるのでしょうか。

iDeCoは60歳まで掛金を拠出する制度で、60歳になるまでは積立金を受け取れません。


そのため、60歳になる前に亡くなった場合、iDeCoの積立金が受け取れなくなってしまうのではという不安をお持ちの方がいるでしょう。


そこで、この記事ではiDeCoの相続の方法を中心に、

  • idecoの相続、60歳未満で積立金を受け取れる3ケースとは?
  • idecoの相続人、60歳より前に死亡した場合はどうしたらいい?
  • idecoの相続、死亡一時金の請求手続きまとめ
  • idecoの相続税は支給決定時期によって変わる!相続財産になる?
  • idecoの相続、「障害給付」の場合は?
  • idecoの相続のために今からできること2選!
について解説したいと思います。

idecoの相続、60歳未満で積立金を受け取れる3ケース

結論から申し上げますと、iDeCoは60歳未満でも相続でき、積立金を受け取れます。


ただし、いくつかの条件があり、

  1. 加入者が死亡した場合
  2. 加入者が高度障がい者となった場合
  3. 脱退一時金
のような条件を満たした場合に限ります。

ここからはそれぞれの条件を詳しく解説します。

①加入者が死亡した場合

まず一つ目の条件は、加入者が死亡した場合です。


相続する理由としては、これが最も可能性の高いのではないでしょうか。


加入者が死亡した場合には、現在運用していた商品がすべて現金化され、相応の手数料がい差し引かれたうえで、積立金が「死亡一時金」として返ってきます。


「死亡一時金」は相続財産にあたるため、手続きにあたってはいくつかの書類が必要となりますが、それは後で詳説します。


死亡一時金」の受け取り方法は、「一括」のみです。

②加入者が高度障がい者となった場合

二つ目の条件は、加入者が高度障がい者となった場合です。


高度障がいとは、病気やけがによって、身体機能が著しく損傷した状態を指します。


詳しく言えば、

  1. 障害基礎年金の受給者であること(1級および2級)
  2. 身体障害者手帳(1級~3級)の交付を受けている
  3. 療育手帳(最重度、重度)の交付を受けている
  4. 精神保健福祉手帳(1級および2級)の交付を受けている
場合のことを指します。

高度障がい者になった場合、加入年数に関係なくただちに「障害給付金」の支給が受けられます。


「障害給付金」の受け取り方法は、

  1. 年金受け取り
  2. 一時金受け取り
  3. 年金受け取りと一時金受け取りの組み合わせ
3つのうちから選択できます。

③脱退一時金

三つ目の条件は、iDeCoを脱退した場合です。


常識的に考えると、60歳まで引き出しできない制度にもかかわらず、それ以前に脱退した場合、ほとんどもらえなないように思うかもしれません。


しかし、iDeCoに関しては、条件を満たせば、中途解約にもかかわらず「脱退一時金」として給付金をもらえます


その条件は、複雑なので以下の表を参照してください。


2017年1月以降に
資格喪失した方
2016年12月までに
資格喪失した方
条件①年金資産が15,000円以下で、次の要件をすべて満たしていること。
  1. 企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金のいずれかの加入者、運用指図者でないこと。
  2. 加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して6カ月を経過してないこと。
年金資産が15,000円以下で、次の要件をすべて満たしていること。
  1. 企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金のいずれかの加入者、運用指図者でないこと。
  2. 加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して6カ月を経過してないこと。
条件②
次の要件をすべて満たしていること。
  1. 国民年金保険料免除(納付猶予)者であること。
  2. 障害給付金の受給権者でないこと。
  3. 通算拠出期間が5年以下、または年金資産が25万円以下であること。
  4. 加入者資格を喪失してから2年以内であること。
次の要件をすべて満たしていること。
  1. 個人型確定拠出年金の加入者となる資格があること。
  2. 継続個人型年金運用指図者
    (企業型確定拠出年金の加入者資格喪失後、企業型確定拠出年金の運用指図者または個人型確定拠出年金の加入者となることなく個人型確定拠出年金の運用指図者となった者で、その申し出をした日から起算して2年を経過している者)
    であること。
  3. 障害給付金の受給権者でないこと。
  4. 通算拠出期間が1カ月以上3年以下であること、または年金資産が25万円以下であること。
  5. 継続個人型年金運用指図者となった日から2年を経過していないこと。
  6. 年金資産が15,000円以下の場合の脱退一時金を受け取っていないこと。


対象者は、iDeCoの加入資格を喪失してすぐで、年金資産がほとんどない人と、かなり限定的です。


これほどまでに限定的な条件①、条件②ともに満たしている場合に限り、脱退一時金を受け取ることができます。

【相続人】idecoの相続人、60歳より前に死亡した場合

先ほどお伝えしたように、「死亡一時金」は相続財産として扱われます。


そのため、誰が相続するのかを決めるための手続きが必要になります。


ここからはそこのあたりを中心に、

  • 死亡一時金の受け取り順位
  • 資産受取人を指定できる
  • 60歳以降に死亡した場合も遺族が受け取れる
について解説したいと思います。

死亡一時金の受け取り順位

相続という以上、受取の優先順位が定めれらています。


ただし注意したいのが、遺産」を相続する場合の優先順位とは異なるということです。


そこでここからは、「死亡一時金」と「遺産」のそれぞれの相続の優先順位を比較したいと思います。


死亡一時金遺産
優先順位

  1. 配偶者
  2. 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹のうち、
    死亡した者の収入により生計を維持されていた者
  3. 前二号に掲げる者以外の、死亡した者の収入により生計を維持されていた者
  4. 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹のうち
    上記3.に該当しない者
  1. 配偶者
  2. 子または孫
  3. 父母
  4. 兄弟姉妹

一番目の配偶者までは同じですが、二番目以降が大きく異なります。

「死亡一時金」では、死亡者との血のつながりよりも、死亡者との関係が重要視されます。

死亡者の収入で生計を維持していたかどうか」によって、優先順位が変動することを覚えておいてください。

資産受取人を指定できる

先ほどの表では、最も優先されるのは「配偶者」としました。


ただ、それはあくまで基本的なもので、実際にはそれよりも優先される人物がいます。


それは、死亡者が「受取人」として指定していた人物です。


ただ、全くの赤の他人を指定することはできず、「配偶者や子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹および事実婚のパートナー」が対象となっています。


そして受取人を指定するには、生前に手続きをしておく必要があります。

60歳以降に死亡した場合も遺族が受け取れる

60歳以降に死亡した場合でも、一時金や年金を受け取っていなければ通常通り相続されます。


ではすでに少しでも給付金を受け取っていた場合にはどうなるでしょうか。


その場合でも、残りの金額を相続されます。


ただし、年金で受け取っていた場合、給付はそこでストップし、そのまま一時金として相続されることになります。


つまり、年金給付が相続後に継続されることはないということです。

【手続き】idecoの相続、死亡一時金の請求手続きまとめ

ここからは死亡一時金を受け取るまでの流れについて解説します。


まず「死亡一時金」の受け取りは、すぐに実行できるわけでないことに注意してください。


受取には請求手続きが必要となります。


具体的な方法については、この後に、

  • 加入者死亡の手続き
  • 請求に必要な書類
に分けて紹介したいと思います。

加入者死亡の手続き

死亡一時金を請求する手続きは、

  1. 死亡者のiDeCo口座のある金融機関や保険会社に連絡後、手続きに関連する案内を取り寄せる。
  2. 戸籍謄本等の必要な書類を準備する。
  3. 裁定請求書等に記入の上、戸籍等の必要書類と一緒に提出する。
  4. 1~2か月程度で受取人の口座に入金されて手続き完了。
です。

二つ目のステップで必要になる書類については、次の見出しで解説します。

三つ目の「裁定請求書」とは、金融機関等が発行する所定の書類のことで、iDeCo口座のある金融機関から取り寄せます。

書き方が分からない場合は、リンクを参考にしてください。

請求に必要な書類

死亡一時金を請求するのに必要な書類は、

  1. 裁定請求書
  2. 死亡者との関係等が分かる戸籍謄本等
  3. 受取人の印鑑証明書
  4. マイナンバーが確認できる書類
です。

二つ目の戸籍謄本等に関しては、誰が相続するかによって枚数は変わります

例えば、孫が相続するのであれば、自分よりも上の優先順位の者の死亡証明書が追加で必要になるので、死亡者と子(孫からすれば親)の戸籍謄本に加え、子の死亡が確認できる書類も必要となるのです。

【相続税】idecoの相続税は支給決定時期によって変わる!相続財産になる?

ここまではiDeCoの相続方法について見てきました。


60歳にならなくても、iDeCoを相続できることが確認できました。


ただし、相続という以上、相続税がかかっていまうのではと思われる方もいるのではないでしょうか。


そこでここからは、iDeCoは相続税がかかるのかについて、

  • 死亡日から3年以内は相続税の対象
  • 死亡日から3年経過で一時所得扱い
  • 死亡日から5年経過で遺産分割の対象
の順に解説したいと思います。

死亡日から3年以内は相続税の対象

まず、死亡日から3年以内相続税の対象になります。


ただこの期間においては特例で「みなし相続財産」とされ、一人500万円まで非課税枠が設けられています


そのため、人数が多ければ多いほど非課税枠が拡大することになります。


例えば、相続人数が三人の場合、1500万円が非課税枠になります。


そして死亡一時金が1000万円の場合、非課税枠が一時金を上回ることになるので、相続税は課税されず、1000万円をそのまま受け取れます。


このように、非課税枠をうまく活用して、相続税の課税をなくすことがおすすめです。

死亡日から3年経過で一時所得扱い

そして、死亡日から3年以上になると、死亡一時金は一時所得として扱われるようになります。


一時所得は以下の計算式で算出できます。

一時所得の金額=総収入金額ー収入を得るための支出金額ー特別控除額(最大50万円)

この一時所得の金額を2分の1にして、他の所得と合算して総合課税されます。


ただし注意が必要なのは、この時点ではすでに死亡一時金は「みなし相続財産」ではないので、非課税枠がありません


一時金の全額に相続税が課税されるようになるのです。

死亡日から5年経過で遺産分割の対象

最後に、死亡日から5年以上になると、遺産分割の対象となります。


遺産分割とは、優先順位に関わらず、遺族同士で相談して遺産を分割することです。


死亡から5年以上たったことで、相続する人がいないものとみなされ、遺産分割されるようになるのです。


こうなると、死亡一時金として受け取ることはできず、優先順位も関係なくなります。


そこからさらに放置していると、法務局に供託され、取り返しにくくなってしまいます。


よほどのことがない限り、避けた方が無難です。

idecoの相続、「障害給付」の場合は?

障害給付では、

  1. 年金受取
  2. 一時金受け取り
  3. 年金受取と一時金受け取りのくみあわせ
の受け取り方法があることは先にお伝えしました。

ここでは一つ一つ解説したいと思います。

①年金受取

一つ目の受け取り方法は、年金受取です。


相続するのにもかかわらず、年金として受け取ることはあまりないでしょう。


それでもメリットはあって、

  • 公的年金と合算すればめどが立ちやすい
ということがあります。

受取主が公的年金を受けているなら、それに合算して受け取る使い方もいいでしょう。


なぜなら、障害給付の年金受け取りは非課税なので、公的年金の控除枠をつぶすことにならず、気にせず受け取れるためです。


こうしたことから、すでに公的年金を受けている人は年金受取もおすすめです。

②一時金受け取り

二つ目の受け取り方法は、一時金受取です。


大多数の方がこの方法を選択するでしょう。


メリットは、

  • 一時金を様々な用途に用いることができる
  • 一度に受け取れて安心
ということがあります。

障害給付ということは、加入者の通院費や介護費などが必要になっているでしょう。


かなりの額がかかってしまうことが予想されるので、この一時金をそれに充てる使い方がおすすめです。

③年金受取と一時金受け取りのくみあわせ

三つ目の受け取り方法は、年金受取と一時金受け取りのくみあわせです。


部分的に年金受取にしながら、一時金を受け取れる仕組みになっています。


メリットは、

  • 一時金を様々な用途に用いることができる
  • 余分なお金の使いすぎを防げる
ということがあります。

一時金受取のメリットと年金受取のメリットを両方受けられます。

一方では必要経費として用いながら、一方では貯蓄のような使い方が望めます。

バランスよく使いたいという人におすすめです。

【相続対策】idecoの相続のために今からできること

最後に、iDeCoを相続するために今からできることを、

  • 一時金の相続順位を確認しておく
  • 家族と確定拠出年金の情報を共有しておく
の2つに分けて紹介したいと思います。

一時金の相続順位を確認しておく

一つ目は一時金の相続順位を確認しておくことです。


自分がどの順位にいるのかを知っておかなければ、いざ相続するとなったときに、相続できなかったということが起きかねません。


特に自分よりも上の順位の人物がいるかどうかは要チェックです。


また、同じ順位に複数人いるかどうかを知っておく必要もあります。


なぜなら複数人いるなら、その分を等分しなくてはいけないからです。


つまり、一人当たりの取り分が少なくなることを意味しています。


以上より、今からできることは、自分の相続順位と、同じ順位に何人いるかを確認することです。

家族と確定拠出年金の情報を共有しておく

二つ目は家族と確定拠出年金の情報を共有しておくことです。


ここでいう情報とは、

  • iDeCoに加入していること
  • 中途解約してお金を引き出せること
  • 早めに引き出さないとお金が帰ってこなくなること
などのことです。

これを家族と共有しておけば、もしものことがあったときにスムーズに行動でき、お金を難なく相続することができます。

もちろん共有する際に、相続人を指定してもいいでしょう。

そうすれば、相続の際に不毛な争いが起きることを防げます。

以上より、今からできることは、加入者が家族にiDeCoのことを知らせておくことです。

まとめ:idecoの相続対策をしておこう

ここまではiDeCoの相続について見てきました。


この記事のポイントは、

  • iDeCoの相続には、「死亡一時金」・「障害給付金」・「脱退一時金」の3ケースがある
  • 加入者が60歳より前に死亡した場合には、優先順位に則って相続される
  • 死亡一時金を受け取るためには、請求が必要!
  • iDeCoの相続は早めに済ませる方がいい!
  • iDeCoの相続が長引けばお金を受け取れなくなることもある!
  • 「障害給付金」は、「年金」・「一時金」・「年金と一時金の組み合わせ」から受け取り方法を選択できる
  • iDeCoの相続するために今からできるのは、「相続順位・人数を確認すること」と「加入者が家族に情報を知らせること」の2つ!
でした。

ここまで読んでいただいた方は、iDeCoの相続について理解していただけたかと思います。

ただ実際相続するとなると、混乱したり迷ったりするものです。

相続で何かお困りのことがあれば、マネーキャリアのオンライン相談サービスを利用するのがおすすめです。

何度でも無料で受け付けていますので、ぜひお役立てください。

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