「イデコの保険商品を迷っている」「老後資金の準備方法として個人年金保険と迷っている」このような悩みを抱える人は多いでしょう。そこで本記事ではiDeCoの商品の種類を紹介、iDeCoと個人年金保険のメリット・デメリットを比較します。ぜひ最後までご覧ください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- iDeCo(個人型確定拠出年金)保険はおすすめ?
- iDeCo(個人型確定拠出年金)商品の種類!保険より投資信託がおすすめ
- 保険(元本確保型)
- 定期預金(元本確保型)
- 投資信託(元本変動型)
- iDeCo(個人型確定拠出年金)商品の選び方
- 運用先の商品は自分で選択
- 商品は元本確保型と投資信託の2種類
- 投資スタイルにも分類がある
- iDeCo(個人型確定拠出年金)購入までの流れを解説
- ①投資する商品を決定
- ②金融機関でiDeCo口座開設
- ③掛け金を商品に振り分け
- ④投資完了
- iDeCoを個人年金保険と比較!違いは?節税効果を狙うならiDeCo
- 想定利回りと60歳時点での金額を比較
- 節税効果を比較
- 万一の時に自由に使えるのか比較
- iDeCoと個人年金保険のメリット・デメリットを比較
- iDeCoのメリット・デメリット
- 個人年金保険のメリット・デメリット
- iDeCoがおすすめな人・そうではない人
- 個人年金保険がおすすめな人・そうではない人
- 老後資金の準備について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
- まとめ:自分に合った老後資金の貯め方を見つけよう
iDeCo(個人型確定拠出年金)保険はおすすめ?
こんにちは。マネーキャリア編集部です。
iDeCoに加入した人の中には、保険商品をどうするかで迷っている人もいるかと思います。
また、同じような年金制度で個人年金保険とどちらに加入するか悩んでいる人もいるでしょう。
自分自身で決めなければならないからこそ、迷ってしまうのは当然です。
今回はiDeCoの保険商品について、
- iDeCoの商品の種類
- iDeCoと個人年金保険の比較
などをメインに解説していきます。
保険商品に迷う方の手助けになれば幸いです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)商品の種類!保険より投資信託がおすすめ
運用できる商品は何十本と種類もさまざまあります。
iDeCoを運用していくならば投資信託を選ぶことがおすすめです。
保険(元本確保型)
iDeCoの保険商品は資産形成をメインとした制度のため、扱われる商品も貯蓄を重視した商品が多いです。
満期まで運用すれば、運用益と元本を併せて受け取れます。
保険商品では貯蓄と保障の2本立てで運用が行えます。
老後のためだけではなく、万が一の時のためにも積み立てることが可能です。
しかし、利回りが低いため大きなリターンは狙えません。
また、中途で解約することも可能ですが、支払った総額よりも受け取り金額が少なくなる元本割れのリスクがあります。
定期預金(元本確保型)
定期預金は購入時に満期や利回りが設定されるため、将来の大まかな受け取り金額がわかり安いのが特徴です。
満期を過ぎれば、利息と元本を併せて受け取れます。
元本が確保されるのでリスクのない運用ができます。
逆に金利はかなり低めですので、資産の増加は期待できません。
また、iDeCoの運用にはさまざまな手数料が発生するので、定期預金単体の運用だと手数料負けしてしまいます。
投資信託(元本変動型)
投資信託は投資のプロが債券や株式などの商品を投資家からお金を集めて運用します。
投資信託には以下のような商品が選択できます。
- 国内株式
- 国内債券
- 外国株式
- 外国債券
投資信託ひとつにしても種類はさまざまあります。
どの商品を運用するかで長期間での運用益には大きく差がつく場合も。
投資信託は為替変動の影響などにより、大きなリターンを期待できます。
逆に為替変動がマイナスに働くと損失のリスクがあるのがデメリットです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)商品の選び方
iDeCoではどのように商品を選んでいくのでしょうか?
ここでは選び方と併せて商品の種類や投資スタイルについて解説します。
運用先の商品は自分で選択
iDeCoでは自分の判断で運用先の商品の選択を行います。
それはiDeCoが「個人での老後の資産形成」を目的としているからです。
公的年金だけでは不安を感じる人も、自分自身で資産形成をしていくことが近年では大切になってきました。
商品ごとの特徴や利回りなど、全てを自分で把握して運用判断をしなければなりません。
商品は元本確保型と投資信託の2種類
先程解説した通り、運用商品には大きく分けて2種類ありました。
元本確保型商品
元本確保型では毎月拠出した掛け金の総額を元本として、その金額が減少しないことを保証しています。
利息や分配金を主なリターンとしていますが、低金利の影響から運用益の増額は期待できません。
リターンはほどほどに確実な積み立てを行いたい場合にオススメできる商品になります。
投資信託
投資信託は株式や債券などを投資のプロがまとめて購入して運用益を狙う商品でしたね。
大きなリターンを狙えるのが魅力の商品です。外国株の方がリターンが大きい傾向にあり、多くの投資家からも人気のある商品が揃っています。
しかし、為替変動のリスクにはもちろん注意したいところです。リターンを求めたい場合にオススメできる商品になります。
投資スタイルにも分類がある
「安定した運用がしたい!」
「リターンを積極的に狙いたい!」
資産を運用していく中では、投資に対しての考え方は人それぞれあります。
自身の生活状況や将来の人生設計を考えた時に運用商品を変更したいと思うこともあるはずです。
iDeCoにはその人にあった運用ができるように投資スタイルの分類があります。
具体的には以下の3タイプです。
- 安定型
- 積極型
- バランス型
安定型
安定型では国内債券をメインとした運用を行なっていきます。
リスクを極力減らして運用していきたい人にオススメです。
特に、運用期間が残り短い50代の方は今までの運用益を減らしたくはないですよね。
運用例としては以下の通りです。
- 国内債券40%
- 国内株式15%
- 外国株式15%
- 外国債券15%
- 定期預金15%
積極型
積極型ではリターンの大きい外国株式をメインに運用を行なっていきます。
安定的な運用よりはリターンを大きく狙いたい人にオススメです。
運用商品の特徴をしっかりと把握し、ある程度の投資経験を持っているとリスクも抑えた運用が目指せます。
運用例としては以下の通りです。
- 国内株式30%
- 国内債券5%
- 外国株式40%
- 外国債券15%
- 定期預金10%
バランス型
バランス型はリスクとリターン両方を重視した運用を目指します。
それぞれの運用商品を同じ割合で設定して分散投資を行います。
リターンを狙いたいけど、リスクは抑えたいという人にオススメです。
運用例としては以下の通りです。
- 国内株式20%
- 国内債券20%
- 外国株式20%
- 外国債券20%
- 定期預金20%
iDeCo(個人型確定拠出年金)購入までの流れを解説
自分にあった商品選びが大事なことがわかりましたね。
では、iDeCoでは商品購入までにどんな流れを取るのでしょうか?
①投資する商品を決定
まずは投資したい商品を決めることから始めます。
iDeCoでは金融機関ごとに取り扱う商品のラインナップは異なってきます。
例えば、A商品に魅力を感じて購入を決めたとしても、口座開設した金融機関では取り扱いがないという場合も。
あらかじめ金融機関がどんな商品を扱っているかの情報収集は必要になりますね。
また、商品自体もそれぞれ特徴があるのでこちらも合わせて情報収集すると良いでしょう。
自身が運用したいと思える商品があれば、その商品を取り扱う金融機関で口座開設を行なっていきます。
②金融機関でiDeCo口座開設
次に口座開設です。
口座開設は以下のよう流れで進みます。
- 金融機関で資料請求
- 加入申し込み書類の送付
- 国民年金基金連合会の審査
- 口座開設完了
注意しておきたいのは、iDeCoの口座開設は1人1口座のみということです。後から別の金融機関で2つめの口座の開設はできません。
iDeCoを取り扱う金融機関は年々増えており、特徴やサービスなどそれぞれ独自の強みを持っています。
そうした強みなども金融機関を選択する際の材料にしてみましょう。
また、iDeCoでは運用中に幾つかの手数料がかかります。
中でも運用管理手数料はそれぞれ機関ごとに異なってくる場合が多いので、手数料も併せて判断の材料にしましょう。
③掛け金を商品に振り分け
口座開設できたら運用商品への掛け金の振り分けを行なっていきます。
口座開設のお知らせとともに配分指定書という書類が郵送されてきます。
配分指定書は「どの運用商品をどんな割合で掛け金を配分していくか」を決める大事な書類です。
配分はパーセンテージ表記、全商品合わせて100%になるように記載しましょう。
配分指定書を基に毎月の掛け金がそれぞれの商品に分配されます。
④投資完了
配分指定書に記載を行い、返送を行えば手続きが完了です。
自身が配分した通りに掛け金の積み立てを行なっていきます。
運用商品自体は先ほど解説した通り、自身の投資スタイルの変更によって売却や購入が可能です。
例えば、A商品の配分を20%に減らしたい場合は、20%分を売却して、その売却した資金を別の商品に充てることができます。
積み立てた資産は60歳以降に受け取りが可能です。
iDeCoを個人年金保険と比較!違いは?節税効果を狙うならiDeCo
個人年金保険とは公的年金などでは老後が不安な人が個人で老後の資産形成を行うことができる年金制度です。
契約時にあらかじめ利率と受取額が決まっており、60歳まで保険料を納めていきます。
これだけ聞けば、iDeCoも似たような仕組みなので「どう違うんだろう?」と疑問に思いますよね。
ここではiDeCoと個人年金保険の違いを比較して見ていきます。
想定利回りと60歳時点での金額を比較
iDeCo | 個人年金保険 | |
---|---|---|
手数料 | 加入時:2,829円 運用中:毎月237円 | なし |
想定利回り | 0% | 0.15% |
受け取り金額 | 約351万円 | 約368万円 |
手数料や利回りを考慮しない受け取り金額は
10,000×12×30=360万円
iDeCoでは利回りが0%の分、最終的に受けれる金額の増減がありません。
しかし、加入時や運用時の手数料を考慮すると、結果としては本来よりも少ない金額での受け取りに。
個人型年金保険は手数料がかからないので、0.15%の利回りを考慮した約368万円になりました。
iDeCoでは投資信託を運用できるのでその例も見てみましょう。
仮に投資信託を運用して、利回りが2%の時
iDeCo | |
---|---|
手数料 | 加入時:2,829円
運用中:毎月237円 |
想定利回り | 2% |
受け取り金額 | 約491万円 |
想定利回り2%でもプラス130万円ほどとかなりの利益を得ることができますね。
もちろん、利回りは常に変動していますが、投資信託を運用すれば個人型年金よりも大きなリターンを狙えます。
節税効果を比較
iDeCo | 個人年金保険 | |
---|---|---|
30年後の受取額 | 約351万円 | 約368万円 |
積立中の節税効果 | 所得税と住民税: 年間240,000×10%=24,000円 30年間では… 48,000×30=144万円 | 所得税:
年間40,000円×10%=4,000円
住民税: 年間28,000円×10%=2,800円 30年間では… 6,800×30=20.4万円 |
30年間での節税額はiDeCoが約144万円、個人年金保険が20.4万円と約7倍もの差がついているのがわかります。
個人年金保険は保険料の一部を生命保険控除にできますので、ある程度は節税の効果が得られています。
iDeCoは掛け金の全額所得控除のため、個人年金保険以上の節税効果です。
万一の時に自由に使えるのか比較
iDeCo | 個人年金保険 | |
---|---|---|
中途解約 | 原則解約不可 | 中途解約可能 |
資産の引き出し | 60歳までひきだせない | すぐに引き出せる |
このことからも個人年金保険の方が資産の流動性が高いことがわかります。
しかし、双方とも老後の資産形成のための制度です。もしものための資産は別で貯蓄しておいた方がいいでしょう。
iDeCoと個人年金保険のメリット・デメリットを比較
iDeCoと個人年金保険の違いを見るならメリット・デメリットに注目です。
iDeCoのメリット・デメリット
まずはiDeCoのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
iDeCoのメリット
- 掛け金は全額所得控除の対象になる
- 運用による利益が全額非課税
- 運用次第で大きなリターンが見込める
iDeCoでは掛け金が全額所得控除の対象になるため節税効果が高いのが魅力ですね。
また運用益は非課税対象です。一般口座での運用益にかかる20.315%の税率は決して低いものではありません。
さらに、自分で商品を選んで運用ができるので、選び方次第ではさらにリターンを見込める可能性があります。
iDeCoのデメリット
- 解約がほぼ不可能
- 運用商品を自分で選択する
- 加入期間の制限がある
中途解約は条件的にも非常に厳しいため、ほぼ不可能と思ってもいいでしょう。資金の流動性はかなり低いです。
また、ある程度投資経験がなければ、初心者にはなかなか運用商品を選ぶのも難しいという側面もあります。
個人年金保険のメリット・デメリット
次に個人年金保険のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
個人型年金保険のメリット
- 中途解約は自由
- 運用は保険会社が行う
- あらかじめ積立期間を設定できる
中途解約が自由に行えるのが強みのひとつですね。
万が一お金が必要になってもすぐに準備ができます。資産の流動性が高い年金制度ですね。
また、運用自体は保険会社が行うため専門的な知識は必要ありません。初心者でも安心して積み立てが行えます。
個人年金保険のデメリット
- 節税の効果が薄い
- インフレには不利な一面も
- 中途解約で元本割れのリスク
資産の流動性は高いですが、節税効果はiDeCoと比べるとかなり劣ってしまいます。
また、インフレリスクにも弱く、インフレが発生すれば受け取り金額が少なくなってしまうことも注意が必要です。
中途解約は自由に行えますが、元本割れしやすいのがネックです。
iDeCoがおすすめな人・そうではない人
メリット・デメリットを踏まえた上でiDeCoが向いている人とそうでない人を見ていきます。
iDeCoがおすすめな人はこちら!
- 高所得の人
- 投資経験のある人
- リスクをとってもリターンを得たい人
高所得の人は貯蓄と節税のメリットを大きく受けられるのでiDeCoに向いているでしょう。
貯蓄が増えるばかりでなく、所得控除も拠出額に比例して多くなりますからね。
また、iDeCoでは投資信託を扱っているのでリターンを求めたい人におすすめです。
iDeCoがおすすめできない人はこちら!
- 低所得の人
- 投資経験の少ない人
- 年齢が60歳に近い人
所得が少ない人にとっては拠出できる金額も少なくなるため、節税のメリットはほとんど受けられないでしょう。
また、運用商品も自分で運用するので、ある程自分で商品の把握をしなければなりません。
こうした作業を手間と感じる場合は向いているとは言えないでしょう。
個人年金保険がおすすめな人・そうではない人
個人年金は資産の流動性が高い自由の効く年金制度でした。
向き不向きはあるのでしょうか?
個人年金保険がおすすめな人はこちら!
- リスクが少なく安定的な運用をしたい人
- 手堅く老後の資産を積み立てたい人
- 投資経験のない人
iDeCoとは違い投資商品を運用しません。老後のために確実に資産を積み上げていきたい人にはおすすめです。
また、運用自体も保険会社が行うので投資経験のない初心者も向いていると言えます。
個人年金保険をおすすめできない人はこちら!
- リターンを求めている人
- 節税効果を求めている人
投資信託で大きなリターンが狙えるiDeCoに比べると、リターンの期待値はかなり低い年金制度です。
手堅く貯蓄していくのではなく、リターンを求めている場合はおすすめできません。
また、節税効果も支払った保険料に対して生命保険控除されまずが、全額ではありません。
一部控除の対象であり、iDeCo程の節税効果を求めるのであれば向いていないと言えます。
老後資金の準備について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
ここまでiDeCoと個人年金保険について詳細に解説してきました。
とはいえ、
このような悩みを抱える方は多いでしょう。
結論から言うと、そのような方はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
FPは、iDeCoや個人年金保険だけではなく、様々な金融商品を比較検討しながら、相談者の資産状況や、家計の状況に合わせて最適な提案をすることができます。
特に、マネーキャリアの無料FP相談サービスは3,000名のFPと提携している日本最大級のFP相談サービスです。
マネーキャリアの無料FP相談サービスでは、スマホ一つで保険の悩みやお金に関する悩みをすべて解決できます。
相談の予約はすべてLINE上で完結し、相談もZOOMなどを用いたオンラインの相談が可能だからです(もちろん対面も可能)。
相談料は何回でも無料で顧客満足度93%の高水準を誇るマネーキャリアの無料FP相談サービスが気になる場合は下記のボタンから詳細を確認しましょう。
まとめ:自分に合った老後資金の貯め方を見つけよう
iDeCoの保険や運用方法などについて解説しました。
さまざまな商品がある中で自分のスタイルを確立して運用をしていく必要がありますね。
今回のまとめとして…
- iDeCoの商品には保険、定期預金、投資信託など様々
- 安定した運用を目指すなら保険と定期預金を選択する
- リスクがあってもリターンを求めるなら投資信託を選択
- iDeCoは掛け金や運用益の非課税など税制にメリットがある
- 60歳まで引き出せない、中途解約ができないデメリットも
- 個人年金保険は中途解約の自由と自分で運用を行わないメリットがある
- 中途解約時の元本割れやリターンを伸ばせないデメリットも
- iDeCoは節税効果が大きく出る高所得の人におすすめ
- 個人年金保険は安定的な積み立て、投資経験のない人におすすめ
老後の人生設計を考えて、 「どのくらいのお金が必要か」 「今の家計状況を圧迫しないか」 なども考慮しながら今後の運用を決めていくことが大切ですね。
マネーキャリアでは、他にも読んで頂きたい記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。