iDeCoで保育料が下がるって聞いたけど本当なの?保育料は所得と比例しており、iDeCoの掛金は所得控除の対象に含まれているのでiDeCoに加入すると保育料が下がるという仕組みです。iDeCoで保育料が下がる時期やいくら下がるかのシミュレーションを掲載中!
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- iDeCoで保育料が下がるって本当?どういう仕組みなの?
- iDeCoの所得控除のおかげで保育料が下がるという仕組み
- ①保育料は所得から計算される住民税の所得割額で決まる
- ②iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象
- ③iDeCoの所得控除により所得割額がおさえられる
- ④所得割額が減るとそれに応じて保育料も下がる仕組み
- 保育料の計算方法について徹底解説!
- ①課税所得(=所得総額ー所得控除)を計算
- ②市区町村民税所得割額(=課税所得×指定の税率)を計算
- ③算出された市区町村民税所得割額をもとに保育料を決定
- 市区町村民税所得割額を確認する方法について解説!
- 保育料の計算方法についての注意点を4つ紹介!
- ①ふるさと納税などの所得控除では保育料が下がらない
- ②保育料は子供の年齢、兄弟の数、保育時間で異なる
- ③市区町村民税所得割額は政令指定都市に住んでいるかで変わる
- ④住民税のうち都道府県民税は保育料の計算に関係ない
- iDeCoで保育料はいくら下がる?共働き夫婦でシミュレーション
- iDeCoで保育料が下がるのはいつから?時期について解説
- iDeCoで保育料が下がらないケースについて解説
- ①保育料を決める階層区分が地域によって異なっている
- ②地方によっては階層区分が細分化されておらず所得割額が減額されない
- 保育料が下がらなくてもiDeCoの加入はおすすめ!理由を紹介
- ①iDeCoは掛金・運用益・受取時の3つで節税できる
- ②毎月5000円から始められる資産運用で負担が少ない
- ③iDeCoで投資信託をすると手数料が安い
- 参考:iDeCoの他に保育料を下げる方法はある?
- まとめ:iDeCoに加入すれば保育料が下がるなどメリットも多い
iDeCoで保育料が下がるって本当?どういう仕組みなの?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
小さい子供がいるシングル・共働き世帯にとっては保育園の利用は必須となり、欠かせない存在となっています。
また、世界的に女性の社会進出が謳われており、共働き世代が今後さらに増加する見込みとなっております。
そんな中、友人からこのような質問・相談がありました。
このように保育料が家計を圧迫していたり、負担感を感じている家庭が多くあります。
そんな家庭には「iDeCo」の活用がオススメできます。
「iDeCoで保育料が減るわけないじゃん」と思われると思いますが、上手に活用することで確実に保育料削減が可能です。
こちらでは保育料を減らしたいという方のために
- iDeCo利用で保育料が減る仕組み
- 保育料の計算・算出方法
- 自治体による保育料の違い・注意点
iDeCoの所得控除のおかげで保育料が下がるという仕組み
「iDeCoで保育料が下がる」と説明されても仕組みが理解できていなければ、利用することができません。
まずはiDeCoで保育料が減額される仕組みを次の項目に沿って解説していきます。
- 保育料は所得から計算される住民税の所得割額で決まる
- iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象
- iDeCoの所得控除により所得割額がおさえられる
- 所得割額が減るとそれに応じて保育料も下がる仕組み
①保育料は所得から計算される住民税の所得割額で決まる
保育料の金額が確定する際には世帯の所得から計算される住民税の所得割額が利用されます。
住民税の所得割額とは住民税を決定する際に計算される金額で次の式で算出されます。
(収入 ー 控除) × 税率 = 所得割額
所得割額が確定すると世帯で合算され、この合計金額で保育料が決定されます。
保育料に関しては各自治体によって金額が異なりますので、正確な金額を知りたい場合は自身が住んでいる自治体に問い合わせることが必要です。
②iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象
iDeCoを利用した際には掛金拠出した全額を所得控除とすることが可能です。
所得控除とは先ほどの所得割額を計算する際の「控除」にあたる部分です。
その中でもiDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」に分類され、確定申告の際にはこの控除項目に記載して申告を行います。
iDeCoを利用する際の注意点としては、年末調整・確定申告共に自身で申告をしない限り所得控除を受けることができない点です。
iDeCoを利用した際には必ず申告を忘れないように行いましょう。
③iDeCoの所得控除により所得割額がおさえられる
先ほども解説した通りiDeCoに加入することで所得控除を受けることができます。
所得控除を受けることで収入より掛金拠出した全額を控除でき、所得割額を減額することができます。
所得割額を抑えることで所得税・住民税等も併せて減額できるので、「節税をしたい」といった方にはiDeCoがオススメです。
④所得割額が減るとそれに応じて保育料も下がる仕組み
最初に解説した通り、保育料は各世帯の所得割額を各自治体が発表している「利用者負担額表」に当てはめることで決定しています。
iDeCoを利用して所得控除を受け、所得割額を減額することで保育料を削減することが可能です。
iDeCoには保育料を下げる以外にも様々なメリットがありますので、利用をオススメします。
iDeCoのメリットについても本記事で解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
保育料の計算方法について徹底解説!
所得割額・保育料の計算について「言葉だけじゃ分からない」という方も多いと思います。
こちらではそんな方のために次の項目に沿って解説していきます。
- 課税所得(=所得総額ー所得控除)を計算
- 市区町村民税所得割額(=課税所得×指定の税率)を計算
- 算出された市区町村民税所得割額をもとに保育料を決定
①課税所得(=所得総額ー所得控除)を計算
保育料を計算するためには「課税所得」を求める必要があります。
課税所得とは収入から所得控除・その他の控除を差し引いた金額です。
控除には
- 基礎控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 医療費控除
- 小規模企業共済等掛金控除
②市区町村民税所得割額(=課税所得×指定の税率)を計算
課税所得を計算後には市区町村民税所得割額を計算する必要があります。
市区町村民税所得割額を計算する際には次の計算方法で行います。
課税所得 ー 各市区町村指定税率 = 市区町村民税所得割額
居住している市区町村によって指定税率が異なります、
実際に計算をする際には各自治体に確認を行うことをオススメします。
③算出された市区町村民税所得割額をもとに保育料を決定
市区町村民税所得割額まで算出が終われば保育料の確認ができます。
各市区町村等の自治体で保育料の上限金額・負担割合が決められており、各自治体ごとによって異なります。
実際に支払う金額を確認するには利用者負担額表で自身の市区町村民税所得割額から保育料を算出することが必要です。
「自身の支払う保育料を知りたい」という方は各市区町村役場に行き、窓口にて問い合わせを行ってみましょう。
市区町村民税所得割額を確認する方法について解説!
市区町村民税所得割額は保育料の決定に利用されているので、家計を管理する上では重要な情報です。
そんなを市区町村民税所得割額確認する際には次の方法があります。
- 市区町村役場で直接確認する
- 住民税決定通知書で確認する
保育料の計算方法についての注意点を4つ紹介!
ここまでの解説で保育料の計算方法が理解進んだと思います。
ですが保育料の計算には次の注意するべき点があります。
- ふるさと納税などの所得控除では保育料が下がらない
- 保育料は子供の年齢、兄弟の数、保育時間で異なる
- 市区町村民税所得割額は政令指定都市に住んでいるかで変わる
- 住民税のうち都道府県民税は保育料の計算に関係ない
①ふるさと納税などの所得控除では保育料が下がらない
ここまでの解説を聞いたからで「iDeCoで保育料が安くなるならば、ふるさと納税も使える」と考えている方もいると思います。
結論からいうと「ふるさと納税では保育料が下がらない」です。
その理由はふるさと納税の仕組み・控除方法によります。
ふるさと納税は
- 所得税計算・・・所得控除
- 住民税計算・・・税額控除
②保育料は子供の年齢、兄弟の数、保育時間で異なる
保育料は国・地方自治体で上限額を決定していますが、市区町村によって減額・免除制度があります。
保育料が変化する際の主な理由は次の通りです。
- 子供の年齢
- 子供の数
- 保育時間
- 家庭環境・収入状況
③市区町村民税所得割額は政令指定都市に住んでいるかで変わる
平成30年に施行された地方分権一括法により政令指定都市で算定されていた市区町村民税所得割額が6%から8%まで上昇しました。
住民税の支払いに関しては都道府県民勢が4%から2%になったことから変更がありませんが、保育料に関しては変更前より多くの金額が必要となることとなります。
現状の居住地を変えることは難しいですが、引っ越し等で転居先を選べる際には政令指定都市かその他の地域かを選択する際の参考にすることをオススメします。
④住民税のうち都道府県民税は保育料の計算に関係ない
住民税の計算をする際には
- 都道府県民税
- 市区町村民税
- 住民税均等割
iDeCoで保育料はいくら下がる?共働き夫婦でシミュレーション
iDeCoを活用した際の保育料の減少について理論を理解しても実際に計算しなければ本当に得しているのかわかりません。
こちらではiDeCoを利用した際の実際のシミュレーションを行っていきます。
※概算計算ですので、実際の計算と多少異なります。
保育料の算出は大阪市を例として計算を行います。
★条件
- 夫所得割額:3,000,000円
- 妻所得割額:2,400,000円
- 夫iDeCo掛金:600,000円
- 妻iDeCo掛金:270,000円
iDeCo未加入時
- 夫市区町村民税:3,000,000×0.08=240,000円
- 妻市区町村民税:2,400,000×0.08=192,000円
- 合計住民税額 :432,000円
- 階層区分 :第21
- 保育料 :65,900円
iDeCo加入時
- 夫市区町村民税:(3,000,000ー600,000)×0.08=192,000円
- 妻市区町村民税:(2,400,000ー270,000)×0.08=170,400円
- 合計住民税額 :362,400円
- 階層区分 :第20
- 保育料 :61,700円
iDeCoで保育料が下がるのはいつから?時期について解説
iDeCoを始めるとすぐに保育料が下がると勘違いされる方がいますが、そんなことはありません。
保育料は4月・9月に見直され、金額が決定します。
保育料を決定する際に参考にされる所得は次の通りです。
- 4月・・・一昨年の所得による所得割額
- 9月・・・昨年の所得による所得割額
iDeCoで保育料が下がらないケースについて解説
iDeCoを利用して保育料を下げることは家計にとって大きなメリットとなります。
ですが、誤った方法を選択した場合は保育料が下がらないケーズがあります。
こちらではiDeCoで保育料が下がらないケースについて解説していきます。
- 保育料を決める階層区分が地域によって異なっている
- 地方だと階層区分が細分化されていないことも
- 細分化されていないと所得控除によるメリットを受けにくい
①保育料を決める階層区分が地域によって異なっている
こちらの表は大阪市の保育料決定に使用される階層区分表です。
例を挙げると
- iDeCo利用前の所得割額が350,000円
- 階層区分が「第19」
- 保育料は59,200円となる
- iDeCoを利用し所得割額が320,000円となった
- 新階層区分は「第19」
- 保育料は59,200円となる
②地方によっては階層区分が細分化されておらず所得割額が減額されない
階層区分は保育料を決定する際にとても重要な役割を担っています。
ですが地方自治体によっては階層区分の金額が異なります。
また「都市部は細分化され、地方はレンジが大きい」傾向があります。
階層区分が細分化されていない場合は保育料の減額のために必要な所得控除額が多くなってしまい、多くの金額をiDeCoに拠出しなければなりません。
iDeCoを利用した保育料の減額を行う際には各階層区分のレンジを確認しましょう。
保育料が下がらなくてもiDeCoの加入はおすすめ!理由を紹介
こちらでは保育料の削減を目的としてiDeCo加入をオススメしておりました。
iDeCo加入には保育料以外にもメリットがあり、多くの方にオススメできます。
こちらでは筆者がiDeCo加入をオススメする理由について次の項目に沿って解説します。
- iDeCoは掛金・運用益・受取時の3つで節税できる
- 毎月5000円から始められる資産運用で負担が少ない
- iDeCoで投資信託をすると手数料が安い
①iDeCoは掛金・運用益・受取時の3つで節税できる
iDeCoには大きく3つの節税メリットがあり、上手に利用することで多くの金額を納税することなく、自身の貯蓄に回せます。
iDeCoの具体的な節税メリットは次の通りです。
- 掛金が全額所得控除となる
- 利息・運用益が非課税となる
- 受取時に税制優遇を受けることが可能
- 課税所得:3,000,000
- 所得税 :3,000,000×10%-97,500=202,500
- 住民税 :3,000,000×10%=300,000
- 支払税額:502,500
- 課税所得:3,000,000-300,000=2,400,000
- 所得税 :2,400,000×10%-97,500=142,500
- 住民税 :2,400,000×10%=240,000
- 支払税額:382,500
- 退職所得控除
- 公的年金等控除
②毎月5000円から始められる資産運用で負担が少ない
iDeCoを始める際には「掛金の負担が大きいから始められない」といった方も多くいます。
そんなiDeCoの掛金最低拠出額は月々5,000円となっています。
そこから1,000円単位で拠出額を変更でき、家計に合わせて拠出していくことが可能です。
結果的に保育料・所得税・住民税が減額されることを鑑みると月々の負担額は少なくなります。
また、資産運用としても積立型となるので大きな現金は必要なく、負担感を感じる異なる拠出可能です。
iDeCoの掛金は手続きを行うことで「減額・停止」を行えますので、安心できます。
ですが、iDeCoを始める前には現在・将来の家計状況からシミュレーションを行なった上で行うことをオススメします。
「シミュレーション方法がわからない」といった方はFP等の専門家に相談をしてみましょう。
③iDeCoで投資信託をすると手数料が安い
一般的な投資信託をする際には次の手数料が必要となります。
- 購入時手数料・・・投資信託を購入する際に必要な手数料
- 信託財産留保額・・投資信託を換金する際に必要な手数料
- 信託報酬・・・・・投資信託を運用する際に必要な手数料
iDeCoで投資信託を購入した場合には購入時手数料・信託財産留保額が低額または無料となっており、比較的低い手数料で投資信託を始めることができます。
投資信託で資産運用する際には手数料が運用成果に大きな影響を与えます。
なので実際に金融商品を選ぶ際には手数料について事前に確認しておくことをオススメします。
参考:iDeCoの他に保育料を下げる方法はある?
保育料を減額する際にはiDeCo以外の方法もあり、iDeCoと併用することで保育料をより安く抑えることができます。
保育料の減額を行う際には所得割額を減額する必要があるので、所得控除制度を利用します。
具体的な方法は次の通りです。
- 生命保険控除
- 医療費控除
- 年金等社会保険料の追納
まとめ:iDeCoに加入すれば保育料が下がるなどメリットも多い
iDeCo加入による保育料の減額について解説していきましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- iDeCoを利用することで保育料を効率的に減額できる
- 保育料を決定する階層区分は地方によって異なる
- iDeCo利用には保育料減額以外にも節税メリットがある
でした。
現代では保育料の負担が増え、教育資金について疑問・不安を持っている方が多くいらっしゃいます。
そんな問題を解決するためにiDeCoの利用がオススメです。
ですが、地方・所得によって算出される階層区分が異なり、支払う保育料も全く違います。
家計を無視した賭け金の拠出・保育料が減らない利用方法をしてしまうと家計をより圧迫してしまします、
iDeCoを利用する際には事前にシミュレーションをすることが重要です。
この記事内で少しでも読者皆様の助けになりましたら幸いです。
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