住宅購入の助成金や補助金の種類や減税制度について解説!申請方法は?のサムネイル画像

「住宅購入に国からの助成金を使いたい」「どんあ助成金が利用できるのか知りたい」このような悩みを抱える人は多いでしょう。そこで本記事では住宅購入の助成金や補助金・減税制度、申請方法、コロナによる影響についても紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

住宅購入の助成金はどんなものがある?コロナで何か変わるの?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。 


先日30代の男性の友人から、こんな相談がありました。


住宅購入を検討しているのですが、少しでも手出しを減らしたいのでどんな助成金が利用できるのか教えてほしいです。


ここ数年、住宅ローンについてや住宅購入前に読むべき本、助成金・補助金の種類、減税制度の種類など、住宅購入に関するご相談が非常に増えています。


「住宅購入の助成金についてもっと早く知りたかった」


今回は、知る機会のなかった住宅購入の助成金や補助金、減税制度について、わかりやすく解説していきます。


どのような種類があるのか、どのように申請すればいいのか、で悩んでいる方の第一歩のお手伝いになれば幸いです。

新築や中古住宅購入の国からの助成金一覧

新築や中古住宅の購入時には、様々な助成金を受けられる可能性があります。


まずはどのような助成金があるのかを確認して、申請対象に当てはまるものを探してみましょう。


※同じ補助対象の助成金は併用できない場合があります


助成金には、以下5つがあります。

  1. すまい給付金:最大50万円
  2. 長期優良住宅化リフォーム推進事業:100万円~250万円
  3. ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス):60万円~105万円
  4. 地域型グリーン化事業:70万円~140万円
  5. グリーン住宅ポイント:最大100万ポイント

それぞれ紹介していきます。

①すまい給付金 最大50万円

すまい給付金は、消費税率の引き上げによる住宅取得者の負担を減らすための助成金です。


対象者


新築住宅もしくは中古住宅を購入する人が対象です。


新築住宅の対象は、人の居住の用に供したことのない住宅で工事完了から1年以内の住宅、中古住宅の対象は、売主が宅地建物取引業者である住宅(=消費税が発生する取引)になります。


条件


「床面積が50m2以上である住宅」と「第三者に検査を受けている」などの一定基準を満たすことが条件です。

②長期優良住宅化リフォーム推進事業 100万円~250万円

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、良質な住宅ストックの形成などを支援する助成金です。


対象者


リフォーム工事の施工業者買取再販業者が対象です。


条件


リフォーム工事前に建物状況調査を行ったり、工事後に性能基準を満たしたりするなど、4つの要件を満たす必要があります。

③ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) 60万円~105万円

ZEHは、省エネルギーを実現し、再生可能エネルギーを導入したエネルギー消費量の収支がゼロになることを目指した住宅のことです。


長期優良住宅化リフォームの助成金との併用ができないので、注意しておきましょう。


対象者


ZEHの定義を満たした戸建て住宅を購入する人が対象です。


条件


太陽光発電などを除く一次エネルギー消費量が省エネ基準からマイナス20%以上など、要件を満たす必要があります。


ZEH・ZEH +・次世代ZEH +などの種類があり、それぞれ要件が異なるので注意が必要です。

④地域型グリーン化事業 70万円~140万円

地域型グリーン化事業は、長期優良木造住宅やゼロ・エネルギーの木造住宅を新築する際に、一定の条件を満たすことで助成金を受けることができます。


対象者


基準を満たす木造住宅を新築・改修する施工事業者が対象です。


条件


主要構造部が木造で、中小住宅生産者等により供給される住宅の新築などを含む8つの要件をすべて満たす必要があります。

⑤エネファーム設置による補助金 4万円~





⑥グリーン住宅ポイント 最大100万ポイント

グリーン住宅ポイントは、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済の回復を図る目的で、一定の性能を有する住宅購入者に対して、追加工事や商品と交換できるポイントを提供する制度です。


付与されたポイントは、健康関連商品、防災関連商品、子育て関連商品、音・空気環境向上を目的とした工事などに使用できます。


対象者


新築住宅を建築・購入する人既存住宅を購入する人などが対象です。


条件


新築住宅の建築・購入 の場合は、一定の省エネ性能を満たしたり、購入者が自ら居住したりなどの条件を満たすことで、補助金ではなくポイントがもらえます。

住宅購入のための自治体からの補助金を紹介

続いて、国ではなく自治体からの補助金を紹介します。


自治体によっては定住・移住した方に向けて補助金を提供している場合があるので、住宅購入を検討している方は市区町村のホームページをチェックしてみましょう。


補助金には、以下のようなものがあります。

  1. 同居・近居補助金
  2. 子育て補助金
  3. 省エネ・創エネ補助金
  4. 地元産材で建築したときの補助金

それぞれ紹介していきます。

同居・近居補助金

若い世代と高齢者世代が安心して暮らせる環境をつくるための補助金です。


市内に住む親世帯と同居または近居を目的として、自己の居住用の住宅を購入した子育て世帯に対して支援が行われます。

子育て補助金

子供が健やかに成長できるような住宅への住替えを実現しやすくするための補助金です。


住宅購入費用や仲介手数料、引っ越し運送費用など、初期費用の一部支援が行われます。


市区町村によっては、通常の補助金上限に加えて、親世帯との同居・近居に限り上限額に5万円を加算する場合もあります。

省エネ・創エネ補助金

地球温暖化を防止するために、再生可能エネルギー機器省エネルギー機器を導入する市民に対しての補助金です。


具体的には、太陽光発電システムや家庭用燃料電池、地中熱ヒートポンプシステムなどの機器で、要件を満たすものを導入した場合に支援されます。

地元産材で建築したときの補助金

住宅等における地元木材の利用拡大を促進させる補助金です。


埼玉県を例に挙げると、県産木材の使用割合が木材使用量の60%以上を占めること、県内に事業所がある住宅生産者が新築工事を施工した住宅等であること、などが支援を受ける条件になります。

各地方自治体によるもらえる補助金・助成金の例を紹介

それでは、具体的にどこの地方自治体で補助金や助成金の支援を受けられるのか紹介していきます。


今回、例に挙げるのは以下の2つです。

  1. 「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業
  2. 福岡県快適な住まいづくり推進助成制度
それぞれ紹介していきます。

①「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業

東京都では、省エネ性能の高い住宅を普及させるために、「東京ゼロエミ住宅」を新築した建築主に対して、費用の一部を助成する事業を実施しています。


個人・事業者問わず、床面積の合計が2,000平方メートル未満の都内新築住宅を対象としており、最大で50万円の助成金額で支援しています。

②福岡県快適な住まいづくり推進助成制度

福岡県では、環境にやさしく耐久性のある優良な木造住宅を普及させるために、県産木材を使用し、一定の基準を満たした木造住宅を新築・購入する方に対して、助成金を交付する制度を実施しています。


70%以上の県内加工材、5立方メートル以上の県産木材を使用など、5つの条件を満たすことで30万円を助成を受けることが可能です。

住宅購入・建築における減税制度を紹介

助成金や補助金の次に、住宅購入・建築における減税制度を紹介します。


紹介する内容は、以下の3つです。

  1. 住宅ローン減税
  2. 贈与税非課税枠
  3. そのほかの減税措置
それぞれ紹介していきます。

住宅ローン減税

年末の住宅ローン残高の1%に相当する額を所得税から控除できます。


そのため、納める税金が減少し、わずかに得をすることが可能です。


本来の控除期間は10年と定められていますが、消費税率の引き上げにより特例として3年間の期間が延長され、13年間控除を受けることができます。

贈与税非課税枠

自己が居住する新築の取得または増改築に充てるための資金を両親・祖父母から受け取ると、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。


消費税率が10%の時に売買契約を締結した場合は、省エネ等の住宅が1500万円、それ以外の住宅が1000万円の非課税になります。

そのほかの減税措置

上記2つの減税制度以外にも、このような減税措置があります。

  • 不動産取得税の軽減(税率の軽減)
  • 登録免許税の軽減(税率の軽減)
  • 固定資産税の減額(一定期間は2分の1)
  • 譲渡所得買換え特例(住宅買換え時の売却益は課税を繰り延べ)
  • 譲渡損失の損益通算および繰越控除(売却等で損失がでた場合は最大4年の繰越控除)

活用することで、かなり減税することが可能です。

住宅購入に関する減税制度について詳しく解説

住宅購入に関する減税制度を活用することで、どの税金をどのくらい軽減できるのかについて解説していきます。


軽減できる税金は、以下の4つです。

  1. 所得税
  2. 登録免許税
  3. 不動産取得税
  4. 固定資産税

それぞれ解説していきます。

①所得税

住宅を購入・改修することで税制優遇により所得税を減額できます。

投資型減税&住宅ローン減税減税額適用区分
低炭素住宅の投資型減税
長期優良住宅の投資型減税
最大65万円新築
一般住宅の住宅ローン減税最大400万円新築&改修
低炭素住宅の住宅ローン減税最大500万円新築
長期優良住宅の住宅ローン減税最大500万円新築

②登録免許税

登録免許税とは、登記をする際にかかる費用のことで、新築購入時に所有権保存登記、中古住宅購入時に所有権移転登記で支払いが生じます。


一定要件を満たすことで、この登録免許税を軽減できます。

登録免許税の軽減税率軽減適用区分
一般住宅0.4%から0.15%新築&中古
低炭素住宅0.4%から0.1%新築
長期優良住宅0.4%から0.1%新築

※新築の所有権保存登記の場合です

③不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得した際にかかる税金のことです。


一定要件を満たすことで、この不動産取得税を軽減できます。

不動産取得税の軽減軽減相当額適用区分
中古住宅最大36万円中古
新築住宅最大36万円新築
長期優良住宅最大39万円新築

④固定資産税

固定資産税とは、土地や家屋を所有している場合に毎年課される税金のことです。


一定要件を満たすことで、この固定資産税を軽減できます。

固定資産税の軽減軽減内容適用区分
住宅用家屋税額1/2×3年間新築
長期優良住宅税額1/2×5年間新築

住宅購入時の補助金や減税の申請方法を紹介

補助金や減税制度について大体は理解できたはずです。


しかし、どのように申請すればいいのかがわからない方も多いと思います。


そこでこの項目では、住宅購入時の補助金や減税の申請方法について紹介します。


紹介する補助金や減税の申請方法は、以下の4つです。

  1. すまい給付金の申請方法
  2. 住宅ローン控除(住宅ローン減税)の適用方法
  3. その他の制度の適用方法
  4. 贈与税の非課税措置の適用方法

それぞれ紹介していきます。

すまい給付金の申請方法

すまい給付金の申請方法は、以下の3つです。

  1. 郵送で申請
  2. すまい給付金申請窓口にて申請
  3. 不動産会社に手続きを代行して申請

取得した住宅に入居してすぐに申請可能で、申請期限は1年3ヶ月以内になります。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)の適用方法

確定申告をすることで住宅ローン控除が適用され、所得税の還付を受けることができます。


会社員の場合は、住宅に入居した翌年に一度だけ確定申告を行うことで、次の年以降は勤務先の年末調整で手続きを済ますことが可能です。

その他の制度の適用方法

助成金や補助金の場合は、必要書類提出方法がそれぞれ異なります。


そのため、制度を利用する際は地方自治体や不動産会社に問い合わせることが大切です。

贈与税の非課税措置の適用方法

住宅取得等資金贈与を受けた場合は、贈与を受けた人が住んでいる地域の税務署に申告することで、一定額まで贈与税が非課税になります。


1年間の贈与額が110万円に満たないのであれば、もともと設けられている贈与税の非課税枠で課税所得がなくなるので、申告は不要になります。

住宅購入時のに助成金や減税を利用するときの注意4点

助成金や減税制度によって、お得に住宅を購入できます。


しかしその反面、注意すべき点も存在するのです。


そこでこの項目では、住宅購入時に助成金や減税を利用するときの注意4点を解説します。


解説内容は、以下の通りです。

  1. 補助や控除の期限に注意する
  2. 併用できない補助金や減税の制度がある
  3. 補助や控除ありきの物件選びをしない
  4. マンション購入の場合、マンション向けの助成金を利用する

それぞれ解説していきます。

①補助や控除の期限に注意する

補助金や控除には期限があります。


例えば、住宅ローン控除の申請期間は、

  • サラリーマン:(翌年の)1月4日〜3月15日
  • 自営業:(翌年の)2月16日〜3月15日
なので、利用する制度の期限に注意しておきましょう。

②併用できない補助金や減税の制度がある

補助金や減税制度の中には、併用して活用できないものもあります。


例えば、国の助成金自治体の補助金は併用できないことが多いです。


併用を予定していた場合に、計画が崩れることがあるので注意しておきましょう。

③補助や控除ありきの物件選びをしない

いくら補助や控除が受けられると言っても、その制度を受けられる条件を満たすために理想の住宅からかけ離れてしまっては意味がないです。


また、住まい給付金やZEHの申請が通ったとしても、必ずしも満額が適用されるわけではないので、制度が適用される物件を探すのではなく希望物件に合致する制度を探しましょう。

④マンション購入の場合、マンション向けの助成金を利用する

補助や控除の制度のほとんどが戸建て住宅が対象です。


それらの制度は、マンションを購入して申し込んだとしても適用されないので、注意しておきましょう。


「マンション向け助成金」と調べるべきです。


【参考】新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方への措置とは?

新型コロナウイルス感染症の影響で住宅ローン減税に影響が出た場合は、以下の措置を受けられます。


1.既存住宅の取得後に行った増改築工事等がコロナ等の影響で遅れ入居が遅れた場合


住宅ローン減税の入居期限要件が「取得日から6ヶ月以内」から「増改築等完了の日から6ヶ月以内」になります。


ただし、「既存住宅取得の日から5ヶ月後まで」「関連税制法の施行の日から2ヶ月後まで」のいずれか遅い日までに増改築等の契約が行われ、住宅への入居が遅れた場合のみの適用です。


2.コロナ等の影響で入居期限(令和2年12月31日)に遅れた場合


コロナ等の影響で入居期限に遅れた場合、令和3年12月31日までに入居すれば住宅ローン減税の控除期間13年の対象になります。


ただし、一定の期日までに契約(注文住宅:令和2年9月末、既存住宅等や増改築等:令和2年11月末)が行われ、入居に遅れた場合のみの適用です。

資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由

ここまで、住宅購入の助成金や補助金について解説してきました。


しかし、減税制度や住宅ローンなど、まだまだわからないことだらけで不安に感じる人も少なくないはずです。


「助成金についてもっと詳しく知りたい」「住宅ローンの申請手続きがわからない」と思う人もいるでしょう。


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まとめ:住宅購入時には助成金を利用しよう

この記事では、住宅購入時の助成金や補助金の種類、減税制度について、住宅購入時に助成金や減税を利用するときの注意点についてお伝えしてきました。
  • 新築や中古住宅購入のための国からの助成金は、「1.すまい給付金」「2.長期優良住宅化リフォーム推進事業」「3.ZEH」「4.地域型グリーン化事業」「5.グリーン住宅ポイント」の5つ
  • 住宅購入のための自治体からの補助金は、「1.同居・近居補助金」「2.子育て補助金」「3.省エネ・創エネ補助金」「4.地元産材で建築したときの補助金」の4つ
  • 住宅購入・建築における減税制度は、「住宅ローン減税」「贈与税非課税枠」「その他の減税措置」の3つがある
  • 住宅購入時は補助や控除の期限に注意すべき
住宅購入の際には、様々な部分で多額のお金がかかるので、助成金や控除をうまく活用して、お得に住宅を取得しましょう。

住みたい物件を選んだ後に、それにマッチする助成金や控除を探すことが大切です。