
▼この記事を読んでほしい人
- 住宅購入契約時に支払う手付金について知りたい人
- 手付金が支払えないで困っている人
- 手付金を支払わなければいけない理由が知りたい人
▼この記事を読んでわかること
- 手付金とはどのようなお金なのか?
- 手付金が支払えないときはどのように対処すればいいか?
- 手付金が返ってくるとはどいうことか?
内容をまとめると
- 手付金は、住宅購入契約の確実性を確保するお金
- 手付金が支払えないときは、担当者に相談したり、手付金が安い物件を探したり、どこからかお金を借りるなどの方法がある
- 手付金を支払うことで、売り主も買主も安心して売買契約を結べる
- 契約をキャンセルした場合は、売り主の場合は手付倍返し、買主には手付金が戻ってこない
- 手付金を解約できるのは、民法によると、「相手方が契約の履行に着手するまで」
- 手付金は普通返還されないが、後程住宅の購入資金に充てられる
- 住宅ローン相談では相談無料のマネーキャリがおすすめ
住宅購入契約時に必要になってくるのが手付金の支払い。その手付金とはどいうお金で、支払えないときにはどのように対処すればいいのかをこの記事でまとめました。また、手付金を支払う理由や手付金を解約できる時期などについてもご紹介しましょう。
この記事の目次
目次を閉じる手付金とは
こんにちは。マネーキャリア編集部です。
先日、30代の男性サラリーマンから次のようのご相談を受けました。
住宅購入契約時には手付金というお金を現金で先立って支払わなければいけません。
では、手付金とはどいうものかというと、売買契約が成立したことを証明するお金であり、売り主、買主のいずれかがキャンセル、契約不履行などをした場合の違約金となる代金です。
ただ、住宅購入契約時にこの手付金を支払えないというケースが時々あります。
それが冒頭で紹介したサラリーマンのような方の場合です。
そんな時はどうすればいいのでしょうか。
そこで、今回は手付金が支払えないときの対処法などについて解説します。
手付金が払えないときの対処方法とは
手付金を支払って、初めて住宅購入契約が結べますが、もしこの手付金を用意できずに支払えないときはどうすればいいでしょうか。
支払えない=住宅購入をあきらめるということになるのでしょうか。
せっかく新しい住宅購入をと決めたのに、最初から躓くのは悔しいでしょう。
そこで、手付金が支払えない場合の適切な対処法について以下にまとめてみます。
- 手付金が出せないことを担当に相談する
- 手付金が安い・かからない物件を探す
- 金融機関からお金を借りる
- 親族からお金を借りる
- 社内融資を利用する
手付金が出せないことを担当に相談する
住宅購入契約時に手付金が支払えない場合は、隠さずに正直に売り主や不動産会社の担当者に相談してみましょう。
そうすると、担当者の側でも話に応じてくれる場合があります。
例えば、300万円の手付金は支払えないが、100万円くらいなら何とかなるというケースです。
このように話を持っていくと、担当者の側で手付金の減額をしてくれる場合があります。
そうなれば、支払えない手付金が支払えるようになるかもしれません。
特に売主がどうしてもその物件を売りたいと思っているときは交渉に応じてくれる可能性がありますから、まずは相談です。
ただ、買主が手付金を支払えないで、減額ともなれば、売り主にとっては契約キャンセルの恐れも高まりますから、どうして十分な資金を準備できず支払えないのかや必ず購入するという意思を明確に示しておく必要もあります。
それから、人気物件の場合、対象の住宅購入希望者も多く、手付金を用意できますという人も必ずいますから、手付金の減額相談はしにくいでしょう。
手付金が安い・かからない物件を探す
住宅購入契約時の手付金が支払えないのなら、担当者に相談するという方法があることを前段でご紹介しましたが、一番簡単な方法は最初から手付金が安い、または掛からない物件を探しておくことです。
売主にとっては、手付金は住宅購入契約を確実にするためのお金ですから、あまり安くはしたくはないところですが、それでも格安の手付金でOKとしているところもあります。
また、数は少ないですが、手付金なしでも契約しますというところも。
このような物件を狙っていけば、手付金が支払えないという事態は避けられるでしょう。
金融機関からお金を借りる
住宅購入契約時の手付金を用意できずに支払えないということなら、金融機関からお金を借りて用立てるという手もあります。
カードローンなどの利用です。
これで手付金が支払えるようになり、どうしても欲しい住宅購入の契約にまでこぎつけることができるでしょう。
ただ、カードローンなどの利用は、住宅ローン審査に悪影響を及ぼすケースも。
カードローンの借金があるというだけで、不利になる場合もありますが、もし返済をしっかり行っていないことが発覚する(過去の延滞でも)と、住宅ローンの契約自体断られる可能性もあります。
そこまで行っていなくても、返済比率の観点から、住宅ローンの借入額が減額されるかもしれません。
そういう意味では、特におすすめできる方法ではありませんが、ほかに方策がなければ利用してみましょう。
親族からお金を借りる
親族からお金を借りて、住宅購入契約時の手付金に該当するという方法もあります。
これで支払えない手付金を支払うというわけです。
ただ、親族と言えどもお金の貸し借りはしっかりと行わなければいけませんから、借用書を取り交わすことも検討してください。
借りる額が少なければまだいいですが、金額が大きくなったり、借入期間が長くなったりする場合は、借用書を取り交わすのが非常に重要になってきます。
それから、親子などで手付金に相当する額や一部を贈与する場合もあるでしょうが、110万円を超える贈与には贈与税が掛かることも覚えておいてください。
社内融資を利用する
住宅購入契約時の手付金に充てるお金をカードローンなどで用意すると、住宅ローン審査にも影響があるので、できれば避けたいところ。
そこで一つの方法として、社内融資の利用があります。
最近は社内融資を行っている会社も減っていますが、もし利用できれば、住宅ローン審査時に借りたお金が借金ではなく、自己資金として認められる場合もあります。
手付金を払う理由とは
なぜ住宅購入時に手付金を支払わなければいけないのでしょうか。
その理由を考えてみましょう。
住宅購入契約を交わしてから、実際に物件が渡されるまで時間が掛かります。
その途中には準備もあるし、不動産登記などの手続きも必要です。
その間に、売り主、買主の気が変わることもあり得ます。
売主にとっては、もっといい条件で物件を購入してくれる人が現れれば、そちらに売りたくもなるでしょうし、買主はもっと素晴らしい住宅を欲しくなるかもしれません。
しかし、その両者の希望が簡単に聞き届けられるようになっていると、住宅購入契約自体が簡単に反故にされ、双方が安心して契約を結ぶことができないでしょう。
そのような事態を避けるために、手付金というお金を支払って、契約に確実性を期しているのです。
手付金は、売り主が契約キャンセルした場合、全額返還し、それと同額の違約金も支払うことになっています。
これを手付倍返しといい、買主はそのような場合、2倍のお金を受け取れます。
一方、買主の方でキャンセルや契約不履行があれば、手付金は返してもらえません。
こうして、住宅購入契約の担保としているのです。
手付金を解約できる期間は定められている
手付金を解約すると、売り主は手付倍返し、買主は手付金を返してもらえませんが、その期間が定められています。
改正民法557条によると、「相手方が契約の履行に着手した後は、契約解除ができない」という規定になっているのです。
「契約の履行に着手」というところがポイントになりますが、具体的には、買主が手付金以外に内金や中間金を支払ったとき、売り主が物件を引き渡したとき、または登記の準備を始めたときなどを指します。
なお、手付金が解約できる期間を過ぎて解約すると、違約金の支払い義務が生じることがあり、その場合の負担はさらに重くなります。
補足:手付金が返ってくるという意味は?
住宅購入契約時に不動産会社などから。「手付金は返ってきます」といわれる場合があります。
例えば、300万円の手付金を支払って、あとで300万円返ってくるということです。
しかし、普通手付金は返還されないとも言います。
この答えにはおかしな点もあるようですが、実際にはどうなっているのでしょうか。
これは、手付金の使用用途を見ることで、答えが出てきます。
手付金はすでに説明したように、後程住宅の購入資金に充てられます。
つまり、3,000万円の住宅を購入し、300万円の手付金を支払ってあれば、後程その額が減額されて、住宅の購入価格が2,700万円となるのです。
この金額を一括か住宅ローンで支払っていけばいいことになります。
住宅ローンの契約では、このうち3000万円分を借り入れできます。
ということは、手付金分の300万円は余るという計算です。
これが、「手付金が返る」という仕組みでしょう。
ただし、住宅ローンで2,700万円しか借り入れできなければ、「返ってくる」ということにはなりませんね。
まとめ:住宅購入に関する相談はお金のプロに相談するのがおすすめ
ここまで、住宅購入契約時に支払うことになっている手付金が支払えない場合の対処法などについてお伝えしてきました。
住宅購入時には、契約のキャンセルや不履行をできるだけ防ぐために、買主が手付金というお金を支払うことになっています。
ただ、手付金の額は住宅購入費用の5~10%にもなるとされ、かなり高額になる場合があります。
それが支払えないという人も当然出てくるでしょう。
そのようなときにどうしたらいいのか、とても心配でしょうから、いくつかの対処法についてまとめてみました。
そのほか、今回は次のような問題を取り上げてみました。
- なぜ手付金を支払わなければいけないのか?
- 手付金の解約はいつまでにすればいいのか?
- 「手付金が返ってくる」と言われたその意味はどういうことか?