米国株・世界株が暴落。原因は?下落局面に考えるべきこととは?のサムネイル画像

2022年5月15日現在、NASDAQ(ナスダック)は最高値から17%、NYダウは最高値から13%ほどの下落をしています。つみたてNISAなどを始めた方で人気だった世界株式なども暴落をしており、世界的に株価ショックが起きています。今回はその原因は今考えるべきことをまとめます。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

目次を閉じる

世界的な株価の暴落の現状とは?

※2022年5月現在の記事です。


2021年12月ごろから、徐々に、そして2022年4月から急激に米国株式が下落しています。

NASDAQ総合平均の直近5年間の価格チャートになります。NASDAQとは、アメリカの代表的な株式市場の一つです。


コロナショック前後から比べると増加している状況にはあるものの、2022年11月の最高値と比較すると、約-17%ほど下落している状況です。


つみたてNISAやiDeCoの制度が普及し、この数年で投資をし始めた方も多いはずです。そういった方にとっては初めての世界的な下落相場な状況なのかもしれません。


NASDAQ株価下落

NASDAQ株価下落

NYダウ、S&P500も大幅に下落

NASDAQ指数に合わせて、アメリカで主要な指数としては、NYダウ指数(ダウ工業の株の30種類の平均)、S&P500(アメリカの主要な上場500企業・銘柄の平均)です。


現状を整理しました。

指数2022年初比最高値比
NYダウ約14.2%下落約12.9%下落
S&P500約14.0%下落約15.5%下落



NYダウ平均

NYダウ平均

S&P500

S&P500

米国株下落の原因を考察

今回の株価下落の原因は、中国経済の減速と、アメリカの金融引き締めの政策、によるものと見られています。


中国では、2022年3月ごろから、コロナによるロックダウン・都市封鎖を実施したとしがあったり、教育市場(学習塾)の規制強化の政策を実施したことがあったり、と景気停滞の要因がいくつか起こっていました。


また、アメリカ経済では、日本でいう日銀のような権威ある組織、FOMC(米連邦公開市場委員会)にて、金融緩和政策から一転して、金融の引き締め・金利の引き上げ、を行っています。

目的は、米国内の雇用の安定や物価の安定を目的としたものです。


また、その他の価格下落の要因として、「ロシアのウクライナ侵攻に伴う先行きの不安」も大きな要因の一つと考えられています。


世界経済は密接につながっていて、巨大国の政策があらゆるところに影響があります。直近の数十年来ぶりの円安(そこからくる輸入品の物価上昇・値上げラッシュ)にも影響がありました。世界情勢についてはしっかりとウォッチしていくことが大事と言えます。

米国株の今後の見通しは?

直近数年の米国株(特にS&P500)などの成長率がまずは異常な状態でした。コロナでの立て直しのための強い金融緩和があり、成長を支えていました。


S&P500の直近3年間

2019年2020年2021年
128%116%127%

でした。

平均リターンは20年平均で107.75%なため、直近3年間がまず異常だったのです。


そして、今回の金融の引き締めの政策に伴っているため、短期的には回復しない可能性があるのではないか、と予想しています。

もちろん、米国株だけは、日本などとは異なって短期的に回復する、と言う論調もありますので、バランスよくぜひみていただければと思っています。

下げ相場でどう対策すれば良い?買い増し?

実際に、投資・資産形成をし初めて「損をした」方も中にはいるかと思いますが、投資の基本は「長期・分散・積立」の3つです。そこから導かれる対策は「あまり気にし過ぎない」ことです。


暴落相場は、ほとんど確実と言ってもいいほどで終わります。過去の株価下落局面を振り返ってみると、どこのタイミングでも「もう経済は終わりだ、、、」と感じる局面でした。今回だけ特別と言うことはないと言って良いでしょう。


暴落の歴史

  • 1929年 世界恐慌:-86%
  • 1937年:-53%
  • 1968年:-33%
  • 1972年:-46%
  • 1987年ブラックマンデー:-34%
  • 2000年 ITバブル崩壊:-49%
  • 2007年 リーマンショック:-56%
  • 2020年 コロナショック:-34%
どんなに暴落があっても必ず回復して、世界経済は伸びていきます。(人口が増え、経済活動が増える限り、、、)

また、このタイミングで下げ相場には「買い増し」を検討する方がいらっしゃいます。
価格が下がったんだから買い増して、リターンを得ようと考えていらっしゃると思いますが、注意が必要です。

まだこれ以上、株価が下がる可能性があるため、長期積み立てができないレベルで入金するのは危険性があります。コツコツ毎回同じように長期的に積み立てをしていくこと、そのことがまず重要なので、余裕の資金がある方だけ買い増しをして、株価の回復のタイミングに備えましょう!