
「ドル建て保険は学資保険の代わりになる?」
「ドル建て保険と学資保険の特徴の違いを知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
結論、ドル建て保険を学資保険の代わりにして教育費用を貯めることは可能です。
ただし、それぞれの保険ごとに異なる特徴があるため、仕組みを理解したうえで自分の目的に合う保険を選ぶことが大切です。
この記事では、学資保険とドル建て保険の違いについて詳しく解説します。
学資保険の代わりにドル建て保険を選ぶメリット・デメリットについても解説するのでぜひ参考にしてください。
内容をまとめると

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 運用次第でドル建て保険は学資保険の代わりになる
- 学資保険とドル建て保険の違いは?
- ドル建て保険の特徴
- 学資保険の特徴
- 学資保険の代わりにドル建て保険を使うメリット4つ
- 返戻率が高い
- 為替によって受け取る金額が増える
- 解約のタイミングが自由に選べる
- 外貨で受け取ることも可能
- 学資保険の代わりにドル建て保険を使うデメリット3つ
- 為替によって受け取る金額が減る
- 早期解約すると損をするケースがある
- 将来の受け取る金額が見通せない
- 学資保険の代わりにドル建て保険を選ぶ際のポイント3つ
- 予定利率
- 為替手数料
- 固定・変動金利の確認
- 学資保険の代わりにドル建て保険に入る際の注意点
- 学資保険よりドル建て保険が向いている人
- 学資保険とドル建て保険で迷ったら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
- ドル建て保険は学資保険の代わりになる【まとめ】
運用次第でドル建て保険は学資保険の代わりになる

ドル建て保険は、学資保険の代わりに教育費の準備に活用できる選択肢の一つです。
ドル建て保険は契約者が納めた保険料を米ドルによって運用する保険商品です。
運用実績によって受け取れる額が変化するだけでなく、お金を受け取る際に円安であれば、より多くのお金を受け取ることが可能です。
しかし、ドル建て保険は元本割れするリスクもあるため、学資保険とドル建て保険のどちらを選ぶかは、自分の運用知識や教育費の目標金額によって慎重に検討することが大切です。
ここからは、学資保険とドル建て保険の違いを詳しく解説していきます。
学資保険とドル建て保険の違いは?
- 解約返戻金の金額
- 受け取れるタイミング
- 元本割れのリスクの大きさ
- 契約者の死亡時に受け取れる保障金
- 受け取る通貨
ドル建て保険の特徴
ドル建て保険とは、保険会社に支払った保険料を外国の貨幣(米ドル・豪ドルなど)に変えて運用する保険です。
ドル建て保険には以下のような特徴があります。
ドル建て保険 | |
---|---|
解約返戻金の金額 | 運用実績によって変動 (運用次第では多くの返戻金を受け取れる) |
受け取れるタイミング | 終身か養老か個人年金か によって異なる |
元本割れのリスク | リスクあり |
契約者の死亡時に 受け取れる保障金 | 終身か養老か個人年金か によって異なる |
受け取れる通貨 | 日本円またはドル (日本円の払込・受取には特約が必要な場合がある) |
表にあるように、ドル建て保険の中にも以下の3つの種類があります。
- 終身保険
- 養老保険
- 個人年金保険
学資保険の特徴
学資保険は、子どもの教育資金を準備するための貯蓄型の生命保険です。
学資保険には以下のような特徴があります。
学資保険 | |
---|---|
解約返戻金の金額 | 契約時に決められた返戻率と 支払った保険料によって決まる |
受け取れるタイミング | 任意のタイミングで受け取れる |
元本割れのリスク | 途中解約すると元本割れのリスク大 |
契約者の死亡時に 受け取れる保障金 | 支払われない |
受け取れる通貨 | 日本円 |
学資保険は一般的な生命保険と違って、契約者である親が死亡した際、以後の保険料払込が免除されますが、死亡給付金は支払われません。
なお、免除になった場合でも、学資金は予定どおり受け取ることができます。
学資保険の場合、被保険者である子どもが保険期間中に死亡した際、すでに払った保険料相当額が死亡給付金として支払われます。
学資保険の代わりにドル建て保険を使うメリット4つ
学資保険の代わりにドル建て保険を使うメリットは、主に以下の4つです。
- 返戻率が高い
- 為替によって受け取る金額が増える
- 解約のタイミングが自由に選べる
- 外貨で受け取ることも可能
返戻率が高い
ドル建て保険の1つめのメリットは、返戻率の高いことです。
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、受け取れる金額の割合をパーセンテージで表したものです。
これは、ドル建て保険が米国の金利を基準に設定されているためです。
例えば、学資保険の予定利率が0.5%程度であるのに対し、ドル建て保険では2%以上の予定利率が設定されているケースもあります。
ただし、為替リスクがあるため、円換算した場合の実際の返戻率は変動する可能性があることに注意が必要です。
為替によって受け取る金額が増える
2つめは、為替によっては受け取る金額が増えることです。
ドル建ての保険は加入時より解約時・満期の為替相場が円安に傾いていれば、円ベースでの受取額が増額するという特徴があります。
例えば、解約返戻金が3万ドルの場合、ドルに対して円が10円安くなると受け取れる満期保険金・解約返戻金は以下のとおりの金額になります。
- 1ドル=100円 → 日本円換算で300万円
- 1ドル=110円 → 日本円換算で330万円
円安のタイミングで満期保険金や解約返戻金を受け取ることで、金利の高さにプラスしてより効率的に資産運用を進められるでしょう。
解約のタイミングが自由に選べる
3つめは、解約のタイミングを自由に選べることです。
ドル建て保険は解約に対する制約が少なく、「為替レートが有益になったタイミング」など、解約時期を柔軟に調整することができます。
また、一部解約も可能な商品が多いため、必要な金額だけを引き出すこともできます。
ただし、解約時の為替レートによっては受取額が変動するリスクがあるため、慎重に判断する必要があります。
外貨で受け取ることも可能
4つめは、外貨での受け取りが可能なことです。
外貨で受け取ることで、為替レートの変動を活用した資金運用が可能になります。
例えば、円高ドル安の時期に円に換金せず、将来のドル高を見込んで外貨のまま保有し続けることができます。
ただし、外貨を日本円に換金する際に手数料が発生するため、換金のタイミングと換金額には注意が必要です。
学資保険の代わりにドル建て保険を使うデメリット3つ
ドル建て保険のデメリットは、主に以下の3つです。
- 為替によって受け取る金額が減る
- 早期解約すると損をするケースがある
- 将来の受け取る金額が見通せない
これらのデメリットは、ドル建て保険を選択する際に慎重に考慮する必要があります。
以下では、それぞれのデメリットについて詳しく説明します。
為替によって受け取る金額が減る
ドル建て保険の1つめのデメリットは、為替によって受け取る金額が減ることです。
「為替によって受け取る金額が増える」の反対で、加入時より解約・満期時が円高になっていると円建ての受取額が少なくなります。
例えば、解約返戻金が3万ドルの場合、ドルに対して円が10円高くなると受け取れる満期保険金・解約返戻金は以下のように減少します。
- 1ドル=100円 → 日本円換算で300万円
- 1ドル=90円 → 日本円換算で270万円
ただし、解約や換金をするのを円安になるまで待てば、為替によるリスクを減らすことができます。
早期解約すると損をするケースがある
2つめは、早期解約をすると損をする可能性があることです。
これはドル建て以外のすべての保険にもいえることですが、加入してから早くに解約すると、月々の保険料の払込総額よりも解約返戻金の方が下回り元本割れを起こします。
保険自体の設定として、加入後、約3年は返戻率が低く設定されていることが多く、早期解約は得策ではありません。
また、外貨から日本円に換金する際の手数料も発生するので、早期解約にしない為にもよく考えて加入するなど注意が必要です。
ただし、長期で契約できれば金利が円建ての保険よりも高いため、受け取れる解約返戻金が元金を上回りやすくなります。
将来の受け取る金額が見通せない
3つめは、将来の受け取る金額を加入時に見通せないことです。
円建ての保険は加入時に将来の受取額が確定しますが、ドル建ては将来の為替で受取額が変わるため、受け取る瞬間までいくら受け取るか明言できません。
契約時にある程度の想定はできますが、実際の10年後15年後の為替相場がどうなっているかは誰も見通せないでしょう。
また、数ヵ月という短期間に世界の動きで為替レートが大幅に変わる場合もあり、加入時の正確な予想は困難です。
そのため、ドル建て保険に加入する場合は可能な限り長期の契約・運用を心がけて、まずは元本割れのリスクを減らしましょう。
学資保険の代わりにドル建て保険を選ぶ際のポイント3つ
ドル建て保険を選ぶ際のポイントは、主に以下の3つです。
- 予定利率
- 為替手数料
- 固定・変動金利の確認
予定利率
ドル建て保険を選ぶ1つめのポイントは、予定利率です。
予定利率は「生命保険の契約者に対して約束する運用利回り」を指し、予定利率が高いほど運用利回りが高くなり、解約返戻金が運用されて増えていきます。
ドル建て保険は円建てよりも予定利率が高い傾向にあり、効率的に資産運用が可能です。
ただし、ドル建て保険を取り扱う保険会社によって取り扱っている外貨の種類や予定利率が異なります。
加入する前に、その保険商品がどれくらいの予定利率であるかを見ていく必要があります。
為替手数料
2つめは、為替手数料です。
保険料の支払い、保険金や解約返戻金の受け取りやそれらの両替などお金を動かすときには、必ず手数料がかかってきます。
為替手数料の金額は保険会社ごとに異なるため、保険料や解約返戻金などが同じ保険でも最終的に受け取れる金額に差が生じることがあります。
ドル建て保険を選ぶなら、為替手数料が少しでも安い保険を選ぶことが大切です。
固定・変動金利の確認
3つめは、固定・変動金利の確認です。
固定金利の場合、契約時の利率をもとに将来受け取れる額が決まります。
保険料の払込期間中に不景気になって金利が変わったとしても金利の保障がされているので、将来にむけての受取額も明確です。
しかし、インフレになり金利が上がったとして、決められた金利は変わることがないので、受け取れる金額が実質的に目減りする可能性があります。
一方の変動金利の場合、市場金利の変動にともなって適用される金利が変わります。
市場金利が上がれば将来の受取額は増えますが、反対に金利が下がると元本割れも考えられます。
変動金利は、将来の受取額が不透明となります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身のリスク許容度に見合う金利タイプを選択することが重要です。
学資保険の代わりにドル建て保険に入る際の注意点
学資保険の代わりにドル建て保険に加入する際は、保険料払込期間の設定に気を付けましょう。
保険料払込期間を15年など、学資金が必要になるタイミングより早く保険料を払い終えていつでも解約できる状態にする必要があります。
理由は、保険料払込期間を長くすると、解約時に保険料の支払いが終わらないためです。
保険料払込期間のあいだに解約すると、解約返戻金の金額が保険料の総額を下回るリスクもあります。
学資保険よりドル建て保険が向いている人
学資保険よりもドル建て保険が向いている人の特徴は、主に以下の2つです。
- 投資的感覚で保険料でお金を増やしていきたい人
- より多くのお金を受け取りたい人
分散・長期運用という長期投資の感覚で効率よくお金を増やしたい方で、ドル建て保険のリスクやリターンを理解している方はドル建て保険がおすすめです。
また、ドル建て保険は円建て保険より高金利であり、為替差益が味方すればより多くのお金を受け取れます。
円建て保険よりも効率よく運用して、より多くのお金を受け取りたい人もドル建て保険がおすすめです。
学資保険とドル建て保険で迷ったら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
学資保険とドル建て保険で迷ったときは、専門家(FP)に無料相談がおすすめです。
FPは2つの保険の特徴と、あなたの子どもの進学先の希望、教育費の目標金額、お金を受け取りたいタイミングなどから最適な保険の種類はどちらなのかわかりやすく解説してくれます。
また、学資保険、ドル建て保険それぞれの税制面で知っておきたいポイントも説明してくれます。
日本には数多くの相談窓口がありますが、特におすすめできるのは相談実績100,000件以上かつ相談満足度98.6%を誇る「マネーキャリア」です。
ドル建て保険は学資保険の代わりになる【まとめ】

ここまで、ドル建て保険が学資保険の代わりになるのか、ドル建て保険のメリット・デメリットを中心にお伝えしてきました。
記事のポイントをまとめると以下のとおりです。
- ドル建て保険は学資保険の代わりになる可能性がある
- ドル建て保険は円建て保険より金利が高く、満期保険金や解約返戻金が高くなりやすいメリットがある
- 一方で、為替差損によって支払った保険料が元本割れする可能性があるなどのデメリットもある
- 教育資金を準備するための保険が決められないときは、保険の専門家である「マネーキャリア」への相談がおすすめ
- 時間や場所を選ばずオンラインで相談可能
- 自分に合った最適なプランを提案してもらえる
- 保険の専門家(FP)に何度でも無料で相談できる
1.返戻率が高い
2.為替によって受け取る金額が増える
3.解約のタイミングが自由に選べる
4.外貨で受け取ることも可能