
- 注文住宅を検討している人
- 自己資金だけではマイホームの購入が厳しい人
- おすすめの分割融資できる銀行を知りたい人
- おすすめの分割融資できる銀行
- 分割融資のメリット・デメリット
- 注文住宅の流れと必要な融資の分割回数
注文住宅を希望する人の中には分割融資を希望している人もいるかと思います。今回の記事ではおすすめの住宅ローンを分割融資できる銀行を紹介します。分割融資とはから始まり、三菱UFJ銀行などメガバンクの分割融資の金利やおすすめの理由を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる住宅ローンの分割融資ができるおすすめの銀行を紹介

おすすめの分割融資できる銀行は以下の通りです。
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
それぞれの銀行の分割融資の特徴や金利を解説します。
また、今回の記事ではメガバンクを中心に扱いますが、信託銀行や地方銀行の中にも分割融資できる銀行があります。
注文住宅の購入を検討している方は、これから紹介するおすすめの銀行に加えて、お近くにある銀行が分割融資を取り扱っているかどうかも確認してみてください。
【補足】分割融資とは?
通常の住宅ローンでは、完成した建物の引き渡しタイミングで融資が実行されます。
しかし、注文住宅を購入する場合、土地の購入代金や建物の着手金など、まとまったお金の支払いが必要なタイミングが複数回あります。
そのため、自己資金が少ない人の場合、複数回ある支払いに対応できません。
分割融資は住宅ローンの借入金をいくつかの段階にわけて受け取ることのできる方法です。
これにより、自己資金が少ない人でも住宅購入が可能になります。
通常の融資と異なり、分割融資は土地の引き渡し時点から始まり、最初の融資があった翌月から返済がスタートする点には注意が必要です。
銀行にもよりますが、最後の融資である建物の引き渡しが終わるまでは利息分の支払いのみの銀行もあるようです。
ただし、住宅ローンを分割融資できる銀行があれば、できない銀行もあります。
また、銀行によって分割できる回数も異なり、事前の確認が必要です。
ここからは分割融資できるおすすめの銀行をご紹介します。
みずほ銀行
みずほ銀行は住宅ローンを分割融資できる銀行の1つです。
対象 | ネット住宅ローンで分割融資可能 |
---|---|
金利 | 0.375%〜1.84% |
(2023年9月時点)
みずほ銀行のネット住宅ローンを利用する場合、分割融資できます。
ネット住宅ローンのメリットには以下のようなメリットがあります。
- 24時間365日いつでも手続きできる
- 店頭で契約するよりも金利が低い
- 印鑑や印紙代(印紙税)が不要
逆にデメリットには対面の相談ができない点です。
1,000万円を超える融資になることも珍しくない住宅ローンなので、対面で銀行員と相談したい、という人もいるでしょう。
そのような人にはネット住宅ローンは向いていませんが、それ以外の人には金利や好きなときに手続きができる点からおすすめできます。
特に、住宅ローンは借入額が大きいため、金利を抑えられる点は大きなメリットです。
みずほ銀行の住宅ローンを契約すると、子育て応援サービスやライフスタイルサービスを利用できます。
子育て支援サービスは20歳未満の子どもがいるなどの条件を満たした際に、返済額増減の手数料が無料になったり、多目的ローンの金利が0.1%優遇されたりするサービスです。
ライフスタイルサービスは出産や育児、旅行などの商品・サービスを割引価格で利用できるサービスです。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行も分割融資できる銀行ではありますが、店頭での個別相談でのみ分割融資に対応しています。
対象 | 店頭での個別相談 |
---|---|
金利 | 0.345%〜1.71% |
(2023年9月時点)
特徴は店頭へ足を運ぶ必要があり、ネット申し込みでは分割融資を利用できない点です。
みずほ銀行と比較すると、この点はマイナス点となります。
一方、金利は審査結果にもよりますが三菱UFJ銀行の方が低いため、店舗に足を運ぶ時間がある方にはおすすめです。
三菱UFJ銀行の住宅ローンは女性向け特典や提携サービスなどを受けられます。
女性向け特典は、出産前後6ヶ月以内に申請することで申請から1年間、金利が0.2%優遇されるサービスです。
提携サービスでは、家電購入や引っ越しの割引に加えて、ホームセキュリティ会社からの特典を受け取れます。
ただし、それぞれ利用可能期間が設定されている点には注意が必要です。
三井住友銀行
三井住友銀行も分割融資できる銀行です。
条件と金利は以下の通りになります。
対象 | 土地先行融資とセットで最大4回 |
---|---|
金利 | 0.475%〜0.725% |
(2023年9月時点)
金利の幅が狭い点は、変動金利でのみ利用可能と記載があるからです。
三井住友銀行では、通常の住宅ローンに加えて土地先行融資も契約すると、融資のタイミングを最大4回にわけられます。
土地先行融資を契約しない場合でも、初回の融資から1年以内であれば最大3回まで住宅ローンの分割融資が可能です。
ただし、土地先行融資を受けるには以下の条件を満たす必要があります。
- 土地ローンの実行から建物の工事の開始までが12ヶ月以内
- 土地ローンの実行から建物の完成までが24ヶ月以内
また、三井住友銀行の住宅ローンを選択するメリットには、クロスサポートやライフイベントサービスなどがあります。
クロスサポートは夫婦のどちらかにもしものことがあった際に、住宅ローンの返済が免除になる商品です。
ライフイベントサービスは住宅ローンを契約した人を対象に、引っ越しやインテリアの購入価格の割引などのサービスを受けられます。
ネット銀行では分割融資ができない
ネット銀行はメガバンクと比較して、住宅ローン金利が低い傾向にあるため、魅力的に感じている人もいるのではないでしょうか。
ほかにも、上乗せ金利なしで契約できる団信の保障内容が充実していたり、事前審査期間が短い点もメリットです。
ただし、ネット銀行では基本的に分割融資ができません。
一部、分割融資できる銀行があり、住信SBIネット銀行には「土地先行プラン」という融資を2回にわける住宅ローンがあります。
分割融資ができない代わりに、つなぎ融資で注文住宅を購入する際の複数の支払いに対応します。
つなぎ融資は土地の購入代金や着手金、中間金を支払うために一時的に借りることのできる融資で、住宅ローンで借りる資金を使い完済します。
登記費用が割安になるメリットがある一方で、金利が高い点などがデメリットです。
分割融資とつなぎ融資のどちらを利用した方がお得かはケースバイケースで一概には言えません。
実際に住宅ローンを契約する前によく確認してください。
住宅ローンの分割融資ができるおすすめの銀行一覧表
ここまで、おすすめの分割融資できる銀行を紹介してきました。
それぞれの銀行の特徴を表でまとめます。
みずほ銀行 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | |
---|---|---|---|
年齢 | 18歳〜71歳未満 完済時の年齢が満81歳未満 | 18歳〜70歳未満 完済時80歳未満 | 20歳〜70歳未満 完済時80歳未満 |
借入金額 | 50万円〜3億円(1万円単位) | 500万円〜1億位円(10万円単位) | 100万円〜1億円(10万円単位) |
借入期間 | 1年〜35年(1年単位) | 2年〜35年(1年単位) | 1年〜35年(1ヶ月単位) |
借入金利 | 変動金利 固定期間選択 (2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年) 全期間固定金利 | 変動金利 固定期間選択 (1年、2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年) 全期間固定金利 | 分割融資は変動金利のみ |
金利方式の切り替え | 変動金利 → 固定金利選択:可 固定金利選択 → 変動金利:可 (固定金利適用期間終了時のみ) | 変動金利 → 固定金利選択:可 固定金利選択 → 変動金利:可 (固定金利適用期間終了時のみ) | |
返済方法 | 元利均等返済 元金均等返済 | 元利均等返済 元金均等返済 | 元利均等返済 元金均等返済 |
特徴 | 子育て支援サービス ライフスタイルサービス | 女性向け特典 提携サービス | クロスサポート ライフイベントサービス |
分割融資の対象や金利は次の見出しで比較します。
住宅ローンの分割融資ができるおすすめの銀行を比較
この見出しでは、おすすめの分割融資できる銀行について、以下の点で比較していきます。
- 分割融資の対象
- 分割融資の金利
実際に店舗に相談しに行ったり、ネットで申し込みしたりする前に対象や金利を知っておくと、どこの銀行で住宅ローンを契約するかをスムーズに決めることができます。
住宅ローンは借入金額が大きく、返済期間も長いので、銀行との付き合いも必然的に長くなります。
そのため、自分に合った銀行を見つけることがとても大切なので、自分に合った銀行はどこか考えていきましょう。
分割融資の対象を比較
分割融資の対象について、表でまとめます。
銀行名 | 対象 |
---|---|
みずほ銀行 | ネット住宅ローン |
三菱UFJ銀行 | 店頭申し込み |
三井住友銀行 | 土地先行融資+住宅ローン |
ネットで完結できる方がいいという人もいれば、借入額が大きいので担当者とじっくり話し合って契約を進めていきたいという人もいるかと思います。
注意点として、審査の結果、分割融資を利用できない場合もあります。
また、三井住友銀行の場合、土地先行融資と住宅ローンをセットで契約しないと土地の購入代金を借りることができません。
分割融資の金利を比較
次に分割融資できる銀行の金利を比較していきます。
銀行名 | 変動金利 | 固定金利(10年) | 全期間固定金利 (31〜35年) |
---|---|---|---|
みずほ銀行 | 0.375〜0.925% | 1.35%〜1.70% | 1.69%〜1.84% |
三菱UFJ銀行 | 0.345%〜0.475% | 0.88%〜1.01% | 1.58%〜1.71% |
三井住友銀行 | 0.475%〜0.725% |
(2023年9月時点)
単純に金利だけで比較すると、三菱UFJ銀行がおすすめになります。
金利は低いに越したことはなく、あえて高くする必要はないからです。
金利の違いによる利息の差を具体的な数字を用いて比較してみます。
条件は以下の通りです。
- 借入金額:3,000万円
- 借入期間:35年
- 返済方法:元利均等返済
- 金利:それぞれの銀行の変動金利の下限
この条件で各銀行の利息の総額は以下のようになります。
- みずほ銀行:2,016,484円
- 三菱UFJ銀行:1,851,999円
- 三井住友銀行:2,568,739円
このように比較すると、金利の差による利息の差、返済総額の差がよくわかるかと思います。
借入金額や返済期間などの条件にもよりますが、10万円以上の差となるケースもあるため、住宅ローン選びにおいて金利はとても重要です。
住宅ローンの分割融資のメリットは?
ここまでは分割融資できる銀行を紹介・比較してきましたが、ここからは分割融資のメリットについて解説していきます。
分割融資には以下のようなメリットがあります。
- 住宅ローンと金利が変わらない
- 住宅ローン控除を利用できる可能性がある
それぞれ詳しく解説していきます。
住宅ローンと金利が変わらない
分割融資は住宅ローンで受け取る資金を分割しているだけなので、金利は住宅ローンと同じです。
先ほど紹介したつなぎ融資と比較すると、金利の差が大きいです。
つなぎ融資は原則無担保融資であり、金利が高くなってしまいます。
具体的な数字で確認してみましょう。みずほ銀行のつなぎ融資と分割融資の金利をまとめます。
▼分割融資
- 変動金利:0.375〜0.925%
- 固定金利(10年) :1.35%〜1.70%
- 全期間固定金利(31〜35年): 1.69%〜1.84%
▼つなぎ融資
- 3.675%
このように比較すると、金利の差が大きいことがわかります。
利息を抑えられる点から住宅ローンと金利が変わらない点は、分割融資のメリットと言えます。
分割融資の場合も住宅ローン控除を利用できるかもしれない
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを新築や取得、増改築などをした場合に、一定の条件を満たすと所得税や住民税から控除される制度です。
期間は最長13年間で、年末時点での住宅ローン残高の0.7%が控除されます。
土地の取得から建物の完成までの時間が2年以内など、いくつかの条件を満たすと分割融資でも住宅ローン減税を利用できます。
住宅ローン減税は節税効果が高いので、利用できるのであれば大きなメリットです。
住宅ローンの分割融資のデメリットは?

先ほどまでは分割融資のメリットを解説しましたが、デメリットもあります。
- 二回分の登記費用が発生する
- 対応している銀行が少ない
繰り返しますが、住宅ローンは1,000万円を超える融資となるケースも珍しくないので、自分に合った契約をすべきだと言えます。
そのためには、メリットだけではなく、デメリットも踏まえて最善の選択肢かどうかを検討すべきです。
二回分の登記費用が発生する
分割融資の場合、土地の取得時と建物引き渡し時で登記を二回行います。
登記は司法書士に依頼することが一般的であり、依頼のたびに司法書士報酬が発生します。
司法書士報酬は依頼する司法書士によって変わりますが、相場は10万円前後です。
とはいえ、住宅ローンを契約する銀行や利用する不動産会社によっては、依頼する司法書士を指定されるケースもあります。
また、銀行によっては融資を実行するたびに手数料が発生することもあり、諸費用の負担が大きくなりやすいです。
そもそも分割融資を対応している銀行が少ない
分割融資できる銀行はあまり多くないのが現状です。
そのため、注文住宅を希望の方で、分割融資を希望する方は選べる銀行の選択肢が狭くなります。
条件がいい銀行があったとしても、分割融資を取り扱っていないという理由で候補から外さなければならない点はデメリットです。
あくまで可能性の話ですが、あなたが住宅ローンを契約する上で最適な条件の銀行が分割融資を取り扱っていない、というケースも考えられます。
分割融資にこだわると、最適解と比較して多少不利な条件で住宅ローンを契約しなければならない可能性があります。
住宅ローンの分割融資の最適な時期は?

最後に分割融資の最適な時期について解説します。
分割融資できる銀行とは言っても、分割融資できる回数に制限がある場合もあります。
ここでは、注文住宅の支払い時期と支払い金額の目安を解説します。
注文住宅の支払い時期の目安は以下の通りです。
- 土地を購入したとき
- 着手金の支払い
- 中間金の支払い
- マイホームの引き渡し日
上記4つのタイミングで融資が実行されると、自己資金が少ない人でも注文住宅を購入しやすくなります。
土地を取得したタイミング
1回目のタイミングは土地の購入代金を支払うタイミングです。
注文住宅では、土地を購入してからその土地に新しい家を建てる、という流れになります。
土地だけでも1,000万円を超えるケースもあるので、自己資金だけで支払うのは厳しいかと思います。
そのため、土地の購入代金とマイホームの引き渡し日の最低2回は分割回数が欲しいですね。
土地の購入代金は、周辺環境や道路条件、面積、形状など、さまざまな要素から決まります。
不動産会社などで希望する土地の相場を聞きましょう。
相場がわからないと借入額がわからず銀行に融資の申し込みができません。
なお、分割融資の返済は土地の購入代金の融資が終わったタイミングから発生します。
契約する銀行によって返済方法が異なり、最後の融資が終わるまでは金利分のみの支払いとなる銀行もあるようです。
着手金の支払いの時期
2回目のタイミングは着手金を支払う時期です。
同時に住宅ローンの本申込の時期です。
ここからは建物に関する費用になります。
建築費用は依頼するハウスメーカーや工務店などによって大きく変わります。
着手金は建築費用のうち、工事に着手するときに支払う代金です。
一般的な目安としては建築費用の約30%です。
建設費用が3,000万円の場合、900万円ですね。
中間金の支払いの時期
次のタイミングは中間金の支払い時期です。
融資のタイミングごとに契約が必要な銀行があれば、契約が最初の1回だけの銀行もあります。
とは言え、契約が複数ある銀行でも、2回目以降の契約は簡単な契約書の場合が多いようです。
中間金の支払い時期の目安は住宅の骨組みと屋根が出来上がったタイミングとされています。
「上棟」と呼ばれる時期であり、上棟金と呼ばれることもあるようです。
中間金も目安は建築費用の約3割となっています。
建築に使われる資材の費用だったり、人件費などに充てられます。
マイホーム引き渡し日
最後のタイミングはマイホームの引き渡し日です。
建築費用の残り全額を支払います。
注意点として、マイホームの引き渡し日には銀行手数料と登記費用が必要です。
契約内容によってはほかのタイミングでも銀行手数料が発生します。
よく確認しておきましょう。
まとめ:住宅ローンの分割融資ができるおすすめの銀行はどこ?ネット銀行の住宅ローンは分割融資可能?

今回は住宅ローンを分割融資できる銀行を紹介しました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 分割融資を利用すると、自己資金が少なくても注文住宅を利用しやすくなる
- おすすめの分割融資できる銀行はみずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行
- ネット銀行のほとんどは分割融資できない
- 銀行によって金利や分割回数が異なる
- 分割回数は4回あるといい
注文住宅を希望する場合、土地の購入代金や着手金など、100万円以上、1,000万円以上のまとまったお金が必要になるタイミングが複数あります。
そのため、自己資金だけで全ての支払いに対応するのは難しいです。
理想のマイホームのために、注文住宅を検討している方は、今回紹介した分割融資できる銀行に加えて、近くの地方銀行などにも相談してみてください。