住宅ローンの頭金をいくらに設定するかは難しく、収支のバランスが見極められずに悩んでいる人は少なくありません。
購入予定の住宅価格や、手持ちの資産によって最適な設定が変化するため、いくらと簡単には決められないケースが多くなります。
そこで今回は「住宅ローンの頭金をいくらが適切か」を、頭金のシミュレーションを含めて詳しく解説していきます。
・住宅ローンの頭金はいくらくらいにすればいいかわからない
・頭金をいくらに設定するかで悩んでいる
該当する人はこの記事を読めば適切な住宅ローンの頭金設定ができ、無理のない返済ができます。最後まで読んで、ぜひ参考にしてください。
内容をまとめると
- 住宅ローンの頭金をいくらにするか迷った場合は、購入金額の20%程度を目安に考えてみる。
- 頭金を多く設定する場合も少なく設定する場合も、それぞれにメリット・デメリットがあるのでメリットを最大限活かせるようにする。
- 住宅ローンの頭金が大きいほど借入金額が少なくなるため、ローンの審査に通りやすくなる可能性が上がる。
- 最適なバランスは家計の収支によって異なるため、お金のプロに何度でも無料で相談できるマネーキャリアのような相談窓口で詳しく相談するのがおすすめ。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 住宅ローンの頭金はいくらが適切?
- 一般的には購入金額の20%が適切
- 頭金の平均は新築住宅では17.3%
- 頭金が多い場合のメリットは?
- 借入額が減少し金利負担が軽減する
- ローンの審査に通りやすい
- 金利優遇を受けられる場合がある
- 頭金が少ない場合のメリットは?
- 資金の流動性が高まる
- 住宅購入の早期実現が可能
- 税制優遇措置の活用ができる
- 購入金額ごとの適正頭金額をシミュレーション
- 住宅価格が3,000万円の場合
- 住宅価格が4,000万円の場合
- 住宅価格が5,000万円の場合
- 【一番オススメ】住宅ローンの頭金に悩む人が使うべき方法とは
- 住宅ローンの審査に関する相談が何度でも無料:マネーキャリア(丸紅グループ)
- まとめ:住宅ローンの頭金はいくらが適切?
住宅ローンの頭金はいくらが適切?
住宅ローンの頭金を適切な金額に設定できるかは住宅ローンの一番重要なポイントで、一般的には購入価格の20〜25%が適切とされています。
実際にはもう少し低めの頭金設定が増えつつありますが、予定している価格の20~25%は準備しておけば安心して頭金をいくらにするかを考えられます。
あくまで月々の返済負担や金利負担とのバランスを考え、無理のない金額を設定しましょう。
頭金なしの住宅ローンも存在はしますが、デメリットも多いため慎重に検討する必要があります。
一般的には購入金額の20%が適切
住宅ローンの頭金をいくらにするか迷っている場合、一般的には購入金額の20%が目安になります。
バランスの取れた借入額と返済計画を立てる上で、購入金額の20%という設定は頭金をいくら用意しておけばいいかの重要な目安です。
例えば、3,000万円の物件を購入する場合、600万円程度の頭金を用意できれば理想的な条件で住宅ローンを組める可能性が高まります。
無理なく支払える範囲で20%の頭金を用意できるかを目安に、支払いの計画を立てるのがおすすめです。
頭金の平均は新築住宅では17.3%
国土交通省住宅局の令和3年度住宅市場動向調査報告書では、注文住宅の頭金平均額は641万円となっており、割合にすると頭金の平均は住宅価格の17.3%でした。土地付きの注文住宅では、さらに低い9.6%です。
現実的には20%以下の頭金というケースが多いのがわかります。
住宅ローンによって頭金や金利が異なるため、必ずしも20%でなければならない訳ではありません。
月々の返済を軽くするために、無理して頭金を用意するようでは本末転倒になってしまうので、自分が毎月いくらなら返済できるかを考えた無理のないプラン設計が何よりも重要です。
頭金が多い場合のメリットは?
住宅ローンの頭金を多めに設定するメリットは大きく分けて3つあります。
- 借入額が減少し金利負担が軽減する
- ローンの審査に通りやすい
- 金利優遇を受けられる場合がある
基本的に住宅ローンはお金を借りるサービスなので、借りる額が少ない程さまざまな面でメリットがあります。
ただし、その分まとまった額の頭金を用意する必要があるので、手持ちの資産に十分な余裕がある人向けの方法といえます。
メリットがあるとはいえ、家計の収支バランスを無視して高額な頭金設定をするとデメリットとなる場合もありますので、適切な頭金を設定しましょう。
借入額が減少し金利負担が軽減する
住宅ローンの頭金を多めに設定して借入総額が少なくなれば、それだけ支払わなければならない金利負担(利息)が減ります。
例えば3,000万円の住宅を購入する場合に頭金を購入額の10%にあたる300万円にした場合と、20%にあたる600万円にした場合、借入額の差は300万円です。
年利が1%程度で、数十年に渡って返済すると考えた場合、支払い総額は数十万円変わってきます。
毎月の金利負担を軽くし、総支払額を減らすために、頭金を多めに設定するのは有効な方法です。
ローンの審査に通りやすい
住宅ローンの頭金を多めに設定して支払えるのであれば、ローンの審査に通りやすくなる可能性があるのもメリットです。
ローン会社は利用者の返済能力を審査するので、単純に借入額が少ないほど毎月の返済がしやすいと判断します。
十分な頭金を支払える上に借入額が少なめの利用者は、ローン会社からすればリスクの少ない利用者と判断できます。
頭金の額が多いほど、ローンの審査に通りやすくなる可能性がある点は覚えておきましょう。
金利優遇を受けられる場合がある
住宅ローンの頭金を多めに設定できる場合、ローンによっては金利優遇を受けられる可能性があります。
購入金額の20%以上の頭金を支払っている場合は0.1%の金利優遇、30%以上の頭金を支払っている場合0.2%金利優遇など段階的に優遇が変わるケースもあります。
頭金が多いほど基本的には毎月の返済額自体が少なくなりますが、金利優遇があればさらに負担は軽くなるのはメリットです。
頭金を多めに用意できる場合は、金利優遇があるローンも含めて検討してみましょう。
頭金が少ない場合のメリットは?
頭金が多い場合だけでなく、頭金が少ない場合にもいくつかメリットがあります。
- 資金の流動性が高まる
- 住宅購入の早期実現が可能
- 税制優遇措置の活用ができる
十分な頭金を用意できるのが理想ではありますが、頭金が少ない場合のメリットを活かして住宅購入の計画を立ててみるのも1つの手です。
頭金なしという住宅ローンもありますが、メリットとデメリットを考慮して慎重に選びんましょう。
基本的には借入額が増えるほど金利負担は増えてしまうので、無理なく毎月の返済ができるかを重点的に考えてみましょう。
資金の流動性が高まる
頭金を少なく設定する場合、手元に資金を残せるのがメリットの1つです。いざという時に動かせる資金が多いほど安心感が高く、柔軟に対応ができます。
また、残った資金を投資に回す方法もあり、資金の流動性を高められるのは大きなメリットです。
ただし、借入額は増えてしまうので、月々の返済額や増加する利息額とのバランスを見極める必要があります。
長期的な計画を立てて、収支のバランスを検討するのが重要です。
住宅購入の早期実現が可能
頭金が少なくてもローンを組めるのであれば、手持ちの資産が少なくても早期に住宅を購入できるというのは大きなメリットです。
若年層や新婚夫婦で賃貸物件を借りている場合、家賃の支払いをローン返済に充てられるため無駄が少なくなります。
もちろん収入と支出のバランスを考えて、無理のない返済計画を立てる必要はありますが、十分な貯金がなくても住宅を購入できる可能性があります。
ただし、借入額や利息の総額は増えるため、慎重に検討しましょう。
税制優遇措置の活用ができる
頭金が少ない場合、住宅ローン減税などの税制優遇措置を最大限活用できるケースがある
のもメリットの1つです。
借入額が多いほど、住宅ローン控除の上限まで優遇を受けられる可能性が高まります。
住宅ローン減税は、年末時点のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除する制度です。
3,000万円の住宅を購入した場合、頭金を20%支払っている場合は2,400万円のローンに対して控除が発生します。
住宅ローン減税には申請条件があるので、頭金を少なく設定する場合は申請条件も確認しておきましょう。
購入金額ごとの適正頭金額をシミュレーション
住宅ローンの頭金は借入金額によって変わるため、頭金の割合を決めた際に具体的に頭金がいくら必要かシミュレーションしておくのがおすすめです。
購入金額を考慮せずに割合だけ決めても、実際に頭金を用意できなければ意味がなくなります。
ここでは、例として3,000~5,000万円の住宅を購入する場合、頭金が具体的にいくらになるか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
自分が用意できる頭金や、月々の返済額とのバランスを考えておきましょう。
住宅価格が3,000万円の場合
住宅購入が3,000万円の場合、頭金と借入金は以下の通りです。
頭金の割合 | 頭金 | 借入金額 |
---|---|---|
10% | 300万円 | 2,700万円 |
20% | 600万円 | 2,400万円 |
30% | 900万円 | 2,100万円 |
頭金を多めに用意できれば、その分だけ借入金額が減ります。
住宅価格が3,000万円の10%でも頭金は300万円ですので、できるだけ準備をしてから購入計画を立てるのがおすすめです。
一方で、ある程度の資産がある場合は20~30%の頭金に設定して金利優遇などを受けやすい価格帯ともいえます。
住宅価格が4,000万円の場合
住宅購入が4,000万円の場合、頭金と借入金は以下の通りです。
頭金の割合 | 頭金 | 借入金額 |
---|---|---|
10% | 400万円 | 3,600万円 |
20% | 800万円 | 3,200万円 |
30% | 1,200万円 | 2,800万円 |
30%の頭金を用意しようと思うと1,000万円を超えてしまうため、手持ちの資産にそれなりの余裕がない人には厳しい頭金です。
ただし、30%の頭金を用意できれば借入金額を大幅に抑えられるので、住宅ローンの審査に通りやすくなります。
住宅価格が5,000万円の場合
住宅購入が5,000万円の場合、頭金と借入金は以下の通りです。
頭金の割合 | 頭金 | 借入金額 |
---|---|---|
10% | 500万円 | 4,500万円 |
20% | 1,000万円 | 4,000万円 |
30% | 1,500万円 | 3,500万円 |
頭金の割合を10%に設定しても500万円で、20%の時点で1,000万円を超えるため、十分な手持ち資産を用意する必要があります。
全体的に借入金額も大きくなりますので、住宅ローンの審査を通過するには十分な返済能力が要求されます。
【一番オススメ】住宅ローンの頭金に悩む人が使うべき方法とは
住宅ローンの頭金がいくらと決められずに悩んでいる場合、やはりプロに相談するのがおすすめです。
住宅ローンの頭金の目安自体は存在しますが、自身の手持ち資産をどの程度残すかや、月々の支払いとのバランスが重要です。
しかし、家計の収支や手持ちの資産によって適切なバランスが変わるため、最適な頭金を設定するのは難しく、なかなか具体的な話に進められないというケースもあります。
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まとめ:住宅ローンの頭金はいくらが適切?
今回は住宅ローンの頭金はいくらが適切か詳しく解説しました。
一般的には購入金額の20%といわれていますが、新築住宅の最新の集計では17.3%と若干低めの頭金が平均というデータも出ています。
重要なのは無理のない支払いができるバランスで住宅ローンを組めるかなので、住宅ローンの頭金は慎重に検討しましょう。
しかし、20%頭金を用意するのが難しかったり、逆にもう少し多めに頭金を用意できる場合などさまざまなケースがあります。
そのため、自分一人で頭金をいくらと決めるのが難しいと感じた場合は、無料で何度でも、住宅ローンのプロに相談可能なマネーキャリアの利用を検討してみましょう。
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