
「新NISAでドル建て投資はできる?」
「新NISAでドル建て投資をするメリット・デメリットが知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
結論、新NISAでもドル建て投資をすることは可能です。
そこで、本記事では、新NISAでドル建て投資するメリット・デメリットについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、新NISAを活用したドル建て投資の基礎知識が身につき、自分に合った運用商品選びにつなげることができるので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
新NISAでドル建て投資は可能!

新NISAでドル建て投資は可能です。
2024年から始まった新NISA制度では、一般NISA・つみたてNISAともに、条件を満たしたドル建て商品への投資が認められています。
具体的には、以下の商品が投資可能です。
- 米国株ETF(VOO、VTI、QQQなど)
- 外貨建て投資信託
- 米国REIT
- グローバル株式インデックスファンド(ドル建て)
ただし、直接海外の証券会社で購入する外国株式やETFはNISA口座での購入対象外となるため注意が必要です。
新NISAでドル建て投資するメリット

新NISAでドル建て投資するメリットは主に以下の3つです。
- 円安による資産増加の可能性がある
- 運用益が非課税になる
- 円建てよりも高金利になる可能性がある
円安による資産増加の可能性がある
円安による資産増加の可能性があるのがドル建て投資の大きなメリットです。
例えば、1ドル=100円の時に1万ドル(100万円)分の米国ETFを購入し、その後1ドル=130円になった場合、為替変動による差額だけで30万円の利益が生まれます。
このように、円安が続く環境では、投資対象自体の価格が変わらなくても為替変動だけで価値が増加する可能性があります。
特に日米の金利差が大きい経済環境では、円安傾向が続くとの見方も多く、資産分散の観点からもドル建て投資の重要性が高まっています。
運用益が非課税になる
運用益が非課税になることは、新NISAでドル建て投資をする大きなメリットです。
通常、投資で得た利益(値上がり益や配当金)には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内で運用すれば、これらの税金がかかりません。
例えば、100万円の投資で10%のリターンを得た場合、通常なら約2万円の税金がかかりますが、NISA口座なら10万円をそのまま受け取れます。
この非課税メリットは複利効果とも相まって、長期投資ではより大きな差となって表れるため、資産形成の効率が格段に向上します。
円建てよりも高金利になる可能性がある
円建てよりも高金利になる可能性があるのもドル建て投資の魅力です。
この金利差は債券だけでなく、企業の業績や配当にも影響を与えるため、ドル建て商品の方がリターンが高くなる可能性があります。
また、米国市場には世界的なテクノロジー企業が多く上場しており、成長性の高い企業へ投資する機会も豊富に得られます。
新NISAでドル建て投資するデメリット

新NISAでドル建て投資するデメリットは主に以下の3つです。
- 為替変動リスクがある
- 外国税額控除の適用外になる
- 情報収集に手間がかかる
為替変動リスクがある
為替変動リスクがあることはドル建て投資の最大のデメリットです。
円安の状況ではメリットとなりますが、逆に円高になると、投資対象自体の価格が上昇していても為替変動によって利益が相殺されたり、損失が発生したりする可能性があります。
例えば、1ドル=130円の時に1万ドル(130万円)分の米国ETFを購入し、その後1ドル=100円になった場合、為替変動による差額だけで30万円の損失が生じます。
このリスクを軽減するためには、定期的に積立投資する方法や、円建て資産とのバランスを取るなどの対策が必要です。
外国税額控除の適用外になる
外国税額控除の適用外になることも、NISA口座でドル建て投資をする際のデメリットです。
米国株式やETFからの配当金には、一般的に10%程度の米国源泉税が徴収されます。
通常の特定口座では、この外国で支払った税金を日本の税金から控除できる「外国税額控除」が適用されますが、NISA口座では非課税のため、この控除を受けられません。
つまり、NISA口座で受け取る配当金には外国での源泉徴収税がそのままかかることになり、この部分については実質的に二重課税となってしまいます。
情報収集に手間がかかる
情報収集に手間がかかることもドル建て投資のデメリットです。
米国市場の動向や企業情報は英語での発信が中心となるため、日本語での情報収集が難しい場合があります。
また、時差の関係で米国市場のリアルタイム情報を追うには、日本時間の深夜に対応する必要があります。
さらに、為替レートの変動要因は複雑で、金利差だけでなく各国の政治情勢や経済指標など様々な要素が絡み合うため、分析には専門知識が求められます。
ドル建て投資が向いている人

- 海外資産でリスク分散したい人
- 為替リスクを許容できる人
- 米国株や米国ETFに興味がある人
また、円安や国内のインフレリスクに備えてリスク分散をしたい方にもメリットがあります。
ドル建て投資が向いていない人

- 為替リスクを避けたい人
- 投資初心者や手間をかけたくない人
- 短期的な価格変動に不安を感じやすい人
特に短期間で資金が必要になる可能性がある方には、為替変動の影響を受けにくい円建て商品がより適しています。
また、投資に充てられる資金が少ない場合は、まずは円建て投資で経験を積んでから徐々にドル建て投資を検討するのも一つの方法です。
新NISAでのドル建て投資に関するよくある質問
新NISAでのドル建て投資に関するよくある質問を解説します。
解説する質問は以下のとおりです。
- 円建てとどちらが有利ですか?
- 為替手数料はどれくらいかかりますか?
- 配当金を受け取った場合の税金はどうなりますか?
よくある質問への解説を見て、不安や疑問点を解消しましょう。
円建てとどちらが有利ですか?
円建てとドル建てのどちらが有利かは、為替相場の動向や投資期間によって変わります。
円建て投資とドル建て投資の比較は以下のとおりです。
比較項目 | 円建て投資 | ドル建て投資 |
---|---|---|
為替リスク | なし | あり |
円安時の有利性 | 不利 | 有利 |
円高時の有利性 | 有利 | 不利 |
為替手数料 | 不要 | 必要 |
投資対象の多様性 | 限定的 | 豊富 |
円安が続く場合はドル建て投資が有利になりますが、円高に転じるとドル建て投資は不利になります。
長期投資の場合、為替変動は平均化される傾向があるため、投資対象自体のパフォーマンスがより重要になってきます。
また、円建てとドル建ての投資をバランスよく組み合わせることで、為替リスクを分散させる方法もおすすめです。
為替手数料はどれくらいかかりますか?
為替手数料は金融機関によって大きく異なります。
一般的に銀行では片道25銭~1円程度の為替手数料がかかりますが、ネット証券では片道3銭~20銭程度と比較的安く設定されています。
例えば、1ドル=130円の時に1万ドルを購入する場合、銀行の為替手数料が片道50銭だと往復で1万円の手数料がかかる計算になります。
長期投資や頻繁に取引する場合は、為替手数料の安い証券会社を選ぶことで、コストを大幅に抑えられます。
配当金を受け取った場合の税金はどうなりますか?
NISA口座で受け取る配当金は日本での課税は非課税となります。
ただし、米国株式やETFからの配当金には、米国の源泉税(一般的に10%程度)が課されます。
通常の特定口座であれば、この米国源泉税は「外国税額控除」として日本の税金から控除できますが、NISA口座では日本での課税がないため、この控除を受けることができません。
つまり、NISA口座での米国株投資では、配当金に対して米国源泉税分だけ課税されることになり、完全な非課税にはならない点に注意が必要です。
配当金の税金や為替リスクなど、ドル建て投資には複雑な要素が多いため、専門家(FP)への相談をするのがおすすめです。
新NISAのドル建て投資に関する悩みはマネーキャリアへ相談!

新NISAのドル建て投資に関する悩みは専門家に相談するのが最適です。
ドル建て投資は為替リスクや税金の扱いなど、円建て投資よりも考慮すべき要素が多く、個人の判断だけで進めると思わぬ失敗をする可能性があります。
特に、自分のライフプランや投資目的に合わせた最適な資産配分や、市場環境の変化に応じた投資戦略の調整には専門的な知識が必要です。
特におすすめな相談窓口はマネーキャリアです。