

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 米ドルと豪ドルはどっちがいい?まずは基本を確認しよう
- 米ドルと豪ドルの国債利回りの比較
- 米ドルと豪ドルのリスクの比較
- 【結論】初心者は米ドル・金利重視の人は豪ドルを検討してみてはいかがでしょうか
- あなたにぴったりの方法は?無料FP相談で最適な運用プランを立てよう
- 米ドルの特徴
- 米ドルの特徴・メリット
- 米ドルのリスク
- 豪ドルの特徴
- 豪ドルの特徴・メリット
- 豪ドルのリスク
- 迷ったら無料FP相談!プロと一緒に自分に合った運用方法を見つけよう
- 外貨投資で失敗しないためのポイント4つ
- 投資目的を明確にする
- リスク管理を徹底する
- 分散投資を心がける
- ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談する
- 【まとめ】米ドル・豪ドルは特性を理解して選ぼう
米ドルと豪ドルはどっちがいい?まずは基本を確認しよう
米ドルと豪ドルどっちがいいと決める前に、それぞれの通貨の特徴を見てみましょう。米ドルと豪ドルの特徴を表で比較します。
項目 | 米ドル(USD) | 豪ドル(AUD) |
---|---|---|
発行国 | アメリカ合衆国 | オーストラリア |
主な特徴 | 基軸通貨 国際決済で広く使用 | 資源国通貨 貿易での使用が多い |
金利の傾向 | 低金利傾向 | 高金利傾向 |
為替手数料 | 低め | やや高め |
影響を 受けやすい要因 | FRBの金融政策 経済指標 地政学リスク | RBAの金融政策 コモディティ価格 中国経済 |
情報収集の しやすさ | しやすい | 比較的しやすい |
米ドルは基軸通貨として世界中で使われており、日本でもニュースで取り上げられる機会が多く、情報も豊富です。価格変動の要因がつかみやすく、分析しやすい通貨と言えるでしょう。
一方、豪ドルは資源国通貨であり、鉄鉱石や石炭といった資源価格の影響を受けやすい特徴があります。外貨投資では比較的高金利が魅力ですが、米ドルと比べると関連情報は少なめなため、慎重な判断が求められます。
米ドルと豪ドルの国債利回りの比較
両国の通貨を比較した後は、国債利回りを見てみましょう。以下が10年の国債利回りです。
日本円 | 米ドル | 豪ドル |
---|---|---|
1.580% | 4.353% | 4.478% |
※2025年3月27日時点
10年国債利回りでは、豪ドルが最も高い水準となっています。国債利回りとは、国債に投資した際の年間利回りを示すもので、金利の目安のひとつです。米ドルと豪ドルのどちらに投資するかを判断する際、利回りの高さを基準にするのも一つの方法といえるでしょう。
日本の利回りは依然として低水準ですが、金融緩和の修正によりやや上昇傾向にあります。一方、米国やオーストラリアでは高金利が続いており、インフレ抑制を目的とした利下げのタイミングを慎重に見極めています。一般的には、金利が高い国は経済成長が強く、金利が低い国は経済成長が鈍い傾向にあるとされています。
米ドルと豪ドルのリスクの比較
米ドルと豪ドルのどちらにもリスクが存在します。それぞれのリスクを比較した表が以下の内容です。
米ドル | 豪ドル | |
---|---|---|
経済安定性 | 比較的安定 | 資源価格に依存 |
金利リスク | 低金利ながらも 利上げリスクは存在する | 高金利ながらも 変動幅が大きい |
インフレリスク | FRBの政策 に影響される | 資源価格と中国掲経済 に影響される |
市場流動性 | 流動性が高い | 比較的流動性は高い |
政治リスク | 国内政策や国際情勢 の影響を受ける | 中国経済 の影響を受ける |
通貨変動 | 安定しているけど 変動リスクはある | 資源価格の影響で変動する |
経済が比較的安定しているアメリカの米ドルは、外貨の中でも安定性の高い通貨といえます。一方、豪ドルは資源国通貨であり、資源価格の変動に影響を受けやすいため、米ドルよりも為替の変動リスクが高い傾向があります。米ドルと豪ドルのどちらを選ぶかは、金利だけでなくリスクの大きさも踏まえて、総合的に判断することが重要です。
【結論】初心者は米ドル・金利重視の人は豪ドルを検討してみてはいかがでしょうか
米ドルと豪ドルのどちらを選ぶかは、投資の目的に応じて決めるのがポイントです。
初心者におすすめなのは米ドルです。米ドルは安定性が高く、日本でも情報を得やすいため、外貨投資に慣れていない方に向いています。まずは米ドルから始めてみると良いでしょう。
一方、高金利を重視する投資家には豪ドルが適しています。豪ドルは金利が高めで、リスクを許容できる方には魅力的な選択肢となります。高い利回りを目指すなら、豪ドルを検討してみてはいかがでしょうか。
あなたにぴったりの方法は?無料FP相談で最適な運用プランを立てよう

米ドルと豪ドルは、どちらも外貨投資において人気の通貨です。どちらが良いかは一概に言えませんが、外貨投資を始める際にはどちらもおすすめの通貨です。
米ドルは基軸通貨として安定性があり、国際社会での信頼性が高いです。一方、豪ドルは高金利で知られていますが、資源や中国経済の影響を受けやすいです。外貨投資を行う際には、長期的な見通しを持ち、為替変動や金利差などを十分に考慮することが重要です。

米ドルの特徴
米ドルは基軸通貨として、信頼性が高く、国際通貨としての地位を確立してきました。国際貿易や金融、投資などで広く利用され、世界の多くの国が取引で米ドルを使用しています。そのため、米ドルと豪ドルどちらが良いか決める際には、安定性を重視して米ドルを選ぶのも一つの方法です。
2023年時点で、世界の外貨準備金の約58%が米ドルで占められており、その割合は依然として高いです。ただし、2000年初頭には約70%を占めていたため、近年その割合は低下しています。この傾向は、脱ドルを進める国々が増加したことが影響しています。
米ドルの特徴・メリット
米ドルには以下のような特徴やメリットがあります。
- 基軸通貨で安定性が高い
- 流動性が高い
- 安全資産として資金が集まりやすい
通貨として見たならば、安定性の高い通貨と言えます。アメリカの経済基盤は固く、比較的高い成長率となっており、インフレ率が低いです。また、政治的にも安定しているのも、通貨としての安定性を高めています。
米ドルのリスク
米ドルには、以下のリスクが存在します。
- 経済リスク
- 金融政策リスク
- 地政学リスク
アメリカの経済が低迷すると、投資家が米ドルを売って下落に繋がります。金融政策リスクはFRB金利政策の影響があります。地政学リスクと存在するのは、国際紛争や他国との貿易戦争です。米ドルに投資するならば、このようなリスクを考慮し、大幅な価格変動に備えておきましょう。
豪ドルの特徴
世界では6番目に取引量の多い通貨です。リスクオン通貨として、景気が良いと買われて、景気が悪いと売られる傾向にあります。世界の為替市場では、主要な通貨の1つとして取引されています。
米ドルのように基軸通貨ではありませんが、一部の国で準備通貨として使用されています。準備通貨とは、外貨準備金の主要な通貨として使われる通貨のことです。
豪ドルの特徴・メリット
豪ドルには、以下のような特徴やメリットがあります。
- 資源国通貨
- スワップが狙いやすい
- 価格変動が大きい
鉄鉱石や石炭、金などの資源が多いのがオーストラリアです。資源の輸出部分が大きな収入となっているので、資源価格の影響を受けます。政策金利が高いために、スワップポイント狙いで、取引されることの多い通貨です。リスクオフの逃避先として選ばれやすい通貨であるため、世界経済の好景気と不景気で価格が変動しやすいです。
豪ドルのリスク
豪ドルのリスクとしては、資源価格の変動、金利低下時の影響、そして中国経済の影響が挙げられます。
オーストラリアは資源輸出による収益が大きいため、資源価格が低下すると、利益が減少し、豪ドルが売られることで通貨価値が下がる可能性があります。また、金利が低下すると、得られるスワップポイントが減少し、これが豪ドル売りを引き起こすリスクにもなります。
さらに、中国経済の影響も重要です。オーストラリアは最大の貿易相手国が中国であり、したがって中国経済の良し悪しが豪ドルの価格に大きな影響を与えます。
迷ったら無料FP相談!プロと一緒に自分に合った運用方法を見つけよう

外貨投資を行う際には、米ドルと豪ドルのどちらが適しているかを決めるのはもちろん、投資額や投資期間も重要な要素です。また、投資通貨の価格変動を見極め、柔軟に利確や損切りを行うことが求められます。外貨投資を始めるには、まずどの証券会社や銀行を利用するかを決める必要があります。
運用方法は、投資資金や投資方針によって異なります。自分に最適な運用方法を見つけるために、いくつかの方法を試してみることをお勧めします。
運用方法としては、短期運用と長期運用の2つが代表的です。短期も長期も、それぞれにメリットとデメリットがあります。外貨投資の目的は利益を得ることなので、どれくらいの利益を得たいか、そしてそのためにはどれぐらいの期間で運用するかを決めることが重要です。

外貨投資で失敗しないためのポイント4つ

外貨投資で失敗しないためには、以下の4つを考慮しましょう。
- 投資目的を明確にする
- リスク管理を徹底する
- 分散投資を心がける
- ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談する
投資目的を明確にする
外貨投資を行ううえでは、短期投資なのか長期投資なのか、投資期間をどれぐらいにするか決めましょう。投資額でいくらの運用益を得たいかを考えれば、利率によってどれぐらいの期間投資すれば、目的の運用益を得られるかわかるでしょう。
1年から数年での投資が短期投資であり、10年以上の投資が長期投資となります。まずは、何年間投資したいのかを考えてみましょう。
リスク管理を徹底する
長期的に利益を得るためには、資産を失わないようにリスク管理を行うことが大切です。米ドルと豪ドルのどちらに投資するか決めて外貨投資を行う際には、リスク管理をしっかりと行いましょう。その1つの方法が、早めの損切りです。
例えば、豪ドルを1万通貨購入した場合、1円価格が下がると単純計算で1万円の損失が発生します。もし10円下がれば10万円の損失となります。投資資金が10万円の場合、豪ドル価格が10円下がると、すべての資金を失ってしまうことになります。
資産を守るためには、豪ドル価格が0.1円や0.5円下がった時点で、含み損が大きく膨らむ前に損切りをすることを検討しましょう。
分散投資を心がける
外貨投資では、利益を得る可能性がある一方で、大きな損失を被るリスクもあります。米ドルと豪ドルのどちらを選んで投資しても、必ずしも成功するとは限りません。そのため、分散投資を活用してリスクヘッジを行い、リスク対策を講じておくことが重要です。
分散投資とは、資金をいくつかの通貨に分けて投資する方法です。例えば、米ドルと豪ドルのどちらに投資するか迷っている場合、投資資金を半分ずつ米ドルと豪ドルに分けて投資することができます。
このように分散投資を行うことで、もし米ドル価格が下がった場合でも、豪ドル価格が上昇すれば、損失をカバーすることができます。しかし、2つの通貨だけでは、両方の通貨が下落するリスクも残ります。したがって、可能であれば、さらに他の通貨にも投資することで、分散投資の効果を高めることができます。
ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談する
外貨投資を進めていく中で、損切りすべきか、投資資金を追加すべきか、あるいは投資先通貨を変更すべきかといった判断に迷うことはよくあります。その際、適切な判断を誤ると、思わぬタイミングで大きな損失を被るリスクが高まります。
このような状況で迷ったときに、資産運用に詳しい専門家に相談できると、大きな助けになります。経験豊富なアドバイザーのアドバイスを受けることで、今後の運用方針が明確になり、安心して投資を続けることができるでしょう。
もし周りに相談できる人がいない場合は、SNSなどで運用に関するコミュニティや専門家を見つけて相談してみるのも一つの方法です。しっかりとアドバイスを受け、リスクを管理しながら賢明な投資を続けていきましょう。
【まとめ】米ドル・豪ドルは特性を理解して選ぼう

外貨投資を行う場合、米ドルと豪ドルの特性をしっかりと調べておくことが重要です。それぞれの通貨がどのような要因で影響を受け、価格が変動するのかを理解することで、どちらが自分の投資スタイルに合っているかを見極めることができます。
しかし、どちらが良いか決めるのが難しい場合もあります。そのため、専門家の意見を聞くことも一つの方法です。特に、ファイナンシャル・プランナー(FP)や独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)が在籍している窓口で相談することで、ライフプランに合わせた投資アドバイスを受けることができます。
マネーキャリアは、FPやIFAが所属している専門的な相談窓口を提供しており、アフターフォローも充実しているため、安心して相談できます。どんな悩みでも気軽に相談し、最適な運用方法を見つけるサポートをしてもらえるので、外貨投資に関しても心強い味方となるでしょう。
