

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 40年ローンのデメリット6つを解説
- 利息が増えるため総返済額が大きくなる
- 金利が高い傾向がある
- 定年後の返済リスクが高まる
- ライフプランの変化に対応しにくい
- 選べる金融機関が限られる
- 残債割れ(オーバーローン)のリスクが高まる
- 40年ローンはデメリットが大きい!FPと一緒にリスクを把握しながら検討しよう
- 【実際どうだった?】40年ローン利用者にアンケート
- 40年ローンを選んだ理由は何ですか?
- 40年ローンを選んで、良かったと感じることは何ですか?
- 40年ローンを選んで、不安に感じていることはありますか?
- 40年ローンはどんな人に向いてる?
- 20代で家を購入する人
- これから収入の増加が見込める人
- 計画的に繰り上げ返済できる人
- 40年ローンを検討する際は無料FP相談を活用するのがおすすめ
- 40年ローンで後悔しないために確認すべきこと3つ
- 返済比率は手取りの20%〜25%以内か
- 計画的に繰り上げ返済できるか
- 定年後もローンの支払いができるか
- 【まとめ】40年ローンにはデメリットがある点を理解して慎重に検討しよう
40年ローンのデメリット6つを解説

- 利息が増えるため総返済額が大きくなる
- 金利が高い傾向がある
- 定年後の返済リスクが高まる
- ライフプランの変化に対応しにくい
- 選べる金融機関が限られる
- 残債割れ(オーバーローン)のリスクが高まる
利息が増えるため総返済額が大きくなる
35年ローン | 40年ローン | |
---|---|---|
返済期間 | 35年 | 40年 |
借入額 | 3,000万 | 3,000万 |
金利 | 2.0% | 2.0% |
月々の返済額 | 99,378円 | 90,847円 |
総返済額 | 約4,173万 | 約4,360万 |
利息総額 | 約1,173万 | 約1,360万 |
金利が高い傾向がある
定年後の返済リスクが高まる
定年後の返済リスクが高まるのは40年ローンの重大なデメリットです。
例えば35歳で40年ローンを組むと、完済は75歳となり、定年退職後も15年以上の返済が続きます。 定年後は収入が減少するため、現役時代と同じ返済額を維持するのが難しくなる可能性が高いです。
また、年金だけでは返済と生活費を賄えなくなるリスクも考慮する必要があります。
老後の生活資金と住宅ローンの返済を両立させるためには、定年前に繰上返済を行うなどの対策を行うと共に、教育費や老後資金の準備など他の資金需要との兼ね合いも考慮しなければなりません。
ライフプランの変化に対応しにくい
選べる金融機関が限られる
選べる金融機関が限られるのも40年ローンのデメリットです。
40年という長期のローンを提供している金融機関は限定的で、選択肢が狭まります。
地方銀行や信用金庫では35年が上限となっていることが多く、40年ローンを組むためには金融機関を選ぶ自由度が低下します。
また、金融機関が限られることにより金利や諸条件の比較検討がしにくくなることや審査基準が厳しくなる傾向があるというデメリットがあります。
残債割れ(オーバーローン)のリスクが高まる
残債割れ(オーバーローン)のリスクが高まるのは40年ローンの重大なデメリットです。
残債割れとは、住宅の価値が残りの住宅ローン残高を下回る状態を指します。
40年という長期間では、住宅の価値が減少する一方、元金の減りは遅いため、このリスクが高まります。
特に返済初期は利息の支払いが中心となるため、5年経過しても元金はあまり減っていません。
残債割れの状態になると、住み替えや売却が必要になった際に、売却金だけでローンを完済できず、追加で現金を用意する必要が生じます。
40年ローンはデメリットが大きい!FPと一緒にリスクを把握しながら検討しよう

40年ローンは毎月の返済額を抑えられるメリットがある一方で、総返済額の増加や定年後の返済リスク、選択肢の限定など多くのデメリットがあります。
そのため、FPと一緒にリスクを把握しながら検討するのがおすすめです。
特に若い世代は、不動産営業から「長期ローンで高い物件を購入できる」と勧められることが多いですが、将来のライフプランを考慮せずに決断すると後悔するケースが少なくありません。
独立系FPに相談することで、客観的な視点から自分に合った返済期間や借入額を判断できます。
特におすすめのFP相談窓口はマネーキャリアです。
- あなたの収入や将来設計に基づいた最適な返済期間を提案可能
- 35年ローンや30年ローンなど他の選択肢との比較検討ができる
- 営業目的ではない中立的なアドバイスを受けられる
- オンラインで気軽に相談できる

【実際どうだった?】40年ローン利用者にアンケート
実際に40年ローンを組んだ方へのアンケートを紹介します。
紹介する内容は以下のとおりです。
- 40年ローンを選んだ理由は何ですか?
- 40年ローンを選んで、良かったと感じることは何ですか?
- 40年ローンを選んで、不安に感じていることはありますか?
40年ローンを選んだ理由は何ですか?
40年ローンを選んだ理由として最も多いのは「月々の返済額を抑えるため」で48.7%という結果でした。
次いで「希望の物件価格に予算を合わせるため」が17.0%、「ライフプランに合わせた長期的な資金計画のため」が14.6%となりました。
40年ローンを選んで、良かったと感じることは何ですか?
40年ローンを選んで、良かったと感じることとして最も多いのは「月々の返済負担が軽減された」で44.9%という結果でした。
次いで「家計に余裕ができ、他の生活費や貯蓄に回せる」が20.4%、「長期間の固定金利で将来の金利上昇リスクに備えられる」が14.3%となりました。
40年ローンを選んで、不安に感じていることはありますか?
40年ローンを選んで、不安に感じていることとして最も多いのは「総支払額が増えてしまうこと」と「定年退職後も返済が続くこと」で31.4%という結果でした。
次いで「金利が変動した場合の返済計画への影響」が21.6%、住宅の資産価値と残債のバランス」が9.8%となりました。
40年ローンはどんな人に向いてる?

40年ローンに向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 20代で家を購入する人
- これから収入の増加が見込める人
- 計画的に繰り上げ返済できる人
20代で家を購入する人
20代で家を購入する人には40年ローンが向いている場合があります。
若い年齢で住宅購入を検討する場合、40年ローンでも完済時の年齢が60代前半に収まるため、定年後の返済リスクが比較的小さくなります。
20代は収入がまだ低い場合が多いですが、40年ローンにすることで毎月の返済額を抑え、無理のない返済計画を立てられます。
ただし、若いうちは転職や転勤、結婚などライフプランの変化が大きい時期でもあるため、将来の変化に対応できる柔軟性の確保には注意が必要です。
これから収入の増加が見込める人
これから収入の増加が見込める人にも40年ローンが向いています。
キャリアの初期段階にあり、今後の昇給や昇進が期待できる人は、現時点では返済負担を抑えつつ、将来的に繰上返済で対応するという戦略が有効です。
例えば、医師や弁護士などの専門職、大企業の総合職など、年功序列で収入が上がっていく職種の人は特に当てはまります。また、起業家や自営業者で、事業が軌道に乗るまでは返済負担を抑えたい場合にも40年ローンは選択肢となります。
収入増加が見込める場合、初期は毎月の返済額を抑え、収入が増えた段階で繰上返済を行うという計画が立てやすくなります。
ただし、収入増加の見込みが不確実な場合や、業界の先行きが不透明な場合は注意が必要です。
計画的に繰り上げ返済できる人
計画的に繰り上げ返済できる人には40年ローンが有効な選択肢となります。
毎月の返済額を抑えつつ、余剰資金で定期的に繰上返済を行うことで、実質的な返済期間を短縮できます。
この方法は、堅実な貯蓄習慣がある人や、資産運用で安定したリターンを得られている人に特に向いています。
繰上返済を前提とした40年ローンの活用は、毎月の返済負担を抑えつつも総返済額を削減するバランスの取れた方法です。
ただし、この戦略が成功するには、計画的な家計管理と余剰資金を確保する習慣が不可欠な点に注意しましょう。
40年ローンを検討する際は無料FP相談を活用するのがおすすめ

40年ローンを検討する際は無料FP相談を活用するのがおすすめです。
住宅ローンの中でも、特に40年ローンは、メリットとデメリットを正確に理解し、自分のライフプランに合わせた判断が重要です。
無料FP相談サービスを利用することで、客観的な視点から最適な住宅ローンの選択をサポートしてもらえます。
また、あなたの年収や家族構成、将来のライフプランに基づいた具体的な返済シミュレーションを作成してくれるので、40年ローンが適切かどうか判断する材料にしましょう。
特におすすめのFP相談窓口はマネーキャリアです。
- オンラインで気軽に相談できる
- 無料で何回でも相談できるので質問しやすい
- 中立な立場からのアドバイスを受けられる

40年ローンで後悔しないために確認すべきこと3つ

40年ローンで後悔しないために確認すべきことは以下の3つです。
- 返済比率は手取りの20%〜25%以内か
- 計画的に繰り上げ返済できるか
- 定年後もローンの支払いができるか
返済比率は手取りの20%〜25%以内か
返済比率は手取りの20%〜25%以内に収めることが重要です。
返済比率とは、手取り収入に対する住宅ローンの返済額の割合を指します。
例えば、手取り月収30万円の場合、住宅ローンの返済額は6万円〜7.5万円以内に抑えるのが理想的です。
この比率を超えると、教育費や老後資金など他の重要な支出に影響が出る可能性があります。
40年ローンは毎月の返済額を抑えられるため、返済比率を適正に保ちやすいというメリットがありますが、返済額が低いからといって借入可能額の上限まで借りると、総返済額が膨らみ過ぎるリスクがあるため注意が必要です。

計画的に繰り上げ返済できるか
計画的に繰り上げ返済できるかどうかの確認は40年ローンを選ぶ際の重要なポイントです。
40年ローンは総返済額が大きくなるデメリットがありますが、計画的な繰上返済によってこのデメリットを軽減できます。
例えば、ボーナス時に年2回、各20万円の繰上返済を続けると、返済期間は約10年短縮できる可能性があります。また、月々の返済額を変えずに繰上返済を行う「期間短縮型」を選ぶと、より効果的に総返済額を減らせます。
繰上返済を計画するには、まず家計の収支を見直し、毎月または半年ごとにいくら余剰資金を確保できるかを把握することが大切です。
定年後もローンの支払いができるか
定年後もローンの支払いができるかどうかの確認は40年ローンを選ぶ際の最重要ポイントです。
例えば35歳で40年ローンを組むと、完済は75歳となり、定年後も15年以上の返済が続きます。
定年後の収入は現役時代の50〜70%程度に減少するのが一般的で、年金だけでは返済と生活費を賄えなくなるリスクがあります。
そのため、定年後の収入と支出のバランスを事前にシミュレーションすることが重要です。
【まとめ】40年ローンにはデメリットがある点を理解して慎重に検討しよう

ここまで、40年ローンのデメリットや向いている人の特徴、後悔しないための確認ポイントなどを紹介してきました。
40年ローンには毎月の返済額を抑えられるメリットがある一方で、総返済額の増加、金利の高さ、定年後の返済リスクなどのデメリットがあります。
そのため、40年ローンに関する検討や比較には専門的な金融知識が必要であり、自分のライフプランに合わせた最適な判断をするのは難しいという問題点があります。
そこで「マネーキャリア」のような無料FP相談サービスを活用すると、専門家の客観的なアドバイスを受けながら最適な住宅ローン選びができます。
