
「親子ローンを組んだら最悪な状況になってしまうのでは?」
「親子ローンは最悪と言われる理由を知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
結論、親子ローンは状況によっては家族関係の悪化や予期せぬ返済負担増加など「最悪」と呼べる事態を招くリスクがあります。
この記事では、親子ローンが最悪と言われる理由や実際の体験談を紹介します。また、親子ローンの種類やメリット・デメリット、最悪の事態を回避するための対策についても紹介します。
この記事を読むことで、親子ローンのリスクを正しく理解し、後悔のない住宅購入の判断ができるようになるので、ぜひご覧ください。


この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 親子ローンが「最悪」と言われる3つの理由
- 万が一の事態で返済負担が増える
- 家族関係が悪化する可能性がある
- 相続トラブルの火種になる可能性がある
- 自分の家庭にとっても親子ローンは最悪?知りたい人はFPへ相談を
- 【体験談】親子ローンで起こりうる「最悪」のシナリオ事例
- 親が亡くなり予想より早く返済が始まった
- 転勤により住んでいない家のローンを返済することに
- 持ち分をめぐり相続トラブルに
- 親子ローン2つの種類とメリット・デメリット
- 親子ペアローン
- 親子リレーローン
- 親子ローンで「最悪」を回避するために!契約前に確認すべき5つの対策
- 親子間で徹底的に話し合う
- 契約内容を正確に理解する
- 無理のない返済計画を立てる
- 他の資金調達方法も比較検討する
- 万が一への備えを検討する
- 最悪の事態になる前に!親子ローンを組む前にマネーキャリアのFPに相談しよう
- 【まとめ】親子ローンが「最悪」にならないよう慎重な判断と計画を
親子ローンが「最悪」と言われる3つの理由

親子ローンが「最悪」と言われる主な理由は以下の3つです。
- 万が一の事態で返済負担が増える
- 家族関係が悪化する可能性がある
- 相続トラブルの火種になる可能性がある
万が一の事態で返済負担が増える
親子ローンでは万が一の事態で返済負担が急増するリスクがあります。
親子どちらか一方が返済不能になると、もう一方が全額返済の責任を負うことになるため、生活が急激に圧迫される可能性が高いです。
返済不能になるリスクは多岐にわたり、病気やケガによる就労不能、退職や失業による収入減少、さらには親の死亡による子への返済負担の集中などが考えられます。
特に親が高齢の場合、子が想定よりも早く全額返済の責任を負うことになるケースも少なくありません。
最悪の場合、返済が継続できなくなり、任意売却や自己破産といった厳しい選択を迫られ、親子共倒れとなってしまうこともあります。
家族関係が悪化する可能性がある
親子ローンは家族関係の悪化を招く可能性があります。
どれほど仲の良い親子関係でも、大きな金額が関わると意見の対立が生じやすくなるものです。
たとえば、返済計画や住宅の仕様、リフォームの必要性など、さまざまな場面で親子の考え方の違いが表面化することがあります。
また、親子ローンでは同居が条件となることが多く、プライバシーへの干渉や生活習慣の違いから、日常的な摩擦が増えることも少なくありません。
子どもの結婚や出産といったライフイベントが発生した際にも、新たな家族メンバーとの関係調整が必要となり、親子ローンが家族関係悪化の一因となることもあるので注意が必要です。
相続トラブルの火種になる可能性がある
親子ローンは将来的な相続トラブルの原因になりかねません。
親子ローンで購入した不動産は親と子の共同名義となるケースが多いですが、親が亡くなると親の持分が相続財産として扱われることになります。
子どもが複数いる場合、親子ローンの債務者である子が居住しているにもかかわらず、他の兄弟姉妹から持分の分配を求められるトラブルが発生することがあります。
また、親の死亡時に残っている住宅ローンの債務をどの相続人が引き継ぐかという問題も生じます。
親の死亡時に相続人間で話し合いがつかない場合、最悪のケースでは居住中の住宅を売却して現金化し分割するという事態に発展することもあるので注意しましょう。
自分の家庭にとっても親子ローンは最悪?知りたい人はFPへ相談を

親子ローンが自分たちにとって有効かどうかは、親子それぞれの資産状況やライフプラン、家族関係の良好さ、将来の収入見通しなど、多くの要素を総合的に判断しなければなりません。
こうした複雑な判断をするためには、住宅ローンの専門家(FP)に相談し、具体的なシミュレーションをもとに検討するのがおすすめです。
親子ローンを組む前にFPに相談することで、将来のリスクを最小限に抑えた計画を立てることができます。
一概に「親子ローンは最悪」と決めつけるのではなく、FPのサポートの下、自分たちの状況に照らし合わせて慎重に判断するのがおすすめです。

【体験談】親子ローンで起こりうる「最悪」のシナリオ事例
ここでは親子ローンで起こりうる「最悪」のシナリオ事例を紹介します。
紹介する事例は以下のとおりです。
- 親が亡くなり予想より早く返済が始まった
- 転勤により住んでいない家のローンを返済することに
- 持ち分をめぐり相続トラブルに
親が亡くなり予想より早く返済が始まった

30代男性
人生設計が大きく狂ってしまった
転勤により住んでいない家のローンを返済することに

40代男性
親子ローンでは転勤に対応できなかった
転勤により住んでいない家のローンを返済することになりました。親と親子ペアローンを組んで一軒家を購入しましたが、購入から5年後、勤務先の都合で遠方への転勤を命じられ、家族での転居を余儀なくされました。同居が条件であった親子ローンでしたが、金融機関に相談したところ、親が住み続け、返済も滞らないのであれば問題ないと言われました。ところが、転居先での家賃と親子ローンの二重の住居費負担により、家計は大きく圧迫されることになりました。転居先でマイホームを持ちたいと思っても、親子ローンを完済しない限り新たなローンも組めず、身動きが取れない状況に陥りました。転勤は予想できないことだったが、これほど縛りが大きいなら親子ローンなんて組まなければよかったと後悔しています。
持ち分をめぐり相続トラブルに

50代女性
兄弟で相続トラブルになりました...
20年前に親と親子ペアローンを組んで家を建てましたが、父親が亡くなり、その持ち分が相続財産として扱われることになりました。父親の遺産には不動産の持ち分以外にも預貯金などがありましたが、相続税の支払いなどですぐに換金可能な財産は少ない状況でした。そんな中、兄弟は『自分にも相続する権利がある、現金化して分配すべきだ』と主張し始めました。まだ母と私は居住しておりローンも返済中であるにもかかわらず、相続による名義変更もままならない状況に陥りました。生前にきっちり家族で話し合い、遺言を遺しておいてもらうべきだったと強く後悔しています。
親子ローン2つの種類とメリット・デメリット
親子ローンには以下の2つの形態があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
- 親子ペアローン
- 親子リレーローン
親子ローンを組む際のリスクを正しく理解するためには、これら2つの形態の違いを把握しておくことが重要です。
以下では、それぞれの形態について詳しく解説していきます。
親子ローンを検討する際は、自分たちの状況に合わせて、どちらの形態が適しているのかを慎重に判断しましょう。
親子ペアローン
親子ペアローンは、親と子がそれぞれ住宅ローン契約を結び、互いが連帯保証人になる形式で、1つの物件に対して、親子で2本のローンを組むという特徴があります。
親子ペアローンの主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
<親子ローンのメリット>
- 親子の収入を合算できるため、より高額の借入が可能になる
- 親子それぞれが住宅ローン控除を利用できる
- 親子それぞれが団信に加入できる可能性があり手厚い保障が望める
- ローン契約が2本になるため手数料や印紙代などが2倍になる
- どちらか一方の返済が滞ると、もう一方が全額返済の義務を負う
- 提出書類などが2人分必要になり、手続きが複雑
親子リレーローン
親子リレーローンは、当初は親が主債務者として返済し、一定年齢到達や定年退職などを機に、子が債務を引き継いで返済を続ける形式で、子は当初から連帯債務者または連帯保証人になるのが一般的です。
親子リレーローンの主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
<親子リレーローンのメリット>
- 親の収入を基に借入額を増やせる可能性がある
- 親が高齢でも子が引き継ぐことが前提なので長期のローンを組みやすい
- ローン契約は基本的に1本のためペアローンより費用を抑えられる
- 団信は子しか加入できないケースが多い
- 相続トラブルになりやすい(残債の承継や不動産の分配)
- 親の死亡時期によっては子に過大な負担がかかる可能性もある
親子ローンで「最悪」を回避するために!契約前に確認すべき5つの対策

親子ローンで「最悪」を回避するために契約前に確認すべき対策は以下の5つです。
- 親子間で徹底的に話し合う
- 契約内容を正確に理解する
- 無理のない返済計画を立てる
- 他の資金調達方法も比較検討する
- 万が一への備えを検討する
親子間で徹底的に話し合う
親子間で徹底的に話し合うことは、親子ローンを成功させる最も基本的かつ重要な対策です。
返済計画はもちろん、結婚や出産、転勤など将来のライフプランについて認識を親子で共有することが必須となります。
特に子どもの結婚や転勤の可能性、親の退職や介護が必要になった場合の対応など、将来起こりうる様々な状況を想定して話し合いましょう。
さらに、失業、病気、離婚、死亡など万が一の場合の対応ルールを明確化しておくことも重要です。
契約内容を正確に理解する
契約内容を正確に理解することは、将来のトラブルを防ぐために欠かせません。
リレーローンなのかペアローンなのか、それぞれのメリット・デメリットや責任範囲を正確に把握しておくことが重要です。
特に連帯保証人や連帯債務者としての責任の範囲、返済が滞った場合の対応などについては、曖昧な理解のままで契約すると後々大きなトラブルの原因になります。
また、金利タイプや返済期間、団信の内容なども細かく確認しましょう。
無理のない返済計画を立てる
無理のない返済計画を立てることは、親子ローンを安全に活用するための重要なポイントです。
現在の収入だけでなく、将来の収入変動や支出の増加などを考慮した計画が必要です。
特に親の退職時期や子どもの結婚、出産などのライフイベントを見据えた長期的な視点での計画が重要となります。
返済負担率は親子いずれかが返済できなくなる事態も想定し、手取り収入の20%以内などの余裕のある水準に設定することがおすすめです
他の資金調達方法も比較検討する
他の資金調達方法も比較検討することで、親子ローンが本当に最適な選択肢かどうかを見極めることができます。
単独ローンや親からの資金援助、中古物件や価格帯の見直しなど、親子ローン以外の選択肢のメリット・デメリットも検討しましょう。
例えば、親からの資金援助として贈与を受ける場合、暦年贈与や住宅取得などの資金の贈与の非課税制度を活用することで、親子ローンのリスクを回避しながら住宅購入が可能になることもあります。
また、単独ローンでも頭金を多めに用意することで、返済負担を軽減できる可能性があります。
親子ローンを選択する前に、これらの代替案と比較し、本当に親子ローンが最適かを慎重に検証することが重要です。
万が一への備えを検討する
万が一への備えを検討することは、親子ローンのリスクを軽減するために不可欠です。
まずは団信の保障内容を確認しましょう。
親が団信に入れない場合など、必要に応じて保障を手厚くする対策が必要です。
例えば、親が団信に加入できない場合は、親に死亡保険や収入保障保険などの生命保険に加入してもらい、万が一の場合に備えることが考えられます。
また、団信でカバーできない収入減などのリスクに備え、収入保障保険や就業不能保険への加入を親子共に検討することも重要です。
特に病気やケガで働けなくなった場合の収入減は、親子ローンの返済に大きな影響を与えるため、しっかりとした備えが必要です。
最悪の事態になる前に!親子ローンを組む前にマネーキャリアのFPに相談しよう

親子ローンはメリットもある一方、リスクも大きい複雑な仕組みであり、あらゆるリスクを想定した設計が必須です。
しかし、相続問題や将来の家族関係、ライフプランの変更など、自分たちだけでは見抜けない潜在リスクも多く存在します。
そんなときに役立つのがマネーキャリアのオンライン無料相談窓口です。
マネーキャリアには住宅ローン相談の経験が豊富なFPが数多く在籍しており、さまざまなケースを想定したアドバイスが可能です。
親子ローンを検討しているが最悪の事態は避けたいという人は、一度無料相談を受けてみることで、より安心して住宅購入の判断ができるでしょう。
【まとめ】親子ローンが「最悪」にならないよう慎重な判断と計画を
ここまで、親子ローンが「最悪」と言われる理由や実際の体験談、リスク回避のための対策などを紹介してきました。
親子ローンには万が一の事態での返済負担増加、家族関係の悪化、相続トラブルなどのリスクがある一方で、収入合算による借入可能額の増加や親の年齢による制限の緩和といったメリットもあります。
しかし、親子ローンに関する検討や比較には専門知識が必要であり、将来のライフプランの変化や相続問題など複雑な要素が絡み合う問題点があります。
そのため、住宅ローンの無料相談窓口であるマネーキャリアを使って、客観的な立場から最適なアドバイスを受けるのがおすすめです。
無料相談予約は30秒で完了するので、ぜひ気軽に相談して、親子ローンのリスクを最小限に抑えた安心の住宅購入を実現しましょう。

親が55歳、私が25歳のときに親子リレーローンを契約しました。高額なローンでしたが、親もまだ若く元気だったため、私が返済を始める頃には収入も上がっており問題ないと考えていました。しかし契約から3年後、親が突然の病気で急逝してしまい、転職したばかりの私は十分な収入がないまま、残債全額の返済義務を負うことになりました。さらに親は団体信用生命保険(団信)に加入できていなかったため、親の死亡による債務の免除はなく、若くして多額の住宅ローンを抱えることになりました。ローン返済のために家計は常に苦しく、結婚後も経済的な理由から夫婦関係がうまくいかず、最終的に離婚に至るなど、人生設計が大きく狂ってしまいました。