▼この記事を読んでほしい人
- iDeCoの退職金控除の仕組みについて知りたい人
- iDeCoの退職金控除の適用上限額について知りたい人
- iDeCoの3つの税制メリットについて知りたい人
▼この記事を読んでわかること
- iDeCoの退職金控除の仕組みと適用上限額についてについて
- iDeCoの3つの税制メリットについて
- iDeCoを利用する上で注意すべき点(デメリット)について
iDeCoに関する悩みならまずはマネーキャリアの無料相談を気軽に利用してみてください!
内容をまとめると
- iDeCoの退職金控除はiDeCoの給付金を一時金として受け取る際の課税を軽減してくれる制度
- iDeCoの3つの税制メリットとは「掛金が全額所得控除、運用益が非課税、iDeCo受け取り時の一定額までの控除」
- iDeCoを利用する上で注意すべき点(デメリット)を解説
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iDeCoには3つの税制メリットがあるのをご存知ですか?本記事ではその中のひとつであるiDeCo受け取り時の退職金控除について詳しく解説します。退職金控除の適用には上限があり注意が必要です。iDeCoの3つの税制メリットを確認して上手に活用しましょう。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- iDeCoの退職金控除が使えるのは誰?iDeCoの3つの税制メリットについて
- iDeCoには退職金控除という制度がある【iDeCo3つの税制メリット】
- iDeCoの3つの税制メリットについて解説!
- ①掛金が全額所得控除になる
- ②利息・運用益が非課税
- ③受け取り時の一定額までの退職金控除・公的年金等控除
- 掛金が全額所得控除になる仕組み
- ①iDeCoで掛金を拠出した際の全額所得控除になる流れ
- ②iDeCoで掛金の全額所得控除になる例について解説
- ③iDeCo全額所得控除の課税所得別の減税例について紹介
- ④iDeCo全額所得控除の職種別の減税例について紹介
- 利息・運用益は非課税になる仕組みについて
- ①利息・運用益は課税対象にならない
- ②10万円の利益が出た場合の課税ありとiDeCo(課税なし)で比較
- ③iDeCoの運用益が非課税になる例を解説
- iDeCo給付金受け取り時の退職金控除と公的年金等控除の仕組みを解説
- ①iDeCo給付金を一括で受け取る場合は退職金控除が適用される
- ②iDeCo給付金を分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用される
- ③iDeCo給付金受け取り方法は「一括」「分割」「一括と分割の併用」
- ④iDeCo受け取り時の退職金控除の仕組みについて【計算方法を解説】
- ⑤iDeCo受け取り時の公的年金等控除の仕組みについて【計算方法を解説】
- iDeCo老齢給付金以外の2つの給付金について解説
- ①iDeCo加入者が障害者となってしまった場合障害給付金が適用される
- ②iDeCo加入者が死亡してしまった場合死亡給付金が適用される
- iDeCoを利用する上で注意すべき点(デメリット)を解説
- ①iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない
- ②iDeCoは掛け金の拠出上限額が決まっている
- ③iDeCoは元本割れするリスクがある
- ④iDeCoは金融機関・運用商品を自分で選ばなければならない
- ⑤iDeCoには手数料やiDeCo特有の維持費がある【口座管理手数料】
- ⑥iDeCoには加入できる条件がある
- ⑦iDeCoは受け取り方法によって課税される場合がある
- iDeCoの節税シミュレーションをしてみよう
- 【参考】iDeCoの利用をおすすめしない人はどんな人?
- ①専業主婦・無職の方はiDeCoの所得税控除がない
- ②住宅ローン控除利用者もiDeCoの税制メリットがない場合がある
- ③貯蓄の少ない人や若くて忙しい方は貯蓄を優先すべき
- ④50代後半でiDeCoを始めても受け取りに期間が空いてしまう
- iDeCoや資産運用に関する悩みはFPに相談すべき理由
- まとめ:iDeCoの退職金控除制度はメリットが大きいから利用すべき
iDeCoの退職金控除が使えるのは誰?iDeCoの3つの税制メリットについて
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
iDeCoを運営している国民年金基金連合会の調査では2021年7月現在のiDeCo加入者は約200万人となっています。
近年の投資ブームから口座開設数は年々増加し、多くの方が利用する制度へ成長しました。
そんな中、友人からこのような質問・相談がありました。
このようにiDeCoの受け取り時に支払う税金に不安を感じている方が多くいます。
せっかく老後資金として貯蓄したiDeCoの退職金から多額の税金を取られれば不安になることも無理はありません。
そんな方のため、この記事では退所金控除等のiDeCoの税制メリットについて解説していきます。
少しでも皆さんのお手伝いになれば幸いです。
iDeCoには退職金控除という制度がある【iDeCo3つの税制メリット】
iDeCoの掛金拠出をする理由の多くは老後資金・退職金代わりに受け取る方が多くなります。
その拠出金に大きな税金が課されてしまうと貯蓄とならず、iDeCo本体の意味がなくなってしまいます。
iDeCoには大きく3つの税制メリットがあり、退職金としてiDeCoの給付を受ける場合には退職金控除の利用がオススメです。
退職金控除は企業からも退職金を受け取る場合には注意が必要ですが、給付金に対する節税においては最も大きな控除を受けることができます。
iDeCoを受け取る際には実際にシミュレーションを行って受け取り方法を決定しましょう。
iDeCoの3つの税制メリットについて解説!
iDeCoを利用した際に得られる税制メリットは次の通りです。
- 掛金が全額所得控除になる
- 利息・運用益が非課税
- 受け取り時の一定額までの退職金控除・公的年金等控除
①掛金が全額所得控除になる
まずは所得控除の説明から行います
所得控除とは「税務計算をする際の基礎金額から差し引くことができる金額」です。
税務計算を行う際の基礎金額を課税所得と呼び、課税所得が減ることで所得税・住民税が安くなります。
なので、iDeCoを利用した際の掛金は所得控除となるので、所得税・住民税の節税を行えることとなります。
iDeCoを利用することで「将来」の老後資金を貯めながら「現在」の税金を安く抑えることが可能です。
iDeCoは「お金に余裕があるけど、所得税が高いから安くしたいな」といった方にiDeCoがオススメです。
②利息・運用益が非課税
iDeCoに拠出することは金融商品を購入することとなり、資産を運用することとなります。
その際に「利息・運用益」としてお金が増えるケースがあります。
一般的な株式投資等の場合では運用益等の利益に課税される税金は約20%です。
iDeCoで資産運用を行なった場合は利益が非課税となるので、効率よく資産の運用・貯蓄が可能となります。
「老後資金を運用したいけど、税金払いたくないな」と言った方にiDeCoはオススメです。
③受け取り時の一定額までの退職金控除・公的年金等控除
多くの方がiDeCoの受け取り時の税金について問題視していると思います。
iDeCoではそんな方のために退職金控除・公的年金控除を利用が可能となっています。
控除を利用することで税金の支払いが少なくなり、豊かな老後生活を送る原資を準備できます。
これらの控除はiDeCoの受取方法によって、適用が異なりますので注意が必要です。
受取方法による違いについては本記事で詳しく解説しますので、しっかり理解を深めましょう。
掛金が全額所得控除になる仕組み
こちらではiDeCoの掛金が全額所得控除になる際の仕組みについて解説します。
所得控除と聞くとわかりにくい制度と感じてしまいますが、制度自体はシンプルです。
iDeCoの所得控除について次の項目に沿って解説していきます。
- iDeCoで掛金を拠出した際の全額所得控除になる流れ
- iDeCoで掛金の全額所得控除になる例について解説
- iDeCo全額所得控除の課税所得別の減税例について紹介
- iDeCo全額所得控除の職種別の減税例について紹介
①iDeCoで掛金を拠出した際の全額所得控除になる流れ
まずは掛金を拠出した場合の流れを解説します。
一般的なサラリーマンの場合は次の流れとなります。
- 掛金を納付する
- 国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」をもらう
- 勤め先の年末調整書類の「小規模企業共済等掛金額」に拠出額を記載する
- 年末調整の結果、支払いすぎた所得税が還付される
- 翌年度分の住民税が減額される
②iDeCoで掛金の全額所得控除になる例について解説
次はiDeCoの掛金拠出を行なった際の税務計算を具体的な例を挙げながら解説します。
あくまでも概算計算ですので、実際の支払税額と多少異なります。
★条件
課税所得 :3,000,000円
iDeCo掛金:300,000円
iDeCo未加入時
- 課税所得:3,000,000
- 所得税 :3,000,000×10%-97,500=202,500
- 住民税 :3,000,000×10%=300,000
- 支払税額:502,500
iDeCo加入時
- 課税所得:3,000,000-300,000=2,400,000
- 所得税 :2,400,000×10%-97,500=142,500
- 住民税 :2,400,000×10%=240,000
- 支払税額:382,500
このようにiDeCo加入時と未加入時では120,000円もの支払税額が異なります。
iDeCoは少しでも節税をしたいといった方にオススメできる制度となっています。
③iDeCo全額所得控除の課税所得別の減税例について紹介
iDeCoを利用した減税には課税所得が減税額に大きく関わっています。
それは日本の所得税計算に累進課税を採用していることに要因があります。
次の表の通り、日本の所得税率は課税所得によって5%〜45%もの幅広い税率となっています
※リンク先の表[課税所得別の減税例]の挿入をお願いします。
ここでiDeCoによって所得控除を増加させることによって掛金の5%〜45%の金額が減税されることとなります。
掛金額は変わりませんが、課税所得が多い方にとっては大きな節税となるのでオススメです。
④iDeCo全額所得控除の職種別の減税例について紹介
iDeCoは職種によっても減税効果が異なります。
こちらでは職種によるiDeCo減税効果の違いについて解説します。
iDeCoでは職種によって掛金上限額が異なり、次の通りとなります。
- 第一号被保険者(自営業等)・・・月6.8万
- 第二号被保険者(会社員)・・・・月1.2〜2.3万
- 第二号被保険者(公務員等)・・・月1.2万
- 第三号被保険者(専業主婦等)・・月2.3万
- iDeCo掛金:816,000円
- 課税所得 :3,000,000ー816,000=2,184,000
- 所得税 :2,184,000×10%-97,500=120,900
- 住民税 :2,184,000×10%=218,400
- 支払納税額:339,300円
- iDeCo掛金:144,000円
- 課税所得 :3,000,000ー144,000=2,856,000
- 所得税 :2,856,000×10%-97,500=188,100
- 住民税 :2,856,000×10%=285,600
- 支払納税額:473,700円
利息・運用益は非課税になる仕組みについて
次はiDeCoで行なった資産運用における利息・運用益の非課税制度について解説します。
資産運用・投資については実際にやっている方でないと理解できない点があると思います。
こちらではそんな方のために次の項目に沿ってわかりやすく解説していきます。
- 「利息・運用益が非課税」とは再投資される際に課税対象にならないこと
- 10万円の利益が出た場合の課税ありとiDeCo(課税なし)で比較
- iDeCoの運用益が非課税になる例を解説
①利息・運用益は課税対象にならない
※見出し修正
iDeCoを利用した場合、投資で得た利息・運用益が非課税となります。
通常、投資で得た利益は約20%の税金がかかり、実際に受け取る運用益は少なくなってしまいます。
投資を行う際の税金は資産形成に大きな影響を与えるので、節税できるiDeCoは資産形成には非常に良い制度といえます。
iDeCoの他にNISA等を利用することで非課税で投資を行えますが、年金として長期的に運用したい場合にはiDeCoがオススメです。
②10万円の利益が出た場合の課税ありとiDeCo(課税なし)で比較
こちらでは実際にiDeCoを利用した資産運用と利用しなかった場合のシミュレーションを行います。
この結果を確認することでiDeCoのメリットがよりわかりやすくなります。
★条件
税率:20%
利益:100,000円
iDeCoを利用した場合
- 課税対象 :なし
- 手取り利益額:100,000
- 課税対象 :100,000円
- 納税額 :20,000
- 手取り利益額:80,000円
③iDeCoの運用益が非課税になる例を解説
こちらではiDeCoを利用した際の実際の運用益にかかる税金を元に解説していきます。
★条件
税率:20%
年利:3%
- 積立額 :23,000円/月
- 積立期間:20年
- 投資元本:5,520,000円
- 運用利益:1,997,652円
- 納税額 :1,997,652×20%=399,530円
- 手取利益:1,598,122円
iDeCo給付金受け取り時の退職金控除と公的年金等控除の仕組みを解説
iDeCoは給付金の受け取り方によって税金のかかり方によって、実際の受取額が大きく異なります。
自身のために積み立てた老後資金が税金を支払うことによってなくなってしまうと将来が不安になってしまいます。
こちらではそんな不安を抱えた方のために次の項目に沿って解説していきます。
- iDeCo給付金を一括で受け取る場合は退職金控除が適用される
- iDeCo給付金を分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用される
- iDeCo給付金受け取り方法は「一括」「分割」「一括と分割の併用」
- iDeCo受け取り時の退職金控除の仕組みについて【計算方法を解説】
- iDeCo受け取り時の公的年金等控除の仕組みについて【計算方法を解説】
①iDeCo給付金を一括で受け取る場合は退職金控除が適用される
iDeCoでは受け取り方法によって受け取る際の控除が異なり、一括して受け取った場合は退職金控除が適用されます。
退職金控除とは定年退職等の退職時に支払われる退職金に対して控除を行い、納税者の負担を減らす減税制度です。
退職所得の控除額は勤続年数によって大きく変動します。
控除額は次の表の通りです。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年未満 | 40万円×勤続年数 |
20年以上 | 800万円+40万円×(勤続年数ー20年) |
この退職所得控除額を基に次の計算式を利用して課税所得を計算します。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
退職所得控除は勤続年数が多ければ多いほど多額の控除となります。
②iDeCo給付金を分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用される
iDeCoの給付金を一時金ではなく、分割して年金方式として受け取る場合には公的年金等控除が適用されます。
公的年金等控除とは国民年金・厚生年金と同様に年金として受け取る所得に対して納税者の負担を減らす減税制度です。
公的年金は年齢・年金収入によって控除額が変動します。
次の表で控除額を計算し、収入が控除額を超えているか確認する必要があります。
※リンク先の「受取時の合計所得が1000万円以下の場合(令和2年分以降)」の表の挿入をお願いします。
※本表は合計収入1000万円以下の場合
受給計画を上手に立てることで税金の支払いを少なくすることができます。
年金受給前にしっかり確認しておきましょう。
③iDeCo給付金受け取り方法は「一括」「分割」「一括と分割の併用」
iDeCo受け取り方には先ほど紹介した「一括受取方式」「分割受取方式」と一括・分割を併用した「併用方式」があります。
受け取り方によって受けることができる所得控除が異なるので退職金・公的年金の金額によってシミュレーションをする必要があります。
また「併用方式」を利用することで公的年金控除・退職金控除等の所得控除も併用して利用することが可能です。
併用方式を選択し、一時金・年金両方受け取る場合にはライフスタイル・節税効果を総合的に判断する必要があります。
受け取り方法に不安がある場合はFP・税理士等に相談することをオススメします。
④iDeCo受け取り時の退職金控除の仕組みについて【計算方法を解説】
こちらはiDeCo受取時の退職金控除の仕組みを具体的な計算を交えて解説していきます。
★条件
勤続年数:20年
受取金額:1000万円
・直近に退職金を受け取っていない
・住民税に均等割は考慮しない
- 退職所得控除額:20年×40万円=8,000,000円
- 課税所得 :(10,000,000ー8,000,000)/2=1,000,000円
- 所得税額 :1,000,000×5%=50,000円
- 住民税額 :1,000,000×10%=100,000円
- 合計納税額 :150,000円
⑤iDeCo受け取り時の公的年金等控除の仕組みについて【計算方法を解説】
次はiDeCo受取時の公的年金等控除の仕組みを具体的な計算を交えて解説していきます。
★条件
年齢 :60歳
公的年金受取額 :80万円
iDeCo年金受取額:100万円
・その他の年金を受け取っていない
・年間合計所得は1000万円以下
・住民税に均等割は考慮しない
- 年間収入 :1,800,000円
- 課税所得 :1,800,000×75%ー275,000=1,075,000円
- 所得税額 :1,075,000×5%=53,750円
- 住民税額 :1,075,000×10%=107,500円
- 合計納税額:161,250円
iDeCo老齢給付金以外の2つの給付金について解説
iDeCoは年金でいう「老齢給付金」のみと勘違いをされている方もいますが、他にも給付金制度があります。
こちらでは次の項目に沿って解説していきます。
- iDeCo加入者が障害者となってしまった場合障害給付金が適用される
- iDeCo加入者が死亡してしまった場合死亡給付金が適用される
給付金制度を知ることで不要な保険・貯金をする必要がなくなり、より豊かな生活を実現できるようになります。
iDeCoの知識をしっかり付けて、より良い生活を送りましょう。
①iDeCo加入者が障害者となってしまった場合障害給付金が適用される
まずは障害者給付金について解説していきます。
障害給付金は加入者・加入していた人が70歳までに政令で定める高度障害になった場合に給付されます。
受け取り方法は
- 年金方式
- 一時金方式
②iDeCo加入者が死亡してしまった場合死亡給付金が適用される
次は死亡給付金について解説します。
障害給付金は加入者・加入していた人が死亡した場合に給付されます。
死亡給付金は「死亡一時金」として一括して受け取ることとなります。
この際にはみなし相続財産として相続税の課税対象となります。
相続税の控除額は他の税控除より多くなっており、多額の資産を持っていない限り課税されるケースは少なくなります。
iDeCoを利用する上で注意すべき点(デメリット)を解説
iDeCoには税制優遇等の多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットがあります。
iDeCoを始める上ではリスクとして必ず知っている必要があります。
こちらでは次の項目に沿って解説していきます。
- iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない
- iDeCoは掛け金の拠出上限額が決まっている
- iDeCoは元本割れするリスクがある
- iDeCoは金融機関・運用商品を自分で選ばなければならない
- iDeCoには手数料やiDeCo特有の維持費がある【口座管理手数料】
- iDeCoには加入できる条件がある
- iDeCoは受け取り方法によって課税される場合がある
①iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない
iDeCoは老後資金を準備することを目的としていることもあり、原則途中解約・引き出しができなくなっています。
一部例外はありますが、臨時で費用が必要となった場合であっても引き出しができません。
このことからiDeCoは自身で老後資金を貯金できない人にはオススメですが、教育資金など目先のお金を準備できない人にはオススメできない制度となっています。
iDeCoに加入する際の掛金は家計の余剰資金で行い、必要時にお金がなくなってしまうことがないようにしましょう。
②iDeCoは掛け金の拠出上限額が決まっている
iDeCoでは職種によって掛金上限額が異なり、多くの拠出をしたい場合であっても上限額までしか拠出できません。
本記事内でも述べていますが、各職種の掛金上限額は次の通りです。
- 第一号被保険者(自営業等)・・・月6.8万
- 第二号被保険者(会社員)・・・・月1.2〜2.3万
- 第二号被保険者(公務員等)・・・月1.2万
- 第三号被保険者(専業主婦等)・・月2.3万
③iDeCoは元本割れするリスクがある
iDeCoには元本変動型・元本確保型の金融商品があります。
iDeCoは「国の制度だから」と安心してしまう方もいますが、しっかり管理する必要があります。
元本変動型を選択した場合は元本が増える可能性もありますが、元本割れを起こすリスクもあります。
選択する商品によって大きく資金を失う可能性もありますので、慎重に投資対象を選ぶ必要があります。
④iDeCoは金融機関・運用商品を自分で選ばなければならない
多くの金融機関がiDeCoを取り扱っており、金融機関によって運用商品が大きく異なります。
iDeCoを始める際には金融機関を選び、選んだ金融機関が取り扱っている金融商品を選択する必要があります。
金融商品の選択によっては将来受け取る老後資金が増減しますので、慎重に選ぶ必要があります。
金融商品には次の種類があります。
- 国内・海外債券型
- 国内・海外株式型
- 不動産型
- バランス型
⑤iDeCoには手数料やiDeCo特有の維持費がある【口座管理手数料】
iDeCoには一般的な投資信託等と異なる特有の維持費・手数料があります。
主な手数料を次の通りです。
- 加入手数料・・・・加入時に支払う手数料
- 移換手数料・・・・移換時に支払う手数料
- 払込手数料・・・・掛金を払い込む際に支払う手数料
- 運営管理手数料・・掛金を払い込んでいない時に支払う手数料
- 給付手数料・・・・iDeCoの給付金を受け取る際に支払う手数料
⑥iDeCoには加入できる条件がある
iDeCoには加入条件が存在します。
具体的な加入条件は次の通りです。
- 国内に住んでいる20歳以上60歳未満である
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していない(例外あり)
- 企業型DCに加入している場合、企業が併用を認めている
⑦iDeCoは受け取り方法によって課税される場合がある
本記事ではiDeCoの受け取り方について解説しましたが、受け取り方法によって課税されるケースがあります。
iDeCoの一般的な受け取り方としては
- 年金方式
- 一時金方式
- 併用方式
iDeCoの節税シミュレーションをしてみよう
iDeCoの節税効果は所得控除・運用益非課税・受取時税制優遇と様々な種類があります。
この節税効果を1つ1つ理解することは難しく、シミュレーションを行って「いくら節税できたか」を確認することが必要です。
具体的な計算は複雑なので税理士にしてもらうことをオススメしますが、楽天証券等のHPで簡易的な節税シミュレーションを行うことも可能です。
効果的にiDeCoを利用するためには自身の拠出上限額・節税効果から月々の拠出額を算出することをオススメします。
【参考】iDeCoの利用をおすすめしない人はどんな人?
iDeCoは節税効果を得ながら老後資金を積み立てることができるオススメできる制度です。
ですが、次のような一定の要件に当てはまる方にはオススメできないケースもあります。
- 専業主婦・無職の方はiDeCoの所得税控除がない
- 住宅ローン控除利用者もiDeCoの税制メリットがない場合がある
- 貯蓄の少ない人や若くて忙しい方は貯蓄を優先すべき
- 50代後半でiDeCoを始めても受け取りに期間が空いてしまう
①専業主婦・無職の方はiDeCoの所得税控除がない
まずは専業主婦・無職の方が利用するケースを解説します。
専業主婦・無職の場合は所得がありませんので、iDeCoの掛金を拠出した際に得られる所得控除を受けることができません。
所得控除はiDeCo制度のメリットの大きな部分を占めており、受取時に課税された場合にはNISA等を利用して資産運用をした方が節税メリットがある場合があります。
専業主婦・無職の場合であっても加入できますが、加入した際のメリットとデメリットを確認した上で加入しましょう。
②住宅ローン控除利用者もiDeCoの税制メリットがない場合がある
住宅ローン控除を利用している方はiDeCoによる税制メリットを得られないケースがあります。
住宅ローン減税とは住宅を購入した際に10年〜13年間にわたって所得税・住民税の控除を受ける制度です。
住宅ローン減税は税額控除となっているので、他の所得控除より大きな節税効果があります。
多くの方が住宅ローン控除で満額控除を受けることができておらず、iDeCoを利用した際の所得控除を受けることができない場合があります。
住宅ローン減税と併用してiDeCoを行う場合には所得控除・納税額のシミュレーションを行いましょう。
③貯蓄の少ない人や若くて忙しい方は貯蓄を優先すべき
iDeCoの所得控除を受けられる場合であっても「貯蓄が少ない・若くて忙しい人」はまずは貯蓄を優先すべきです。
iDeCoは60歳まで資金の引き出しができずに資金拘束をしてしまいます。
若く・貯蓄の少ない人は将来的に必要となる資金が多くあり、iDeCoを始める前に貯蓄をして備えておく必要があります。
iDeCoの掛金拠出は生活・教育資金等に関係のない余剰資金で行うことを心がけましょう。
④50代後半でiDeCoを始めても受け取りに期間が空いてしまう
最後は50代後半でiDeCoを始めるケースです。
iDeCoは原則60歳以降の受け取りとなっておりますが、加入から10年間経過していない場合には60歳では受け取りができません。
50歳以上で拠出をした場合には次の年齢から受け取りが開始されます。
※リンク先の「老齢給付金の受取開始可能年齢」の図を挿入願います。
60歳から年金が必要となる場合にはiDeCoを50歳以上で始めることはオススメできません。
高年齢からiDeCo加入する際には受取年齢を理解した上で行いましょう。
iDeCoや資産運用に関する悩みはFPに相談すべき理由
まとめ:iDeCoの退職金控除制度はメリットが大きいから利用すべき
iDeCoに加入できない人について解説していきましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- iDeCoには3つの税制メリットがある
- 受取時には退職金控除・公的年金控除が適用される
- iDeCo加入時には節税・運用シミュレーションが大切
- 投資商品を選択する際にはリスク・手数料の確認が必要
でした。
現代では老後・金融資産について疑問・不安を持っている方が多くいらっしゃいます。
そんな老後資金を準備するために行う際にはiDeCoの利用がオススメです。
ですがiDeCoは受取時に課税されるので、制度をしっかり理解する必要があります。
この記事内でiDeCoの受取方法を理解して頂き、少しでも読者皆様が iDeCoを始める助けになりましたら幸いです。
マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。