新NISAは改悪された?新制度の変更点やデメリットをわかりやすく解説のサムネイル画像
▼この記事を読んでほしい人
  • 新NISAが改悪されたときいて不安な人
  • 今、NISAをやっていて新制度のことが知りたい人
  • 新NISAを有効活用して資産形成していきたい人

内容をまとめると

  • 新NISAへの制度変更は、改悪ではなく進化!
  • つみたて投資枠+成長投資枠に生まれ変わり、投資可能額が大幅増額
  • 新NISAでは非課税期間が無期限に!
  • 期限も撤廃され、新NISAは長い人生のパートナーとしてふさわしいものに
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2024年から現行NISAに代わって新NISAが開始されます。非課税期間が恒久化されるなど変更点があり、移行によるデメリットがあるのか、改悪か改良されたのか等気になります。この記事では、新NISA概要やなぜ改悪されたと言われるのか、その対処法について解説します!

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

新NISAと旧NISAの変更点を簡単おさらい!改悪化?


2024年から始まる新NISA制度

楽しみにされている方も多いと思いますが、一方、

  • どうリニューアルされているの?
  • 現行NISAからの乗り換え手続きや、移行後はどうなるんだろう
  • 改悪されているって本当?

こんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。


今回は、制度移行の詳細と、新NISAの改悪の噂を徹底検証

まずは一覧表でご確認ください。


新NISA現行NISA
制度の内容積立投資枠+成長投資枠

積立NISA
一般NISA
ジュニアNISA
から選択
口座の
開設可能期間
恒久化~2023年12月

非課税の期間恒久化積立NISA…20年
一般NISA…5年
非課税での
保有限度額
1,800万円
(成長投資枠1,200万円)
積立NISA…800万円
一般NISA…600万円 

投資枠金額/年
積立投資…120万円
成長投資…240万円 
計360万円
積立NISA…40万円
一般NISA…120万円 


かなりシンプルになりましたね。

最後までご覧いただくとわかりますが、新NISAは、これからの超長寿命時代にぴったりな制度に生まれ変わり、国民の投資パートナーとして進化を遂げています。


まず、なぜ改悪といわれるのか。以下でその原因を解説していきます。

変更点①非課税期間の上限が撤廃!無期限に

ではさっそく、新NISAが本当に改悪か、検証をはじめましょう。

まず最初は、非課税期間の変更について。


上の表のとおり、新NISAの非課税の保有期間は無期限となりました!


一般NISAは5年、積立NISAでも20年だった非課税保有期間。

現行NISAで一番のデメリットとなっていた期限は、完全撤廃されたのです。


現在、日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳(e-ヘルスネット:厚生労働省)

制度の恒久化によって、新NISAは80年をこえる超長期で自分のライフプランを考える時代にふさわしいものとして、大きくアップデートされたといえます。

変更点②非課税投資枠が大幅に増額される

改悪された?と言われる新NISAですが、非課税投資枠についてはご安心を。


  1. 積立投資枠+成長投資枠 → 合計360万円まで年間投入可能!
  2. 非課税での保有限度額 → 1,800万円 (成長投資枠上限1,200万円)


年間投資枠・保有限度枠ともにめざましく大増額しています

先ほどの表をみれば、その差は歴然です。


現行制度は枠の金額が足りない!というデメリットの指摘がよく聞かれましたが、それが解決したといっていいかもしれません。


特に保有枠上限は、老後資金がひとり2,000万円必要と言われる現代、大きな一助となってくれそうです。


1の積立投資+成長枠投資の中身については次で詳しく説明します。

変更点③つみたて投資枠と成長投資枠が併用可能

新NISA改悪別信託


では、新NISAの積立投資枠+成長投資枠のしくみについてお話ししましょう。

これは、旧制度では選択制だった、現行の積立NISAと一般NISAをひとつに統合したかたちです。


  • 積立投資… 低リスクの長期運用商品をじっくり積み上げ
  • 成長投資… 株式や債券など多様な資産を自由に売買

年間投資枠も、積立投資枠は120万円、成長投資枠が240万円と一気に増額。


このように、性質の異なる商品を自由自在に組み合わせ、運用資産のカスタマイズが可能になっています。

新NISAで、あなただけのポートフォリオを構築していきましょう。

すでに口座を持っている人は移行手続きは不要!

現行NISA利用者の場合、乗り換えはどうしたら?

新口座の手続きや、いつから使えるか知りたいですよね。

 

答えは… 何もしなくていいんです!


現行口座があれば、新NISA口座が同じ金融機関に自動開設されます。

新規購入は、2024年1月からは新口座で。

積立設定もまるごと反映、新口座で積み立てが始まりますよ。


つまり、制度乗り換えは手間いらず。


これはなぜかというと、移行手続の煩雑さで現行NISA利用者にとっての改悪にならないよう優遇措置として設けられているのです。


前向きに新NISA活用を今から考えていけそうですね。

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新NISAの運用シミュレーションを紹介!自分に合った投資額を見つけよう

新NISAは改悪された?そう言われる原因と影響とは?


次に、新NISA制度は改悪!と言われる点がどこなのか調べてみました。

改悪点としてよく取り上げられていたのは、この4点。


  1. 自身で難しい判断を迫られることが増えた…
  2. 現行NISAからロールオーバーできない!
  3. 元本割れリスクが増加
  4. 18歳未満の子供のためのジュニアNISAの廃止
  5. 現行一般NISAにくらべ投資可能な商品に制限がかかる

これらは本当にデメリットで、改悪された!といえるのでしょうか?

詳しくみていきましょう。

①自由度が増え、より自身で判断する場面が増えた

新NISAへの切り替えで自由度が増えた半面、自己責任の度合いは高まり、どこで区切りをつけるか判断しにくくなったことを、改悪と考えるひともいるかもしれません。

改革前と比較して、制約なしで運用を行える分、


  • 投資する国、資産の種類、銘柄、購入金額の決定
  • どの程度までのリスクを許容する?
  • 購入資産の価額が何%まで下がったら手放す?
といった、自分で決断をする局面は増えていくでしょう。

FPなどの専門家の力を借りるのもよし、たしかな知識判断基準を身につけていけば、こわくありません。

②現行NISAからのロールオーバーはできない

新NISAへは、資産ロールオーバー(移管)不可となります

新NISAで運用するには、新口座で再び購入するしかありません。


しかし実はこれ、改悪ではなくメリットなんです

別制度だからこそ新NISAリリース後も現行NISAを運用できます!


2023年中に積立NISAで資産購入、非課税期限2042年までながく新NISAとダブル活用、

そんな裏技が可能なのです。


これは現行NISA利用者だけの大きなアドバンテージ

活かさない手はありません。

③元本割れのリスクが増えた

新NISA、改悪されて元本割れリスクが高まった?!という情報もあります。


しかし、取り扱い商品のリスク自体が高まったわけではありません。

元本割れリスクが高まった、といわれるのは、


  • 積立NISAか一般NISAの二者択一制 → つみたて投資+成長投資の二本立て
  • 投資可能金額が低め→ 年間投資枠も保有の上限枠も大幅アップ


新NISAで以前より幅広い商品が選べることと、投資できる枠が大きくなったことで、結果的にリスクも高まった、という意味なのです。


自分に合った運用を行うことで、元本割れリスクを低くすることは十分可能です。

④2023年12月で18歳未満の子供用ジュニアNISAが廃止

2024年以降のジュニアNISAの廃止決定も、新NISAが改悪と言われる理由かもしれません。


でも大丈夫。

非課税期間(5年)の終了後は、ジュニアNISA口座から全額ロールオーバーできます。


  • 移管先:継続管理勘定
  • 18歳になった年の12月31日まで非課税で運用できる
  • 2024年以降の払い出しは年齢制限なし
  • 一度だけ全額(小出しはNG)が払い出せて、その後は口座が廃止


新制度は、18歳以下を対象にした制度がない分、上限枠が1,800万円とアップ。

夫婦でつかえば3,600万円が投入可能なので、それを活かしてお子さんのために運用することもできますね。

⑤現行一般NISAよりも投資可能な商品に制限がかかる

さて、改悪といわれる最後の点。

現行NISAよりも商品に制限がかかることは、本当にデメリットなのでしょうか。


実はこの制限、新NISAの対象商品の基準によるもの。

  • 旧制度以上に長く運用できる
  • 投資の初心者が安全に運用できる

つまり、初心者が安全に長期運用をするにふさわしい商品が選定され、そうでない商品が対象外とされたのです。


では、対象外になっているものを確認しましょう。


  1. 監理銘柄(上場廃止のおそれのある会社の株式)
  2. 整理銘柄(上場廃止が決まった会社の株式)
  3. 投資信託などで『信託期間が無期限または20年以上』でないもの
  4. 高レバレッジ型ETF(レバレッジ=借入により取引を行う)
  5. 毎月分配型の投資信託や、デリバティブ取引を用いたもの
  6. 信用取引(証券会社に委託保証金を出し、借金して取引を行う)

1~3は、長期運用に向かないもの、4~6は、ハイリスクハイリターンで初心者に向かない商品や取引法であることがわかります。


これらのうち、一般NISAで取り扱われていたものもありましたが、投資を始める人にふわさしい商品ではないとして新NISAから対象外となったのです。


つまり、新NISAでは、より安心して商品を選べるようになっているのです。

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現行NISAからの変更点!新NISAのメリットとは?


新NISAは、改悪ではなく進化だということがわかってきましたね。


デメリットといわれる点も、実は十分にメリットと呼べるものであったり、別の部分でフォローされていることをお伝えしてきました。


ここからは、まだまだある新NISAのメリットをご紹介いたしましょう。


  1. 併用可能で柔軟な投資が可能
  2. 非課税枠を再利用可能

新NISAを使いこなす大きなヒントになるはずです。

メリット①併用可能で柔軟な投資が可能

新NISAは、非課税上限額・投資額も増額、より柔軟に運用していけるシステムとなりました。

その例として、上限1,800万円を積み立て、計30年まで年利3%で運用するパターンを考えてみましょう。


積立+運用パターン元利合計金額(年利3%)運用益合計
月30万円/5年の積立後
25年運用
41,018,719円23,018,719円
月10万円/15年の積立後
15年運用
35,576,419円17,576,419円
月5万円/30年の積立
29,136,844円11,136,844円


積立総額と年利が共通でも、これだけの運用益の差が出てきます。

自分の収入やリスク管理基準から、ふさわしい運用方法を柔軟に選択していくことができるのです。

メリット②非課税枠を再利用可能

新NISA2つ目のメリットは、売却での投資上限枠の復活です


現行NISAではあくまで購入累計額が基準。

しかし新NISAでは、購入価額で1,800万円以内の保有という条件でOK!


つまり、年間360万円の資産投入を5年続け、保有上限の1,800万円に達したあと、そのままでは6年目以降、投資枠がなくなります


そこで、5年目のうちに資産を手放せば、年間投資枠の範囲で翌年の枠が復活するのです。


ここで、積立投資枠+成長投資枠というシステムが活かせます。

成長投資枠の一部をハイリスク・ハイリターンな短期専用の資産に割り振るのもひとつの手、ということです。

新NISAで利益を出すためにはどうする?対策すべきこと4選


改悪?といわれたりもする新NISA。

本当は、より便利になり活用しがいのある制度になっていましたね。


でも、新NISAを使いこなし、より大きな利益を出すにはどうするのがいいの?という方のために、対策を4つお教えします!

  1. 目標や目的を明確に
  2. 暴落しても途中解約はNG!長期運用を心がけよう
  3. 長期的に利益が出そうな銘柄を選んでみよう
  4. 困ったら、お金の専門家に相談がベスト!

この4つの対策、ぜひ最後までご覧ください。

①目標や目的を明確にしよう

まず、何のために投資するのか、具体的にライフイベントを設定して目標を具体化しましょう。


  • 12年後、子供が受験に臨む年、○○万必要
  • 20年後、子供の結婚適齢期?お祝いに□□万用意しておく
  • 28年後、定年退職の記念に妻と旅行がしたい、▲▲万準備

それをもとに、短期に強い商品と長期をめざす商品をどのように組み合わせるかを考え、運用計画をきっちりと立てます。


含み損が出た場合にどこまで回復を待ち、何%まで下がったら売却するかなど、リスク管理の基準も決めておきましょう。


投資を成功させるには、まず基本方針をたて、ブレることなく続けていくことが重要なのです。

②暴落しても途中解約はNG!長期運用を心がけよう

非課税期限の撤廃を活かし、新NISAでは長期継続運用を心がけましょう。

より長期をめざすことで、複利効果がより大きく働き、効率よく利益が育ちます。


▼積立年利5%で月5万円の運用例


 最終積立額 
 投資利益率(利益÷投資額×100 )
 月5万/5年継続運用3,400,304円
13.3%
月5万/20年継続運用 20,551,683円
71.26%


5年と20年では、投資利益率が5倍と飛躍的に上がっています。

これが複利効果です!


途中で売ってしまうと効率が下がり、もったいないですね

日々の価格変動に過敏にならず、辛抱強く運用をつづけましょう。

③長期的に利益が出そうな銘柄を選んでみよう

新NISAでは、売却で利益を出すより、長期で運用益を狙える銘柄を選ぶことが大切。


そして、資産を分散させておけば、価格変動に影響をうけにくく安定したポートフォリオを作り上げることができます。


ひとつでリスク分散できて、長期的に利益を出せる商品、ないかな?


あります!たとえば…

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)マネックス証券


通称、オルカンと呼ばれる人気商品です。

日本を含む先進国と新興国、全世界約50か国の株式で構成されている銘柄です。

しかも、長期運用には欠かせない低コスト


マネックス証券以外にも、SBI証券楽天証券など、さまざまな証券会社で取り扱いがあるので、ご自分の金融機関で探してみてくださいね。

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積立NISAおすすめ銘柄紹介!損失回避の選び方や投資先変更の注意点とは

④困ったら専門家に相談!マネーキャリアの無料相談へ

新NISAは改悪ではなく、自由度が増した分だけ、緻密な戦略が必要となってくるのだということがわかりましたね。

投資には、適切なリスク管理をおこなっていくことが肝要です。
  • この銘柄とあの銘柄、どちらが長期運用に向いている?
  • 値下がりが続くこの商品、そろそろ売るべきかな…
自分だけの判断では、限界を感じることも。

そんな時こそ、専門家の意見を取り入れて、正確な判断をしたいものです。

自分ひとりで悩まず、迷わずお金のプロに相談しましょう。


でも、料金が心配という方でも大丈夫です!マネーキャリアなら、無料相談がありますのでぜひご活用ください!

マネーキャリアで無料相談する

新NISA開始前に現行NISAを始めるべき?


NISA、現行制度の
うちに始めるべき?


答えは…YES!今すぐ始めましょう。

現行制度利用者だけのメリットがこんなにあります!


  1. 新NISAの口座が自動で開設
  2. 積立設定も新NISA口座に引き継がれる
  3. 新NISAとは別の制度のため、両方運用できる  

新NISAへの乗り換え手続き不要積立設定もしてくれる親切設計となっています。


注目はこの、3つ目のメリットです

現行NISAで、2023年中に投資枠の限度いっぱい購入すると、

積立NISA…40万円

一般NISA…120万円

この分まるまる新NISA限度額1,800万円上乗せできてしまうんです。


というわけでNISAを始めるなら今!

現行NISA口座開設は2023年12月までなので、お忘れないようすぐに手続きを始めるのがおすすめです。


せっかく国が用意した制度です。

あなた専属の投資パートナーとして最大限に活用し、これからの長い人生を輝かせていきましょう。

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まとめ:新NISAは改悪ではない!上手に活用して利益を得よう!


今回は、新NISA制度の変更点とメリットについてお伝えしました。

  1. 新NISAは、非課税期間が無期限に!
  2. 非課税投資枠も大幅に増額
  3. つみたて投資枠+成長投資枠という2本立て

改悪と言われる点についても、制度が緩和されたことによるものであったり、現行NISAと併用することで解決できる、ということがわかりましたね。


制度がリニューアルし、より便利になっていく新NISA


まだNISAを始めていない方も、ぜひ2023年中に現行NISA口座を開設して、新旧NISAの2本立てでの活用をおすすめします。


資産運用の悩みや疑問はお金のプロ、マネーキャリア相談してその都度解決。

自分のため、そして家族のために資産形成をすすめていきましょう!

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