固定費は、毎月支払わなければならない金額が一定額で決まっています。その分、固定費の節約ができれば、家計の負担を軽くすることができ、将来的な資産形成につながります。本記事では、固定費の節約に必要な情報や具体的な方法について解説していきます。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
節約の基本は固定費の見直しから
まもなく新年度を迎えようとしていますが、物価の値上がり、水道光熱費の値上がりが一向に落ち着く様子がありませんね。
新年度を機会に、改めて家計の節約を考えてみましょう。
毎日の食費や交際費等の変動費をやりくりしても、その場しのぎの節約になってしまう可能性が高いです。
変動費は、節約のために我満や努力を継続している間だけしか効果を発揮しません。
気を抜いたら、すぐに浪費へと繋がってしまいます。
それに比べて、固定費は一度見直しをすると、その後特に我満や努力を継続しなくても、節約の効果は続きます。
見直しをするのに多少の手間や時間はかかりますが、節約効果はとても高いので、ぜひ一度見直しをしてみましょう。
固定費の種類と節約方法
固定費の種類には、家賃、住宅ローン、光熱費、通信費、保険料などがあります。
それぞれに対して、節約方法を考えることで家計の負担を軽減することができます。
- 家賃
家賃の節約方法としては、まずは物件探しの際に家賃の安い物件を選ぶことが最も重要です。転居時期や更新時期を考慮して家賃交渉を行うことでも家賃を抑えることができます。
- 住宅ローン
住宅ローンの節約方法としては、住宅購入までにしっかりと頭金を貯めることや、契約時に金利が低い銀行を選ぶこと、返済期間を短くすることが挙げられます。 固定金利や変動金利についても、選び方ひとつで毎月の返済額が変わってきますので、しっかりと考えるようにしましょう。
- 光熱費
光熱費については、固定費を見直すといった点では、現在契約中の電機会社やガス会社、契約プランを見直してみましょう。
今よりも基本料金や使用料金が少なく済む会社や、ご自身のライフスタイルに適した契約プランがあれば、乗り替えすることで光熱費が節約できます。
- 通信費
通信費は、スマートフォンやインターネット回線の契約を見直すことで節約することができます。
スマートフォンの契約を格安SIMに変更することを検討してみましょう。
- 保険料
保険料の節約方法としては、本当に必要な保険にのみ加入することや、保険会社を比較して保険料を抑える、といった方法があります。
以上のように、固定費にはそれぞれ節約方法が存在します。
各項目ごとに節約できるポイントを理解し、家計の負担を軽くすることが大切です。
固定費の見直しのステップ
さて、光熱費を見直すために、実際に行動してみましょう。
一気に全部をまとめて変えようとすると大変かもしれませんので、以下の順番でひとつずつ実行していきましょう。
【ステップ1】固定費の全体像を把握する
まずは、自分がどれだけの固定費を支払っているのか、どのくらいの割合が占めているのかを把握することが必要です。
定期的に支払われる家賃、ローン、光熱費、保険料、通信費など、全ての固定費をリストアップし、確認してみましょう。
【ステップ2】支払いを見直す項目を選ぶ
全体像を把握したら、支払いを見直す項目を選びます。
支払いを見直す際には、節約効果が大きく、かつ自分自身が必要としているものを優先することが大切です。
【ステップ3】具体的な節約方法を検討する
支払いを見直す項目を選んだら、具体的な節約方法を検討します。
例えば、家賃を下げるために引っ越しをする場合、新しい住居の賃貸相場を調べたり、転居先の通勤時間を確認したりすることが必要です。
保険料を下げる場合には、自分に必要な保障内容を確認し、比較検討することが大切です。
【ステップ4】実行する
具体的な節約方法を決定したら、実行に移します。
ただし、変更する場合には、事前に手続きや手順を確認することが必要です。
固定費の見直しの注意点
固定費の見直しには注意点もあります。
■解約手数料がかかる場合がある
契約期間内に解約する場合、解約手数料がかかることがあります。
解約にかかる費用まで考慮して、計画的な見直しを行う必要があります。
■安易な乗り換え・解約が得策でない場合がある
例えば、生命保険や医療保険の場合、解約してしまうと、現在の年齢により保険料が上がってしまう可能性もあります。
また、健康状態により新しく保険に加入することが困難な場合もあるため、慎重な判断が必要です。
固定費の見直しを失敗しないためには
固定費の見直しを失敗しないためには、まず、見直し前に自分の家計簿を見直すことが大切です。
現状の収支状況や出費の傾向を把握し、何をどのくらい削減する必要があるのかを把握することが必要です。
削減可能な項目を見つけることができれば、見直しの目的を明確にすることができます。
次に、見直しの計画を立てることが重要です。
見直しを実行する前に、どのような節約方法を用いるか、何をどの程度削減するかなど、具体的な計画を立てることが必要です。
また、この計画を立てる際には、家族の意見を聞き、協力して見直しを進めることも大切です。
見直しを実行する際には、優先順位をつけることも大切です。
節約できる項目は多岐にわたりますが、すべてを一度に見直すことは難しいです。
優先順位をつけて、最も節約できる項目から見直していくことで、効率的に見直しを進めることができます。
最後に、見直しの失敗を防ぐためには、目標を達成した後も見直しを続けることが必要です。
見直しによって節約した分を別の出費に回さないよう、習慣化することが大切です。
また、見直しの結果が思ったように出なかった場合でも、諦めずに改善策を探し続けることが必要です。
まとめ
固定費の見直しを行った結果、思うような効果が得られなかったり、逆に予想外の費用がかかってしまった場合には、節約方法が間違っている可能性が高いです。
そのような場合は、第三者に話を聞いたり、早めに専門家に相談することも大切です。
ファイナンシャルプランナーなど専門家のアドバイスを得ることで、より効果的な見直し方が見つかるかもしれません。
最後に、固定費の見直しは一度だけで終わるものではありません。
定期的に見直しを行うことで、節約の効果をより長期的に享受することができます。
ぜひ、この記事で紹介した方法やポイントを参考に、自分に合った固定費の見直し方を見つけてみてください。