土地先行購入でも住宅ローンは受けられる?土地先行融資についても解説のサムネイル画像
▼この記事を読んでほしい人
  • 住宅購入を検討中で、土地先行購入に興味がある人
  • 住宅ローンを理解し、土地と建物の購入方法について情報を探している人
  • 金融商品や住宅ローンの種類について詳細を知りたい人。
  • 住宅購入計画を立てる際、土地先行融資と住宅ローンの組み合わせを考える人

▼この記事を読んでわかること
  • 土地先行融資とは何か、どのように利用できるか
  • 土地先行融資のメリット・デメリット
  • 土地先行融資とつなぎ融資の違いとそれぞれの特徴
  • 土地先行融資を検討する際の銀行や金融機関の選択肢

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土地先行購入時にも住宅ローンを利用可能であり通常、土地先行融資で土地を購入し、後で住宅ローンで建物を購入する。土地先行融資のメリットとデメリットや土地先行融資の利用の仕方、つなぎ融資との比較などををまとめている記事です。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

土地先行の購入では銀行などで住宅ローンが組めない理由



注文住宅などを建てる場合は、まずは土地の入手が必要ですね。土地を入手するにあたっても費用はもちろん発生します。


土地を先に購入する際に、銀行や金融機関から住宅ローンを組むのが難しい理由が存在します。土地を先行して購入する場合、住宅の建設が具体的には計画されておらず、銀行は住宅ローンの取得に制約を設けることがあるからです。 


土地先行の場合、どのようなこちがネックになるのかという点について検討していきたいと思います。

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住宅を建てる保証がないため

土地を先に購入する際、銀行や金融機関から住宅ローンを組むのが難しい理由の一つは、住宅建設の保証が不足していることです。この点を詳しく見てみましょう。 


土地を先に購入した場合、住宅建設の計画が詳細に明確になっていないことが多いです。銀行は借り手による建設計画の提出を確認し、この計画に基づいてローンの審査を行います。しかし、具体的な計画が不透明な場合、銀行は貸し手リスクを評価しにくくなり、住宅ローンの取得が難しくなります。 


また、住宅建設の費用は購入した土地の価格とは別にかかります。銀行は建設費用の見積もりを求め、ローンの金額を設定します。しかし、土地を先に購入している場合、建設に関する具体的な見積もりが不足していることがあります。これが問題となり、銀行の審査を難しくなる要因となるでしょう。

抵当権をつけられないため

土地を先に購入する場合、銀行から住宅ローンを組むことが難しい理由の二つ目つは、抵当権をつけられないことです。この点について詳しく説明しましょう。 


 通常、住宅ローンを組む際、銀行は住宅自体を抵当にします。これは、住宅がローンの担保となり、借り手が支払いを怠った場合、銀行はその住宅を差し押さえて債務を回収できるようになります。しかし、土地を先に購入している場合、抵当権を設定するための具体的な住宅が存在しないため、抵当権をつけることが難しいのです。


住宅ローンの抵当権は、住宅の評価額に基づいて設定されます。しかし、土地を先に購入した場合、土地自体の価値は高まっても、住宅が建っていないため、担保価値が十分ではないことがあります。銀行は担保価値の不足を懸念し、抵当権の設定が難しいと判断します。

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土地先行購入で受けられる融資

土地を先に購入し、その後住宅を建設する土地先行の購入方法にも、資金を得るための融資の種類がいくつか存在します。


今回は、「つなぎ融資」という住宅ローンが実行されるまでの融資と、「土地先行融資」という土地の費用を先行して受けられる融資の二つの融資の具体的な内容について解説したいと思います。


それぞれの特徴などを踏まえて自身にあった融資を選択しましょう。

つなぎ融資:住宅ローンが実行されるまでの融資

土地先行購入において、住宅ローンが実行されるまでの期間には、つなぎ融資と呼ばれる仕組みが存在します。このつなぎ融資は、土地購入後から住宅建設ローンが実行されるまでの間、必要な資金を確保するための手段です。 


住宅ローンのつなぎ融資を受けるプロセスは大きく5つののステップで進みます。 


  1.  土地取得のための契約手続きをする 
  2. 建築費用の返済計画を作成する 
  3. 金融機関にて住宅ローンのつなぎ融資の申請を行う 
  4. 建設のための各種費用をつなぎ融資で支払う 
  5. 住宅が完成したらローン返済をスタートする


つなぎ融資は、無担保での融資になるため住宅ローンより金利が高いのが一般的です。住宅ローンとセットで融資を受けるのが基本で、建物完成後の住宅ローン開始と同時につなぎ融資も返済するパターンが多いです。 

土地先行融資:土地の費用を先行して受けられる融資

土地先行購入において、土地の購入費用を事前に調達するための土地先行融資という種案が存在します。これは、土地を購入し、その後住宅建設資金を確保するための手段であり、住宅ローンの分割融資のひとつです。


つなぎ融資との違いは住宅ローンとしての融資になるため、金利は住宅ローンと同じ金利が適用されます。そのため、金利が高いつなぎ融資より低い金利で融資を受けられます。


ただし、無担保で融資を受けられるつなぎ融資とは異なり、抵当権が発生するため、土地の抵当権登記が必要となりますので注意が必要です。


また住宅ローンの分割融資となるため、建物に対するローンありきでの融資となることは認識しておく必要があります。

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土地代の先行融資が銀行で受けられる住宅ローン「土地先行融資」のメリット・デメリット

土地先行融資は、土地の購入費用を事前に調達し、その後の住宅建設に向けての融資となりますが、この手法にはメリットとデメリットがあります。


土地先行融資は、土地購入にかかる資金調達の手段として役立ちますが、慎重な計画と銀行との調整が必要になります。また個々の状況に合わせて利用する際には、メリットとデメリットをバランス良く検討することが重要です。


土地先行融資にはどのようなメリットやデメリットがあるのか詳しく検討していきたいと思います。

土地先行融資の仕組み

土地先行融資の仕組みをあらためて解説します。


通常の住宅ローンは建物に対してのローンになりますので、土地に対しての融資というものは通常受けることができません。ですが、建売住宅ではなく注文住宅などの場合は、まず土地を決めてその土地に対して建物(家)を建てます。


まとまった資金があるのであれば土地の費用を支払う、頭金を支払うということが可能ですが、まとまった資金がなく土地購入の段階で融資を受けたい場合に利用できるのが、土地先行融資です。


建物の融資より前に、土地を担保に住宅ローンを融資を受けることになります。建物を建てることが前提条件です。建物は建物分として契約を結ぶので、土地先行融資を受ける場合は土地と建物の2回契約を結ぶ必要があります。

土地先行融資のメリット

土地先行融資は、土地購入後に住宅建設のための資金を調達する手段として利用されます。土地先行融資にはいくつかのメリットがあります。 


 1. 住宅ローン控除が受けられる

土地先行融資の場合は条件を満たせば、住宅ローン控除が適用されます。ローン残高の1%を10年間、所得税から控除してくれます。


住宅ローン控除の適用条件に「新築または取得の日から6ヶ月以内の居住」という条件があり、通常土地を取得した段階では適用されませんが、新築の日の前2年以内に購入した土地であれば、手続きすることで適用されます。


 2. 低い金利の活用

土地先行融資は通常、住宅ローンと同じ金利が適用できるため、つなぎ融資よりも金利が低くなります。これにより、土地購入における利息負担を軽減できます。 


土地先行融資のデメリット

土地先行融資は有益な側面がありますが、デメリットも存在します。以下はその主なデメリットです。


1.取り扱っている金融機関が限られている

全ての金融機関が土地先行融資を提供しているわけではありません。 土地先行融資(分割融資)が提供されていない金融機関も多く存在します。

土地先行融資を検討する際には、複数の金融機関を確認し、提供しているかどうかを確認しましょう。


2.登記費用が2回必要になる

土地先行融資を利用する場合、土地の融資、建物の融資と分けて申し込みをするのが一般的です。それに伴い、土地の抵当権、建物に対する抵当権お設定登記がそれぞれ必要となり、登記にかかる諸費用が2回かかることになります。


3.建築プランの提示が必要

土地先行融資の場合は建物のプラン含めての住宅の資料が必要になります。土地の融資の段階でしっかりとした計画が必要になる点も注意が必要です。

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住宅ローンの土地先行融資とつなぎ融資はどちらで土地代の支払いを開始するのがいい?

土地代の支払いを開始する際、土地先行融資とつなぎ融資の違いにつちえ解説してきましたが、住宅ローンの土地先行融資とつなぎ融資はどちらで土地代の支払いを開始するのがいいのでしょうか。


どちらを選べばお得なのか、できれば得になる方を選びたいものですよね。ここでは、土地先行融資とつなぎ融資を選ぶ際は、どのような観点で検討したらいいのかについて解説していきたいと思います。

トータルの支払いにかかる金額で比較する

土地先行融資とつなぎ融資を比較する際に重要な視点は、トータルの支払いにかかる金額です。ここでは、両者のトータルコストを比較しましょう。 


あらためて土地先行融資とつなぎ融資の違いを比較してみましょう。


土地先行融資つなぎ融資
金利住宅ローンと同じ金利住宅ローンより高い金利
登記や手続き土地と建物でそれぞれ必要一度でOK
担保土地の抵当権無担保



単純に金利だけであれば土地先行融資のほうがよいですが、トータルコストとなると金利だけで判断するのは難しいです。個別の状況や計画に応じて最適な選択が変わることがあります。それぞれの場合の金額を算出してみてトータルコストを評価し、適切な選択を行うことが重要です。

住居の完成までに時間がかかる場合は土地先行融資がおすすめ

トータルコストをもとに判断するのが良いですが、基本的に住居の完成までに時間がかかる場合は土地先行融資がおすすめと言えます。


理由としては、つなぎ融資の場合の金利の高さです。つなぎ融資は金利が高いので融資の期間が長ければ長いほど多くの利息を払う必要が出てきます。建物が引き渡されてはじめて住宅ローン融資になりますので、なるべく早く住宅ローンの金利に移行したほうがよいということですね。


一方で土地先行融資の場合は住宅ローンと同じ金利で融資を受けられる点がメリットです。


工期がどのくらいになるのかということが一つのポイントになると言えるでしょう。ですが、天候や災害などが工期に影響する可能性もありますので、やはり一概には言えないというのが現実です。

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住宅ローンの土地先行融資を利用する際の流れ

土地先行融資は、土地を購入し、その後の住宅建設に向けての資金を手に入れるための金融手段です。その仕組みは以下の通りです。 


 1. 土地購入決定 

 まず、土地を購入する決定します。土地単独では融資を受けることはできません。 


 2. 土地先行融資申請 

土地の購入費用を調達するために、銀行や金融機関に土地先行融資を申請します。土地分の融資を受けるには、取得する土地と建築予定の住宅の資料を提出する必要があります。 


3. 融資承認 

金融機関は申請を審査し、土地先行融資の承認を行います。審査には借り手の信用評価と土地の評価額が影響します。 土地先行融資の場合は建物の申込と土地の申込が別々になるのが一般的ですが、住宅ローンの分割融資という性質上、建物の計画は必ず必要です。


4.融資実行

融資の承認が下りれば、実際に融資は実行されます。その後土地の支払いを行い、ローンが開始されます。土地の融資が完了したら建物の融資に向けた申込みに進みます。

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土地先行融資で住宅ローン控除を利用する際に注意すべきポイント

土地先行融資を利用して土地を購入し、住宅を建設する場合、住宅ローン控除を活用できる可能性があります。住宅ローン控除を活用することで一定期間の所得税の減税が受けられます。

所定の条件のクリアや各種申請などが必要になるため、条件に当てはまっているのか、申請漏れがないのかという点について注意が必要です。ここでは土地先行融資で住宅ローン控除を利用する際に注意すべきポイントについて解説したいと思います。

住宅ローン控除を受ける条件に当てはまっているか

住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件を満たすことが必要です。これらの条件を確認し、自身の状況に合致しているかどうかを検討しましょう。


<住宅ローン控除を受けるための条件>

  • 住宅ローンの返済期間が「10年以上」であること 
  • 自分自身で居住するための住宅であること 
  • 床面積が「50平方メートル以上」であること(※) 
  • 自宅で事業を営んでいる場合、床面積の「2分の1以上」を居住のために使用すること 
  • 合計所得金額が「2,000万円以下」であること(※)

※一部例外があります。



土地や建物の名義があるか

住宅ローン控除を受けるためには、土地や建物の名義が適切に設定されているかどうかが重要です。


土地と建物の名義が同じ人物であるかという点がポイントになります。土地と建物の名義が異なると住宅ローン控除を受けることができません。あわせて住宅ローンの名義も同じ人である必要があります。


例えば夫婦で土地と建物の名義を分けたりしてしまうと住宅ローン控除が受けられなくなってしまいます。建物の名義を共同名義にするなどすることで夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けることが可能になります。


 名義に関する正確な情報と適切な手続きが、住宅ローン控除の利用において重要です。名義に関する不明確な点がある場合、税務専門家や不動産法律の専門家に相談し、適切な対応策を見つけることが大切です。

建物のローン返済が土地よりも先に終わらないか

住宅ローン控除を活用する際、建物のローン返済が土地のローン返済よりも先に終わるかどうかは重要な要因です。

なぜなら住宅ローン控除は、建物のローンがあるか否かが判断のポイントにもなるからです。土地先行融資の場合は住宅ローンと別のローンになるため、返済の期間が異なることもあるでしょう。また繰上げ返済により、早めに完済する場合などもあるかと思います。

そのような時に建物のローンが先に終わってしまうと住宅ローン控除が受けられなくなってしまうので注意が必要です。

建物のローン返済が土地よりも先に終わるかどうかは、住宅ローン控除を受ける際に戦略的に考慮すべき要因です。ローン契約の設定や税務上の制約に注意し、最良の控除戦略を確立することが重要です。税務専門家との協力も役立つでしょう。

住宅ローンの土地先行が可能な銀行は?

住宅ローンの土地先行融資はすべての金融機関で行われている訳ではありません。一部の金融機関で取り扱いがあるのが現状です。また、具体的な条件や金利は銀行ごとに異なるため、詳細な情報は各銀行の公式ウェブサイトや担当者との相談が必要です。 

ここでは土地先行融資を実施している金融機関と情報を紹介したいと思います。

土地先行融資を検討する際には、複数の銀行や金融機関と相談し、条件や金利、サービスを比較検討することが重要です。自身の資金状況や計画に最適な銀行を選ぶことが成功の鍵となります。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、土地先行融資を提供する金融機関の一例です。以下は、この銀行に関する情報です。 住信SBIネット銀行は、SBIグループの一員としてオンライン専業銀行として知られ、住宅ローン分野でも幅広いサービスを提供しています。


土地先行融資(土地先行プラン)についても、提供されています。 この銀行の土地先行融資は、以下の特徴を持っています。 


住信SBIネット銀行 土地先行プラン

  • 金利 0.32%(2023年10月現在)
  • 金利タイプ 変動金利
  • 特徴 土地先行融資期間中は元金の返済なしの利息の支払いのみ



ただし、具体的な情報については住信SBIネット銀行の公式ウェブサイトや詳細を確認することが重要です。

三井住友銀行

三井住友銀行は、日本国内で幅広い金融サービスを提供する大手銀行の一つで、住宅ローン分野でも高い信頼性と多彩なプランを提供しています。その中でも土地先行融資を積極的に紹介しています。

大手メガバンクですので、どの地域でも店舗があり、直接金融機関で相談できるのがメリットですね。


三井住友銀行の土地先行融資

  • 金利 変動金利→0.475%〜 固定金利→1.14%〜 (2023年10月現在)
  • 金利タイプ 変動金利、固定金利選択可能
  • 特徴 住宅ローン電子契約では収入印紙が不要で、電子契約手数料もかかりません


具体的な条件や金利については、三井住友銀行の公式ウェブサイトや担当者との相談をして、詳細を確認することが大切です。

イオン銀行

イオン銀行は、日本国内で多彩な金融サービスを提供する銀行で、住宅ローン分野においても注目されています。イオン銀行でも土地先行融資を行う金融機関の一つです。

イオン銀行は全国のイオンに店舗がありますので、日常の買い物と一緒に相談できるのがメリットです。



イオン銀行土地先行ローン

  • 金利 0.38%〜 (2023年10月現在)
  • 金利タイプ 変動金利
  • 特徴 土地先行融資以外にもつなぎゆうしも取り扱いがあるので、どちらが自分にあっているかの比較が可能


詳細な条件や金利については、イオン銀行の公式ウェブサイトや担当者との相談を通じて確認することが重要です。自身のニーズに合った住宅ローンプランを検討する際に、イオン銀行も考慮対象として検討する価値があります。

まとめ:土地先行購入でも住宅ローンは受けられる?土地先行融資についても解説

土地先行購入の場合の住宅ローンの利用についてや土地先行融資のメリット、デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

注文住宅を検討していて土地先行購入に関心がある場合でも、住宅ローンの利用は可能です。最終的に、土地先行融資と住宅ローンの組み合わせは、個人の資金状況や住宅購入計画に応じて最適な方法を選ぶ重要な選択肢です。

計画的な検討と金融機関との相談を通じて、土地と住宅の購入プロセスをスムーズに進めることが可能です。