専業主婦だとiDeCoは無駄なの?専業主婦の場合でもiDeCoで節税効果が得られたり、その他にもメリットがあるのでおすすめです。専業主婦におすすめのiDeCo運用方法や復職した場合のiDeCo加入、iDeCoの開始手続きなどを解説!NISAとの比較も掲載中。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 専業主婦(被扶養配偶者)はiDeCoに加入してもメリットなし?
- 専業主婦(被扶養配偶者)でもiDeCoで節税効果が得られる!
- 扶養範囲を超える収入があればiDeCoの掛金は控除される
- iDeCoの運用益は全額非課税
- iDeCoの受けとり時にも大きな所得控除の枠がある
- 節税効果だけじゃない!iDeCoに加入するメリットを紹介
- 運用益を出せると将来に使えるお金が増える
- 月5000円から始められるので家計を圧迫しない
- 低コストで利用できる金融商品が揃っている
- iDeCoの口座開設は郵送やwebで行える
- 60歳まで引き出しできないので着実にお金を貯められる
- 再投資も可能なので複利効果が得られる
- 専業主婦(被扶養配偶者)がiDeCoに加入するデメリットも紹介
- 収入が扶養の範囲内だと所得控除は受けられない
- 口座開設手数料や毎月の管理手数料を支払う必要がある
- 60歳になるまで掛金や運用益を引き出すことができない
- 専業主婦におすすめのiDeCoの運用方法は投資信託
- 扶養内でパートをする専業主婦が知っておくべき「年収の壁」を解説
- 100万円の「住民税の壁」
- 103万円の「所得税の壁」
- 106万円あるいは130万円の「社会保険の壁」
- 150万円あるいは201万円の「配偶者特別控除の壁」
- iDeCoに加入すれば103万を超えても所得税が発生しないことも
- iDeCoは「個人の属性」によって加入区分が分けられる
- 自営業やフリーランス、学生の場合は「第1号被保険者」
- サラリーマンや公務員の場合は「第2号被保険者」
- 被扶養配偶者(=パートの専業主婦)は「第3号被保険者」
- iDeCoの加入区分によって掛金の拠出上限額が異なる
- 専業主婦から復職した場合iDeCoに加入したらどうなる?
- 扶養から外れるのでiDeCoで所得控除が受けられる
- 年収130万以上になると配偶者控除が受けられなくなるので注意
- 扶養から外れる場合でも年収103万以上130万未満に調整する
- iDeCoを始める手続きについて解説!
- ①まずは投資したい商品と口座を開設する金融機関を選ぶ
- ②申し込み書類を金融機関から取り寄せる
- ③必要な事項を記入し金融機関に返送する
- ④金融機関で口座が開設され、口座情報が届く
- 参考:iDeCoとNISA、専業主婦におすすめなのはどっち?
- 老後資金を着実に貯めたい場合はiDeCoがおすすめ
- 短い期間で運用してお金を増やすならNISAがおすすめ
- まとめ:iDeCoは専業主婦にもメリットがあるのでおすすめ
専業主婦(被扶養配偶者)はiDeCoに加入してもメリットなし?
こんにちは。
マネーキャリア編集部です。
先日、ある女性読者の方からこんな相談を受けました。
「私、子どもが大きくなって、手がかからなくなったんですけど……そしたら、急に老後のことが不安になっちゃって……私たちの時代には年金も少なくなるだろうし、ましてや私は専業主婦だから……そんなときiDeCoのことを知ったんです。老後の資金になるって……私なんかでも入れるんでしょうか?」
そうですね、法改正されて2017年1月から専業主婦(主夫)の方も、iDeCoに加入することができるようになりました。
iDeCoは主婦(主夫)が加入しても、あまりメリットがないと思われがちですが、そんなことはありません。
ちゃんとメリットもありますし、老後の資金も確実に貯めることができます。
「主婦がiDeCoに入ると、どんなメリットがあるの!?」
今回はそんな疑問に詳しく解説していきます。
これからiDeCoに加入しようと考えている主婦(主夫)の方も、iDeCoの名前だけしか知らない主婦(主夫)の方にも、役に立つ情報を載せていますので、ぜひ最後までお読みください。
専業主婦(被扶養配偶者)でもiDeCoで節税効果が得られる!
iDeCoは専業主婦(被扶養配偶者)でも節税効果が得られます。ここでは、以下の記事について解説していきます。
- 扶養範囲を超える収入があればiDeCoの掛金は控除される
- iDeCoの運用益は全額非課税
- iDeCoの受けとり時にも大きな所得控除の枠がある
扶養範囲を超える収入があればiDeCoの掛金は控除される
扶養範囲を超える収入があればiDeCoの掛金は控除されます。
「iDeCoの掛金は全額控除される」この制度を利用します。
パート等で働いている主婦は、所得税を払わなくて済むように、年収を103万以内に抑えるよう意識している人が多いと思います。
しかし、「iDeCoの掛金は全額控除される」ため、収入が103万円を超えてしまっても、超えた額をiDeCoの積み立て金にすれば、課税所得が0円になります。そのため所得税がかかりません。
年収が130万円以上の場合は、社会保険料の支払い義務が生じ、かつ扶養から外されてしまいます。そのため年収を103万円以上にするためには、130万円との差額、27万円増までということになります。
iDeCoの運用益は全額非課税
iDeCoの運用益は全額非課税となります。
通常、金融商品を運用すると、運用益に所得税+源泉分離課税20.315%がかかります。しかしiDeCoの場合、運用益は全額非課税となります。
年金積立金は特別法人税(年1.173%)の対象となりますが、現在課税停止中です。
■通常金融商品の運用益に課税される税金
所得税、および復興特別所得税15.315%+住民税5%
iDeCoの受けとり時にも大きな所得控除の枠がある
iDeCoの受けとり時にも大きな所得控除の枠があります。
■ iDeCoの受け取り方法
- 年金
- 一時金
- 年金と一時金の併用
年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。
節税効果だけじゃない!iDeCoに加入するメリットを紹介
iDeCoは節税効果だけではなく、他にもメリットがあります。ここでは以下の記事について解説していきます。
- 運用益を出せると将来に使えるお金が増える
- 月5000円から始められるので家計を圧迫しない
- 低コストで利用できる金融商品が揃っている
- iDeCoの口座開設は郵送やwebで行える
- 60歳まで引き出しできないので着実にお金を貯められる
- 再投資も可能なので複利効果が得られる
運用益を出せると将来に使えるお金が増える
iDeCoの運用益を出せると将来に使えるお金が増えます。
iDeCoに拠出した掛金は60歳になるまで引き出すことができません。
これには運用で得た利益も含まれており、iDeCoで積み立てた資産は60歳まで運用以外に活用できなくなります。
これはただ単に引き出すことができないという意味ではなく、解約して資産を取り戻すこともできないということです。
そのため、iDeCoを通じて預けた資産は、本当に老後の資金以外には使えません。
ただしこれは「強制的に資産形成をする」という面もあり、なかなか貯蓄ができない人にとってメリットになるでしょう。
月5000円から始められるので家計を圧迫しない
iDeCoは、月5,000円から始められるので家計を圧迫しません。
iDeCoの掛金は、月5,000円から1,000円単位で設定できます。積み立て可能な金額は、主婦(主夫)の場合年間で27万6,000円です。
それぞれの家庭の経済状況は異なります。
そのためiDeCoの掛金を、現在の家計を圧迫しない金額に設定して、積み立てを始めることをおすすめします。
低コストで利用できる金融商品が揃っている
iDeCoには、低コストで利用できる金融商品が揃っています。
DeCoでは60歳まで長い期間の投資を行うので、長期投資になります。長期投資の最大のメリットは、それだけ時間をかけて運用できることです。
経済は成長していくものだと言われています。仮に最初の掛け金が少額だったとしても、長期に数十年は運用していきます。受け取りの時期、経済状況も成長し、資産も大きく増えていく可能性があります。
そのため、高い運用益がほしいのなら、国内株や外国株などの商品を多く保有するのがよい、と言われています。
iDeCoの口座開設は郵送やwebで行える
iDeCoの口座開設は郵送やwebで行えます。
iDeCoの申し込み手続きは、Web申し込み・郵送のどちらかを選べます。Web申し込みの場合、Web上で手続きが完結します。
郵送の手続きの場合はおおよそ以下のような流れになります。
- 申込書類への記入・捺印
- 勤務先で事業主証明書の作成依頼 (2号被保険者:会社員・公務員のみ)
- 申込関連書類の郵送
- 国民年金基金連合会にて加入資格の審査を行う。
- 加入手続が完了し、加入者の資格を得ると必要書類が送付される。
- 通知書類の受領
60歳まで引き出しできないので着実にお金を貯められる
iDeCoは、60歳まで引き出しすることができないので着実にお金を貯められます。
iDeCoの受取方には下記の3つがあります。
- 年金
- 一時金
- 年金と一時金の併用
人生には、何が起こるかわかりません。60歳になったとき、どんな自分になっているでしょうか。
iDeCoは、加入から受け取りまで数十年にわたる長い期間がかかる制度なので、将来の自分の状態に対応できる制度です。
iDeCoは確かに60歳まで途中引き出しが禁じられています。しかし老後の資産形成を確実に行えるという意味で、途中で引き出せないのはむしろメリットと言えるでしょう。
再投資も可能なので複利効果が得られる
iDeCoは、再投資も可能なので複利効果が得られます。
「複利運用」とは、運用で得た利益(預金の利息や投資信託の分配金)を引き出さずに、元本に加えて継続して運用(再投資)していく方法です。
たとえば元本を100万円として運用し、1年後に5万円の利益が得られたとします。しかし5万円の利益は、引き出さず元本に加算し、2年目は105万円の元利合計で運用を開始します。
これに対し、「単利運用」は、運用で得た利益を引き出して受け取るだけです。2年目は同じ元本の金額で運用を開始します。
複利運用では、原本と利益の合計をもとに運用していくことで、単利運用よりも利益が増していく効果(福利効果)が期待できます。
専業主婦(被扶養配偶者)がiDeCoに加入するデメリットも紹介
専業主婦(被扶養配偶者)がiDeCoに加入するデメリットも紹介します。ここでは、以下の記事について解説していきます。
- 収入が扶養の範囲内だと所得控除は受けられない
- 口座開設手数料や毎月の管理手数料を支払う必要がある
- 60歳になるまで掛金や運用益を引き出すことができない
収入が扶養の範囲内だと所得控除は受けられない
iDeCoでは、収入が扶養の範囲内だと所得控除は受けられません。
「主婦(主夫)は所得控除を受けられないから、iDeCoを利用しても意味がない」という意見がよく聞かれます。
所得控除によって所得税や住民税を節税できることは、iDeCoの大きなメリットの一つです。
しかし、iDeCoのメリットは、他にも「運用益が非課税になる」「受け取り時に主婦(主夫)でも税制上は退職金扱いにできる」などがあります。まったく節税の効果がないわけではありません。
少子高齢化が進む影響により、老後の生活資金を公的年金だけに頼れなくなっているのが日本の現状です。iDeCoの制度改正は、「iDeCoなどの制度を活用して、自助努力で老後の準備をしてほしい」という政府の政策意図があります。
「配偶者の退職金と公的年金だけでは老後が不安」「子育てが終わったので、扶養範囲を超えて働きたい」「今から老後資金を積み立てたい」このような方は、主婦(主夫)であってもiDeCoを始めることをおすすめします。
口座開設手数料や毎月の管理手数料を支払う必要がある
iDeCoでは、口座開設手数料や毎月の管理手数料を支払う必要があります。その内訳は、下の表のとおりです。
■ 口座開設時の手数料
- 2,777円
- 口座開設時に、iDeCoを統括する国民年金基金連合会に支払う。
- 月103円:年間1,236円
- 毎月掛金を納付する際に、国民年金基金連合会に支払う手数料
- 月64円:年間で768円
- 毎月掛金を納付する際に、事務委託先金融機関(加入者の年金資産の管理や拠出金の受入などの事務管理業務を行う信託銀行)に支払う手数料。
最後に、契約している運営管理機関に支払う口座管理手数料があります。これは加入している運営管理機関によって異なります。
60歳になるまで掛金や運用益を引き出すことができない
iDeCoでは、60歳になるまで掛金や運用益を引き出すことができません。
しかしiDeCoは、加入から受け取りまで数十年にわたる長い期間がかかる制度なので、60歳の自分の状態に対応できる制度です。
iDeCoは、60歳になるまで掛金や運用益を引き出すことが禁じられています。しかし老後の資産形成を確実に行えるという意味で、途中で引き出せないのはむしろメリットと言えるでしょう。
専業主婦におすすめのiDeCoの運用方法は投資信託
専業主婦におすすめのiDeCoの運用方法は投資信託です。
投資信託は、各金融機関のプロ(ファンドマネージャー)が、投資家から集めたお金を運用してくれる金融商品です。
1,000円程度の少額でも積み立て投資ができるため、初心者でも始めやすいものです。
また、投資信託は通常、数十から数百の株式・債券・不動産などに投資しています。そのため1つの商品を買うだけで、分散投資と同じような効果があります。
■ 投資信託の種類
- 国内株式だけに投資するもの
- 海外債券だけに投資するもの
- 国内の株式・債券に投資するもの
- 国内外の株式・債券に投資するもの
また手軽に「分散投資」をしたいのなら、国内外の株式・債券と広範囲に投資している投資信託を選ぶとよいでしょう。そうした投資信託を「バランス型」と呼びます。
扶養内でパートをする専業主婦が知っておくべき「年収の壁」を解説
扶養内でパートをする専業主婦が知っておくべき「年収の壁」を解説します。ここでは、以下の記事について解説していきます。
- 100万円の「住民税の壁」
- 103万円の「所得税の壁」
- 106万円あるいは130万円の「社会保険の壁」
- 150万円あるいは201万円の「配偶者特別控除の壁」
- iDeCoに加入すれば103万を超えても所得税が発生しないことも
100万円の「住民税の壁」
100万円の「住民税の壁」とは、「住民税」が発生するかしないかの分かれ目の年収をいいます。
「住民税」は、一定以上の収入がある人に対して課せられる税金です。自治体ごとに多少異なりますが、原則的には「年収93万~100万円を超えた人」が、課税対象となります。
たとえば年収100万円まで「住民税」が非課税になる自治体の場合、配偶者の収入が年収100万円以下であれば、(配偶者に)「住民税」は課せられません。
しかし年収100万円を超えると、「住民税」が発生します。たとえば年収101万円の場合は、「住民税」はおおむね約7,000円となります。
103万円の「所得税の壁」
103万円の「所得税の壁」とは、年収が103万円を超えると、所得税が課せられることを言います。
所得税を計算するとき、収入から差し引いてよい金額(控除額)があります。これを所得控除と言います。
すべての人が控除できる基礎控除額は、48万円です。
給与所得の金額によって控除できる、給与所得控除額の上限は、55万円です。
基礎控除額と給与所得額の合計は、103万円になります。そのためパートやアルバイトの収入額が103万円以下なら、所得税がかかりません。
配偶者がパートやアルバイトをしている場合、この103万円の「所得税の壁」は、配偶者を持つ納税者の税金に影響してきます。
つまり配偶者の年収が103万円以下の場合、納税者本人が所得税の配偶者控除の額38万円分を受けられます。配偶者の年収が103万円以下であった場合、配偶者は所得から38万円を控除されるので、その額の分税金を払う必要がなくなります。
ただし配偶者の年収が103万円を超えても、201万円までであれば、納税者の合計所得金額が1,000万円(年収1,220万円)以下の場合、配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者特別控除の金額は、配偶者の所得金額により異なります。配偶者が所得金額が多いほど、配偶者特別控除額は減額されていきます。
106万円あるいは130万円の「社会保険の壁」
106万円あるいは130万円の「社会保険の壁」とは、妻のパート等による収入が年間130万円以上(501人以上の企業等で働く人は106万円以上)になると、夫(会社員)の扶養から外れてしまうことを指します。
さらに自分で社会保険料(健康保険料や年金保険料など)を納めなければなりません。
■ 配偶者特別控除(妻の収入が103万円超~201.6万円未満の場合、以下の額が夫の所得から控除される)
- 夫の合計所得が900万円以下:38万~3万円
- 900万円超え950万円以下:26万~2万円
- 950万円超え1000万円未満:13万~1万円
150万円あるいは201万円の「配偶者特別控除の壁」
■ 150万円の「配偶者特別控除の壁」とは?
- 納税者本人が配偶者特別控除を38万円満額受けるための、配偶者の給与年収の上限額のこと。
納税者本人の合計所得金額によって、控除額は異なります。
また配偶者のアルバイトやパートの年収が150万円以下であっても、106万円を超えると勤務先での社会保険の加入義務が生じます。
さらに配偶者の年収が130万円を超えると、納税者本人が社会保険の扶養対象から外れてしまいます。
■ 201万円の「配偶者特別控除の壁」とは?
- 納税者本人が配偶者特別控除を受けるための、配偶者の給与年収の上限額のこと。
iDeCoに加入すれば103万を超えても所得税が発生しないことも
iDeCoに加入すれば103万を超えても所得税が発生しないこともあります。
「iDeCoの掛金は全額控除される」という制度を利用します。
「iDeCoの掛金は全額控除される」ため、収入が103万円を超えてしまっても、超えた額をiDeCoの積み立て金にすれば、課税所得が0円になります。そのため所得税がかかりません。
ただし年収が130万円以上の場合は、社会保険料の支払い義務が生じ、かつ扶養から外されてしまいます。
そのため年収が103万円を超えても、130万円まで、つまり差額の27万円まで増やすことができます。
iDeCoは「個人の属性」によって加入区分が分けられる
iDeCoは「個人の属性」によって加入区分が分けられます。ここでは、以下の記事について解説していきます。
- 自営業やフリーランス、学生の場合は「第1号被保険者」
- サラリーマンや公務員の場合は「第2号被保険者」
- 被扶養配偶者(=パートの専業主婦)は「第3号被保険者」
- iDeCoの加入区分によって掛金の拠出上限額が異なる
自営業やフリーランス、学生の場合は「第1号被保険者」
自営業やフリーランス、学生の場合は「第1号被保険者」になります。掛け金は以下の表のとおりです。
加入資格 | 掛け金 |
---|---|
第1号被保険者 | 月額:6.8万円、年額:81.6万円 (国民年金基金、または国民年金付加保険料の合算枠) |
サラリーマンや公務員の場合は「第2号被保険者」
サラリーマンや公務員の場合は「第2号被保険者」になります。掛け金は以下の表のとおりです。
加入資格 | 区分 | 掛け金 |
---|---|---|
第2号被保険者 | 会社に企業年金がない会社員 | 月額:2.3万円、年額27.6万円 |
企業型DCに加入している会社員 | 月額2.0万円、年額:24.0万円 | |
DBと企業型DCに加入している会社員 | 月額1.2万円、年額14.4万円 | |
DBのみに加入している会社員 | 月額1.2万円、年額14.4万円 | |
公務員等 | 月額1.2万円、年額14.4万円 |
※DC:確定拠出年金 DB:確定給付企業年金、厚生年金基金
被扶養配偶者(=パートの専業主婦)は「第3号被保険者」
被扶養配偶者(=パートの専業主婦)は「第3号被保険者」になります。掛け金は以下の表のとおりです。
加入資格 | 掛け金 |
---|---|
第3号被保険者 | 月額:2.3万円、月額27.6万円 |
iDeCoの加入区分によって掛金の拠出上限額が異なる
iDeCoの加入区分によって掛金の拠出上限額が異なります。上の表をまとめます。
■ 第1号被保険者
- 月額:6.8万円、年額:81.6万円
- 会社に企業年金がない会社員 月額:2.3万円、年額27.6万円
- 企業型DCに加入している会社員:月額2.0万円、年額:24.0万円
- DBと企業型DCに加入している会社員:月額1.2万円、年額14.4万円
- DBのみに加入している会社員:月額1.2万円、年額14.4万円
- 公務員等:月額1.2万円、年額14.4万円
- 月額:2.3万円、月額27.6万円
専業主婦から復職した場合iDeCoに加入したらどうなる?
専業主婦から復職した場合iDeCoに加入したらどうなるのでしょう? ここでは、以下の記事を解説していきます。
- 扶養から外れるのでiDeCoで所得控除が受けられる
- 年収130万以上になると配偶者控除が受けられなくなるので注意
- 扶養から外れる場合でも年収103万以上130万未満に調整する
扶養から外れるのでiDeCoで所得控除が受けられる
扶養から外れるのでiDeCoで所得控除が受けられます。税制上の優遇措置があります。下の表のとおりです。
- 積立金額すべて「所得控除」の対象になり、所得税・住民税を節税。
- 運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が「非課税」。
- 受け取るとき「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象。
年収130万以上になると配偶者控除が受けられなくなるので注意
年収130万以上になると配偶者控除が受けられなくなるので注意しましょう。
収入が年間130万円以上(501人以上の企業等で働く人は106万円以上)になると、夫(会社員)の扶養から外れてしまいます。
さらに自分で社会保険料(健康保険料や年金保険料など)を納めなければなりません。
ただし、年収201万円までなら、配偶者特別控除を受けられます。
扶養から外れる場合でも年収103万以上130万未満に調整する
扶養から外れる場合でも年収103万以上130万未満に調整することをおすすめします。
「iDeCoの掛金は全額控除される」ため、年収が103万円を超えてしまっても、超えた額をiDeCoの積み立て金にすれば、課税所得が0円になります。そのため所得税がかかりません。
また年収を130万円未満に抑えておけば、まだ扶養の範囲内にいることができます。
iDeCoを始める手続きについて解説!
ここでは、iDeCoを始める手続きについて解説しています。以下の記事について解説していきます。
- まずは投資したい商品と口座を開設する金融機関を選ぶ
- 申し込み書類を金融機関から取り寄せる
- 必要な事項を記入し金融機関に返送する
- 金融機関で口座が開設され、口座情報が届く
①まずは投資したい商品と口座を開設する金融機関を選ぶ
まずは投資したい商品と口座を開設する金融機関を選びます。
それぞれの運用商品の仕組み、特徴、リスクとリターンの関係などを十分理解した上で、自分に合った運用商品を選びましょう。
またiDeCoに加入するには、iDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)へ加入の申請をします。
現在、DeCoを取り扱っている金融機関は、約160社あります。その中から、自分が利用する金融機関を1社だけ選びます。
運用商品やサービス内容は金融機関により異なるので、よく比較検討した上で、自分が加入したいと思う金融機関を選んでください。
②申し込み書類を金融機関から取り寄せる
次に申し込み書類を金融機関(運営管理機関)から取り寄せます。
Web申込の場合、WEB上で手続が完結します。
事前準備として、以下のものを用意する必要があります。
- 基礎年金番号(年金手帳等で確認)
- 掛け金引き落とし口座の口座番号と届け印
③必要な事項を記入し金融機関に返送する
申し込み書類に必要な事項を記入・捺印し、金融機関(運営管理機関)に返送します。
会社員、公務員等(共済組合員)の方は、勤め先に下記書類を作成・捺印してもらう必要があります。
- 会社員:事業所登録申請書兼第2号被保険者にかかる事業主証明書
- 公務員等:第2号加入者にかかる事業主の証明書(共済組合員用)
④金融機関で口座が開設され、口座情報が届く
金融機関で口座が開設され、口座情報が届き、iDeCoの運用が始まります。
申し込み関連書類が金融機関(運営管理機関)に届くと、国民年金基金連合会にて加入資格の審査を行います。
加入手続が完了し、加入者の資格を得ると下記の書類が送付されます。
■ 国民年金基金連合会より
- 個人型年金加入確認通知書
- 個人型年金規約
- 加入者・運用指図者の手引き
■その他iDeCoの運用に必要な書類(ユーザーIDなど。金融機関によって異なる)が送られてきます。
これで、一連の手続きが完了し、iDeCoの運用を始めることができます。
参考:iDeCoとNISA、専業主婦におすすめなのはどっち?
iDeCoとNISA、専業主婦におすすめなのはどちらでしょう。ここでは、以下の記事について解説していきます。
- 老後資金を着実に貯めたい場合はiDeCoがおすすめ
- 短い期間で運用してお金を増やすならNISAがおすすめ
老後資金を着実に貯めたい場合はiDeCoがおすすめ
老後資金を着実に貯めたい場合はiDeCoがおすすめです。
iDeCoのメリットの一つに、積み立て時の掛け金が全額所得控除できるということがあります。
しかし主婦(主夫)で無収入の場合や収入が一定額以下の場合は、もともと所得税や住民税を払っていないので、この所得控除は適用されません。
主婦(主夫)がiDeCoを運用するメリットは、まず運用益が非課税となり、再投資も可能なため複利効果が得られることです。
またiDeCoの受給は、一時金として受け取れば「退職所得控除」が、年金(5〜20年の有期年金)として受け取れば「公的年金等控除」が適用となります。
一般的に主婦(主夫)は退職金がなく、公的年金の額は少ないため、受給時に課税されることなく受け取れるでしょう。
このため老後に備えて、着実に資金を貯めたい主婦(主夫)は、iDeCoがおすすめです。
短い期間で運用してお金を増やすならNISAがおすすめ
短い期間で運用してお金を増やすならNISAがおすすめです。
まずiDeCoは加入時の手数料や年金手数料などがかかりますが、つみたてNISAでは手数料は一切かかりません。
また40歳から60歳までの投資可能金額は、iDeCoよりつみたてNISAの方が148万8,000円多くなります。
さらにつみたてNISAは途中解約が可能であり、運用益が出ているときに引き出すこともできます。
このため短期間で運用益を出したい主婦(主夫)には、NISAがおすすめです。
まとめ:iDeCoは専業主婦にもメリットがあるのでおすすめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、
- 主婦(主夫)がiDeCoに加入するメリット・デメリット
- 主婦(主夫)には投資信託の運用がおすすめ
- 働く主婦(主夫)が知っておくべき「年収の壁」
- iDeCoにおける加入区分
- 主婦(主夫)から復職してiDeCoに加入した場合
- iDeCoを始める手続き
- 主婦(主夫)には、iDeCoとNISAどちらがおすすめ?
以上を解説してきました。
iDeCoは専業主婦にもメリットがあるのでおすすめです。
主婦(主夫)の方でもiDeCoに加入すれば、意外に多くのメリットがあることに驚かれたかもしれません。
現代は「少子超高齢化社会」で、平均寿命も伸び続けていますから、老後の暮らしは自分たちで面倒を見なければならないのが実情です。
そんなときに、60歳からiDeCoの年金や一時金を受け取ることができれば、老後の不安も多少は和らぐのではないでしょうか。
夫婦でiDeCoに加入するのもよいことだと思います。
「私は、経済のことはよく分からないから……」という主婦の方も多いでしょう。
そんなときは、夫やお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
また働いている主婦(主夫)の方は、いわゆる「年収の壁」についてぜひ理解しておいてほしいと思います。
この記事を読んで、少しでもiDeCoに関心をもつことができたなら、うれしいです。