
家計簿をつけたいけど、どのように項目分けしていいかわからない!何項目必要なの?このように悩む方は多いのではないでしょうか。この記事では、自分に合った項目分けのコツや家計簿をつけるときの注意点についてFPが徹底解説します。
この記事の目次
目次を閉じる- 家計簿の項目の分け方は?何項目つくるのがいい?
- まずは家計簿をつける目的を明確にしよう
- 家計簿の項目の分け方!FPおすすめの項目分けを紹介!
- 家計簿の一般的な項目一覧!固定費と変動費に分けて紹介!
- FPが実際につけている家計簿を公開!【項目分けの参考にしよう】
- 家計簿項目の決め方のコツ10選をFPが解説!
- 家計簿をつけるときに注意したいポイントを紹介【初心者必見】
- 家計簿に入れるべきでない項目を紹介!
- おすすめの市販家計簿3選!
- 家計簿アプリを活用しよう!おすすめの家計簿アプリ3選!
- 参考:手書きで家計簿をつける方法もある!手書き家計簿のメリットを紹介!
- 参考:エクセルで家計簿をつける方法もある!
- 参考:簡単にできる固定費・変動費の節約方法をFPが解説!
- 参考:お金が貯まったら資産形成をしよう
- まとめ:家計簿の項目は自分に合った分け方をしよう
家計簿の項目の分け方は?何項目つくるのがいい?
こんにちは、マネーキャリア編集部のFP大野翠です。
お客様からお金についてのご相談を受ける場合、皆さんほとんど同じことをご質問されます。
確かに、それも一理あります。
実際、お金が貯まる傾向にある人のほとんどは、何かしらの形で家計簿をつけています。
家計簿には、お金の流れを見える化(可視化)する効果があります。
このことから、自分なりの気づきを得られる場合もあります。
「やっぱり家計簿は必要!」
今回は、これまで家計簿がなかなか続かなかった人や、これからはじまる新生活で家計簿にチャレンジしてみたい人へ、年間200名以上のお客様のマネーレッスンを行っている人気FPが、家計簿をつける際にお勧めの項目や、簡単な分け方を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
まずは家計簿をつける目的を明確にしよう
家計簿をつけようと思い立った場合、まずやってほしいことがあります。
それは「何のために家計簿をつけるか」という目的を明確にしてほしいということです。
まず目的を明確にし、そのためにふさわしい家計簿をつけていきましょう。
冒頭で軽く紹介しましたが、家計簿のつけ方にはいろいろなタイプがあります。
ざっくりと、だいたいのお金の流れを把握する目的なのか。
それとも、きちんとお金の流れを詳細に把握したいのか。
自分で定めた目標達成のためには、ざっくりが良いのか、詳細に把握する方がよいのか。
自分に合った家計簿をつけていくことは、継続につながりますし、目標達成にもつながります。
家計簿の項目の分け方!FPおすすめの項目分けを紹介!
では、ここから早速家計簿の項目の分け方について紹介していきます。
「ざっくりシンプルにつけたい場合」と「細かく項目を分けて家計簿をつけたい場合」に分けてまとめていきます。
自分のタイプにあった家計簿の項目わけについて、ぜひ参考にしてください。
①ざっくりシンプルに家計簿をつけたい場合
①固定費
②食費
③日用品費
④特別費
⑤その他
②細かく項目を分けて家計簿をつけたい場合
①住居費
②保険料
③水道光熱費
④通信費
⑤自動車費
⑥教育費
⑦家族のお小遣い
⑧食費
⑨日用品費
⑩交際費
⑪交通費
⑫医療費
⑬被服費
⑭美容費
⑮特別費
⑯その他
③一人暮らしの場合
一人暮らしの場合は、ここまで紹介したような項目と必ずしも同じである必要はありません。
特に、働く一人暮らしの場合は、なかなか細かく家計簿を付ける時間が無い場合もあるでしょう。
最低限の家計管理に必要な項目のみを、家計簿で管理するようにし、あまる項目は増やさずシンプルにして継続することをおすすめします。
家計簿の一般的な項目一覧!固定費と変動費に分けて紹介!

一般的な家計簿に設けられている項目には何があるか、固定費と変動費に分けて概要を紹介していきます。
①固定費の項目一覧
①住居費
②保険料
④通信費
⑤自動車費
⑥教育費
⑦家族のお小遣い
②変動費(生活費)の項目
①食費
②日用品費
③交際費
④交通費
⑤医療費
⑥被服費
⑦美容費
⑧特別費
FPが実際につけている家計簿を公開!【項目分けの参考にしよう】
FP歴11年の私が、どんな家計簿を付けているのかはよく訊かれます。
私の場合、ざっくりとした項目で管理しています。
項目は以下の3つです。
- 食費
- 生活費
- その他
家計簿項目の決め方のコツ10選をFPが解説!

ここからは、実際に家計簿の項目を検討する際、どのような点に注意をして決めれば良いか、そのコツを解説していきます。
①家計簿の項目は柔軟に変える
私が普段行っている家計改善コンサルティングでも、お客様から家計簿が続かないという相談は頻繁に受けます。
その際、お客様がおっしゃる家計簿が続かない原因として「面倒になったから」「気が乗らないから」という声が多くあります。
実際にお客様が使っていた家計簿を見せてもらったり、記載していた内容についてヒアリングすると、その人の生活にあっていない項目が含まれていることがほとんどです。
つまり、その人のライフスタイルには必要でない出費に関する項目も記入する欄が設けてあるということです。
当初は「これで行こう!」と決めた項目でも、のちに必要で無くなったら削除して構いません。
誰に見せるわけでもない、自分自身の家計簿です。自分が主役になって、項目は柔軟に変更しましょう。
②出費が多いものは専用の項目を設定する
出費が多いものは、あえて新たな項目を増やして別に管理した方が良いでしょう。
クリーニング店やコインランドリーを頻繁に利用する人は、その項目も作ると良いでしょう。
③項目をまとめてできる限り少なくする
項目は増やすと細分化でき、お金の流れが見えやすくなるというメリットがあります。
一方で、あまりにも詳細にしすぎると、家計簿を書くことが億劫になることもあります。
その場合は、ざっくりとした項目に留め、大まかな管理だけをするということもできます。
繰り返しになりますが、家計簿は誰に見せるものでもありません。
自分の家計のために管理するためのものです。
自分なりのルールで自在に設定してよい、という事は念頭に置いておきましょう。
④毎月は使わないという項目があればなくす
毎月使わない項目は、記載する頻度が低いため、なくしてしまいましょう。
冠婚葬祭費、などはその代表例です。
年に1度あるかないかの項目に対して、わざわざ項目を設ける必要はありません。
なお、冠婚葬祭費は、交際費や特別費に仕分けると良いでしょう。
⑤何をどの項目につけるかルールを決める
何をどの項目につけるか、自分なりのルールは決めておきましょう。
毎回、判断に悩む項目があれば、新しく項目を作って管理しても良いです。
間違えて他の項目い合算してしまうよりは、別で管理することをおすすめします。
⑥外食費と食費は別々の項目にする
外食が多い人の場合は、外食も含めて「食費」として一括りにするのではなく、外食費と、その他の食費に分けて管理する方がわかりやすいです。
仕事の都合や、地域のイベントなどの影響で、外食が続く月があるかもしれません。
その際もきちんと外食費と通常の食費を分けて管理しておくことで、来年以降の外食費の支出の目安にすることができます。
先々の家計管理の予測のためにも、是非外食費は分けて管理することをおすすめします。
⑦クレジットカードは引き落とし月ではなく使った月に書く
クレジットカードの項目は、多くの人が悩むポイントです。
お金の管理の観点から言うと、クレジットカードは利用時に記載することが望ましいです。
クレジットカードは後払いのシステムですので、利用した時期と、実際に口座から引き落としされる時期に間が空きます。
このことで、時期的な出費の把握がしづらくなりますし、何よりも家計管理として時期にズレがあることは良くありません。
このことから、クレジットカードは必ず使った月に記入するようにしましょう。
⑧レジャー費は娯楽費と同じ項目にする
レジャーと娯楽は、ほとんど同じ内容なので、同じ項目に記載します。
従って、重複して似ている項目は合算し、統一して管理する方がスッキリします。
⑨雑費という項目は作らない
雑費は、とても便利な項目ではあります。
しかし、雑費の項目を作ってしまうと、内訳が見えづらくなるというデメリットがあります。
このことから、なるべく雑費は設けない方が良いでしょう。
⑩お小遣いはその使い道まで記入する
極力、お小遣いは毎月の金額だけでなく、その使い道も書くようにしましょう。
家族のお小遣いの場合は、わざわざ家族へ内訳を聞くことまではしなくて良いです。
一人暮らしの場合や、主婦(主夫)で、普段家計簿をつける人が自分のお小遣いに関しては内訳を書いておいた方が良いです。
家計簿をつけるときに注意したいポイントを紹介【初心者必見】
ここからは、特に初めて家計簿をつける人へ向けた「注意したいポイント」について紹介します。
まずは、恐れずに書いてみましょう。
間違えたら修正すれば良いだけです。安心して進めましょう。
①つけ方が頻繁に変わってしまう
家計簿を付けるときは、なるべく長く継続することを目指しましょう。
つけ方が頻繁に変わるのは、避けたいポイントです。
例えば、最初はエクセルシートで管理していた場合でも、翌月には市販の家計簿ノートで手書き管理をするということです。
家計簿は、日々の記入も大事ですが、最終的に毎月や毎年集計することに意義があります。
ところが、家計簿のつけ方が頻繁に変わってしまうと、集計がしづらく時間がかかってしまいます。
ここまで紹介してきたように、家計簿の項目の増減は構いません。
しかし、家計簿のつけ方自体を頻繁に変えるのは避けましょう。
どうしても変える場合は、これまで記入してきた家計簿のデータを引き継いで新たに切り替えるか、キリの良い時期まで待ってから切り替えるかが良いでしょう。
②家計簿をつけただけで見直す習慣がない
家計簿は、日々記入し、毎月の集計を取って終わりではありません。
この蓄積されたデータを、今後の自分の生活に生かすことが目的です。
家計簿を付けただけで見直さないのは、もはや家計簿をつける意味がないくらいもったいないです。
まず、何の項目に対して支出が多いのか、その支出は減らすことができないのか、などを検討します。
その中で、無駄が発覚した場合は即カットしましょう。来月は同じ無駄遣いをしないという気づきがあります。
家計簿を付けたら見直すという作業の繰り返しで、お金の循環が良くなります。
③何をどの項目に入れるか決まっていない
特に女性で多いのが、化粧品の購入費を美容費に入れるか、日用品費に入れるかで悩むということです。
実際、化粧水など毎日使うものであれば、1か月単位で減るので日用品費と言えるかもしれません。
しかし、ポイントメイクに使う化粧品などは、なかなか減らないので、何の項目になるのかな?と悩むようです。
この場合、家計簿を付け始めるときに、一律でルールを決めておくと解り易いでしょう(化粧品関連は全て美容費に含む、または含まないなど)
どうしても判断に悩む場合は、その項目自体を増設しても良いでしょう。
(この場合では、化粧品費という項目を作るということです)
家計簿に入れるべきでない項目を紹介!
ここまで、家計簿の項目は自在に増減して良いですよ、と紹介しましたが、作らない方が良い項目があります。
主なものは
- 税金の支払い
- 車検代
などです。
税金は、高くても安くても無駄遣いには当たりませんし、払う義務のあるお金です。
納付したあとの領収書をまとめて保管し、来年以降の支払い時期や納税金額の参考にしましょう。
車検代は、2~3年に1度の大きな出費です。
つまり、毎年の出費ではありませんので、特に家計簿で管理をする必要がないということです。
おすすめの市販家計簿3選!
家計簿には、さまざまなタイプがあります。
パソコンが得意な人は。パソコンやスマートフォンアプリで管理しても良いでしょう。
手書きで管理したい人は、書店などの販売店で、自分にあった家計簿をつけることも探してみることもおすすめです。
ここからは、特におすすめの市販家計簿を3種類紹介します。
それぞれに特色があります。
是非市販の家計簿を選ぶ際の参考にしてください。
➀オレンジページ・シンプル家計ノート

②づんの家計簿ノート

③かんたん!袋分け家計簿セット

家計簿アプリを活用しよう!おすすめの家計簿アプリ3選!
家計簿アプリは、スマートフォンを保有している人には使いやすいでしょう。
ほとんどの家計簿アプリでは、アプリ上でレシートを読み取るだけで自動的に家計簿データに反映してくれます。
このことで、家計簿をつけるという手間が省け、時短にもなりますし継続しやすいポイントでもあります。
➀マネーフォワードME
まずおすすめしたい家計簿アプリは、マネーフォワードMEです。
提携している金融機関が豊富であるため、家計簿だけでなく資産管理アプリとしても利用可能です。 銀行口座とアプリを連携することで、入出金や引き落としがあれば、自動的にアプリの家計簿に反映されます。
無料会員と有料会員がありますが、まずは無料会員で利用してみることをおすすめします。なお、筆者もこちらのアプリを利用しています。
②LINE家計簿
次に、LINE家計簿です。
トークアプリLINEを利用している人は、別途アプリをダウンロードすることなく利用できます。
LINE家計簿のおすすめポイントは、あらかじめ予算を決めてその範囲内でお金を使うように設定できることです。
手書き家計簿における袋分け家計簿と、システムが似ています。 また、どの機能も無料で利用できるのは嬉しいポイントでもあります。
③家計簿Zaim
最後に、家計簿Zaimをおすすめします。
家計簿アプリの中でも、歴史のある家計簿Zaimは、長く継続しているユーザーが多い印象です。
つまり、それだけ使いやすいという事です。 Zaimのおすすめポイントは、将来のマネープランについてイメージし、目標に近づくように家計改善の手助けをしてくれる機能があるということです。
家計簿は付けるだけではいみがありません。しっかりお金の流れを把握し、振り返り、将来のために生かすことで初めて役に立ちます。
このZaimでは、家計管理と同時に将来に向けても改善するようにサポートしてくれる心強いツールです。
参考:手書きで家計簿をつける方法もある!手書き家計簿のメリットを紹介!

手書き家計簿は、従来からある方法では根強い人気があります。
- 出費をひとつひとつ確認しながら手書きで転記する作業から、出費の振り返りができる
- 手書きをすることで無駄な出費に気づきやすい(節約の意識定着に繋がる)
- 手書き家計簿は家族との共有が簡単であることから、家計全体の共有認識に繋がりやすい。
参考:エクセルで家計簿をつける方法もある!
エクセルで家計簿を付ける方法もあります。
自分なりの項目や日付で記入でき、オリジナリティの高い家計簿になります。
パソコンが得意な人は、エクセルのシートさえ作ればあとは入力するだけなので簡単でおすすめです。
また、インターネット上には無料で利用できる家計簿用エクセルシートがダウンロードできるサイトもあります。
そちらを参考にしても良いでしょう。
参考:簡単にできる固定費・変動費の節約方法をFPが解説!
しっかり項目別に記入された家計簿を基に、削減したい出費が見つかったら、次の課題は「節約」です。
固定費の代表である生命保険料は、定期的な見直しが必須です。
たとえば、団体信用生命保険がついた住宅ローンに加入したにもかかわらず、世帯主の万が一の際の死亡保障額を高いまま保有し続けることは、安心ではありますが、保険料としては無駄が生じています。
一般的に、子どもの教育費がかからなくなったタイミングや、家を購入したタイミング、定年退職のタイミングでは生命保険を見直すと無駄がカットされることが多いです。
是非参考にしてみてください。
変動費の代表である食費の節約方法として、買い物に行く回数を減らすことは効果が高いです。
スーパーなど商業施設では、お店のディスプレイや色などに、顧客の購買心理を高める工夫がされています。
つまり、私たちが買い物に行ったら、買うつもりではなかったモノを、ついうっかり買ってしまうことは、ある意味仕方がない現象であるとも言えます。
逆に言うと、買い物に行かなければ無駄なものは買わないで済むという事です。
買い物に行く頻度をへらす方法としては、生協など宅配食材サービスを利用することが挙げられます。
また、最近注目されている業務スーパーやコストコなど大型スーパーで大容量の食材を購入しておくことで、物理的に買い物に行く頻度を減らすという方法もあります。
参考:お金が貯まったら資産形成をしよう
家計簿を付けることで「お金の見える化」ができるようになります。
お金の流れを意識すると、時間をかけて少しずつ整っていきます。
預貯金に回すお金が増え、一定額に達したら、より利回りの良い商品に移し替えることをおすすめします。
資産形成は、余裕資金で行うのが鉄則です。
家計管理を行い、コツコツ貯めたお金は、この余裕資金として考えることもできます。
大切な資産を守りながら、自分にはどのような資産形成が向いているのか、良いイメージを持って検討してみことは、新たな楽しみが増えて良いでしょう。
初心者でもおすすめの資産形成として、元本保証のしっかりした「個人向け国債」では、1万円から購入できます。
NISAやつみたてNISAの非課税投資額を利用して、お得に将来のために少しでもお金を増やすという事も良いでしょう。
まとめ:家計簿の項目は自分に合った分け方をしよう
いかがでしたか。家計簿は自分だけのお金の管理ツールです。
書く内容は自在に取り決めてよく、書いたものは誰にも見せる必要はありません。
そのことを念頭に置いて、気軽に継続できる家計簿の項目を設定しましょう。
継続するためには、何をどこに書くのか、最低限のルールは決めたほうが良いです。
また、手書き家計簿と家計簿アプリは、どちらも試してみることをおすすめします。
どちらが向いているのか、まずは使ってみないとわかりません。
「スマートフォンの扱いは苦手だからアプリも使えない」と思い込んでいても、本記事で紹介したアプリは特に使いやすさがポイントです。簡単な使い方で表示もシンプルで解り易いですので、年齢も関係なく使えるアプリばかりです。
最後に、せっかく時間を割いて家計簿をつけるので、将来の役に立つような材料にしましょう。
これまで家計簿が続かなかった人や、これから新たに家計簿をつけてみようと考えている人のお役に立ちましたら幸いです。