iDeCoの投資信託を始めたいけれどどんな金融商品を選べばいいのかわからない…そんな方に。iDeCoの金融商品を選ぶポイントや投資信託の種類を解説し、iDeCo初心者に全世界株式インデックス・ファンドがおすすめな理由を解説!おすすめの全世界株式も比較して紹介。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- iDeCoの投資信託で全世界株式を選ぶメリットは?
- iDeCoの投資信託で全世界株式を選ぶメリットを紹介!
- ①元本変動型であり元本確保型に比べてリターンが大きい
- ②全世界に株式の分散投資ができるのでリスクが少ない
- iDeCoで投資信託を始めるときに金融商品を選ぶポイントを紹介
- ①iDeCoの場合は「信託報酬(運用管理手数料)」の割合に注意
- ②投資対象や地域(国内・外国・全世界株式)を決める
- ③運用益の出やすさは「騰落率」をチェック
- iDeCoを始める前に知っておきたい投資信託の種類を解説
- ①インデックス・ファンド
- ②アクティブ・ファンド
- ③バランス・ファンド
- iDeCo初心者は全世界株式インデックス・ファンドがおすすめ
- ①全世界株式はインデックス型・アクティブ型の2つ
- ②インデックス型の全世界株式に投資すると手数料が安い
- ③インデックス型の全世界株式だと値動きがわかりやすい
- ④実は勝率もインデックス型の全世界株式の方が高い
- ⑤iDeCoの投資信託に慣れてきたらアクティブ型もあり
- iDeCoの全世界株式インデックス・ファンドを紹介!【4つを比較】
- ①楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- ②eMAXIS slim 全世界株式
- ③SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- ④EXE-i グローバル中小型株式ファンド
- 参考:iDeCoは全世界株式の一本だけで大丈夫って本当なの?
- まとめ:iDeCoの全世界株式は初心者におすすめの投資信託
iDeCoの投資信託で全世界株式を選ぶメリットは?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
iDeCoを運営している国民年金基金連合会の調査では2021年7月現在のiDeCo加入者は約200万人となっています。
近年の投資ブームから口座開設数は年々増加し、多くの方が利用する制度へ成長しています。
また、所得税の計算では掛金分の所得控除を受けることが出来るため、サラリーマン世帯に人気の制度となっています。
そんな中、友人からこのような質問・相談がありました。
このようにiDeCoがお得な制度だとわかっていても、どの商品を買うべきかわからずiDeCoを始めることができない人が多くいます。
投資をしたことがない投資初心者にとっては投資信託の商品選びはわからない用語が多く、理解ができないケースが多くあります。
そんなどんな商品を選べば良いかわからない人のために、この記事では
- 全世界株式ファンドを選ぶメリット
- 投資信託商品の選び方・ポイント
- 実際のフォンドでの手数料・リスク
について解説していきます。
少しでも皆さんのお手伝いになれば幸いです。
iDeCoの投資信託で全世界株式を選ぶメリットを紹介!
iDeCoには元本保障型・元本変動型の投資商品があります。
元本保障型商品は定期預金等の元本が保障され、ローリスクローリターン商品です。
元本変動型商品は投資信託・ETF等の元本が保障されないハイリスクハイリターンの商品です。
こちらでは多くの方が投資している「全世界株式投資信託」のメリットについて次の項目に沿って解説していきます。
- 元本変動型であり元本確保型に比べてリターンが大きい
- 全世界に株式の分散投資ができるのでリスクが少ない
①元本変動型であり元本確保型に比べてリターンが大きい
全世界株式投資信託は元本変動型商品となっており、元本が保障されていません。
その反面、株式相場が好調であれば大きなリターンを得ることが可能となります。
全世界株式投資信託は元本変動型商品中でも債券への投資に比べてもリターンが大きいといえます。
ですが暴落時等の値動きも激しいので初心者には注意が必要です。
②全世界に株式の分散投資ができるのでリスクが少ない
全世界株式投資信託の投資対象は全世界の株式市場となっています。
もし1つの国へ一点集中して投資を行った場合には国単位の暴落があった場合には大きな損失となります。
全世界株式投資信託の場合は全世界に分散投資しているので、全世界に及ぶ暴落でない場合を除いてリスク分散できます。
投資には必ず急騰・暴落があるので毎日の値動きに踊らされないようにリスク分散することをオススメします。
iDeCoで投資信託を始めるときに金融商品を選ぶポイントを紹介
iDeCoで投資信託を選ぶ際には気をつけるべきポイントがあります。
ポイントを抑えて投資信託の目論見書を読むことで以後のリスクを軽減でき、効率の良い投資を行うことが可能となります。
こちらでは次の項目に沿って金融商品の選定ポイントを解説します。
- iDeCoの場合は「信託報酬(運用管理手数料)」の割合に注意
- 投資対象や地域(国内・外国・全世界株式)を決める
- 運用益の出やすさは「騰落率」をチェック
①iDeCoの場合は「信託報酬(運用管理手数料)」の割合に注意
iDeCoで投資信託をする際には手数料の支払いが必要となり、事前に確認する必要があります。
投資信託を行う際に発生する主な手数料は次の通りです。
- 購入時手数料・・・投資信託を購入する際に発生する手数料
- 信託財産留保額・・投資信託を換金する際に必要となる手数料
- 信託報酬・・・・・投資信託を運用する際に必要となる手数料
②投資対象や地域(国内・外国・全世界株式)を決める
iDeCoの金融商品を選ぶ際には投資対象を選ぶ必要があります。
投資信託は投資対象によってリスク・リターン共に大きく異なり、選定の際には非常に重要です。
具体的な投資対象は次の通りです。
- 株式(国内・外国)
- 債券(国内・外国)
- 不動産投資(国内・外国)
③運用益の出やすさは「騰落率」をチェック
投資商品を選定する際には「騰落率」の確認が必要です。
騰落率とは一定期間内の値上がり・値下がりを表す指標となっています。
騰落率を確認することで自身のリスク許容度と照らし合わせることができます。
例えば
- 100万円の資産を運用している
- リスクを許容できる金額は5万円まで
- リスク許容率は5÷100=5%
iDeCoを始める前に知っておきたい投資信託の種類を解説
iDeCoを始める際には投資信託の種類を理解する必要があります。
同じ株式の投資信託の種類によってもリスク・リターン・手数料が大きく異なります。
「種類なんてわからない」といった方のためにこちらでは次の代表的な投資信託の種類について解説していきます。
- インデックス・ファンド
- アクティブ・ファンド
- バランス・ファンド
①インデックス・ファンド
インデックス・ファンドとはベンチマーク等の指数に連動して値動きすることを目指しているファンドです。
ベンチマークとは
- 日経平均株価
- ダウ平均指数(アメリカ)
- S&P500指数(アメリカ)
- ハンセン指数(中国)
②アクティブ・ファンド
アクティブ・ファンドはベンチマークに連動するインデックス・ファンドより大きな値動きを目指すファンドとなります。
大きな値動きを目指すので積極的な情報収集・トレードを行うので、運用時の手数料が高くなっています。
またリターンが高くなっていますが、リスクも高く投資初心者にはオススメできないファンドとなっています。
③バランス・ファンド
バランス・ファンドは1つのファンドで全世界株式・債券・不動産と様々な投資対象に分散しているファンドをいいます。
多くの投資対象に分散投資しているので、実際に急騰・暴落があった場合でも激しい値動きをしません。
なので、安心して投資を続けることができます。
デメリットとしては多くの投資対象を調査・トレードを行っているので、手数料が高く設定されています。
リターンも株式のみのインデックス・アクティブファンドには及ばないのでリターンが多く欲しい場合にはオススメできません。
iDeCo初心者は全世界株式インデックス・ファンドがおすすめ
投資初心者がiDeCoに新規加入する場合には「何に投資すれば良いかわからない」といった状況になりがちです。
そういった方に対して筆者は「全世界株式インデックス・ファンド」をオススメしています。
筆者が投資初心者に全世界株式インデックス・ファンドをオススメする理由について次の項目に沿って解説します。
- 全世界株式はインデックス型・アクティブ型の2つ
- インデックス型の全世界株式に投資すると手数料が安い
- インデックス型の全世界株式だと値動きがわかりやすい
- 実は勝率もインデックス型の全世界株式の方が高い
- iDeCoの投資信託に慣れてきたらアクティブ型もあり
①全世界株式はインデックス型・アクティブ型の2つ
全世界株式にはインデックス型・アクティブ型の両方があります。
インデックス型では債券等に投資するファンドより大きなリターンを得ることができ、リスクはアクティブ型より小さくなります。
投資対象によってはアクティブ型のみといった商品もあり、投資初心者には厳しい内容となっています。
全世界株式は投資対象が広く、インデックス型を選択することで1つのファンドであってもリスク分散ができることが最大のメリットです。
②インデックス型の全世界株式に投資すると手数料が安い
インデックス型の全世界株式の特徴として手数料が安く設定されています。
手数料は購入する証券会社・銀行によって異なりますが、ネット証券で開設・購入をした際には信託報酬が0.2%以下となるケースがあります。
投資信託にとって手数料は最終的な利益に直結する費用なので、金融商品を選択する際には必ず確認を行いましょう。
③インデックス型の全世界株式だと値動きがわかりやすい
インデックス型の全世界株式には「値動きがわかりやすい」というメリットがあります。
インデックス投資はベンチマークに連動しているので、世界の情勢・経済状況と連動して運用成果がでます。
なので長期的な経済予想・個別会社ごとの調査等をすることなく、投資をすることが可能です。
「会社決算書の見方がわからない」といった投資初心者には全世界株式インデックス・ファンドがオススメできます。
④実は勝率もインデックス型の全世界株式の方が高い
アクティブ型とインデックス型の投資信託を比較した時に「大きな値動きをするアクティブ型の方が成績が良いと勘違いしている方がいますが、そんなことはありません。
その理由の多くは「手数料」です。
アクティブファンドは指数を上回るように銘柄研究・トレードをするので手数料が高く設定されています。
その一方インデックスファンドは機械的なトレードを行っているため手数料が安く設定されています。
投資信託をする際には手数料によってリターンが大きく異なるので、ファンド選びには注意が必要です。
また、短期投資で値上がり時にトレードを行った場合はアクティブファンドの方が成績が良いこともあります。
ですが、トレードのタイミングを逃してしまうとリターンを得ることができません。
投資初心者でトレードタイミングがわからないといった方には「全世界株式インデックスファンド」がオススメです。
⑤iDeCoの投資信託に慣れてきたらアクティブ型もあり
iDeCoではこれまで積み立てた投資商品の売却し、再度購入することが可能です。
この方法を「スイッチング」といい、主に利益確定・投資商品のリバランスのために行われます。
このスイッチングを利用することでiDeCo口座内でアクティブファンドの短期投資が可能となります。
投資信託の値動き・相場が理解できてきた場合にはアクティブファンドを利用することで大きな利益を出すことも可能です。
「リスクを取っても、早く資産形成をしたい」といった方にはアクティブファンドへの投資をオススメします。
iDeCoの全世界株式インデックス・ファンドを紹介!【4つを比較】
ここまでの解説を聞いた方の中にも「全世界株式インデックスファンドが良いと分かってもどの投資商品を買えばいいかわからない」といった方もいると思います。
そんな方のためにこちらでは代表的な次の全世界株式インデックスファンドについて紹介していきます。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS slim 全世界株式
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- EXE-i グローバル中小型株式ファンド
①楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックスファンドは楽天投信投資顧問株式会社が運営している投資信託商品です。
楽天・全世界株式インデックスファンドの投資対象は全世界株式となります。
連動する指数としては「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」となり、全世界の大・中・小規模の企業に対して分散投資を行っている形となります。
投資対象が株式となりますが、アクティブ運用はされていませんのでミドルリスク・ミドルリターンとなります。
楽天証券で購入した際の手数料は次の通りです。
- 購入時手数料・・・なし
- 信託財産留保額・・なし
- 信託報酬・・・・・0.212%
このように手数料も低く設定されているため初心者向けの投資信託商品ということがわかります。
②eMAXIS slim 全世界株式
eMAXIS slim全世界株式は 三菱UFJ国際投信株式会社が運営している投資信託商品です。
eMAXIS slim全世界株式の投資対象は全世界の株式となります。
連動する指数は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」となり、日本・アメリカ・中国といった全世界に分散投資を行うこととなります。
こちらも投資対象が株式となりますが、アクティブ運用はされていませんのでミドルリスク・ミドルリターンとなります。
楽天証券で購入した際の手数料は次の通りです。
- 購入時手数料・・・なし
- 信託財産留保額・・なし
- 信託報酬・・・・・0.132%
このように手数料も低く設定されているので、初心者向けの投資信託商品となります。
一見、楽天・全世界株式インデックスファンドと同じと感じると思いますが、投資対象の比率が異なるので、100%同じ値動きをするとは限りません。
③SBI・全世界株式インデックス・ファンド
SBI・全世界株式インデックス・ファンドはSBIアセットマネジメント株式会社が運営している投資信託商品です。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドの投資対象は全世界株式となります。
連動する指数は「FTSEグローバル オール・キャップ インデックス」となり、アメリカ・先進国・新興国に分散投資する形となります。
こちらも他の投資信託と同様で投資対象が株式となり、ミドルリスク・ミドルリターンとなります。
SBI証券で購入した際の手数料は次の通りです。
- 購入時手数料・・・なし
- 信託財産留保額・・なし
- 信託報酬・・・・・0.1102%
④EXE-i グローバル中小型株式ファンド
EXE-i グローバル中小型株式ファンドはSBI アセットマネジメント株式会社が運営している投資信託商品です。
EXE-i グローバル中小型株式ファンドの投資対象は全世界株式となります。
連動する指数は「FTSEグローバル スモール・キャップ インデックス」となり全世界の中小株式市場に分散投資する形となります。
こちらも他の投資信託と同様で投資対象が株式となり、ミドルリスク・ミドルリターンとなります。
SBI証券で購入した際の手数料は次の通りです。
- 購入時手数料・・・なし
- 信託財産留保額・・なし
- 信託報酬・・・・・0.327%
このように手数料もは少々割高となっております。
世界の株式市場に分散投資をしたい場合にはオススメできる金融商品となっています。
参考:iDeCoは全世界株式の一本だけで大丈夫って本当なの?
iDeCoで投資信託を購入する際に「全世界株式1本で大丈夫なのか」と心配になる方がいます。
結論から申し上げると問題ありません。
一般的な投資スタイルとしては企業の倒産・騰落に備えて多くの銘柄に分散投資することが推奨されます。
全世界株式インデックス投資信託を購入した際には自身が購入している銘柄が1種類であっても投資対象は全世界の株式市場です。
この場合、仮に1つの国が破綻してしまった場合でもその他の国が健全に成長をしていれば問題なく資産を守り、運用していくことができます。
全世界株式インデックスファンドは手数料が安く、値動きもベンチマークに沿っているので資産運用として成果が出やすく・見やすいことが特徴です。
「どんな投資商品にすれば良いの?」と思われる方はぜひ、全世界株式インデックスファンドの購入を検討しましょう。
まとめ:iDeCoの全世界株式は初心者におすすめの投資信託
iDeCoに全世界株式をオススメする理由ついて解説していきましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- 全世界株式に投資することで分散投資が可能
- インデックスファンドは手数料が安くオススメ
- 長期目線ではアクティブ型よりインデックス型の方が成績が良い
でした。
現代では老後・金融資産について疑問・不安を持っている方が多くいらっしゃいます。
そんな不安を持つ方にはiDeCoをオススメできますが、投資商品の理解ができずに加入できない人が多くいらっしゃいます。
投資は効率よく資産の増加を見込めますが、投資商品の選択を誤ると貴重な老後資金が減ってしまうこともあります。
この記事内の投資商品の特徴を理解して頂き、少しでも読者皆様が iDeCoを始める助けになりましたら幸いです。
マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。