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この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 子どもに医療保険はいらない?気になるポイントを解説
- 子どもの医療保険の加入率は45.9%
- 0歳の赤ちゃんから入れる保険もある
- 子どもに医療保険はいらないと言われる3つの理由
- 自治体による子どもの医療費助成制度が充実しているため
- 教育機関の共済制度を利用できるため
- 入院のリスクが低いため
- 子どもの医療保険の加入を検討した方がいいケース
- 所得制限などで医療費助成の恩恵が少ない場合
- 公的医療保険の対象外となる費用に備えたい場合
- 将来持病で加入できなくなるリスクを防ぎたい場合
- 無料FP相談で家族や子どもの保険の不安をまるごと解決しよう
- 子どもが入れる保険の種類・加入のタイミングを解説
- 医療保険
- 学資保険(医療特約)
- 傷害保険・共済保険
- 個人賠償責任保険
- 自転車保険
- 終身型保険
- 無料FP相談を活用してムダなく賢い保険選びをしよう
- 子どもの医療保険についてよくある質問
- 子どもの医療保険の保険料はどれくらいですか?
- 親の保険の特約で子どものケガや病気のリスクに備えることはできますか?
- 子どもの医療保険に入らない場合、どれくらいの貯蓄があれば安心ですか?
- ひとり親世帯は子どもの保険は必要ですか?
- 【まとめ】子どもの医療保険は早めの決断を!プロと一緒に保険の最適化をしよう
子どもに医療保険はいらない?気になるポイントを解説
子供に医療保険はいらないと考える方は少なくありません。
子供は元気で大きな病気にかかることが少ないと思われがちですが、予期せぬ事故や突然の病気になることも。子どもの健康を守るためには「医療保険はいらない」と考えるのはやや不安が残ります。
まずは、下記の2点から子供の医療保険について一緒に考えていきましょう。
子どもの医療保険の加入率は45.9%
以下は、子供の医療保険への加入率の推移をまとめています。
調査年 | 2012年 | 2015年 | 2018年 | 2021年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|---|
加入率(%) | 54.8 | 52.9 | 51.1 | 46.7 | 45.9 |
※生命保険文化センターによる調査をもとに編集部まとめ
加入率は、子供の医療保険への加入状況を把握するうえで重要な指標です。この数字は、子供2人のうち約半数が民間保険に加入していることを示しています。
0歳の赤ちゃんから入れる保険もある
赤ちゃんが生まれると、多くの方が健康や将来のことについて悩みを抱えます。そんなときに役に立つのが、0歳から入れる以下のような保険です。
- 学資保険
- 医療保険
- 生命保険
このような保険は、赤ちゃんが生まれたときからスタートできるため、将来の医療費や教育費などをしっかりとサポートしてくれます。保険料も比較的安価なため、検討する際のハードルが高くない点も魅力です。
子どもに医療保険はいらないと言われる3つの理由
ここでは、なぜ子どもに医療保険はいらないと言われているのか、主に以下の3つの理由について解説していきます。
自治体による子どもの医療費助成制度が充実しているため
全国で共通する医療保険の負担割合は、未就学児(6歳未満)が2割、小学生以上が3割ですが、日本では各自治体ごとに子どもの医療費助成制度を設けています。例として、東京都のなかでも子どもの数が多い世田谷区の助成制度について見ていきましょう。
子どもの医療費助成・給付には以下のようなものがあります。
- 子ども等医療費助成制度
- 未熟児養育の医療給付
- 慢性疾患の子どもの医療費助成
教育機関の共済制度を利用できるため
教育機関の共済制度は、健康保険や年金制度などに加えて、教職員や学生の生活をサポートするための制度です。病気やケガによる医療費の補償や、災害時の補償など、安心して学ぶためのサポートが受けられます。
教育機関には、以下のような共済制度があります。
- 日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度
- 公立学校共済組合の福祉保険制度
- 私立学校共済事業団の共済制度
- PTAなどの団体保険
入院のリスクが低いため
◆令和5年10月に全国の医療施設で入院した患者の割合
(総数:1,175,300人 厚生労働省調べ)
年齢 | 0歳 | 1~4歳 | 5~9歳 | 10~14歳 | 15~19歳 |
---|---|---|---|---|---|
割合 (患者数) | 0.7% (9,400人) | 0.4% (5,100人) | 0.3% (4,200人) | 0.3% (4,600人) | 0.5% (6,300人) |
◆同時期に調査した65歳以上の患者の割合
年齢 | 65~69歳 | 70~74歳 | 75~79歳 | 80~84歳 | 85~89歳 |
---|---|---|---|---|---|
割合 (患者数) | 6% (81,900人) | 11% (13,2500人) | 12% (15,2000人) | 14% (17,4000人) | 14% (17,5600人) |
いずれも子供が入院する割合は1%以下と低い数値になっています。高齢者と比べてみると、より入院するリスクが低いことがわかります。
また、子供は病気にかかりやすい反面、回復力が高いという特徴も持っています。そのため、入院となっても日数がかからない場合が多いです。
◆令和2年の年代別入院日数の推移(厚生労働省調べ)
年齢 | 0歳 | 1~4歳 | 5~9歳 | 10~14歳 | 15~19歳 |
---|---|---|---|---|---|
おおよその 入院日数 | 10日 | 6日 | 8日 | 12日 | 14日 |
子どもの医療保険の加入を検討した方がいいケース
ここからは、医療保険の加入を検討した方がいいケース3つについて解説していきます。子どもの保険加入を迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
所得制限などで医療費助成の恩恵が少ない場合
住んでいる地域により医療制度が薄い場合や、所得制限などによる医療費助成の恩恵が少ない場合、医療保険に加入していなければ医療費負担は大きくなります。
収入が一定水準を超えると助成の対象外となるケースでは、医療費の支払いに苦労する人も少なくありません。特に高額な治療や入院が必要な場合、その負担はさらに増大します。
そのため、事前に自己負担額や助成対象外の項目を確認し、費用の見積もりを行うことが重要です。
公的医療保険の対象外となる費用に備えたい場合
公的医療保険の対象外となる費用は、以下のようなものがあります。
- 保険適用外の治療費や手術代
- 入院時の食事代
- 差額ベッド代
- 通院時の交通費
将来持病で加入できなくなるリスクを防ぎたい場合
無料FP相談で家族や子どもの保険の不安をまるごと解決しよう
子どもの保険について不安を感じている方におすすめなのが、無料のFP相談です。子どもが産まれるタイミングや、学校にあがるタイミングはもちろん、独立時にはあわせて親の保険も見直せます。
FP相談では家族全体の保険について、家計とのバランスや住宅ローンなどを考慮でき、ライフステージの変化も含めて総合的に相談できるので安心です。
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子どもが入れる保険の種類・加入のタイミングを解説
保険種類 | 医療保険 | 学資保険(医療特約) | 傷害保険・共済保険 | 個人賠償責任保険 | 自転車保険 | 終身型保険 |
---|---|---|---|---|---|---|
保険の特徴 | 病気や怪我に備える | 貯蓄+医療費負担軽減 | 事故や病気による 経済的リスクを軽減 | 日常生活で他人に 損害を与えた場合の 賠償責任をカバーする | 自転車の利用中に発生する 事故やトラブルに備える | 保険者が亡くなるまで 保障が続く |
加入の タイミング | 生まれてすぐ または、医療費助成が 小さくなる時期 | 生まれてすぐ | 子どもが活発に動き回る前 | 子どもが活発に動き回る前 | 自転車の練習を始める頃 | 早めが◎ |
加入する メリット | 病気やケガをしてかかる 医療費等に備えられる | 子どもにかかる 教育費等に備えられる | 子どもが事故にあったり、 ケガをしたりしてかかる 医療費に備えられる | 他人を傷つけたり、 相手の物を壊したりしたときの 損害賠償費用に備えられる | 自転車事故に備えられる | 万が一に備えられる 将来の貯蓄のため |
加入時の 注意点 | 保険金の支払い条件などの確認 | 医療特約を付加すると 保険料が上がる | 適切な保障内容を理解する | 保険の適用範囲をチェック | 免責金額や保険料の 支払い条件を理解しておく | 保険料は加入時の年齢や 健康状態に基づく |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
医療保険
医療保険は、病気や怪我に備えて必要な費用をカバーする保険です。あらかじめ保険料を支払うことで、突然の病気やケガによる高額な医療費の負担を軽減できます。
日本では国民皆保険制度があるため、基本的な医療費は公的保険でまかなわれます。しかし、保険適応外の治療費や、入院時の差額ベッド代など、対象外の費用については自身で備えておく必要があります。
医療保険は、医療費の一部や全額を保険会社が負担してくれるため、経済的な負担を軽減できます。
学資保険(医療特約)
学資保険は、子どもの教育資金を準備するための貯蓄型の保険商品です。将来子どもが進学する際に必要な費用を、あらかじめ保険料として支払い、一定期間後に給付金として受け取れるシステムです。
医療特約は、学資保険に付帯されるオプションの一つで、子どもが病気やケガで入院した際に医療費を補填できる特約です。
学資保険に医療特約を付け加えることで、子どもの将来に備えると同時に、突然の医療費の支払いにも対応できます。
傷害保険・共済保険
傷害保険は、事故や災害によって生じる怪我や死亡に対する保障を提供する保険です。日常生活やスポーツ活動中の予期せぬ事故に備えます。
共済保険は、互助の精神に基づき、加入者同士が助け合う仕組みです。保険料が比較的安価で、加入条件も柔軟なため、幅広い人々に利用されています。
どちらも自分や家族を守るための大切な選択肢です。適切な保障内容を理解し、自分に合った保険を選ぶことが重要です。
個人賠償責任保険
個人賠償責任保険とは、日常生活で他人に損害を与えた場合に、その賠償責任をカバーする保険です。例えば、友人の家を訪れた際に物を壊してしまったり、自転車で通行人に怪我をさせてしまった場合に、損害賠償金や治療費を保険が負担します。
この保険は、金銭的な負担を軽減し、安心して生活するための重要な手段です。加入することで予期せぬトラブルに備えられ、余裕を持って生活できます。
自転車保険
自転車保険とは、自転車の利用中に発生する事故やトラブルに備える保険です。自転車事故による他者への損害賠償や、自分自身のケガ、盗難などをカバーします。
近年、自転車利用者の増加に伴い、事故のリスクも高まっています。自転車事故は思いがけないトラブルを引き起こすことがあり、他人にケガをさせた場合、高額な賠償金が発生することもあります。
また、自転車の盗難も増えており、保険に加入することで経済的なリスクを軽減できます。
終身型保険
終身型保険とは、被保険者が亡くなるまで保障が続く保険です。一般的に、保険料を支払い続けることで、一定の死亡保険金が遺族に支払われます。
終身型保険の特徴は、解約返戻金があるため、途中で解約しても一定の返金が受けられる点です。
また、保険料は加入時の年齢や健康状態に基づいて決まるため、早めに加入することで将来的な負担を軽減できます。安定した保障を求める方におすすめの選択肢です。
無料FP相談を活用してムダなく賢い保険選びをしよう
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保障内容の重複や不必要な保障が含まれていると、無駄な保険料を支払うことになります。
特に、親である自身が契約している保険の保障範囲と、子どもの保険の保障範囲が重なってしまっている場合があります。これでは保険料が二重にかかることになり、無駄が生じてしまいます。
子どもの保険を検討すると同時に親の保険を見直し、無料のFPを活用して無駄なく賢い保険選びをしましょう。
子どもの医療保険についてよくある質問
こちらでは、多くの方が気になっている子どもの医療保険についての質問を4つ取り上げて解説します。同じような疑問を抱いている方は、この記事を読むことで解決できるはずです。
子どもの医療保険の保険料はどれくらいですか?
子どもの医療保険の保険料は、保険会社やプラン、子どもの年齢などによって大きく異なります。
一般的に、0歳から14歳くらいまでの場合、月々1,000円~3,000円程度の保険料が多い傾向にあります。ですが、これはあくまで目安。より手厚い保障内容のプランに加入する場合は、その分保険料は高くなります。
必要な保障と無駄のない保険料を両立させるためには、お金のプロにアドバイスを受けながら適切な保険を選ぶことが大切です。
親の保険の特約で子どものケガや病気のリスクに備えることはできますか?
親の保険には、子どものケガや病気に備える特約が用意されているものもあります。特約の内容は保険会社によって異なりますが、子どもの医療費や入院費、手術費などを保障するものが一般的です。
子どもの健康が心配な親にとって、このような特約があることは安心感を与えてくれます。保障内容がニーズを満たしている場合、子どもの医療保険を新たに契約するより保険料を抑えられる可能性があります。
そのため、特約の内容や支払い条件をよく確認しておくことが大切です。
子どもの医療保険に入らない場合、どれくらいの貯蓄があれば安心ですか?
子どもの医療保険に入らない場合、万が一の病気や怪我に備えるためには、十分な貯蓄が必要です。
子どもの年齢や、住んでいる地域によって必要な貯蓄額は異なりますが、以下の要素を考慮して検討する必要があります。
- 公的医療制度の保障
- 子どもの医療費助成制度
- 高額療養費制度
- 医療費の目安
ひとり親世帯は子どもの保険は必要ですか?
ひとり親世帯の方が子どもの保険に加入すべきかどうかは、さまざまな要素によって異なります。ですが、ひとり親の場合は、一人ですべての責任を負わなければいけない場合が多いため負担が大きくなりがちです。そのため、日ごろから予期せぬ出費に備えておくことが大切といえるでしょう。
子どもの医療費や入院費用だけでなく、付き添いにかかる費用や、収入の減少など考慮すべき点は多岐にわたります。一人で悩まず専門家を頼り、保険加入を検討しましょう。
また、自治体によりひとり親家庭に向けた助成制度もあるので、役所などで相談してみるのも一手です。
【まとめ】子どもの医療保険は早めの決断を!プロと一緒に保険の最適化をしよう
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子どもの医療保険については、民間の医療保険加入や必要な保障など迷ってしまうものです。公的医療保険や各自治体の医療費助成制度など、考慮すべき項目も多く複雑なため、知識のない方が一人で決めるには困難な場合もあります。
しかし万が一のリスクを考えると「子供の医療保険はいらない」と安易にならず、しっかりと検討することが大切です。
また、子どもの医療保険は保険料や保障内容など、子どもの年齢が関わってきます。子どもが小さいうちに決断することで選択肢が増え、受け取れる利益にも差が生まれます。
保険のプロに相談すれば、子どもの健康状態や家計の状況に合わせた適切な保険を選べます。子どもの医療保険について不安や疑問がある場合は、一度マネーキャリアのような専門家が所属している窓口に相談してみましょう。
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