「住宅ローンが払えない場合はどこに相談すればいいの?住宅ローンを滞納した時の対処法はある?」このような疑問を持っている方は多いでしょう。そこで本記事では、住宅ローンの支払いが難しくなった場合の相談先、返済が難しい場合にすべきことなどをまとめました。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
住宅ローンの支払いが難しくなった場合の相談先
こんにちは。マネーキャリア編集部です。
先日、40代の友人から次のようなご相談を受けました。
「失業して住宅ローンの支払いが難しくなったのだけど、どこに相談すれば良い?もしローンを滞納して場合はどうなるのかも知りたい」
失業、転職、病気、離婚、学費の負担など、様々な理由で住宅ローンが払えないケース、また今は支払えているが賞与が減って今後返済が難しくなるのが予想されるケースもあります。
住宅ローンが払えない場合にどうすればいいのかわからない方が多いかと思います。
今回の記事では
- 住宅ローンが払えない場合の相談先
- 返済が難しい場合にすべきこと
- 住宅ローンが払えない場合はどうなるのか
- 受託ローンを組んだ金融機関
- FP(ファイナンシャルプランナー)
住宅ローンを組んだ金融機関
住宅ローンが払えない場合に、延滞するのはもちろんのこと、貯金を切り崩せばなんとかすれば数ヶ月は支払えるのでとりあえず支払う、ということもやめましょう。
住宅ローンの延滞を行うと、金融機関からの信用が下がってしまいます。
住宅ローンの支払いが難しいな、と思った時点で早めに相談をすることが重要です。
住宅ローンが払えない場合は、住宅ローンを組んだ金融機関に相談しましょう。
各金融機関には、住宅ローンの支払い・相談に関する窓口があります。
金融機関に住宅ローンが払えない事を相談して、認められることで
- 返済期間を延長する
- 一定期間の支払い猶予をしてもらう
- ボーナス返済の見直し
また、会社の倒産による解雇、給与、ボーナスのカットによる減収などで収入がダウンした場合には、 返済条件の変更などの救済措置を受けられる場合もあります。
まず自分で悩む前に金融機関に相談することが重要です。
FP(ファイナンシャルプランナー)
返済が難しい場合にすべきこと
住宅ローンが払えない場合は、まず住宅ローンを組んだ金融機関やFPに相談しましょう。
家計を見直したり、返済計画を見直しても払えない場合にするべきことについて説明していきます。
返済が難しい場合にすべきことは以下のことです。
- 保険適用かどうかを確認
- 家計の見直し・融資を検討
- 住宅ローンの借入条件を変更
- 住宅ローンを借り換える
- 家を売却する
- リバースモーゲージ
保険適用かどうかを確認
住宅ローンを組む際に団体信用生命保険に加入している場合は、保険適用かどうかを確認しましょう。
団体信用生命保険とは、住宅ローンを組んだ人に万が一の事が発生した場合に、生命保険会社が住宅ローンに相当する保険金を支払うことで、住宅ローンを返済する制度のことです。
ローンが払えない理由が、健康上の理由で働けなくなった場合は、保険適用になることもあるので保険会社に問い合わせてみましょう。
住宅ローン疾病保障保険などに加入している場合は、団体信用生命保険では認められていない病気や怪我であってもカバーされているので確認してみましょう。
また、30日を超えるけがや病気による長期療養となった場合に、毎月の住宅ローンの返済をカバーしてくれる住宅ローン返済支援保険に加入している場合は、そちらも適応されます。
それ以外にも、労災保険や社会保険、障害年金などで得たお金をローンの返済に回すことが出来るかもしれません。
家計の見直し・融資を検討
家計を見直しすること、また新たに融資をうけることでローンの返済を継続できるかもしれません。
家計を見直しする際は、光熱費、電気代、通信費などの毎月必ずかかるお金を見直すようにしましょう。また、必要なない保険を解約することでも毎月の支出を減らすことが可能です。
また、新たに融資をうけることでローンの返済を継続出来る場合は検討しても良いでしょう。ただし、その場しのぎで高金利の金融機関からの借り入れは避けるようにしましょう。
住宅ローンの借入条件を変更
ローンを組んでいる金融機関に相談して、住宅ローンの借入条件を変更可能か確認してみましょう。
ローンを貸し付けている金融機関としても、このまま支払い延滞が続いて事故債権になってしまうよりは、少しずつだけでも支払いをしてもらった方がメリットがあります。
金融機関には住宅ローンの支払い・返済について相談を受け付ける窓口があります。何らかの理由で給料が減った場合は、ローンの返済が難しくなる前に、相談しにいきましょう。
具体的に返済条件を変更するための条件や、救済処置についてお伝えしていきます。
返済条件を変更するための条件
- 会社の倒産による解雇
- リストラによる転職または退職
- 給与やボーナスのカットによる収入減少
- 個人事業主における収益の悪化
具体的な条件変更した際の救済措置
- 返済期間の延長(最長15年)
- 返済期間の延長(最長15年)+ 元金据え置き期間の設定(最長3年)
住宅ローンを借り換える
- 住宅ローンの新規手続きにかかる保証料、事務手数料、印紙代
- 現在の住宅ローンを完済する手続きにかかる手数料
- 登記手続きにかかる抵当権設定費用、抵当権抹消費用
家を売却する
家計の見直し、返済プランの変更や借り換えでも返済が難しい場合、今後3ヶ月や半年はしのげたとしてもその後の状況が改善しない場合は家の売却を検討しましょう。
ローンが払えなくて家を売却する場合は、売却してもローンが残るいわゆるオーバーローンという状態です。
オーバーローンで家を売却する方法は、任意売却と競売になります。
任意売却
任意売却とは、債権者(住宅ローンを借りている金融機関)の了承のもと、ある程度所有者の希望条件で一般市場にて不動産を売却する方法です。
売却しても足りない分は、引き続き返済する必要があるのですが、競売に比べて値段が高くなったり、住宅ローンを滞納したことを周囲に知られないというメリットがあります。
競売
競売とは、所有者の意思とは関係なく、債権者が抵当権の対象となっている不動産を差し押さえ後、法的な手続きに則って強制的に売却されることです。
ローンを滞納し続ける場合は、強制的に売却されて立ち退きを要求されます。
任意売却
本来、不動産を売却する場合には、住宅ローンを完済して住宅ローンの担保として設定された抵当権を解除されてから、不動産を引き渡す必要があります。
つまり、ローンが残っている家は売ったり買ったり出来ないということです。
ですが、任意売却の場合は、売却によって住宅ローンを完済できない場合でも、債権者である金融機関の了承が得られれば、一定の条件のもと抵当権を解除してもらえます。
ローンを組んでいる金融機関と不動産に相談して、任意売却の手続きを行い任意売却をして、その後残ったローン残高を分割で返していくイメージです。
家は失いますが、ローンは残高は減るので、少なくなった収入でも無理なく返せる金額になります。
リバースモーゲージ
住宅ローンを滞納した場合どうなるの?
- 住宅ローンを滞納した場合の流れ
- 競売にかけられるとデメリットがある
住宅ローンを滞納した場合の流れ
住宅ローンを滞納してしまった場合には、滞納してから何ヶ月たっているかによって、金融機関の行動やこちらが行うべき対応が変わってきます。
1ヶ月前後の滞納
一時的にローンの返済が遅れてしまったときは、できるだけ早く返済すれば問題は生じません。
ローンの引き落としを行っている口座へ入金すれば自動で行える場合もありますし、金融機関に入金の報告が必要な場合もあります。
この時点での入金が難しい場合には、速やかに金融機関に連絡して相談しましょう。
2~3ヶ月の滞納
金融機関から督促状や催告書が届いたり、電話連絡があります。
なぜローンが支払えないのか、今後支払える予定があるのか、など現状を誠実に話す事が必要です。金融機関からの信頼を落とさないようにしましょう。
5~6ヶ月程度の滞納
住宅ローンを約5~6ヶ月滞納すると、「期限の利益の喪失予告通知(最終督促)」が届きます。
「期限の利益の喪失予告通知(最終督促)」とは、住宅ローンを分割して返済できる権利がなくなるため残りの住宅ローンの一括返済を求める、ということです。
住宅ローンを一括で返済出来ない場合には、保証会社が代位弁済を行います。
6ヶ月程度の滞納
6ヶ月程度滞納すると、「期限の利益の喪失」となり、住宅ローンを分割して返済できる権利がなくなるため、残りの住宅ローンの一括返済を求められます。競売にかけられるとデメリットがある
- 普通の売却をするよりも安くなってしまう可能性がある
- 競売の準備のために調査官が家に来る
- 競売物件として新聞やインターネットに住所などが公表されてしまうため、知り合いに競売の事実を知られてしまう可能性がある。
- 立ち退きを要求されたら拒めない
よくある間違った対処法
- 消費者金融から借入れをして住宅ローンの支払いをする
- 生活費を削ったり必要な貯金を切り崩して無理に支払いを続ける
- 諦めて家を売約して引越しをする
- 何もしない
まとめ:住宅ローンが払えなくなっても落ち着いて対応しよう
住宅ローンが払えない場合にどうすればよいのかについてお伝えしてきましたがいかかだったでしょうか。
今回の記事でお伝えしたことは
- 住宅ローンが払えない場合は、金融機関かFPに相談
- 返済が難しい場合にすべきこと
- 住宅ローンを滞納した場合の流れ
ローンが払えない場合には、滞納する前に相談することが大切です。
ローンを組んでいる金融機関だけではなく、現状を客観的に確認する必要があります。
マネーキャリアでは、お金の専門家であるFPに無料で相談できるのでおすすめです。