

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 家計簿が続かないのはなぜ?挫折する3つの原因
- 忙しくて時間が取れない
- 細かすぎる項目がストレスになる
- モチベーションが続かない
- 家計簿を続けるためのコツ3選
- シンプルな記録方法を選ぶ
- 毎日ではなく週単位で管理する
- 家計管理の専門家であるFPに相談する
- 家計簿が続かない人必見!初心者におすすめの家計簿ツール
- アプリ
- 手書き
- PCツール
- 家計簿を使って実践的に家計を改善する方法
- 現状を分析する
- 将来の支出を想定する
- 自分に合う貯金方法を知る
- 家計簿を続けるためのコツに関するよくある質問
- 家計簿をつけるメリットは何ですか?
- 家計簿を細かくつけるべきですか?
- 家計簿アプリは無料でも十分ですか?
- 家計簿が続かないときはどうしたらいいですか?
- 【まとめ】家計簿を続けるならFPへ相談して習慣化するのがおすすめ!
家計簿が続かないのはなぜ?挫折する3つの原因
家計簿が続かない・挫折してしまう3つの原因は以下の通りです。
忙しくて時間が取れない
家計簿が続かない原因の1つ目は、忙しくて時間が取れないためです。
仕事や家事といった毎日の生活に追われ、忙しくて家計簿をつける時間を確保するのが難しいからです。
朝は通勤時間に追われ、仕事中は業務に集中するため、その場での家計簿を記録するのは難しいでしょう。
仕事から帰宅後は夕食の準備や洗濯などの家事、子どもの世話に追われ、気づけば就寝時間になっていることも多いはずです。
そのため、レシートの整理や金額の記録は後回しになりがちで、休日にまとめて記録しようと計画したり時間の使い方を工夫しても、予定外の用事が入ることも多くあります。
結果として、数日分まとめて記録しようとして負担を感じ、膨大な作業量に圧倒されて挫折してしまう悪循環に陥ってしまいます。
細かすぎる項目がストレスになる
家計簿が続かない原因の2つ目は、細かすぎる項目がストレスになるためです。
収支を細かく分類しすぎることで、記録作業自体が大きなストレスとなってしまい、結果として挫折につながります。
例えば、食費を「惣菜」「食材」「外食」と分けたり、交通費を「通勤」「私用」「タクシー」と細分化したりすることで、1回の記録に時間がかかってしまいます。
スーパーでの買い物ひとつとっても、日用品と食材が混在している場合、項目分けに悩むことが多く、その判断自体がストレスです。
さらに、クレジットカードやスマートフォン決済など、支払い方法が多様化していることで、記録の手間が増えています。
項目を細分化して完璧な記録を目指しすぎることが、継続を難しくしている大きな要因となっているのです。
モチベーションが続かない
家計簿が続かない原因の3つ目は、モチベーションが続かないためです。
家計簿をつけても、すぐに目に見える効果が感じられないことで、継続する意欲が低下してモチベーションが続かなくなります。
毎日の記録を続けても、支出の傾向が把握できるまでには最低でも1〜2ヶ月かかり、その間は作業だけが続く状態で、支出の傾向が見えてくるまでには時間がかかります。
家計簿をつけることで得られる長期的なメリットを実感できないまま、次第に面倒に感じて記録が疎かになってしまう人は多く存在するでしょう。
また、家計簿をつけることで無駄遣いを実感しても、具体的な改善策が見つからずモチベーションが下がることもあります。
その結果、長期的な家計改善のメリットを実感できないまま、記録を断念してしまうケースが多くあります。
家計簿を続けるためのコツ3選
家計簿を長く続けるためには、無理のない管理方法を選ぶことが重要です。
ここでは、誰でも実践できる3つの基本的なコツをご紹介します。
シンプルな記録方法を選ぶ
複雑な家計管理よりも、自分の世帯収入合ったシンプルな記録方法を選ぶことが継続の秘訣です。
最近は無料の家計簿アプリやエクセルのテンプレートなど、便利なツールが豊富に用意されています。
特に家計簿アプリは、レシートを撮影するだけで自動的に支出を分類してくれる機能も備わっています。
まずは基本的な収支管理から始めて、慣れてきたら項目を少しずつ追加していくのがおすすめです。
継続できる記録方法を見つけることが、家計簿を習慣化する第一歩となります。
毎日ではなく週単位で管理する
毎日の記録にとらわれず、週末にまとめて家計簿をつけることで、継続的な管理が可能になります。
平日は玄関やキッチンに専用の領収書入れを設置し、買い物のたびにレシートを入れておくといった工夫もひとつです。
休日の決まった時間、例えば土曜の午前中などに30分ほど時間を確保して、一週間分をまとめて記録します。
PayPayやd払いなどのデジタル決済も、アプリから週間利用履歴を一括ダウンロードできる機能を活用しましょう。
また、クレジットカードの利用明細もネットバンキングで確認でき、支出の漏れを防ぐことができます。
このように、毎日家計簿を付けると決めるとストレスになるため、週単位で管理することで無理なく家計簿を続けられる可能性が高くなります。
家計管理の専門家であるFPに相談する

家計管理のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談することで、家計簿を継続的に活用する方法が分かります。
FPは単なる家計簿の記録方法だけでなく、節税や保険の見直し・投資計画まで、総合的な視点でアドバイスをくれます。
例えば、「毎月の教育費積立を3万円増やしたい」という目標に対して、ライフプランに合わせて家計の優先順位を整理し、無理のない支出計画を立てることが可能です。
このように、専門家との定期的な相談を通じて、家計簿を継続するコツを学べるだけでなく、着実な資産形成への道筋を立てることも同時にできます。

家計簿が続かない人必見!初心者におすすめの家計簿ツール
アプリ
おすすめの家計簿ツールの1つ目は、アプリです。
スマートフォンで使用できる家計簿アプリは、手軽さと自動化機能が特徴です。
おすすめの家計簿アプリ3つを表にまとめました。それぞれの特徴と、どんな人におすすめかも合わせて記載しています。
アプリ名 | 特徴 |
---|---|
マネーフォワード ME | ・銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどとの連携が充実 ・資産管理機能も搭載 |
Zaim | ・レシート読み取り機能が優秀 ・シンプルで使いやすいインターフェース ・デザイン性が高い |
Moneytree | ・銀行、クレジットカード、電子マネー、ポイントカードなど、様々なサービスと連携 ・シンプルな操作性、初心者でも使いやすい |
上記のアプリは基本的に無料で利用できますが、より高度な機能(例えば、過去のデータ閲覧期間の延長・複数口座の一括管理など)を利用する場合は有料プランへの加入が必要となる場合があります。
どのアプリが最適かは、個人のライフスタイルや価値観によって異なります。
まずは、気になるアプリをいくつかダウンロードして実際に使ってみて、自分に合うかどうかを判断するのがおすすめです。
手書き
おすすめの家計簿ツールの2つ目は、手書きです。
デジタル家計簿アプリも便利ですが、ノートや家計簿専用の手帳で自分らしい記録スタイルを作れるといった、手書きならではの良さもあります。
以下では、おすすめの手書き家計簿を3つご紹介します。
商品名 | 特徴 |
---|---|
袋分けカンタン家計ノート | ・長年愛用されている定番商品 ・袋分け管理がしやすい工夫がされている ・費目ごとに袋を用意する方式を家計簿で再現できる |
日記兼用お料理家計簿 | ・献立と家計簿を一緒に記録できる ・作った料理と使った食材・金額を一緒に記録することで、食費の管理がしやすい |
いちばん使いやすい家計ノート | ・初心者でも使いやすいように工夫された家計簿 ・シンプルなフォーマットで、項目も必要最低限 |
手書き家計簿を選ぶポイントは、自分のライフスタイルや管理したい項目に合ったフォーマットを選ぶことです。
例えば、食費を細かく管理したい場合は、食材ごとの記入欄があるものが便利です。
毎日持ち歩きたいなら小さめ、じっくり書き込みたいなら大きめを選ぶと良いでしょう。
また、毎日使うものなので、気に入ったデザインのものを選ぶとモチベーションを維持しやすくなります。
PCツール
おすすめの家計簿ツールの3つ目は、PCツールです。
PCツールの1つであるExcelやGoogleスプレッドシートで、自分好みにカスタマイズした家計簿が作成できます。
おすすめの活用方法は、以下のとおりです。
- 関数を使った自動計算で、集計作業を楽にする
- グラフで支出の傾向を分かりやすく表示する
- 無料テンプレートを使って手軽に始める
家計簿を使って実践的に家計を改善する方法
将来の支出を適切に管理するには、家計簿を使って実践的に家計を改善する方法を知るのが効果的です。
現状分析から具体的な貯金プランまで、以下の手順で段階的に進めていきましょう。
現状を分析する
まずは家計簿で現在の支出状況を正確に分析して把握することから始めます。
支出は大きく分けて、固定費(家賃・ローン返済・保険料など)と変動費(食費・交通費・趣味・娯楽費など)に分類します。
毎月の支払い方法も、現金・クレジットカード・電子マネー・スマートフォン決済(PayPayなど)を漏れなくチェックしましょう。
特に光熱費は夏と冬で大きく変動するため、年間を通じた平均額を把握することが重要です。
食費も季節や外食頻度によって変動するため、直近3〜6ヶ月分の支出パターンを確認します。
家族構成や生活スタイルの変化に応じて、支出項目の見直しも必要です。
このように現状を分析することで、無駄な支出や見直しが必要な項目が具体的に見えてきます。
将来の支出を想定する
次に、将来発生する支出を具体的に想定し、必要な準備額を計算しましょう。
例えば、文部科学省「令和3年度子供の学習費用調査」によると、子供の教育費の平均費用は以下のとおりです。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 47.3万円 | 92.5万円 |
小学校 | 211.2万円 | 1,000万円 |
中学校 | 161.6万円 | 430.4万円 |
高校 | 154.3万円 | 315.6万円 |
大学 | 248.1万円 | 469.0万円 |
合計 | 約822.5万円 | 約2,307.5万円 |
さらに習い事や塾、受験費用なども加味すると、18年間で総額3,000万円近くになることもあります。
老後の生活費は、夫婦で月25〜30万円程度(食費8万円、住居費5万円、光熱費3万円、医療費2万円など)を30年分で計算すると、約1億円の準備が推奨されています。
他にも、住宅ローンや車の購入・家電の買い替えなど、支出を時系列で整理し、「教育費は月7万円」「老後資金は月5万円」など、具体的な積立目標を設定しましょう。
自分に合う貯金方法を知る
最後に、現状の分析や支出の想定をもとに、自分のライフスタイルに合った貯金方法を選びましょう。
まず基本となるのは、給与からの天引きや毎月の自動積立です。
固定費を支払った後、すぐに決まった金額を貯金に回すことで、確実な積立が可能になります。
種類 | 特徴 | 向いている目的 |
---|---|---|
財形貯蓄 | 給与天引きで確実に貯金 | 住宅資金、教育資金 |
NISA | 非課税期間が無期限 | 長期の資産形成 |
iDeCo | 掛け金が全額所得控除(上限あり) | 老後資金の準備 |
学資保険 | 教育資金の受取時期を設定可能 | 子どもの教育費 |
個人年金保険 | 毎月の積立で年金受取が可能 | 老後の生活資金 |
上記の制度を組み合わせることで、より効率的な資産形成が可能になります。
例えば、毎月の給与から財形貯蓄5万円・NISA3万円・iDeCo2万円など、目的に応じて配分を決めるのがおすすめです。
また、ボーナス時期に臨時の積立を行うことで、貯金のペースを上げることもできます。
このように、将来の支出に備えた具体的な貯金プランを立て実行することで、安定した家計管理が実現できます。
家計簿を続けるためのコツに関するよくある質問
家計簿を続けるためのコツに関する、よくある質問について解説していきます。
家計簿に関する疑問を解決して、より効果的な家計簿を作成しましょう。
家計簿をつけるメリットは何ですか?
家計簿をつけるメリットは、お金の流れを把握し無駄をなくせることです。
日々の支出を記録することで、何にどれだけお金を使っているのかが明確になります。
例えば、毎月の固定費や食費などの支出傾向が明確になり、節約のポイントが見えてきたり、将来の教育資金や老後の生活費といった長期的な資金計画も立てやすくなります。
家計簿をつけることは、お金の流れを把握する「家計の見える化」につながり、具体的な資産形成の目標設定も可能です。
お金の流れを把握することは、賢いお金の使い方への第一歩と言えるでしょう。
家計簿を細かくつけるべきですか?
家計簿は、必ずしも細かくつける必要はありません。
大切なのは、継続することです。
最初から細かく項目を分けすぎると記録するのが面倒になり、挫折しやすくなります。
まずは、基本的な「固定費」「食費」「日用品」など、大きなカテゴリーに分けるところから始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、必要に応じて項目を増やしていくと良いでしょう。無理なく続けることが、家計簿の最大の目的です。
家計簿アプリは無料でも十分ですか?
家計簿アプリは、無料版でも十分に活用できます。
多くの無料アプリには、基本的な収支管理機能やレシート読み取り機能など便利な機能が標準で搭載されています。
ただし、有料版では複数口座の連携や広告非表示など、さらに便利な機能が利用可能です。
まずは無料版を試してみて、家計管理に慣れてきたら必要に応じて有料版への移行を検討するのが良いでしょう。
家計簿を続けるためにも、自分に合ったアプリを見つけることが重要です。
家計簿が続かないときはどうしたらいいですか?
家計簿が続かない時は、まず記録する時間を決めてみましょう。
また、毎日ではなく、週に一度など無理のないペースで記録するだけでも効果があります。
さらに、目標を設定し、達成できたら自分にご褒美を与えるなど、モチベーションを維持する工夫も大切です。小さな成功体験を積み重ねることで、継続する習慣が身につきます。
継続のコツは、完璧を目指さず、自分に合った無理のない方法を選ぶことです。
【まとめ】家計簿を続けるならFPへ相談して習慣化するのがおすすめ!

家計簿を続けるコツは、無理なく習慣化することです。
まず、家計簿をつける目的を明確にしましょう。「毎月〇円貯金する」「〇年後にマイホームを買う」など、目的がはっきりしていれば、モチベーションを維持しやすくなります。
また、大切なのは、項目を細かく分けすぎず、基本的な支出管理からスタートすることです。
毎日の記録にこだわらず、週末にまとめて記録するなど、無理のないペース配分も継続のポイントとなります。
家計簿をつけることは、家計管理の第一歩です。
継続することで、お金の流れを把握し、無駄なく貯金を増やすことで、将来の目標を達成するための力強い味方となるでしょう。
