

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 新NISAで月1万円積立投資しても意味ない?運用益をシミュレーション
- 利回り3%の場合:10年後・20年後・30年後
- 利回り5%の場合:10年後・20年後・30年後
- 利回り7%の場合:10年後・20年後・30年後
- 月1万円投資するなら何がいい?無料FP相談を活用して自分に合ったの運用方法を把握しよう
- 新NISAで月1万円積立投資するのと預貯金では将来的にいくら差が出る?
- 20代の場合
- 30代の場合
- 40代の場合
- 50代の場合
- 新NISAで月1万円積立投資するならこんな方がおすすめ!
- 長期的な資産形成を目指す人
- 税制優遇を活用したい人
- リスクを抑えたい人
- 新NISA以外で月1万円を資産運用するならどんな方法がある?
- iDeCo
- 貯蓄型保険
- 外貨預金
- 債券投資
- 【まとめ】新NISAで月1万円積立投資しても意味ない?運用益をシミュレーション
新NISAで月1万円積立投資しても意味ない?運用益をシミュレーション
投資初心者にとって、少額の積立が将来どれだけのリターンをもたらすのか不安に感じるのは当然です。しかし、積立投資はコツコツと長期間続けることで、将来的に大きなリターンを得られるか可能性があります。新NISAは、運用益にかかる約20%の税金が非課税です。これにより、通常の課税口座よりも効率よく資産を増やせます。
ここでは、月1万円の積立投資を異なる利回りで運用した場合の将来価値をシミュレーションします。シミュレーションの内容は以下のとおりです。
- 利回り3%の場合:10年後・20年後・30年後
- 利回り5%の場合:10年後・20年後・30年後
- 利回り7%の場合:10年後・20年後・30年後
利回り3%・5%・7%のそれぞれのケースで、10年後・20年後・30年後にどれくらいの資産になるのかを見ていきましょう。
利回り3%の場合:10年後・20年後・30年後

新NISAで月1万円を利回り3%で運用した場合のシミュレーション結果は、以下のとおりです。
運用期間 | 元本(万円) | 運用資産額(万円) | 運用収益(万円) |
---|---|---|---|
5年 | 60 | 65 | 5 |
10年 | 120 | 140 | 20 |
15年 | 180 | 227 | 47 |
20年 | 240 | 328 | 88 |
25年 | 300 | 446 | 146 |
30年 | 360 | 583 | 223 |
10年で20万円、20年で88万円、30年で223万円の運用益が得られ、着実に資産が増えていきます。
銀行の普通預金(年利0.02%程度)と比較すると、その差は歴然です。利回り3%とは、日本と先進国の株式や債券にバランスよく投資する比較的安定した運用を想定しています。株式市場は短期的には上下動を繰り返しますが、長期的には経済成長に伴って上昇する傾向があるため、コツコツ続けることが重要です。
利回り5%の場合:10年後・20年後・30年後

新NISAで月1万円を利回り5%で運用した場合は以下のようになります。
運用期間 | 元本(万円) | 運用資産額(万円) | 運用収益(万円) |
---|---|---|---|
5年 | 60 | 68 | 8 |
10年 | 120 | 155 | 35 |
15年 | 180 | 267 | 87 |
20年 | 240 | 411 | 171 |
25年 | 300 | 596 | 296 |
30年 | 360 | 832 | 472 |
10年で35万円、20年で171万円、30年で472万円の運用益が見込まれ、資産の増加が期待できます。
利回り3%の場合と比較すると、各期間でより大きな資産形成が期待できます。利回り5%は、国内外の株式に比重を置いたバランス型ファンドや、全世界株式インデックスファンドなどで達成できる可能性がある水準です。
利回り7%の場合:10年後・20年後・30年後

新NISAで月1万円を利回り7%で運用した場合の資産成長は驚異的です。
運用期間 | 元本(万円) | 運用資産額(万円) | 運用収益(万円) |
---|---|---|---|
5年 | 60 | 72 | 12 |
10年 | 120 | 173 | 53 |
15年 | 180 | 317 | 137 |
20年 | 240 | 521 | 281 |
25年 | 300 | 810 | 510 |
30年 | 360 | 1220 | 860 |
時間をかけて投資を続ければ、10年で53万円、20年で281万円、30年で860万円の利益が期待できます。
利回り7%は海外株や新興国株を中心に投資することで狙えますが、価格の変動も大きくなります。値下がり時も買い続ける積立投資は、購入価格を平準化できる仕組み(ドルコスト平均法)です。
月1万円投資するなら何がいい?無料FP相談を活用して自分に合ったの運用方法を把握しよう

新NISAで月1万円を投資するなら、何に投資すべきか迷うのは当然です。
投資初心者は、ファンドの種類や投資先のリスクに合った商品選びなど、多くの点を検討する必要があります。
これらの選択を一人で行うのは難しく、時には誤った判断で機会損失を招く可能性があります。そこで役立つのが、マネーキャリアのような無料FP相談サービスです。マネーキャリアでは、つみたてNISAをはじめとした資産形成について、専門のファイナンシャルプランナーに「無料で何度でも」相談できます。

新NISAで月1万円積立投資するのと預貯金では将来的にいくら差が出る?
銀行の普通預金金利は年0.02%程度と非常に低く、インフレを考えると実質的には資産が目減りしている状態です。一方、新NISAで積立投資すれば、年利5%程度の運用も十分期待できます。
ここでは各年代で80歳までの期間、月1万円を積立投資のした場合の預貯金との差を確認します。
- 20代の場合
- 30代の場合
- 40代の場合
- 50代の場合
年齢が若いほど投資期間が長くなり、複利効果が大きいです。年代別に預貯金との違いをチェックしてみましょう。
20代の場合

20代から新NISAで月1万円の積立投資を始めると、老後までに大きな資産を築ける可能性があります。
項目 | 預貯金(0.02%) | 新NISA(5%) |
---|---|---|
積立期間 | 60年間(20歳~80歳) | 60年間(20歳~80歳) |
元本合計 | 720万円 | 720万円 |
最終資産額 | 約720万円 | 約4,500万円 |
運用益 | ほぼ0円 (8,640円) | 約3,800万円 |
20歳から80歳までの60年間、毎月1万円を積み立てた場合、預貯金と新NISAではその差が歴然です。
預貯金の場合、60年間で積み立てた元本合計は720万円となり、金利0.02%ではほとんど増えません。一方、新NISAで年利5%の運用ができれば、同じ720万円の元本が約4,551万円にまで成長する可能性があるのです。その差額は実に3,831万円にもなります。
30代の場合

30代から新NISAで月1万円の積立投資を始める場合でも、老後の資産形成に大きな違いが生まれます。
項目 | 預貯金(0.02%) | 新NISA(5%) |
---|---|---|
積立期間 | 50年間(30歳~80歳) | 50年間(30歳~80歳) |
元本合計 | 600万円 | 600万円 |
最終資産額 | 約600万円 | 約2,669万円 |
運用益 | ほぼ0円 (8,640円) | 約2,069万円 |
30歳から80歳までの50年間、毎月1万円を積み立てると、預貯金では元本とほぼ同額の約600万円にしかなりません。一方で、新NISAでは約2,669万円まで成長する可能性があります。
人生の節目となる30代は、結婚や住宅購入など大きな出費が重なる時期でもあります。しかし、この時期に投資を始めることで、50年後には約2,069万円もの差が生まれるのです。この差額は、老後の生活の質を大きく左右するでしょう。
40代の場合

40代から新NISAで月1万円の積立投資を始める場合でも、預貯金との差は歴然としています。
項目 | 預貯金(0.02%) | 新NISA(5%) |
---|---|---|
積立期間 | 40年間(40歳~80歳) | 40年間(40歳~80歳) |
元本合計 | 480万円 | 480万円 |
最終資産額 | 約480万円 | 約1,526万円 |
運用益 | ほぼ0円 (8,640円) | 約1,046万円 |
40歳から80歳までの40年間、毎月1万円を積み立てると、預貯金では元本の480万円とほぼ変わりません。一方で、新NISAで年利5%の運用ができれば約1,526万円にまで成長します。
40代は人生の折り返し地点です。子どもの教育費や住宅ローンなど固定費が多い時期ですが、この時期に投資をスタートしても、約1,046万円もの差ができます。
50代の場合

50代から新NISAで月1万円の積立投資を始める場合でも、預貯金と比べると大きな差が生まれます。
項目 | 預貯金(0.02%) | 新NISA(5%) |
---|---|---|
積立期間 | 30年間(50歳~80歳) | 30年間(50歳~80歳) |
元本合計 | 360万円 | 360万円 |
最終資産額 | 約360万円 | 約832万円 |
運用益 | ほぼ0円 (8,640円) | 約472万円 |
50歳から80歳までの30年間、毎月1万円を積み立てた場合、預貯金では元本の360万円とほぼ変わりませんが、新NISAで年利5%の運用ができれば約832万円にまで成長する可能性があります。
50代は定年退職が見え始める時期であり、老後の資金計画を本格的に考え始める年代です。この時期から始めても約472万円の差が生まれることは、決して小さくありません。
新NISAで月1万円積立投資するならこんな方がおすすめ!

新NISAで月1万円の積立投資を始めようと考えているなら、あなたの投資目的や性格によって、その効果は大きく変わってきます。
誰でも始められる制度ですが、とくに向いている人の特徴があります。
新NISAで月1万円の積立投資向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 長期的な資産形成を目指す人
- 税制優遇を活用したい人
- リスクを抑えたい人
いずれも月1万円という少額から始められるため、投資初心者でも無理なく続けられます。それぞれのタイプに合わせた活用法や心構えを見ていきましょう。
長期的な資産形成を目指す人
新NISAは長期的な視点で資産形成をしたい人に最適な制度です。一般的な株式投資では、短期間で大きなリターンを狙うこともあります。一方で、月1万円の積立投資では、時間をかけてじっくりと資産を増やすアプローチが効果的です。
このような投資方法は「時間の分散効果」も期待できます。市場が上がった時も下がった時も一定額を投資し続けることで、平均取得単価を抑える効果(ドルコスト平均法)があるのです。
たとえば株価が下がったときには、同じ1万円でより多くの口数を購入できるため、長い目で見ると有利に働きます。
税制優遇を活用したい人
新NISAの最大の魅力は、投資による利益にかかる税金が非課税になることです。通常、株式や投資信託の売却益や分配金には20.315%の税金(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)がかかります。一方で、新NISA口座での運用益はすべて非課税です。
この税制優遇の効果は、運用期間が長くなるほど大きくなります。たとえば、月1万円を年利5%で30年間運用した場合、課税口座では約100万円の税金がかかりますが、新NISAではこれがゼロになります。
リスクを抑えたい人
「投資はリスクが高い」というイメージを持つ方も多いです。新NISAでは月1万円からコツコツ積み立てることで、リスクを抑えた投資ができます。つみたて投資枠の商品は、金融庁が定めた基準をクリアした低コストで分散投資型のものに限定されるため、初心者でも安心です。
月1万円という少額からの積立なら、万が一の損失も限定的です。全財産を一度に投資するわけではないため、精神的な負担も軽減されるでしょう。また、定期的に一定額を投資するため、高値づかみのリスクも分散できます。
新NISA以外で月1万円を資産運用するならどんな方法がある?

新NISAは優れた資産形成の手段ですが、それ以外にも月1万円から始められる資産運用方法はいくつかあります。
その他の資産運用は以下のとおりです。
- iDeCo
- 貯蓄型保険
- 外貨預金
- 債券投資
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して、自分の目的に合った運用方法を選びましょう。
iDeCo
iDeCo(イデコ)は、公的年金を補完する私的年金制度です。iDeCoの内容を以下の表でまとめましたので、確認しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | 20歳以上60歳未満の国民年金加入者 (第1号〜第3号被保険者) |
掛金上限 | 自営業者:月68,000円 企業年金なしの会社員:月23,000円 企業年金ありの会社員:月20,000円 公務員:月20,000円 専業主婦(夫):月23,000円 |
税制優遇 | 掛金は全額所得控除 運用益は非課税 受取時は退職所得控除または公的年金等控除 |
運用商品 | 投資信託 保険商品 定期預金など自分で選択 |
iDeCoの最大の魅力は、税制優遇が非常に大きい点です。掛金が全額所得控除となるため、所得税・住民税負担の軽減が可能です。
また、通常は20%の税金がかかる運用益も非課税となり、長期投資の複利効果をより高められます。さらに、毎月自動的に引き落とされる仕組みのため、強制的に老後資金を貯められるという利点もあります。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は、保障機能と貯蓄機能を兼ね備えた金融商品です。以下の表で、貯蓄型保険の内容をわかりやすく整理しています。
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 終身保険・養老保険・学資保険・個人年金保険 |
仕組み | 1:毎月保険料を支払い 2:満期時に満期保険金 または解約時に解約返戻金を受け取る |
税制優遇 | 生命保険料控除の対象 (年間最大4万円の所得控除) |
利回り | 0.1〜3%程度(商品による) |
※参照:貯蓄型保険とは? メリット・デメリットや 掛け捨て型との違いを解説|明治安田
貯蓄型保険の最大のメリットは、保障と貯蓄を同時に準備できる点です。万一のときには保険金が支払われるため、家族の生活を守りながら資産形成ができます。気軽に引き出せないため計画的に貯めやすく、保険料控除で税負担の軽減可能です。
また、銀行口座からの自動引き落としにすれば、意識せずに毎月積立られるため、貯蓄習慣が自然と身につきます。
外貨預金
外貨預金は、日本円を外国通貨に交換して預け入れる金融商品です。外貨預金について、以下の表でポイントを整理しています。
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 外貨定期預金・外貨普通預金 |
主な対象通貨 | 米ドル・豪ドル・ユーロ・NZドル・英ポンドなど |
金利水準 | 通貨により異なる (米ドル:1〜3%程度、豪ドル:2〜4%程度) |
為替リスク | 円高になると円換算で元本割れの可能性あり |
手数料 | 為替手数料(往復で1〜3%程度) 入出金手数料など |
外貨預金の最大のメリットは、日本の超低金利環境では得られない比較的高い金利を受けられる点です。米ドルや豪ドルなどは、円預金と比較して高い金利が魅力です。
また、円安が進行した場合には元の預金額に加えて為替差益も期待できるため、二重のリターンを狙える可能性があります。
債券投資
債券投資は、国や企業が発行する「借用証書」に投資する方法です。債権投資の内容は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 国債・地方債・社債・外国債券 |
購入方法 | 証券会社や銀行で直接購入 債券ETFや債券投資信託を活用 |
利回り | 国債:0.1〜1%程度 社債:1〜5%程度(信用力による) |
リスク | 金利上昇時の価格下落リスク 発行体の信用リスク(国債は低リスク) |
特徴 | 満期保有なら原則として元本確保 定期的な利子収入が得られる |
※参照:債券投資のはじめ方|三菱UFJモルガン・スタンレー証券
債券投資の最大のメリットは、株式などの他の投資商品と比較して価格変動が小さく、比較的安定した運用が期待できる点です。とくに国債や高格付けの社債は、信用リスクが低いため安全性が高いといえます。また、定期的な利子収入(インカムゲイン)が得られるため、安定した収入源として活用できます。
満期まで保有すれば原則として額面金額(元本)が返ってくるため、投資期間が明確な資金計画を立てやすいです。個人向け国債は、中途換金の制度もあり、一定の流動性も確保されています。
【まとめ】新NISAで月1万円積立投資しても意味ない?運用益をシミュレーション







