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この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 心療内科・精神科通院歴があると住宅ローンは組めないの?
- 心療内科・精神科通院歴・適応障害の場合に住宅ローンを組みやすくする方法とは?
- 精神疾患が完治するまで待つ
- ワイド団信を活用する
- フラット35を活用する
- 配偶者の名義で住宅ローンを申請する
- 別の金融機関で住宅ローンの再審査をしてもらう
- FPなど住宅ローンの専門家に相談する
- 住宅ローンの審査でお困りの場合はFPの無料相談を活用してみよう
- 【実際どうだった?】心療内科・精神科通院歴・適応障害の方の住宅ローンに関するアンケート
- どのような方法で住宅ローンを組むことができましたか?
- 住宅ローンを組む上で工夫したことがあれば教えてください
- 住宅ローンを組む上で「こうしておけばよかった」と思うことがあれば教えてください
- 心療内科・精神科通院歴・適応障害がある場合は住宅ローンの審査時にバレる?
- どのような場合に心療内科・精神科通院歴・適応障害がバレるのか?
- 団体信用生命保険(団信)の健康告知
- 健康診断書や医療情報の提出が求められる場合
- 心療内科・精神科通院歴・適応障害がバレた場合の審査への影響は?
- 審査が通りにくくなるケース
- 逆に影響が少ないケース
- 【まとめ】心療内科・精神科通院歴・適応障害があると住宅ローンは組めないの?
心療内科・精神科通院歴があると住宅ローンは組めないの?

心療内科・精神科通院歴があるからといって、一概に住宅ローンは組めないとはいい切れません。
ただし、通常に比べ、心療内科や精神科への通院歴があったり適応障害であったりする場合には住宅ローンを組みにくくなることはあります。
住宅ローンを組みにくくなる主な理由として、次の2つがあげられます。
- 団体信用生命保険に加入できない可能性が高い
- 多くの住宅ローンは団体信用生命保険への加入を契約条件としている
- 告知日より3年以内の入院、通院、手術歴(保険会社が指定するもの)
- 現在の契約者の健康状態(持病や障害の有無など)
心療内科・精神科通院歴・適応障害の場合に住宅ローンを組みやすくする方法とは?

心療内科・精神科通院歴がある、または適応障害の場合に住宅ローンを組む方法は以下の6つです。
- 精神疾患が完治するまで待つ
- ワイド団信を活用する
- フラット35を活用する
- 配偶者名義で住宅ローンを申請する
- 別の金融機関で住宅ローンの再審査をしてもらう
- FPなど住宅ローンの専門家に相談する
精神疾患が完治するまで待つ
最も確実な方法は、精神疾患の治療を完了し、完治後に一定期間を待つことです。多くの団体信用生命保険では、告知義務の対象期間を「過去3年以内」(※)に設定しているため、完治から3年以上経過していれば、通院歴を告知する必要がありません。
ただし、完治の判断は医師が行うものであり、自己判断は避けるべきです。主治医と相談し、薬の服用を完全に終了し、安定した状態を保つことが重要です。この期間中は定期的な経過観察を受け、再発防止に努めましょう。
ワイド団信を活用する
ワイド団信(引受条件緩和型団体信用生命保険)は、健康上の理由で通常の団信に加入できない方向けの制度です。一般的な団信と比較して引受条件が緩和されており、適応障害やうつ病などの既往歴があっても加入できる可能性があります。
この制度では、保険会社が引き受けるリスクが高くなるため、通常の住宅ローン金利に0.3%程度(※)の上乗せが必要です。たとえば基準金利が1.0%の場合、ワイド団信を利用すると1.3%程度になる計算です。35年間の返済期間で考えると、総返済額は数十万円から100万円以上増加する可能性があります。
フラット35を活用する
フラット35は住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンで、団体信用生命保険への加入が任意となっている点が大きな特徴です。つまり、健康状態に関わらず、収入や物件の条件を満たせば利用できる可能性があります。
フラット35には住宅ローンの金利が固定されているなどのメリットがあるため、金融情勢による金利変動のリスクがありません。さらに保証人も必要としないため、多くの人が契約しやすい点も大きなメリットのひとつです。
配偶者の名義で住宅ローンを申請する
夫婦のうち一方に通院歴がある場合、健康状態に問題のない配偶者名義で住宅ローンを申し込む方法があります。この場合、申込者である配偶者が団体信用生命保険に加入するため、通院歴のある方の健康状態は審査に影響しません。
ただし、配偶者名義での申し込みには注意点があります。注意点は以下のとおりです。
- 世帯主名義でない理由を聞かれることがある
- 配偶者の収入のみで返済能力を判断されるため
収入面での要件として、金融機関によって基準は異なります。パート勤務の場合でも、勤続年数が長く安定した収入があれば審査通過の可能性があります。また、配偶者の職業や雇用形態によっては、収入の安定性が評価されやすい傾向です。
別の金融機関で住宅ローンの再審査をしてもらう
金融機関によって審査基準や提携している保険会社が異なるため、ひとつの金融機関で断られても、他の機関では承認される可能性があります。以下の金融機関も検討し選択肢を広げましょう。
- 地方銀行
- 信用金庫
- ネット銀行
ただし、短期間に複数の金融機関に申し込みを行うと、信用情報機関に記録が残り「申込ブラック」と呼ばれる状態(※)になる可能性があります。これは新たな審査にマイナスの影響を与える恐れがあるため、計画的に行うことが大切です。
FPなど住宅ローンの専門家に相談する
病気や特別な事情がある場合の住宅ローンは非常に複雑で、一人で判断するには限界があります。ファイナンシャルプランナー(FP)や住宅ローンの専門家に相談することが、成功への近道となるでしょう。
専門家は各金融機関の審査基準や最新の商品情報に精通しており、個別の状況に応じた最適な解決策を提案してくれます。告知書の記載方法についてもアドバイスを受けられるため、告知義務違反のリスクを避けながら適切に対応できます。
住宅ローンの審査でお困りの場合はFPの無料相談を活用してみよう

心療内科への通院歴があることで住宅ローンの審査に不安を感じている方は、専門知識を持つファイナンシャルプランナー(FP)への相談をおすすめします。
FPは住宅ローンの仕組みや各金融機関の審査基準に詳しく、個々の状況に応じた最適なアプローチの提案が可能です。
とくに心療内科の通院歴がある場合、以下の内容を考慮して考えてくれます。
- 金融機関がワイド団信の取扱状況
- フラット35の活用方法
- 配偶者名義での申し込みの可否
安心して住宅ローンを検討するためにも、専門家の力を借りれば、自分に合った選択肢を見つけられます。

【実際どうだった?】心療内科・精神科通院歴・適応障害の方の住宅ローンに関するアンケート
心療内科の通院歴がある方の住宅ローン体験から、多くの学びが得られます。ここでは、同じような状況を経験された方々に以下のようなアンケートを実施しました。
- どのような方法で住宅ローンを組むことができましたか?
- 住宅ローンを組む上で工夫したことがあれば教えてください
- 住宅ローンを組む上で「こうしておけばよかった」と思うことがあれば教えてください
これらの体験談は、現在住宅ローンを検討されている方にとって貴重な参考情報となるでしょう。
どのような方法で住宅ローンを組むことができましたか?

住宅ローンを組む上で工夫したことがあれば教えてください
住宅ローンは金利や返済額だけでなく、将来の収入やライフプランも考慮して慎重に検討することが大切です。とくに心療内科・精神科への通院歴や適応障害がある場合、収入の安定性に不安を感じる方も多く、無理のない借入額や返済計画が求められます。
今回の調査では、個々のリスク対策が明らかになりました。以下の体験談を参考にしてください。

50代女性
貯めていた貯金から頭金を最大限支払った
当面の生活費やビジネス存続に必要な金額は確保して、貯めていた貯金から頭金を最大限支払って、住宅ローンの金額を少なめにしました。私が契約した住宅ローンの利率は3%強でしたが、借入金額が少なめで5年で違約金なしで、残額を一括返済したので無事に完済できました。

30代女性
複数の銀行を比較検討した
住宅ローンを組む際は、まず3つの銀行に相談し、それぞれの審査基準や金利の違いを比較しました。比較することで、自分に合った条件の金融機関を選ぶことができたと思います。また、返済額をできるだけ抑えるために、自己資金を多めに用意し、無理のない返済計画を立てるよう心がけました。

30代女性
日々の生活費を見直してコツコツと貯蓄

30代男性
リスクを避けるため、固定金利型を選んだ
住宅ローンを組む際は、将来の金利上昇リスクを避けるため、固定金利型を選びました。毎月の返済額が一定になることで、家計の見通しが立てやすくなり、長期的な資金計画も立てやすくなります。不安を減らし、安心して返済を続けられるようにした点が、自分なりの工夫です。

20代男性
ペアローンにして限度額に余裕を持たせた
住宅ローンを組む際には、夫婦でペアローンを活用し、借入限度額に余裕を持たせるよう工夫しました。無理のない返済計画を意識しましたが、専門知識がなく不安も多かったです。今振り返ると、専門のFPに相談していれば、安心して物件選びや資金計画ができたと思います。
住宅ローンを組む上で「こうしておけばよかった」と思うことがあれば教えてください
住宅ローンは長期にわたるため、当初は想定していなかった問題に後から気づくことも珍しくありません。今回のアンケートでは、通院歴や精神的な事情を抱える方々が「こうしておけばよかった」と感じた具体的なエピソードが集まりました。
それぞれの体験からは「知っていれば避けられた後悔」が多く見受けられます。以下に紹介する体験談は、これから住宅ローンを組む方にとって、後悔を減らすための大きなヒントになるでしょう。

50代女性
安定収入のあるうちに住宅を購入するべき
現在はフリーランスとして働いており、メインバンクの三菱UFJ銀行で住宅ローンの審査を通すのは非常に難しく感じました。そのため、正社員として安定収入があった時期に住宅購入とローン申請をしておけばよかったと後悔しています。職業や雇用形態によって審査の難易度が大きく変わる点は、事前にもっと調べておくべきでした。

40代男性
途中で固定金利に借り換えるべきだった
今思えば、多少価格が高くても駅に近い物件を選んでおけばよかったと感じています。通勤や将来の資産価値を考えると、立地の良さは重要だったと実感しました。また、ローンも変動金利のままにせず、途中で固定金利に借り換えておけば、将来の金利上昇リスクを避けられたと思います。事前の見通しが甘かったと少し後悔しています。

30代男性
もっと多く借り入れておけばよかった
実際に住宅ローンを組んでみて感じたのは、もっと多く借り入れておけばよかったということです。というのも、住宅ローン控除は借入額が多いほど恩恵を受けやすいため、自己資金を多めに入れたことが結果的にもったいなかったと感じました。税制の仕組みをもっと理解していれば、より有利な資金計画が立てられたと思います。

30代男性
30年ローンにすればよかったかも
25年ローンとしましたが、少し怖くなってきました。というのも、30年ローンでもよかったような気もします。公務員ではないので、会社もどうなるかわかりません。長く、薄くしてもよかったかもしれないと、ちょっとだけ不安がよぎります。

30代女性
精神的な不調で収入が減ってしまった
当時はまさか自分が精神的な不調で収入が減るとは思っておらず、毎月の返済額に余裕を持たせる工夫ができていませんでした。生活状況は予想外に変化するものなので、将来のリスクも見越した返済計画の重要性を痛感しました。こうした経験からも、住宅ローンを組む前に、お金に詳しい方にアドバイスをもらってから契約すればよかったと強く思います。
心療内科・精神科通院歴・適応障害がある場合は住宅ローンの審査時にバレる?
心療内科や精神科への通院歴があったり、適応障害であったりする場合、住宅ローン審査時にバレる可能性は低いです。
一方で、住宅ローンの契約には「団体信用生命保険」への加入が義務付けられているケースがほとんどであり、心療内科や精神科への通院歴がこの保険への加入に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
団体信用生命保険に加入する場合は、事前に契約者本人の健康状態を告知する必要があります。
保険に加入したいからと、健康状態を偽ってしまう行為は告知義務違反といい、違反が保険会社にバレたときには保険金の支払対象外となるので注意が必要です。
万が一の際に保険金を請求する場合には、過去の病歴・通院歴を知られてしまいます。
どのような場合に心療内科・精神科通院歴・適応障害がバレるのか?

住宅ローンの申し込み過程では、心療内科への通院歴が発覚するタイミングは主に以下の2つです。
- 団体信用生命保険(団信)の健康告知
- 健康診断書や医療情報の提出が求められる場合
どちらの場面でも正確な申告が求められ、虚偽の報告は深刻な問題を引き起こす可能性があります。それぞれの具体的な状況と注意すべきポイントについて詳しく解説します。
団体信用生命保険(団信)の健康告知
住宅ローンを申し込む際、ほとんどの金融機関で団体信用生命保険への加入が必須です。団信は住宅ローン契約者に万が一のことがあった際に、保険金でローン残高を清算する仕組みです。
団信の申込書には「過去3年以内(保険会社によっては5年以内)の病気・治療歴」について詳細な告知が求められます。具体的な内容は以下のとおりです。
- 病名
- 治療期間
- 服薬状況
- 入院歴
適応障害やうつ病、不安障害といった精神疾患も当然ながら告知対象です。
健康診断書や医療情報の提出が求められる場合
金融機関によっては、住宅ローン審査の際に健康診断書の提出や詳しい医療情報の開示を求められる場合があります。
これは、告知内容と実際の健康状態に差がないかを確認するためです。とくに高額な借り入れを希望する場合や団信の告知内容に疑問がある場合には、追加の医療調査が実施される可能性が高いです。
心療内科・精神科通院歴・適応障害がバレた場合の審査への影響は?
心療内科への通院歴が発覚した場合の住宅ローン審査への影響は、病状の程度や治療状況によって大きく異なります。必ずしも審査に落ちるわけではありませんが、通常よりも慎重な判断が行われるのが一般的です。
以下のケースを確認しましょう。
- 審査が通りにくくなるケース
- 逆に影響が少ないケース
審査が通りにくくなるケース
現在も治療中で症状が安定していない場合や、重度の精神疾患と診断されている場合は、住宅ローンの審査が非常に厳しいです。重度の精神疾患と診断されている場合は、団体信用生命保険への加入が難しくなることがあります。
過去2年以内に精神科への入院歴がある場合も、審査上大きなマイナス要因です。入院が必要な状態は病状の悪化を示すものとして捉えられるため、保険会社はリスクが高いと判断する傾向にあります。
逆に影響が少ないケース
完治してから3年以上経過しており、現在はまったく症状がない場合は、住宅ローン審査への影響は最小限です。多くの団体信用生命保険では告知対象期間を「過去3年以内」としているため、この期間を超えていれば告知義務そのものが発生しない可能性もあります。
軽度の症状で一時的な治療のみで改善した場合も、比較的審査に通りやすいです。転職や家庭の事情など原因が明らかで、現在は解決済みであれば、再発リスクは低いと評価される可能性があります。
【まとめ】心療内科・精神科通院歴・適応障害があると住宅ローンは組めないの?

心療内科への通院歴があっても、住宅ローンを組むことは十分に可能です。
ただし、団体信用生命保険の健康告知により通院歴は発覚するため、正直な申告が必要です。審査が厳しくなるケースもありますが、ワイド団信やフラット35の活用や複数の金融機関での検討など、さまざまな対策が存在します。
完治から3年以上経過している場合や軽度の症状であれば、審査への影響は限定的です。一方で、現在治療中や重篤な診断を受けている場合は、通常の住宅ローンでの承認が困難になる可能性があります。しかし、適切な対策を講じることで、マイホームの夢を諦める必要はありません。
心療内科の通院歴がある方の住宅ローン選びは複雑で、専門的な知識が必要であるため一人で判断するには限界があります。マネーキャリアなら住宅ローンと保険の両方に精通したFPが在籍しており、心療内科の通院歴がある方でも安心して相談可能です。
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